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○飲料水におけるクリプトスポリジウム等の検査結果のクロスチェック実施要領について

(平成19年3月30日)

(健水発第0330007号)

(各都道府県・政令市・特別区水道行政担当部(局)長あて厚生労働省健康局水道課長通知)

水道行政の推進につきましては、日頃から格別のご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

さて、水道におけるクリプトスポリジウム等の対策については、今般、最新の科学的知見等を踏まえ、「水道施設の技術的基準を定める省令」(平成12年厚生省令第15号。以下、「施設基準省令」という。)を改正するとともに、新たに、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」(平成19年3月30日付け健水発第0330005号通知の別添。以下、「指針」という。)及び「水道における指標菌及びクリプトスポリジウム等の検査方法について」(平成19年3月30日付け健水発第0330006号通知)が示され、平成19年4月1日より適用することとしたところですが、地方衛生研究所、保健所又は水道事業者等で行われるクリプトスポリジウム等の検査結果の正確を期するとともに、水道事業者等による緊急時のクリプトスポリジウム等対策の円滑な推進を図るため、厚生労働省において別添のとおり「飲料水におけるクリプトスポリジウム等の検査結果のクロスチェック実施要領」(以下「本要領」という。)を定め、これに基づき、クリプトスポリジウム等の検査結果について、その顕微鏡標本及び顕微鏡写真がある場合にはその写真をもって行う確認のための検査(以下「クロスチェック」という。)を実施する機関又は専門家の斡旋を行うこととしたので、下記事項に留意の上、クロスチェックの実施に遺漏なきようされるとともに、貴管下の水道事業者等に対する周知方お願いします。

なお、水道、飲用井戸等(水道法の規制を受けない水道を含む。)から供給される飲料水において、クリプトスポリジウム等の塩素消毒に耐性のある病原生物の検出情報を把握した場合には、「飲料水健康危機管理実施要領について」(平成14年6月28日付け健水発第0628001号通知)に基づき直ちに当職宛に連絡いただくようお願いしているところであるので念のため申し添えます。

第1 留意事項

1.クロスチェックを依頼する者(以下「依頼者」という。)からの要請を受けて本要領に基づくクロスチェックの実施機関又は専門家の斡旋を厚生労働省に依頼するにあたっては、まず管下又は近隣の都道府県、政令市及び特別区の検査機関の活用を図ること。

このため、各都道府県等においては、クロスチェックが実施できる機関や専門家に関する情報の整理、クロスチェックの実施方法や手順の文書化等により、都道府県等の地域レベルでのクロスチェックに係る実施体制や連絡体制の構築に努められたいこと。

2.依頼者が、クロスチェックの結果を適切に評価し、その責任において必要な措置を講ずるよう指導されたいこと。

このため、各水道事業体において病原生物検出時の対応に関するマニュアルを整備する際に、クロスチェックの実施やその結果の評価の手順等を位置づけることが望ましいこと。

3.管下の検査機関及び水道事業者等のクリプトスポリジウムの検査能力の向上のため、必要な情報提供等支援に努められたいこと。

第2 関係通知の改廃

平成19年4月1日付けをもって、厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知「飲料水におけるクリプトスポリジウム等の検査結果のクロスチェック実施要領について」(平成11年1月21日付け衛水第3号)は廃止する。

(別添)

飲料水におけるクリプトスポリジウム等の検査結果のクロスチェック実施要領

1.趣旨及び目的

本要領は、水道(水道法の規制を受けない水道を含む。)及び飲用井戸等から供給される飲料水におけるクリプトスポリジウム等の耐塩素性病原生物(以下「クリプトスポリジウム等」という。)の検査精度を確保するための、クロスチェックの実施を支援する手続き等について定めるものである。

なお、本要領においてクロスチェックとは、第三者がクリプトスポリジウム等の検査結果について、その顕微鏡標本及び顕微鏡写真がある場合にはその写真、あるいは遺伝子検出法用の核酸抽出試料および増幅産物(以下「標本等」という。)をもって行う確認のための検査をいう。

2.クロスチェック実施機関等の斡旋

(1) 都道府県、保健所を設置する市又は特別区(以下「都道府県等」という。)は、飲料水におけるクリプトスポリジウム等の検査結果のクロスチェックについて、管下又は近隣都道府県等におけるクロスチェックの実施を依頼できる検査機関の有無を考慮の上、厚生労働省健康局水道課(以下「厚生労働省水道課」という。)にクロスチェックを実施する機関又は専門家(以下「クロスチェック実施機関等」という。)の斡旋を依頼することができる。

(2) この場合、都道府県等は、次の事項を明らかにすること。

① クロスチェックを依頼する者(以下「依頼者」という。)の名称

② クリプトスポリジウム等の検査を実施した機関の名称

③ クリプトスポリジウム等の検査結果の概要

④ 既にクロスチェックを実施した場合にはその結果

(3) 厚生労働省水道課は、都道府県等からクロスチェック実施機関等の斡旋の依頼を受けた場合は、その状況を勘案し必要な場合にクロスチェック実施機関等を選定し、斡旋する。

3.クロスチェックの実施

(1) 依頼者は、クロスチェック実施機関等の斡旋を受けた場合は、当該機関等の定めるところによりクロスチェックを依頼する。

(2) 依頼者は、クロスチェックの対象となる標本等をクロスチェック実施機関等に搬入する場合は、現地検査の試験方法及び顕微鏡観察結果記入表等の検査結果がわかる資料を添付する。

(3) 標本等の搬入は、原則としてその検査実施者があたることとし、当該者は、クロスチェック実施機関等が行うクロスチェックに立ち会い必要な説明を行う。

(4) 顕微鏡標本については、遮光するとともに振動を避け、できる限り水平を保持したまま搬入する。遺伝子検出法用の核酸抽出試料等については、分解を避けるため、冷凍状態で搬入する。その他、搬入に係る注意事項はクロスチェック実施機関等の指示に従うこと。

(5) クロスチェック実施機関等は、速やかにクロスチェックの結果を依頼者に通知する。

4.クロスチェックに要する費用の負担

クロスチェックに要する費用は、依頼者の負担とする。

5.その他

依頼者は、クロスチェックの結果、クロスチェック実施機関等の判断に基づき再検査(応急対応のための検査において保存していた残りの濃縮物を用いて行う検査)又は追加検査(新たに飲料水を採取して行う検査)が必要と認められる場合には、クロスチェックに準じて当該クロスチェック実施機関等にこれを依頼することができる。

なお、クロスチェック実施に係るフローの例を別紙に示す。

(別紙)