添付一覧
(4) 作業環境条件によりその品質に悪影響が及ぶおそれのある製品には、次のものが含まれうること。
ア.滅菌医療機器に係る製品
イ.電子回路やソフトウェアが静電気放電に影響されやすい製品
(5) 第4項の「特殊な作業環境」には、例えば、長時間さらされた場合に危険な温度に管理された室内、有害なガスに暴露される可能性のある場所等が含まれうること。
(6) 第5項の「汚染された又は汚染された可能性のある製品等」には、例えば修理依頼のために返却された製品が含まれうるものであること。
(7) 第5項の実施要領には、例えば、返却された製品としての特別な識別、身体に接触して使用される可能性のある製品等の特別な取扱い、特別な修理や手直し等が含まれうるものであること。
26.第26条(製品実現計画)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.1 Planning of product realization」に相当するものであること。
(2) 製品実現計画は、第14条第1項の品質管理監督システムの計画と相矛盾せずに、個別の製品について、製品実現に関連する工程に関し策定されるものであること。
(3) 第5項の「製品実現に係るすべての工程における」とは、第5節の製品実現に係る各工程すべてを見渡した上で、そのうちリスクマネジメントの対象とすべきもの及びその結果を適用すべきものについてという趣旨であること。
(4) 第5項の「リスクマネジメントに係る要求事項書」は、製品全般に係る一般的なリスクマネジメントの要求事項に関してまず作成した上で、各製品ごとの製品実現計画の策定に際し、当該製品の特性等を勘案の上、具体的に作成することが望ましいものであること。
(5) 第5項、第6項の規定に基づくリスクマネジメントに係る要求事項書の作成及び記録の作成、保管は、第4条第1項の規定に基づき設計開発に係る規定(第30条から第36条まで)が適用されない医療機器についても求められるものであること。
27.第27条(製品要求事項の明確化)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.2.1 Determination of requirements related to the product」に相当するものであること。
(2) この条は、設計開発を行おうとする製品、既存の製品のいずれにも適用されうるものであること。
28.第28条(製品要求事項の明確化)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.2.2 Review of requirements related to the product」に相当するものであること。
(2) 第1項の「製品の供給に関与するに当たって」とは、例えば取決めの受諾、取決めへの変更の受諾等が含まれうるものであること。
(3) 第3項の「第1項の照査の結果に係る記録」とは、照査を行った者の署名及び日付程度でよいものであるが、それに基づき採った措置についてはその主な内容をより詳細に記録すること。
29.第29条(製品受領者との情報の伝達)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.2.3 Customer communication」に相当するものであること。
(2) この省令の規定の実施のほか、GQP省令、GVP省令等に基づく製品受領者との情報伝達のうち必要なものについて対象にすること。
30.第30条(設計開発計画)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.3.1 Design and development planning」に相当するものであること。
(2) 第2項の規定に基づき、設計開発の各活動に関する設計開発計画を作成し、当該計画に基づき、設計開発に係る業務の進行を管理すること。
(3) 第3項第3号及び第4項の規定に基づき、設計開発に携わる各者間の組織上及び技術上の相互関係を明確にするとともに、必要な情報が実効性をもって伝達される仕組みを構築し管理監督すること。
31.第31条(設計開発に係る工程入力情報)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.3.2 Design and development inputs」に相当するものであること。
(2) 設計開発に係る工程入力情報は、設計開発の検証やバリデーションといった、設計開発に係る業務を効果的・効率的にするために、適切な範囲、程度のものを対象とすべきものであること。
32.第32条(設計開発に係る工程出力情報)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.3.3 Design and development outputs」に相当するものであること。
(2) 設計開発に係る工程出力情報としては、次のものが含まれうるものであること。
ア.製品等に係る仕様(仕様書、図面等)
イ.製造及びサービス提供における手順及び作業環境に係る要求事項
ウ.包装及び表示に係る要求事項
エ.識別に係る要求事項
オ.追跡可能性に係る要求事項
カ.附帯サービスに係る要求事項
(3) 第4項の「設計開発に係る工程出力情報の記録」は、第30条第2項の設計開発計画に従って設計開発に係る工程出力情報が得られたことを実証する記録が含まれうるものであること。
33.第33条(設計開発照査)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.3.4 Design and development review」に相当するものであること。
(2) 設計開発照査を行うべき時期については、あらかじめ第30条第2項の設計開発計画において定めておくべきものであること。
(3) 設計開発照査において考慮すべき事項には、次の事項が含まれうるものであること。
ア.当該設計開発に係る工程入力情報は十分なものであるか。
イ.当該設計開発に係る製品の製造を実現する上で製造所の工程の能力で十分であるか。
ウ.安全に関する考慮はなされているか。
(4) 第3項の「設計開発照査の結果の記録」には、実施した年月日、出席者の氏名、所属名、職名等が含まれうるものであること。
34.第34条(設計開発の検証)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.3.5 Design and development verification」に相当するものであること。
(2) 検証には、実証されている設計との比較、試作品等が作成された場合においては試験検査が含まれうるものであること。
(3) 製品の安全と性能は実際の使用状況を最大限代表している条件の下で検証されるべきものであること。
35.第35条(設計開発バリデーション)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.3.6 Design and development validation」(他法の規定に係るものを除く。)に相当するものであること。
(2) 第1項に規定する設計開発バリデーションは、設計開発の検証に合格した後、実際の製造工程で製造された、最終製品又はその形態となっている試作品に対して、実際の又はシミュレートされた使用条件の下で行うものであること。
(3) 第2項に規定されているとおり、あらかじめ設計開発バリデーションを完了していなければ、原則として、製造所から当該製品の出荷を行ってはならないこととされていることに留意すること。
(4) 設計開発バリデーションには、適切な関連学術文献、既に市販されている類似かつ妥当な製品等を基にした臨床評価、実際の検査の環境において体外診断用医薬品が意図したように機能するかどうかの性能評価等も含まれうるものであること。
36.第36条(設計開発の変更の管理)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.3.7 Control of design and development changes」に相当するものであること。
(2) 設計開発の変更としては、次のものが含まれうるものであること。
ア.製品受領者によって要求された変更。
イ.設計開発照査、設計開発検証又は設計開発バリデーションにおいて必要とされた変更。
ウ.是正措置又は予防措置において必要な変更。
(3) 第4項の規定に基づき、第2項の規定による設計開発の変更の照査の結果に係る記録を作成する場合においては、変更の内容についても記載すること。
37.第37条(購買工程)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.4.1 Purchasing process」に相当するものであること。
