アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○ 都道府県健康・栄養調査等で把握する上記の項目のほか、レセプトから得られるデータ、その他の調査から得られるデータ等を用い、各都道府県内の健康課題を分析・整理する。その際には、全国平均数値との比較や、他の都道府県との比較を行うとともに、可能な限り、各都道府県内の市町村間の比較等も行う。

○ その際には、個人情報について適正な取扱いの厳格な実施を確保することが必要であることを認識し、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)、個人情報の保護に関する法律第11条第1項の趣旨を踏まえて地方公共団体において制定される条例等を遵守し、個人情報を適正に取り扱うこと。

(参考)

・レセプト(5月診療分)ベース

糖尿病、高血圧症、高脂血症の医療費・通院者数

脳血管疾患、虚血性心疾患の医療費・通院者数・入院者数

・その他の調査ベース

脳血管疾患受療率、虚血性心疾患受療率(患者調査)

糖尿病、脳血管疾患、虚血性心疾患の入院、入院外の人口10万人対患者数(患者調査等)

糖尿病による失明発症率(社会福祉行政業務報告)

糖尿病による人工透析新規導入率(日本透析医学会:図説「わが国の慢性透析療法の現況」の「引用利用提供依頼書」により都道府県別のデータを得ることが可能)

脳卒中、虚血性心疾患による死亡率(人口動態統計)

(4) 地域の実情を踏まえた目標値の設定

○ 参酌標準(別紙1)を勘案し、地域の実情を踏まえた具体的な目標値を設定する。

○ 都道府県の人口構成は、年月とともに変化するため、生活習慣病の有病者・予備群等の減少の目標値を設定する上では、将来の推計人口をもとに、性・年齢調整を行う必要がある。詳細な性・年齢調整の方法については別紙2参照。

○ 内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病の有病者・予備群の数及び健診・保健指導の実施に関する目標項目については、平成24年度までの目標値を設定することとする。

それ以外の目標項目で、既存の目標項目と重複するものについては、参酌標準を踏まえた新規目標に更新する。

当然、既存の目標項目が既に参酌標準を踏まえたものであれば、変更する必要はなく、また、既存目標との並記する方法も可能である。

○ また、都道府県健康増進計画の策定に当たっては、がん対策基本法において、都道府県がん対策推進計画は、都道府県健康増進計画と調和が保たれたものでなければならないとされていることを踏まえることとする。

特に、都道府県がん対策推進計画において、上記項目に含まれない「がん検診受診率」を定める場合は、都道府県健康増進計画において、がんに関する目標として「がん検診受診者数」のほか「がん検診受診率」を定めることとするなど、両計画の調和に配慮するよう留意することとする。

○ 目標値については、地域・職域連携推進協議会等において案を提示し、意見を聴取することなどを通じ、関係者間での合意形成を図ることが重要である。また、地域住民に対し、パブリックコメント等の手続を採ることも考えられる。

(5) 目標値を達成するために必要な取組の検討

○ 適切な生活習慣の習得、不適切な生活習慣の改善を通じて、生活習慣病の予防や重症化を防止することが可能となる。([参考]を参照)

○ 生活習慣病対策に係る目標値を達成するためには、医療保険者、市町村、都道府県等は、対象者の年齢、状態等に応じて、ポピュレーションアプローチ、ハイリスクアプローチを効果的・効率的に組み合わせて実施する必要がある。

○ また、産業保健、学校保健の分野における健康診断、健康相談等も、生活習慣を改善するきっかけとして重要である。市町村、医療保険者は、事業者等の職域と連携する必要がある。

○ 生活習慣病対策におけるポピュレーションアプローチ及びハイリスクアプローチについては、それぞれ以下の考え方に基づき取り組むことが必要である。

(ポピュレーションアプローチ)

・ポピュレーションアプローチは、基本的に全年齢を対象として実施する。一方で、住民の年齢や職業、生活スタイルに応じて、普及啓発の内容等は異なることから、どのような集団に対して、どのような方法を用いて、どのような行動変容を促すことを目的とし、どのようなメッセージを伝えるのかを、具体的な対象者をイメージしながら考え、普及啓発等を行う。

・40~74歳の者に対して、特定健診・保健指導を実施することとなるが、生活習慣病有病者・予備群を減少させるためには、40歳未満の時期においても、適切な生活習慣を身につけておくことが重要である。そのため、市町村等は、40歳未満の者に対し、適切な生活習慣を身につけるための普及啓発等を行うことが必要である。