(2) 構成部品等のうち特に品質に影響を及ぼすものについては、医療機器の製造業者が行う購買時の検査だけでは十分にその品質を確保できない場合があり、構成部品等の購買管理は、製品の品質を管理するための必要要件の一つであること。
(3) 第2項の「購買物品に適用される管理の方法」とは、次の事項を含むものであること。
ア.購買物品の輸送に関する事項
イ.受渡時の購買物品の試験検査に関する事項
ウ.イ.における試験検査に適合しない購買物品の取扱いに関する事項
(4) 第2項の規定に基づき、その後の製品実現又は最終製品に及ぼす影響の大きなものとして定めた構成部品等及び製造用物質については、個々の製品ごとに、該当するものを製品標準書において規定するほか、第48条(追跡可能性の確保)及び第49条(特定医療機器に係る製品の追跡可能性の確保)の規定に基づき適切な程度の追跡可能性を確保すること。また、その指定の基準については、手順書において明らかにしておくこと。
(5) 第3項の「購買物品の供給者を評価」の方法としては、製造業者等自身による供給者における品質管理監督システムの監査によるものから、供給者の品質管理監督システムの認証等の履歴の評価まで含まれうるものであり、製造業者等として、その製品に及ぼす影響等を勘案し適切な方法を選択すべきものであること。
(6) 第4項の「購買物品の供給者の選定、評価及び再評価に係る判定基準」については、製品に及ぼす影響等を勘案し適切なものとすべきものであること。
38.第38条(購買情報)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.4.2 Purchasing information」に相当するものであること。
(2) 第3項の規定を勘案し、第48条第2項の規定に基づき必要な追跡可能性を定める上においては、作成及び保管すべき購買情報が記載された文書及び記録としてどのようなものが求められるかを定めておくべきものであること。
(3) 例えばある構成部品を購買するときに拠った仕様書の版に係る情報が、製品の追跡可能性の確保上重要であれば、当該情報は購買情報が記載された文書又は記録の一部として保管されるべきものであること。
39.第39条(購買物品の検証)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.4.3 Verification of purchased product」に相当するものであること。
(2) 購買物品の試験検査の方法、頻度等については、製品標準書において規定しておくこと。
(3) この条は、購買物品を受領するに当たり金銭の支払いがなされるか否かにかかわらず、製造業者等の品質管理監督システムの外部から受け取られる物品(例えば同一法人の他の製造所において製造された製品を購買物品として受け入れることが考えられる。)のすべてに適用されるものであること。
40.第40条(製造及びサービス提供の管理)(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.1 Control of production and service provision」に相当するものであること。
(2) 第2項の記録は、いわゆる製造記録を指すものであり、次の情報に係る記録又はその関連の文書のタイトルと場所を含みうるものであること。
ア.製品の名称及びロット番号又は製造番号
イ.製造工程名及び作業年月日
ウ.構成部品等の名称、ロット番号又は製造番号及び使用量、配合量若しくは仕込量
エ.資材の名称、管理番号及び使用量
オ.各製造工程においての出来高量並びに理論収量に対する収率
カ.試験検査の結果及びその結果が不適であった場合において採られた措置
キ.記録者名及び記録年月日
ク.その他製品の製造に関する記録として必要な事項
(3) 第2項の記録は、第48条第1項の規定に基づき作成した追跡可能性の確保に係る手順書において、同条第2項の規定に基づき規定した、製品ごとの追跡可能性の確保の程度及びそのために必要な記録に係る要件に合致している必要があること。
41.第41条(製品の清浄管理)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.1.2.1 Cleanliness of product and contamination control」に相当するものであること。
(2) 「要求事項書を作成」とは、必ずしも単独の文書を作成することを求めているものではなく、当該要求事項を、製品標準書等に記載し規定することで足りるものであること。
(3) 第1号の規定は当該製造業者等がその清浄化工程を実施するに当たっての、第2号及び第3号の規定は当該製造業者等が製品を出荷するに当たっての、及び第4号の規定は当該製造業者等が製造用物質を除去するに当たっての当該製品の清浄に係る要求事項書を作成することをそれぞれ求めているものであること。
42.第42条(設置業務)関係
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.1.2.2 Installation activities」の一部に相当するものであること。
(2) 第2項の規定に基づき製造販売業者に提供される要求事項書は、施行規則第93条(設置に係る管理に関する文書)の規定に基づき、製造販売業者が設置管理基準書を作成するための基礎資料となるものであること。
(3) 要求事項書は、医療提供施設等において医療機器を正しく設置するという観点から作成するものであり、インターロック等安全制御機構及び安全制御回路の設置については、特に留意すること。作成に当たっては、作業中における混同、手違い等の人為的な誤りを防止するための方法を確立しておくこと。
(4) 要求事項書への具体的記載事項としては、下記のものが含まれうるものであること。
ア.作業員の安全確保対策
イ.使用上必要となるスペース(縦、横及び高さ)
ウ.換気に必要となるスペース
エ.設置に必要な建築物の強度
オ.使用する電源設備の容量
カ.使用する保護接地、追加保護接地、機能接地及び等電位化設備の種類及び施工方法
キ.設置時の作業現場及び周辺環境への影響(電離放射線、電磁波傷害等)
ク.設置時の作業現場及び周辺環境の管理条件及び管理方法
ケ.設置に用いる部品、ユニット、工具等の取扱方法
コ.設置方法(組立作業を行う必要がある場合には、組立方法を含む。)
サ.設置された医療機器の品質、性能及び安全性の確認方法
シ.設置時の作業現場において利用するチェックリスト
ス.その他必要な事項
(5) なお、大型の医療機器等、実際の設置の作業を行うに際して市場への出荷可否決定を行わざるを得ない製品の市場への出荷については、次の要領によること。
ア.製造業者(GQP省令の規定に基づき、市場への出荷の可否決定を行うことを委託されている者に限る。)は、製造又は輸入等した製品を引渡し先(設置場所)に持ち込む。
イ.設置に当たり、当該製造業者が、機器・体外診QMS省令の規定に基づき外観検査等、市場への出荷可否決定に必要な試験検査を行い、当該製造業者としての製造行為を完了させること。なお、この場合の手順等は、当該製造業者として、機器・体外診QMSに基づく製品標準書又は手順書において規定しておくほか、製造販売業者の品質管理業務手順書等にも適宜反映すること。
ウ.外観検査を含め製造行為を完結させるのに必要な試験検査をすべて製造業者で終了させ、GQPの規定に基づき市場への出荷の可否の決定が行われる。
エ.出荷可とされた後に、(製造販売業者を経由して)販売業者等に所有権が移転するとともに、製造販売業者から当該販売業者等(又はその委託を受けた者)に対し設置管理基準書が交付される。
オ.当該販売業者等(又はその委託を受けた者)は、設置管理を行う。
43.第43条(附帯サービス業務)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.1.2.3 Servicing activities」に相当するものであること。
(2) ここでいう「附帯サービス」とは、製品を製造し、供給することに伴い附帯するサービスをいうものであり、修理業務、保守業務のほか、例えば技術的助言の提供、ユーザーの教育、予備部品の供給等が含まれうるものであること。
(3) 法第40条の2の規定により、医療機器の修理業の許可を受けた者でなければ、業として、医療機器の修理をしてはならない(医療機器の製造業者(医療機器包装等製造業者を除く(施行規則第196条))が、自ら製造をする医療機器を修理する場合を除く。)こととされていることに留意すること。
(4) 製品標準書及び手順書に規定されている方法により製品の修理をする際において、不適合製品を発見した場合においては、第60条(不適合製品の管理)の規定により適切な管理を行うこと。
44.第44条(滅菌製品の製造管理)関係
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.1.3 Particular requirements for sterile medical devices」に相当するものであること。
(2) 第3項は、製造所として全般的に要求する構造設備のうち、製造する製品により要否を判断する構造及び設備について規定されたものであり、製品に照らし合わせて構造設備の要否が判断されるものであること。
(3) 第3項第1号の「製造工程に応じ、じんあい又は微生物による汚染を防止するのに必要な構造及び設備」とは、滅菌医療機器に係る製品の組立作業及び包装作業を行う作業室は、密閉構造(作業室の出入口及び窓等が密閉することができる構造のものをいう。)であり、かつ、空気調和装置等の設備を有していることを意味するものであること。
45.第45条(製造工程等のバリデーション)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.2.1 Validation of processes for production and service provision-General requirements」に相当するものであること。
(2) 第1項の規定によりバリデーションの対象とすべき工程として、少なくとも、滅菌処理に係る製造工程等が含まれうるものであること。
(3) 第4項の「ソフトウェアの適用のバリデーション」とは、そのソフトウェアが意図した通りに適用されるかどうかを確認するものであること。
(4) 第4項の規定に基づき、ソフトウェアに係る変更及びソフトウェアの適用に係る変更についてもバリデーションを適切に実施することにより、製品要求事項への適合に影響を及ぼす製造及びサービス提供に適用されるソフトウェアに不適切な変更が加えられないよう、適切な管理を図るべきものであること。
(5) 第5項の規定は、その施行の際に既に使用しており、その使用に妥当性があると考えられるソフトウェアには適用しない。
46.第46条(滅菌工程のバリデーション)関係
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.2.2 Particular requirements for sterile medical devices」に相当するものであること。
(2) 第1項の規定により滅菌工程のバリデーションに係る手順書を作成するときは、「滅菌バリデーション基準」に基づき、滅菌バリデーションが適切に行われるよう適切に規定すること。
(3) 第2項の「(滅菌工程の)初回実施」とは、当該製造所において滅菌製品を初めて製造する場合のほか、新たな滅菌工程を追加した場合等を含むものであること。
47.第47条(識別)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.3.1 Identification」に相当するものであること。
(2) 識別は、製造中における構成部品等の管理、製品の出所や状態の実証、追跡可能性の確保、品質に係る問題が発生した場合における原因究明等のために重要なものであること。
(3) 第1項の規定に基づき識別表示により区分を行うべきものとして、製品のほか、必要に応じて構成部品等、中間製品、製造用物質等についてもその対象となるものであること。
48.第48条(追跡可能性の確保)(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.3.2.1 Traceability-General」に相当するものであること。
(2) 第1項に規定する「追跡可能性」とは、購買された構成部品等や製造用物質といったいわゆる上流方向と、製造所から出荷されるまでのいわゆる下流方向との両方向において、履歴、適用又は所在を追跡できる状態にあることをいうものであること。
49.第49条(特定医療機器に係る製品の追跡可能性の確保)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.3.2.2 Particular requirements for active implantable medical devices and implantable medical devices」の一部に相当するものであること。
(2) このISO13485:2003の要求事項においては、いわゆる能動植込み医療機器及び植込み医療機器全般に適用されるが、我が国においては特定医療機器制度が既にあることから、この省令においては、法第77条の5第1項に規定する特定医療機器に係る製品に適用することとしたものであること。なお、この条の趣旨は、法第77条の5の規定に基づく特定医療機器の承認取得者等による特定医療機器利用者の氏名、住所等の記録の作成及び保管、特定医療機器を取り扱う医師その他の医療関係者による特定医療機器承認取得者等への情報提供等と相俟って達成されるものであること。
(3) なお、特定医療機器に係る製品以外の製品について、追跡可能性を確保するための管理を行うことを妨げるものではないこと。
(4) GQP省令第25条第1項で準用する第9条第5項の規定に基づき、特定医療機器の市場への出荷の可否の決定を行う製造業者にあっては、荷受人の氏名及び住所に係る記録を作成し、当該記録に係る情報ついて製造販売業者又は選任製造販売業者に提供することを確実にすること。
50.第50条(製品の状態の識別)(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.3.3 Status identification」に相当するものであること。
(2) この条は、第47条の規定とは別に、適合製品のみが製造所から出荷されることを確保することを主目的とした識別を確保しようとするものであること。
(3) 第1項の「状態」としては、製品要求事項を完全満たしているものと判定されている状態、特別採用の下で製造所からの出荷決定がなされている状態、製造所からの出荷可否決定のための試験検査待ちの状態、製造所からの出荷可否決定の結果不適合製品とされた状態等が含まれうるものであること。
51.第51条(製品受領者の物品)(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.4 Customer property」に相当するものであること。
(2) 「製品受領者の物品」としては、例えば製品受領者から供給された表示物等を含むものであること。
52.第52条(製品の保持)(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.5.5 Preservation of product」に相当するものであること。
(2) 製品の適合性を保持する上で、特に留意すべき事項としては、輸送時等において受ける衝撃、腐食、温度差、静電気放出等による損害、劣化、汚染等からの保護が重要であること。
(3) 第2項の使用の期限が限定された製品については、その使用の期限が切れたものは、不適合製品として第60条の規定により適正に管理されることを確保すること。
53.第53条(設備及び器具の管理)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「7.6 Control of monitoring and measuring devices」に相当するものであること。
(2) 第三項に規定する「校正」を行う場合においては、必要とされる精度を考慮して実施しなければならないこと。また、校正の対象となる計器の範囲、校正の頻度及び校正の方法については、製品標準書及び手順書において規定しておくこと。
54.第54条(監視測定、分析及び改善)(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.1 Measurement,analysis and improvement-General」に相当するものであること。
55.第55条(製品受領者の意見)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.2 Feedback」に相当するものであること。
(2) 第3項の「製品の品質に係る問題」とは、製品の品質並びに製品の直接の容器及び直接の被包、外部の容器及び外部の被包、表示物等に係る問題をいうものであること。
(3) 第3項の「製品受領者からの意見」は、製品を受領する製造業者や製造販売業者からの苦情等にとどまらず、次に掲げるものが含まれうるものであること。
ア.製品受領者に対して行った調査
イ.製品受領者からの苦情
ウ.製品受領者要求事項
エ.規制当局からの指摘
オ.サービス提供に係るデータ