・また、市町村等は、不規則な生活習慣による生活習慣病の発症・悪化を防止する観点から、40歳以降も対象として、普及啓発等を行う必要がある。

・これらの取組を総合的に行うことにより、メタボリックシンドローム等の該当者・予備群を減少させることができると考えられる。

(ハイリスクアプローチ)

① 糖尿病等の生活習慣病に対するハイリスクアプローチ

・ハイリスクアプローチは、年齢毎の特性に配慮し、生活習慣の改善による予防効果が最も期待できる世代に、重点的に実施する。

・医療保険者は、40~74歳に対して、特定健診を実施し、脳・心臓疾患のハイリスク者を抽出するとともに、それらの者に対して、特定保健指導を実施することにより、生活習慣の改善を促し、生活習慣病の発症を予防する。

・医療保険者が、特定健診・特定保健指導を実施するに当たっては、比較的若い年代で生活習慣を改善することが生活習慣病を予防する上で効果的である。

・市町村、医療保険者等は、医療機関受診が必要であるが、受診していない者に対する対策、治療中断者対策に取り組むことにより、人工透析の導入、脳卒中や心筋梗塞などの重篤な脳・心臓疾患の発症を防止することができる。

・また、市町村、医療保険者等は、医療機関を受診していたとしても、生活習慣病のコントロールが困難な者については、かかりつけ医と連携した対応を行うことが重要である。

・腹囲が基準値未満であること等の理由から、特定保健指導の対象とならなかった者であっても、血圧等の健診結果によっては、生活習慣の改善が必要な場合があるため、市町村、医療保険者等においては、従来から行っている保健事業を継続的に行うことも考えられる。

・医療保険者が、節目健診として、30歳、35歳時に、健診・保健指導を実施することは、将来的な生活習慣病の発症を予防する上で有用である。

・高齢者では、QOLの低下に配慮した無理のない生活習慣の改善が重要であるとともに、介護予防のニーズが高まってくるため、地域支援事業による介護予防対策との連携が重要である。

② 糖尿病等以外の生活習慣病に対するハイリスクアプローチ

・これまで老人保健事業として市町村において実施されてきた健康診査等(特定健診等へ移行する部分を除く。)については、市町村において健康増進法を根拠に実施することとされている。これに伴い、市町村は、原則として市町村健康増進計画に当該事業を位置付け、計画的に実施することとする。

・改正後の健康増進法において、国は、都道府県健康増進計画又は市町村健康増進計画に基づいて住民の健康増進のために必要な事業を行う都道府県又は市町村に対し、予算の範囲内において、当該事業に要する費用の一部を補助することができることとされている。

・平成20年度以降も、市町村は基本的に引き続き同様の事業を行うことから、国、都道府県及び市町村の従来の費用負担割合を維持するものとする。

・このため、管内市町村が行う健康増進事業に対して2/3補助する都道府県に対し、その1/2を国が補助する制度を創設し、現行の負担割合を維持することとする(政令指定都市に対しては1/3補助とする)。

・都道府県健康増進計画においては、管内市町村が行う健康増進事業に対する支援を行うことを明記するとともに、政令指定都市においては、政令指定都市健康増進計画に健康増進事業の実施について明記することとする。

○ 設定した各目標の達成のために必要な施策の整理を行い、管内の施策の実施主体となる関係者を具体的に把握する。関係者については、地域・職域連携推進協議会の場等を活用し、幅広く把握に努める。

(参考) 必要な施策等の整理例

目標項目

必要な施策

関係者

※具体的に把握

・野菜摂取量の増加

・健診後の栄養指導の充実

・「食事バランスガイド」等の普及啓発

・ヘルシーメニューの提供や栄養成分表示等の食環境整備の推進

・食育と連動した国民運動の推進

・行政における管理栄養士の配置などの体制整備

・都道府県、各市町村、県栄養士会、ボランティア団体○○

・○○商工会議所

・スーパー○○

・○○新聞、○○テレビ

・日常生活における歩数の増加

・健診後の運動指導の充実

・「エクササイズガイド」の普及啓発

・運動指導者の育成の促進

・身体活動量を増加するための環境整備

・骨粗鬆症検診の充実

・都道府県、市町村、学校

・○○フィットネスクラブ


・睡眠による休養が不足している者の割合の減少

・睡眠指針の普及・啓発

・精神保健福祉センターの相談体制の充実

・事業所における労働者のこころの健康づくりのための指針の普及・啓発

・地域産業保健センターにおける相談体制の充実

・都道府県、各市町村、関係団体○○、・・・

・○○新聞、○○テレビ

・喫煙する者の割合の減少

・たばこの健康影響についての普及啓発

・未成年者の喫煙防止

・受動喫煙対策のための環境整備

・禁煙指導の充実

・都道府県、各市町村、関係団体○○、・・・

・○○新聞、○○テレビ

・多量飲酒者の割合の減少

・アルコール保健指導マニュアル活用による適正飲酒の普及

・多量飲酒の弊害やその予防に関する啓発活動

・多量飲酒している人の早期発見、治療、社会復帰体制の充実・強化

・都道府県、各市町村、関係団体○○、・・・

・○○新聞、○○テレビ

・メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の概念を知っている人の割合の増加

・健診結果通知時におけるパンフレット等の情報提供

・月間、週間等を活用したイベントの開催・生活習慣改善サポーター、健康応援団等による普及活動

・メディア等を活用したメタボリックシンドロームの概念、予防法に関する普及啓発

・○○健保、○○市町村国保、○○事業者、・・・

・都道府県、各市町村、関係団体○○、・・・

・○○新聞、○○テレビ

・健診実施率、保健指導実施率の向上

・実施主体による未受診者の受診勧奨

・イベントの機会等を活用した普及啓発

・○○健保、○○市町村国保、○○事業者、・・・

・都道府県、各市町村、関係団体○○、・・・

・糖尿病等の有病者数の減少

・糖尿病等の新規発症者の減少

・健診受診等に関する普及啓発

・特定健診・特定保健指導の実施

・○○健保、○○市町村国保

・都道府県、各市町村

・糖尿病による人工透析導入率の減少

・糖尿病による失明発症率の減少

・医療機関未受診者対策、治療中断者対策

・生活習慣病のコントロールが不良の者に対する、かかりつけ医と連携した対応

・○○健保、○○市町村国保

・市町村

・がん検診受診者の増加

・がん検診の普及啓発

・都道府県、各市町村、関係団体○○、・・・

・8020の人数の増加

・歯周疾患検診の実施

・都道府県、各市町村、関係団体○○、・・・

(6) 関係者の役割分担と連携促進に向けた協議

○ 各都道府県ごとに設定した目標値の達成に向け、管内の医療保険者、事業者、市町村その他の関係者が、

① どのような役割分担で、

② どのような取組をそれぞれが行い、

③ どのような連携方策を講じていくか、

等について、都道府県が総合調整機能を発揮し、関係者間で協議する。これらの役割分担、連携促進方策について都道府県健康増進計画に具体的に明記する。

(地域・職域連携推進協議会における協議)

○ 具体的には、地域・職域連携推進協議会において、

① 都道府県健康増進計画や各関係者ごとの事業実施計画に位置付ける目標値

② 各関係者が行う健診・保健指導全体の推進方策

・保健師、管理栄養士等のマンパワーの育成方策

・健診・保健指導のアウトソーシング先となる民間事業者の育成方策 等

③ 各関係者が行う普及啓発事業の連携促進等の推進方策

④ 市町村が中心となるポピュレーションアプローチと、医療保険者が中心となるハイリスクアプローチの連携の確保方策

⑤ 生活習慣病予防施策と介護予防施策との連携方策

等について協議する。

○ なお、ポピュレーションアプローチの推進等の観点から、地域・職域連携推進協議会への地域住民の代表や産業界の関係者の参加を図ることも必要である。

(参考) 地域住民の参加方法の例

・地域・職域連携推進協議会への住民代表の参画

・計画改定に関する県民意識調査等の実施

・計画改定案に対するパブリックコメントの実施

・県政モニターの活用

・広報の活用や、県民説明会の開催

(保険者協議会における協議)

○ また、各医療保険者においては、健診・保健指導に関する事業量や実施方策について検討する。その際には、例えば、被扶養者に対する健診・保健指導を医療保険者が連携して実施する方法等について、各都道府県単位で設置される保険者協議会等の場を活用して調整する。

(参考) 保険者協議会の活動内容例

・各都道府県ごとの医療費の調査、分析、評価

・被保険者に対する普及啓発、保健指導等の保健事業の共同実施

・保健師、管理栄養士等のマンパワーに対する研修、医療保険者間の物的・人的資源の共同利用

・各医療保険者間の効果的な保健事業に関する情報交換

・外部委託先の民間事業者の評価

○ これらの協議を踏まえ、都道府県が関係者の役割分担と連携促進について総合調整を行うほか、都道府県には特に次のような役割が期待される。

・ 保健指導については、質を確保しつつ、民間事業者の積極的な活用が今後求められるが、民間事業者の育成等についても、都道府県が中心となって行うことが必要である。具体的には、健診・保健指導機関に係る情報をとりまとめ、国へ情報提供を行うことや、国、医療保険者、関係団体等と連携し、保健師、管理栄養士、運動の専門家等に対する研修の計画的な実施を進めること等が考えられる。