(4) 第3項の「早期に警告を発する」とは、製造業者等の内部において、情報を得てから迅速に措置が採られることをいうものであること。
(5) 第3項の「意見収集の仕組み」とは、意見の内容(対象製品の名称、型式、包装形態及び試験検査単位番号、発生年月日、発生場所、申出者住所氏名、内容及び申出経緯)を把握し、原因究明(対象製品の調査(調査した市場名、流通状況、使用状況、受入先製造所の製造管理及び品質管理に関する状況等、試験検査記録の調査、製造記録の調査)を行い、原因究明の結果に基づく判定を行うものであること。
56.第56条(内部監査)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.2.2 Internal audit」に相当するものであること。
(2) 内部監査は、当該製造所において製品の製造管理及び品質管理が適切に行われているかを評価するために、その実効性も含め定期的に実施されていなければならないものであること。他方で以下のような目的のために特別な内部監査を必要に応じて実施すること。
ア.組織変更や手順書の改訂など重大な変更がなされたとき
イ.製品が不適合となる可能性が認められたとき
ウ.是正措置が採られ、それが有効であったか検証の必要性があるとき
エ.その他
(3) 第6項の「内部監査の結果の報告」は、見いだされた不適合と、それらに対する必要な是正措置等を指摘する書面の形式によるものであること。また、原則として内部監査での指摘事項への回答又は対応には適切な期限を設けること。
(4) 内部監査の結果は、適切に伝達がなされ、必要なものについて適切に管理監督者照査に付されるようにすること。
57.第57条(工程の監視測定)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.2.3 Monitoring and measurement of processes」に相当するものであること。
(2) この条は、第5条第2項第1号において明らかにされた工程により構成される品質管理監督システムが、第14条第1項の計画に定めた結果を得ることができることを実証するために、第5条第2項第3号の判定基準及び方法を用いて当該工程を監視測定することを定めているものであること。
58.第58条(製品の監視測定)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.2.4 Monitoring and measurement of product」に相当するものであること。
(2) この条の規定の趣旨は、規格等に適合しない製品等を次工程へ流してはならない、又は出荷を認めてはならないという趣旨であること。この観点から、製品標準書及び手順書を作成すること。また、出荷の可否の決定のされていない製品を出荷してはならないものであること。
(3) この条の規定を実施する上で、当該職員に外部試験検査機関等を利用して試験検査を行わせ、又は自己の責任で外部試験検査機関等へ試験検査を依頼し、この結果を判定する場合においては、当該試験の委託に関し必要な技術的条件及び検体の運搬時における品質管理の方法、連絡方法等を取り決めておくこと。
59.第59条(特定医療機器に係る製品の監視測定)関係
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.2.4.2 Particular requirements for active implantable medical devices and implantable medical devices」に相当するものであること。
(2) なお、特定医療機器に係る製品以外の製品について、追跡可能性を確保するための管理を行うことを妨げるものではないこと。
60.第60条(不適合製品の管理)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.3 Control of nonconforming product」に相当するものであること。
(2) 「不適合製品」とは、試験検査の結果、製品標準書において定められている規格等に対して不適合であると判定された製品、製造用物質及び構成部品等をいうものであること。同条については、表示内容に変更があった場合にも適用されること。この場合、当該表示に係る変更前の構成部品等について、すみやかに廃棄等必要な措置を講ずること。
(3) 不適合製品が回収されたときは、回収原因の究明等のため、必要な措置がなされるまでの期間、第1項の規定に基づき、意図しない使用若しくは操作又は製造所からの出荷を防ぐよう適切な管理を行うこと。
(4) 第3項及び第4項の規定に基づく特別採用の手続きを適正なものとするために、第2項の手順書の作成に当たっては、例えば該当する具体的な法令の規定等への適合の確認手続きを規定する等、遺漏無きようにすること。
(5) 第10項の規定に関し、製造し直すことが製品に及ぼす悪影響がない場合においても、その旨を明確に文書化することが求められていること。
(6) 第10項の文書化において、必ずしもそのための独立した文書を作成することを求めているものではなく、例えば新たに作成する作業指図書において適切に記載することでも足りるものであること。
61.第61条(データの分析)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.4 Analysis of data」に相当するものであること。
(2) この条に基づくデータ分析の結果は、管理監督者照査に付された際に適切な判断と措置を導くために、適切に整理すること。
62.第62条(改善)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.5.1 Improvement-General」に相当するものであること。
(2) 「通知書」とは、第2条第24項に規定されているとおりであり、例えば回収を行う際に関係者に通知する文書が含まれうるものであること。
(3) 第2項の「通知書の発行及び実施に係る手順書」においては、次に掲げる手順を含めるべきもであること。
ア.責任者が不在でもその手順が実施できるような管理体制
イ.是正措置の開始を決定する管理者のレベル、及び影響を受ける製品の特定方法
ウ.返品の処分。例えば手直し、再包装、廃棄を決定する仕組み
エ.連絡の仕組み
(4) 通知書への記載事項には、次に掲げる事項が含まれるものであること。
ア.当該製品に係る医療機器又は体外診断用医薬品の名称
イ.当該製品に係る医療機器又は体外診断用医薬品のロット番号又は製造番号
ウ.通知書を発行する理由
エ.予想される危害又は講じるべき処置
(5) 第3項の製品受領者の苦情についての調査は、第55条の規定も踏まえ適時適切に行うべきものであること。
(6) 第6項の規定を踏まえ、製造業者等であっても、不具合に関する事項を知った場合において当該事項をその製品に係る製造販売業者等に通知するための手順書を作成し、適正に実施することが求められていること。
63.第63条(是正措置)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.5.2 Corrective action」に相当するものであること。
(2) 第2項第4号の「所要の是正措置の明確化」には、是正措置の実施責任者の特定、是正措置の実施時期と実施方法等が含まれうるものであること。
(3) 第2項第6号の是正措置の実効性についての照査には、採られた是正措置により新たなリスクがもたらされないかについての検証が含まれうるものであること。
(4) 是正措置を行う場合においては、可能な限り効果的なものとするために、問題となる製品の製品受領者の特定、影響を受ける可能性のある他の製品、工程等の調査、不適合の根本的な原因の把握等に努めるべきものであること。
64.第64条(予防措置)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003の「8.5.3 Preventive action」に相当するものであること。
65.第65条(責任技術者(製造管理者))関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) 第1項第1号の「製造管理及び品質管理に関する業務を統括する」とは、責任技術者又は製造管理者は、製造所において、製造管理及び品質管理に関する業務全般を管理し、当該業務の最終的な権限と責任を有することをいうものであること。
(2) 第1項第1号の「製造管理及び品質管理の結果を適正に評価して製品の製造所からの出荷の可否を決定する」とは、製造された製品について、第67条第8号の規定により報告を受けた文書等により、製造所からの出荷の可否を決定するものであり、この決定を受けていない製品を製造業者は出荷してはならないものであること。