・ 健診の精度管理の推進について、都道府県が中心的な役割を担う。

(参考) 都道府県単位の地域・職域連携推進協議会の構成メンバー例

・地域保健関係(都道府県、保健所、市町村等)

・職域保健関係(国民健康保険団体連合会、健康保険組合連合会、社会保険事務局、社会保険健康事業財団、共済組合連合会、事業者代表、労働局、産業保健推進センター、商工会議所、商工会連合会等)

・その他の関係者(医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、栄養士会、医療機関(健診機関)、労働衛生機関、住民代表、大学・研究機関等)

(7) 実績の評価

○ 各実施主体は、毎年度、前年度の普及啓発や健診・保健指導等の事業の実施状況について把握し、経年的な傾向など、分析評価を行う。

○ 都道府県医療費適正化計画に関しては、計画作成年度の翌々年度(平成20年度から平成24年度までの第1期計画については、平成22年度)に、まず計画の進捗状況に関する評価を行うとともに、その結果を公表することとされている。

また、計画の終了年度の翌年度(第1期計画については、平成25年度)に、医療費適正化計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、計画の実績に関する評価を行い、その結果を厚生労働大臣に報告するとともに、これを公表することとされている。

○ 健康増進計画に関しても、医療費適正化計画にも盛り込む内容(メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減少率、健診・保健指導の実施率等に関する目標及びこれらの目標達成に向けた施策)については、上記の時期と同じ時期に、計画の進捗状況や実績に関し、評価を行うことが必要である。

このため、都道府県において、管内の各実施主体における実施状況等を把握し、地域・職域連携推進協議会において管内全体の状況を分析評価する。

○ その際、目標値の設定と同様に、必要な項目については、性・年齢調整を行う必要がある。詳細な性・年齢調整の方法については別紙3参照。

○ 医療保険者による健診・保健指導等に関するデータについては、以下の流れを基本とする。

・医療保険者は、高齢者の医療の確保に関する法律第142条に基づき、特定健診・特定保健指導の実施状況に関するデータを社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)を通じて国に提出する。

・国は、支払基金を通じて、医療保険者から健診・保健指導の実施状況に関するデータの提出を受け、都道府県ごとに分類した上、全国及び都道府県単位での健診・保健指導に関する分析及び比較・検討を行う。

・都道府県は、国が公表した都道府県単位の健診・保健指導等に関するデータや、高齢者の医療の確保に関する法律第15条(※)に基づく資料提出の協力要請により独自に医療保険者等から取得したデータを活用し、当該都道府県における関連する医療情報等と併せた分析・評価を行う。

(※) 高齢者の医療の確保に関する法律第15条では、都道府県は、医療費適正化計画の作成や施策の実施に関して必要がある場合には、医療保険者、医療機関等の関係者に必要な協力を求めることができることとされている。

○ また、健康増進法第19条の4に基づき、国又は都道府県は、市町村が行うがん検診や普及啓発事業等の実施状況を把握することができることとしており、平成20年度以降、従来の地域保健・老人保健事業報告の内容を見直す予定であるが、がん検診や健康増進関係の内容については、引き続き都道府県を通じた国への報告を求めることを予定している。

(8) 計画の見直し(次期計画の策定)

○ 現行の都道府県健康増進計画の多くは、国の「健康日本21」と合わせる形で、平成22年度を終期としている場合が多い。

○ 一方、今回の改革において、国及び都道府県は、全国医療費適正化計画及び都道府県医療費適正化計画を平成20年度から5年ごとに5年計画として策定する(第1期計画の終期は平成24年度)こととし、都道府県医療費適正化計画は、都道府県の健康増進計画、医療計画、介護保険事業支援計画と調和を保つこととされ、定期的な評価を行っていくこととされている。

国においても、「健康日本21」の取組と全国医療費適正化計画の取組の整合性を図る必要があり、運動期間(終期)について整合性を図る予定であるが、各都道府県でも、健康増進計画、医療計画、介護保険事業支援計画、医療費適正化計画、がん対策推進計画の整合性を図りつつ、定期的な評価も総合的に進めていくことが望まれる。