(3) 第1項第3号の「内部監査が適切に行われていることを確認すること」とは、内部監査が適切に行われていることの確認を行うことをいうものであり、さらに内部監査の結果、業務が適切に行われていない場合には、製造業者へ報告を行うものであること。
(4) 第2項の「支障を生ずることがないようにしなければならない」とは、製品の品質に影響を及ぼすおそれのある業務に従事するすべての者の責任、権限及び相互関係の明確化並びに当該業務に必要な人的及び物的資源の配分等、責任技術者又は製造管理者が製品の品質確保の業務を円滑に実施できるよう積極的に支援しなければならないという趣旨であること。
66.第66条(製造管理及び品質管理に係る文書)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) 「製品標準書」とは、個々の製品の設計、製造、修理等に関する文書自体を綴ったもの又はこれらの文書の所在を綴ったものをいう。具体的な記載事項については6.に準じること。
(2) 製品標準書及び手順書については、次の点にも留意して作成すること。
ア.各作業中における混同、手違い等を防止するため、作業の実施状況等を明確に区別するための方法を確立しておくこと。
イ.製造に当たっては適切な設備を使用すること。
ウ.適切な工程の変動要因及び製品特性の監視を行うこと。
(3) 製品標準書及び手順書は、不良品の発生を防止するとともに、より良い品質の製品を製造するという観点から、各作業中における混同、手違い等の人為的な誤りを防止するため、作業の実施状況等に関する明確な識別の方法を確立し、作成すること。必要に応じ、適切な統計学的方法を導入すること。
(4) 製品標準書及び手順書は、必要に応じて更新し、常に適正な内容のものとしなければならないこと。また、作成の承認者及び年月日並びに改訂した場合には改訂の承認者、年月日、内容及び理由を記載すること。
(5) 製品標準書及び手順書を活用して製品の品質確保を効果的に実施しなければならないこと。
(6) 第2項の「手順書」とは、苦情処理、回収処理、自己点検、教育訓練等に係る業務を円滑かつ適切に実施できるようにその手順を明確にした文書であること。
(7) 製造管理に関する手順書には、次の事項を含むものであること。
ア.製品及び資材の受入れ時、保管時及び出荷(出庫)時の注意事項(返品予定品の取扱いに関する事項を含む。)
イ.設備等の管理に関する点検事項(計器の校正を含む。)及び事故発生時の注意事項
ウ.構造設備の衛生管理に関する次の事項
(ア) 清浄を確保すべき構造設備に関する事項
(イ) 構造設備の清浄の間隔に関する事項
(ウ) 構造設備の清浄作業の手順に関する事項
(エ) 構造設備の清浄の確認に関する事項
(オ) その他構造設備の衛生管理に関する事項
(8) 品質管理に関する手順書には次の事項を含むものであること。
ア.製品及び資材の試験検査についての検体の採取方法に関する事項
イ.検体の採取場所の指定に関する事項
ウ.試験検査結果の判定に関する事項
エ.判定結果の責任技術者又は製造管理者への報告に関する事項
オ.試験検査に関する設備及び器具の点検整備(計器の校正を含む。)に関する事項
カ.再試験検査を必要とする場合の取扱いに関する事項
キ.製品の試験検査を外部試験検査機関等を利用して行う場合には、検体の送付方法及び試験検査結果の判定方法に関する事項
67.第67条(製造管理及び品質管理)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) 第1号の「製造管理における指示事項、注意事項その他必要な事項」とは、次の事項をいうものであること。
ア.指図者及び指図年月日
イ.製品に係る医療機器の名称、外観及び試験検査単位番号
ウ.製品の包装、表示又は保管、及び出納に関する作業上の指示又は注意事項
エ.資材に関する指示又は注意事項
(2) 「計器の校正」とは、標準器、標準試料等を用いて計測器の表す値と真の値との関係を求めることをいう。
(3) 第7号に規定する「校正」を行う場合においては、必要とされる精度を考慮して実施しなければならないこと。また、校正の対象となる計器の範囲、校正の頻度及び校正の方法については、製品標準書及び手順書において規定しておくこと。
(4) 包装等製造業者の製造管理及び品質管理業務は、責任技術者又は製造管理者の管理の下で、業務の内容に応じてあらかじめ指定した者(責任技術者又は製造管理者自らが実施する場合を含む。)が実施すること。この場合、「あらかじめ指定した者」とは、業務の内容を熟知した職員をあらかじめ当該業務の責任者として指定し、当該業務の責務等を文書において適切に規定しておくこと。
(5) 「作業指図書」は、原則として試験検査単位ごとに発行しなければならないものであること。
(6) 第3号の「製品の製造に係る記録」には、次の事項が記載されていなければならないものであること。
ア.製品に係る医療機器の名称、試験検査単位番号及び数量
イ.製造工程名並びに作業の開始及び終了の年月日
ウ.各製造工程がにおいて、製品標準書及び手順書にしたがって作業がなされたことの確認
エ.製造に係る作業中に採られた措置
オ.記録者名及び記録年月日
カ.有効期間又は使用期限の記載が義務付けられている医療機器に係る製品の場合にあっては、最終有効期間又は最終使用期限
キ.工程管理が適切に行われていることの責任技術者による確認
(7) 第4号の記録には、次の事項が記載されていなければならないものであること。なお、これらの事項がこの省令に定める他の記録に記載されている場合においては、第4号の記録として別に作成することは要しないこと。
ア.製品の名称、試験検査単位番号及び数量
イ.表示及び包装作業それぞれの作業開始及び終了年月日
ウ.記録者名及び記録年月日
エ.表示及び包装作業が適切に行われていることの責任技術者による確認
(8) 第5号の「適正に保管し、出納を行い」とは、次のことをいうものであること。
ア.製品及び資材を、明確に区分された場所に保管すること。
イ.製品及び資材は、各種類ごとに試験前後のものを、表示又は区分等を適切に行うことによって保管すること。また、試験検査の結果、不適と判定されたものについては、他のものと明確に区分された場所に保管すること。
ウ.製品、製造用物質及び構成部品等の保管については、それぞれの保管条件に従って品質に影響のないように行うとともに、関係法令によって保管条件が定められているものについては当該条件に従って保管すること。
エ.製品の保管及び出納について、製品ごと、ロットごとに、入庫年月日、入庫数量、保管中に採った措置、出庫数量及び出庫先を記載した記録を作成すること。
(9) 第5号の「記録」には、製品ごと、かつ、試験検査単位又は管理単位ごとに、次に掲げる事項を記載しなければならないものであること。
ア.入庫年月日及び入庫数量
イ.保管中に講じた措置
ウ.試験検査の結果が不適であった場合の措置
エ.有効期間又は使用の期限の記載が義務付けられている医療機器又は体外診断用医薬品に係る製品の場合にあっては、有効期限又は使用期限
オ.保管及び出納が適切に行われていることの確認
カ.出荷年月日、出荷数量及び出荷先
(10) 第6号の「適正に試験検査を実施」するために、製品標準書及び手順書については、次の点にも留意して作成すること。
ア.測定項目及び必要な精度を規定しておくこと。
イ.規定した測定項目について必要な精度、確度及び感度を有する適切な設備を使用すること。
ウ.試験検査の結果、規格基準に対して適合であるか不適合であるかを明確に区別するための方法を確立しておくこと。
エ.再試験検査を実施する場合においては、その条件及び合否判定基準を確立しておくこと。
(11) 第6号の試験検査の記録としては、次の事項が記載されていること。なお、これらの事項がこの省令に規定する他の記録に記載されている場合においては、あらためて第6号の記録を別に作成する必要はないこと。
ア.試験検査の対象である製品の名称、試験検査単位番号及び数量
イ.試験検査項目、合否判定基準、試験検査実施年月日、使用した試験検査の設備及び器具の名称、試験検査担当者名並びに試験検査結果(規格基準に適合している場合においては合格した数量を含む。)
ウ.抜取り試験を行う場合においては、検体名、検体に係る試験検査単位番号、抜取り方法、抜取りを行った者の氏名と年月日
(12) 第7号の構造設備に係る計器の校正は、必要とされる精度を考慮して実施しなければならないものであること。また、校正の対象となる計器の範囲、校正の頻度及び校正の方法については、手順書において規定しておくこと。
68.第68条(不適合製品の管理)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) 第3号の「不適合の内容」とは、不適合となった理由、不適合となった製品の名称、型式、包装形態、数量及び試験検査単位番号をいうものであること。
(2) 第3号の「不適合製品に対して採られた処置」とは、原因究明(不適合製品の調査結果(流通状況、使用状況、受入先製造所の製造管理及び品質管理に関する状況等)、試験検査記録の調査結果、製造記録の調査結果)、原因究明の結論、改善措置の状況をいうものであること。
69.第69条(是正措置)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) 63.に準じて取り扱うこと。
70.第70条(内部監査)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) 内部監査は、当該製造所において製品の製造管理及び品質管理が適切に行われているかを評価するために、その実効性も含め定期的に実施されていなければならないものであること。
(2) 「あらかじめ指定した者」とは、業務の内容を熟知した職員をあらかじめ当該業務の責任者として指定し、当該職員の責務等を文書において適切に規定しておくこと。
(3) 原則として、内部監査を行う職員は、自らが従事している業務に係る内部監査を担当しないこととすることが望ましいこと。
(4) 第1項第1号の「製造所における製品の製造管理及び品質管理について定期的に内部監査を行うこと。」とは、当該製造所において製品の製造管理及び品質管理が適切かつ実効性をもって行われているかについて評価するために、次の事項について定期的に内部監査されていなけらばならないものであること。
ア.製造管理及び品質管理に係る組織図
イ.責任技術者又は製造管理者の業務
ウ.製品標準書
エ.手順書
オ.構造設備
カ.受入れ先製造所との取決めに関する業務
キ.工程管理に関する業務
ク.試験検査に関する業務
ケ.製造所からの出荷の可否の決定に関する業務
コ.不適合製品の管理に関する業務
サ.是正措置に関する業務
シ.従前の内部監査の結果に基づき採られた改善措置
ス.教育訓練に関する業務
セ.文書及び記録の管理に関する業務
(5) 第1項第2号の「内部監査の結果」には、次の事項を含むものであること。
ア.実施年月日
イ.内部監査の結果に基づく判定
ウ.改善が必要な場合の改善勧告
71.第71条(教育訓練)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) 「教育訓練」とは、理論的教育と実地訓練からなるものであること。作業の種類に応じて、次の事項についての教育訓練を含むものであること。
ア.製造管理及び品質管理概論(関係法令及びQMS概論を含む。)
イ.該製造業者又は製造所における製造管理及び品質管理の概要
ウ.実際に実施する作業に関連する事項(実地訓練を含む。)
(2) 「あらかじめ指定した者」とは、業務の内容を熟知した職員をあらかじめ当該業務の責任者として指定し、当該職員の責務等を文書において適切に規定しておくこと。
(3) 第1号の「職員」とは、製造管理及び品質管理に関する作業に従事する者並びにその他製品の品質等に影響を及ぼす可能性のある者(保守及び清掃作業員を含む。)をいうものであること。
(4) 第1号の「計画的に実施すること」とは、教育訓練の実効性を定期的に評価した上で実施する趣旨であること。
(5) 第3号の「記録」には、次の事項を含むものであること。
ア.実施年月日
イ.教育訓練の内容
ウ.教育訓練を受けた者の氏名
エ.教育訓練を行った者の氏名
72.第72条(文書及び記録の管理)関係(第1項第1号及び第2号並びに第2項第1項及び第2号の規定を除き、第80条において準用する場合を含む。)
(1) 第8条(文書の管理)及び第9条(記録の管理)の規定に準じて取り扱うこと。
73.第73条(生物由来医療機器等製造業者等の製造所における業務運営基盤)関係
(1) 第3号及び第4号の規定は、細胞組織医療機器に係る製品を製造するに当たって、細胞若しくは組織由来又は製造工程中の感染症等の伝播による危険性を排除し、不適切な製造、取扱いによる品質及び安全性の問題の発生を防止することを目的としており、原料の受入れ、加工処理、製品の保管等を行う区域につき、他の区域からの区分、必要な構造及び設備を要求していること。
(2) 第3号に規定する「加工」とは、疾病の治療や組織の修復又は再建を目的として、細胞又は組織の人為的増殖、細胞又は組織の活性化を目的とした薬剤処理、生物学的特性改変、遺伝子工学的改変、非細胞又は非組織成分とのハイブリッド化、カプセル化等を施すことをいうこと。
74.第74条関係(製造管理及び品質管理に関する文書)
(1) 生物由来医療機器等に係る製品の製品標準書は、第6条第2項及び第3項に規定する内容に加えて、この条に規定する事項を記載すること。
75.第75条(工程管理)関係
(1) 第1項第1号トの「職員の衛生管理」とは、職員が微生物等により製品等を汚染することを防止することを目的とするものであること。
(2) 第2項第1号の規定は、細胞又は組織の取り違えや細菌、真菌、ウイルス等の伝播の危険性を避けるために、製造工程において複数のドナーからの細胞又は組織を同一室内で同時期に取り扱ったり、交叉汚染を引き起こすような保管方法をとらないこととすることを趣旨とするものであり、ドナー又はドナー動物ごとに細胞又は組織及び製品を管理する必要があるものであること。
(3) 第2項第1号ロ(1)の「当該細胞又は組織を採取した施設」は、人の細胞又は組織を採取した医療施設若しくは動物の細胞又は組織を採取した施設を指すものであること。
(4) 第2項第1号ロ(3)に規定する、ドナーとして細胞又は組織を提供するにつき「適格性を有する」とは、「生物由来原料基準」の「第3 人由来製品原料総則」の「1 人細胞組織製品原料基準」等の規定に照らして、原料となる条件を満たしていることをいうこと。
(5) 第2項第1号ロ(4)に規定する、ドナー動物として細胞又は組織を提供するにつき「適格性を有する」とは、「生物由来原料基準」の「第4 動物由来製品原料総則」の「2 動物細胞組織製品原料基準」の規定に照らして、原料となる条件を満たしていることをいうこと。
(6) 第2項第1号ロ(5)に規定する「当該細胞又は組織を採取する作業の経過」は、細胞又は組織を採取する作業の経過に関する記録及び採取作業において微生物等に汚染されていない旨が確認できるものであること。
(7) 第2項第1号ロ(6)に規定する「細胞組織医療機器に係る製品の品質の確保に関し必要な事項」とは、製造に使用する試薬に関する試験検査結果等を指すこと。
(8) 第2項第1号ハに規定する「採取の過程における微生物等の汚染を防止するために必要な処置を採り、当該措置の記録を作成」とは、必要に応じて感染症に関する最新の知見に照らして適切な検査が行われ、微生物等に汚染されていない旨が確認できるものであること。
(9) 第2項第1号ホの規定は、患者等に有害事象が起きた場合及び製品に問題が生じた場合において安全性確保上必要な情報を得るために、製品ごとに出荷施設名、出荷日及びロットを把握させるものであること。
(10) 第2項第1号ヘに規定する「配送について、製品の品質の確保のために必要な措置」とは、配送時の配送方法及び温度管理を含む配送時の条件(温度管理を含む。)が適切に実施されることをいうものであること。
(11) 第2項第1号トに規定する「ドナー動物の受入れ後の飼育管理に係る記録」とは、ドナー動物の個体識別管理、異常の有無の観察、異常動物の隔離及び衛生管理等に関する記録をいうこと。
76.第76条(試験検査)関係
(1) 第1項第6号に規定する「適切な期間」は、製品ごとに安全性の確認上必要な期間保存することとすることを趣旨とするものであること。
77.第77条(教育訓練)関係
(1) 「教育訓練」とは、理論的教育と実地訓練からなるものであること。
78.第78条(文書及び記録の管理)関係
(1) 第1項第2号及び第2項の規定は、従前と同様に、生物由来医療機器等が、遅発性感染症の感染等の危険性を否定し得ないことから、安全性の確保上必要な情報を得るために、少なくとも有効期間に10年を加算した期間、関連の文書及び記録を保存することとしたものであること。
79.第79条(記録の保管の特例)関係
(1) 生物由来医療機器に係る製品の記録に関する特別な要求事項について規定したこと。
(2) 「厚生労働大臣が指定する生物由来医療機器」については、今後、必要に応じ別途指定されるものであること。
80.第80条(準用)関係
(1) 第2章及び第3章の規定について、一部を除き、必要な技術的読替えを行った上で体外診断用医薬品製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理に準用するものであること。
81.附則第1条(施行期日)関係
(1) この省令は、平成17年4月1日から施行すること。
82.附則第2条~第4条(経過措置)関係
(1) 所要の経過措置を設けたこと。
第4 滅菌バリデーション基準
1 目的及び適用範囲
1.1 目的
この基準は、滅菌バリデーション(製造所の滅菌に係る構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が無菌性を保証することを検証し、これを文書とすることによって、要求事項に適合する製品の無菌性を恒常的に保証できるようにすること)を適切に実施することにより、機器・体外診QMS省令の適切な実施を図ることを目的とする。
1.2 適用範囲
この基準は、機器・体外診QMS省令の規定に基づき、医療機器の滅菌プロセスの開発、バリデーション及び日常管理の業務を実施する場合に適用する。
2 規格との関係
この基準に基づき、滅菌プロセスの開発、バリデーション及び日常管理を実施する場合は、滅菌方法ごとに、以下のJIS規格又はこれと同等以上の規格・基準によることとする。これら規格の要求事項の概要等について、この基準3以降に記載したので、参考とすること。
(1) エチレンオキサイド滅菌
JIS T 0801―1:2010(ISO 11135―1:2007)、ヘルスケア製品の滅菌―エチレンオキサイド―第1部:医療機器の滅菌プロセスの開発、バリデーション及び日常管理の要求事項
(2) 放射線滅菌
JIS T 0806―1:2010(ISO 11137―1:2006)、ヘルスケア製品の滅菌―放射線―第1部:医療機器の滅菌プロセスの開発、バリデーション及び日常管理の要求事項
JIS T 0806―2:2010(ISO 11137―2:2006)、ヘルスケア製品の滅菌―放射線―第2部:滅菌線量の確立
(3) 湿熱滅菌
JIS T 0816―1:2010(ISO 17665―1:2006)、ヘルスケア製品の滅菌―湿熱―第1部:医療機器の滅菌プロセスの開発、バリデーション及び日常管理の要求事項
3 定義
(1) この基準で「滅菌」とは、製品を生育可能な微生物が存在しない状態にするために用いる、バリデートされたプロセスのことをいう。
(2) この基準で「滅菌プロセス」とは、あらかじめ定めた無菌性についての要求事項を達成するための一連の活動又は操作のことをいう。なお、この一連の活動又は操作には、(必要ならば)前処理、あらかじめ定めた条件下での滅菌剤への暴露及び必要な後処理の全てを含むが、滅菌プロセスに先立つ清浄化、消毒又は包装などの操作は含まない。
(3) この基準で「無菌性保証水準(SAL:Sterility Assurance Level)」とは、滅菌後に、生育可能な1個の微生物が製品上に存在する確率のことをいい、通常10-nで表される。
(4) この基準で「無菌性の保証」とは、目的とする製品を製造するため、滅菌プロセスが、具体的かつ検証可能な原則10-6以下の無菌性保証水準を達成することをいう。
(5) この基準で「据付適格性の確認(IQ:Installation Qualification)」とは、装置がその要求仕様に適合して提供され、かつ、据え付けられたことの証拠を取得して文書化することをいう。
(6) この基準で「運転適格性の確認(OQ:Operational Qualification)」とは、据え付けられた装置をその操作手順に従って用いたとき、あらかじめ定めた限度内で作動する証拠を取得し、文書化することをいう。
(7) この基準で「稼働性能適格性の確認(PQ:Performance Qualification)」とは、操作手順に従って据え付けられ、運転されている装置が、あらかじめ定めた判断基準に恒常的に適合して稼働し、その結果仕様に適合する製品を生産することができるという証拠を取得し、文書化することをいう。
(8) この基準で「適格性の再確認」とは、定めた滅菌プロセスが引き続き許容できるものであることを確認するために、バリデーションの一部分を反復実施することをいう。
(9) この基準で「バイオバーデン」とは、製品及び/又は無菌バリアシステムの上又は内部に存在する生育可能な微生物群のことをいう。
(10) この基準で「滅菌剤」とは、あらかじめ定めた条件下で、無菌性を達成するために十分な殺菌作用をもつ物理的若しくは化学的媒体又はその組合せのことをいう(例えば、エチレンオキサイド、放射線、湿熱等)。
(11) この基準で「プロセス変数」とは、滅菌プロセスの条件で、その変化が微生物の殺滅効果に変動を与えるような条件のことをいう(例えば、時間、温度、圧力、濃度、湿度等)。
(12) この基準で「プロセスパラメータ」とは、あらかじめ定めたプロセス変数の値のことをいう。
(13) この基準で「校正」とは計器若しくは測定系の示す値、又は実量器若しくは標準物質の表す値と、標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業のことをいう。
(14) この基準で「載荷形態」とは、滅菌装置又は照射容器への被滅菌物の幾何学的積載方法及び形態のことをいう。
(15) この基準で「パラメトリックリリース」とは、製品サンプルの無菌試験結果によらず、プロセスパラメータがあらかじめ定められた許容範囲内に与えられたことを証明する記録に基づいて製品の無菌性を保証することをいう。
4 品質管理監督システム
(1) 文書化
滅菌プロセスの開発、バリデーション、日常管理及び滅菌からの製品リリースの手順を定め、文書化すること。
(2) 管理監督者の関与
1) この基準の実施に必要な業務運営のための責任及び権限をあらかじめ定め、文書化すること。
2) この基準に従った業務運営のための業務を、他の組織によって実行される場合は、それぞれの組織の責任及び権限を定め、文書化すること。
(3) 滅菌バリデーションに係る責任者の業務
滅菌バリデーションに係る責任者が滅菌バリデーションの手順書に基づき行う業務の例として、次の各号に掲げるようなものが挙げられる。ただし、これに限定されるものではない。なお、これらの業務を単一の責任者が行うことを求めるものではない。
1) 滅菌バリデーションの手順書に基づき製造しようとする製品についての滅菌バリデーションの実施計画書(以下「計画書」という。)の作成
2) 計画書に従い実施する次の滅菌バリデーション
ア.製造販売承認(認証)を受けるとき及び法第80条第1項に規定する輸出用医療機器を製造しようとするときに受けなければならない適合性調査に当たって実施する滅菌バリデーション
イ.製造販売承認(認証)取得後及び法第80条第1項に規定する輸出用医療機器を製造開始後5年ごとに受けなければならない適合性調査に当たっては、次の滅菌バリデーション
(ア) この基準9に従い実施する滅菌バリデーション
(イ) この基準12に従い実施する適格性の再確認
3) 滅菌バリデーションの結果の判定及び無菌性を保証していることの確認
4) 滅菌バリデーションの記録の作成及び保管
5) 日常の滅菌プロセスの管理の実施
(4) 製品実現
1) 滅菌プロセスに関連する購買の手順を定め、管理運用すること。
2) 製品の識別及びトレーサビリティの手順を定め、管理運用すること。
3) この基準の運用のための、試験用の計器を含むすべての機器の校正について手順を定め、管理運用すること。
(5) 測定、分析及び改善―不適合製品の管理
不適合と判定された製品の管理、修正、是正措置及び予防措置の手順を文書化すること。
5 滅菌剤の特性
(1) 滅菌剤
滅菌プロセスで使用する滅菌剤を特定し、文書化すること。
(2) 微生物殺滅効果の有効性
滅菌剤について広く理解されている微生物殺滅の条件以外で滅菌剤を使用する場合は、微生物殺滅効果の有効性を確立し、文書化すること。
(3) 材料への影響
滅菌剤の材料に及ぼす影響について評価し、文書化すること。
(4) 環境への配慮
滅菌剤の環境に及ぼす影響を評価し、必要な措置を文書化すること。
6 プロセス及び装置の特性
(1) プロセス変数を特定し、これらを管理及び監視する方法を定めること。
(2) 滅菌プロセスに使用する装置の仕様を文書化すること。
7 製品の定義
(1) 滅菌する製品を定め、文書化すること。
(2) 同一滅菌プロセスで処理する製品群の判断基準を定め、文書化すること。また、それぞれの製品について、その製品群に含める根拠を文書化すること。
(3) 滅菌後の製品の安全性及び性能について、製品要求事項に適合していることを確認し、文書化すること。
(4) 滅菌プロセスの有効性が損なわれないように、必要に応じて滅菌しようとする製品のバイオバーデンが管理されていることを保証する事項を定め実施しなければならない。これらにはバイオバーデンと無菌性保証水準の関係及びバイオバーデンの管理水準等を含めるのが望ましい。
8 プロセスの定義
(1) 製品の無菌性保証水準を定め文書化すること。
(2) プロセスの監視及び管理に必要なプロセスパラメータについて、その許容範囲を定め文書化すること。
9 バリデーション
(1) 滅菌バリデーションは文書化された手順書に従って実施すること。滅菌バリデーションの手順書に定められる事項の例として、次に掲げるようなものが挙げられる。ただし、これに限定されるものではない。
ア.滅菌バリデーションに係る各業務の責任者の業務範囲及び権限に関する事項
イ.滅菌バリデーションの実施時期に関する事項
ウ.計画書の作成、変更及び承認等に関する事項
エ.滅菌バリデーション実施結果の報告、評価及び承認に関する事項(記録方法も含む。)
オ.滅菌バリデーションに関する文書の保管に関する事項
カ.この基準に定める日常の滅菌プロセスの管理に関する事項(ただし、製品標準書(作業手順書を含む。以下同じ。)に明確に規定されており、かつ滅菌バリデーションの手順書に製品標準書の規定に基づき実施する旨記載されている場合を除く。)
キ.その他必要な事項
(2) 滅菌バリデーションは、その対象とする製品群毎に、判定基準を含む計画を作成し、これに基づき実施すること。計画書に定める事項の例として、次に掲げるものが挙げられる。ただし、これに限定されるものではない。
ア.対象製品名
イ.当該滅菌バリデーションの目的
ウ.期待される結果
エ.検証の方法(検証結果の評価方法を含む。)
オ.検証の実施時期
カ.滅菌バリデーションを行う者(担当者)の氏名
キ.滅菌バリデーションの照査及び承認に関する事項
ク.計画書の作成者及び作成年月日並びに改訂した場合においては改訂した者、改訂の年月日、内容及び理由
ケ.当該滅菌バリデーションに関する技術的条件
コ.その他必要な事項
(3) 滅菌バリデーションで用いる測定器等は校正を行うこと。
(4) 据付適格性の確認(IQ)
1) 装置及び附属設備が予定したとおり据え付けられたことを確認し、文書化すること。
2) 装置及び附属設備に関する文書(図面、取扱説明書、据付記録等)を確認し、保管すること。
(5) 運転適格性の確認(OQ)
1) 装置がこの基準8で定めたプロセスを運用できることを、負荷のない状態での運転又は試験負荷を用いて確認し、文書化すること。
(6) 稼働性能適格性の確認(PQ)
1) 稼働性能適格性の確認はIQ及びOQが完了し、その結果を責任者が確認した後に実施すること。
2) PQによって、日常の滅菌に用いる装置を用い、この基準8で定めたプロセスによって、製品があらかじめ定めた滅菌プロセスを実現できる能力があることを立証すること。
3) PQで確認を行う製品は、製品群を代表するもの(最も滅菌が困難なもの)で実施して差し支えない。その場合は、その根拠を文書化すること。
(7) 滅菌バリデーションの照査及び承認
1) 滅菌バリデーションの結果は文書化し、IQ、OQ及びPQそれぞれについて責任者がその内容について照査し、承認すること。
2) 滅菌バリデーションの結果及びこれに対する考察に基づき、日常の滅菌プロセスの管理及び監視に必要な事項を定めること。
10 日常監視及び管理
(1) 滅菌プロセスの日常監視及び管理の実施に当たっては、この基準8及び9で定めたプロセスの運用基準に従い運用すること。
11 滅菌プロセスからの製品リリース
(1) 製品の滅菌プロセスでの運用結果についての記録の照査の手順を定めること。
(2) 滅菌プロセスで処理した製品の無菌性の保証についての判定基準及びその方法を定めること。これには、プロセスの定義及び滅菌バリデーションの照査及び承認の項において必要とした事項を含めること。
(3) 日常の滅菌プロセスで処理した製品の無菌性の保証についての判定方法は、滅菌バリデーション及び日常の滅菌プロセスの管理の程度により次に分類される方法によること。
1) パラメトリックリリース
2) バイオロジカルインジケータの培養試験結果及び滅菌バリデーションの結果に基づき定めたパラメータの管理結果による判定
12 プロセス有効性の維持
(1) 滅菌プロセス及びこれによって滅菌を行う製品について、滅菌バリデーションによって確認された状態を維持すること。
(2) 変更管理
以下のような変更を行う場合、その影響を評価し、必要な場合、適格性の再確認を含む必要な措置をとること。
1) 滅菌装置の変更
2) 滅菌プロセス(手順を含む。)の変更
3) 製品の変更(設計、原材料又は包装等)
4) 載荷形態の変更
5) バイオバーデンに影響を与える可能性のある変更
(3) 再校正
装置の監視及び管理に用いる測定機器の正確さ及び精度の確認について、手順を定め、実施すること。
(4) 装置の保守業務
1) 保守業務を計画し、実施すること。この記録は保管すること。
2) 保守業務の計画、手順及び記録は、あらかじめ定めた間隔で責任者によって照査し、その結果を文書化すること。
(5) 適格性の再確認
1) 適格性の再確認の範囲及びその程度を含む実施基準を文書化すること。
2) 適格性の再確認の手順をあらかじめ定め、適格性の再確認の記録を保管すること。
3) 適格性の再確認の結果は、あらかじめ定めた判定基準に基づき照査し、承認すること。適格性の再確認の記録は保管すること。
第5 適合性評価基準
1.機器・体外診QMS省令に規定されている条項ごとの適合状況を、別添4の「機器・体外診QMS省令条項別適合性評価基準」(以下「機器・体外診QMS適合性評価基準」という。)に基づき、製造所ごと、品目ごとに評価を行うこと。なお、この評価に当たっては、品目にかかわらず必要とされている事項についても、品目に係る事項とみなして評価を行うこと。
2.機器・体外診QMS適合性評価基準は、条項ごとに評価項目を設問として示したものであること。なお、条項別適合状況の評価結果については、調査対象者に対しその評価理由を説明し、調査対象者からの意見等を十分聴取した上で最終的に決定すること。
3.機器・体外診QMS適合性評価基準の運用の基本的な考え方は、設問が適切に実施されている場合(現場で直ちに改善される場合を含む。)を評価ランクA(適合)とし、明らかに基準に抵触する場合を評価ランクD(重度の不備)とするほか、以下の観点から評価ランクB及びCの基準を定めているので評価に当たり疑義が生じた場合は、これらの点も十分考慮の上、基準を適用すること。
(1) 評価ランクB(軽度の不備)とは、製品の品質への影響はほとんど問題とならないが、基準の運用上、完全を期すため改善が必要な場合をいうものであること。
(2) 評価ランクC(中程度の不備)とは、製品の品質への影響を否定できず、基準の運用上、改善が必要な場合をいうものであること。
4.適合性評価 上記の要領により行った条項別の評価結果を用いて、以下の判定基準により、製造所ごと、品目ごとにその適合状況を評価すること。
(1) 適合 Aのみの場合。
(2) 概ね適合 AとB又はBのみの場合。
(3) 要改善 Cが全項目数の半分以下であり、かつ、Dが全くない場合。
(4) 不適合 上記のいずれにも該当しない場合。
5.法第14条第2項第4号(法第19条の2第5項において準用する場合並びに法第23条の2、法第80条及び施行規則第96条において引用する場合を含む。以下同じ。)に対する該当性の評価
(1) 「適合」に該当する製造所、品目 製造管理及び品質管理の方法は、法第14条第2項第4号に該当しないものであること。
(2) 「概ね適合」に該当する製造所、品目 条項別適合状況の評価結果がBに分類された事項について、調査対象者に対して文書により改善を指示し、その改善結果又は改善計画の報告を求めること。この場合、調査対象者から業許可の次回更新までの期間内(新規の業許可申請の場合においては、当該申請に対する処分の前)に、①詳細な改善結果報告書又は②具体的な改善計画書を提出させることにより、適合状況を「適合」として評価し直し、(1)に準じた取扱いを行って差し支えないこと。ただし、業許可の次回更新までの期間内に①又は②のいずれの書類についても提出がない場合においては、改善が完了した日から30日以内に詳細な改善結果報告書を提出させること。また、実地に改善状況の確認を行う必要がある場合においては、適宜調査を行うこと。
(3) 「要改善」に該当する製造所、品目 条項別適合状況の評価結果がBに分類された事項については、(2)の規定を準用すること。条項別適合状況の評価結果がCに分類された事項については、調査対象者から①詳細な改善結果報告書又は②具体的な改善計画書を提出させ、業許可の次回更新までの期間内(新規の業許可申請の場合においては、当該申請に対する処分の前)に改善が完了した場合においては適合状況を「適合」として評価し直し、(1)に準じた取扱いを行って差し支えないが、改善が完了しない場合においては、原則として適合状況を「不適合」として評価し直し、(4)に準じて取り扱うこと。
(4) 「不適合」に該当する製造所、品目 製造管理又は品質管理の方法は、法第14条第2項第2号に該当するものであること。ただし、条項別適合状況の評価結果がDに分類された事項について、すみやかに改善が完了する見込みのある場合に限り、(3)における条項別適合状況の評価結果がCに分類された事項に準じて取り扱って差し支えないこと。
以上
[別添1]