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○水質基準に関する省令の一部改正等における留意事項について

(平成19年11月15日)

(健水発第1115002号)

(各都道府県・各政令市・各特別区水道行政担当部(局)長あて厚生労働省健康局水道課長通知)

「水質基準に関する省令の一部を改正する省令」(平成19年厚生労働省令第135号)、「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法の一部を改正する件」(平成19年厚生労働省告示第386号)、「水道法施行規則の一部を改正する省令」(平成19年厚生労働省令第136号)及び「水道施設の技術的基準を定める省令の一部を改正する省令」(平成19年厚生労働省令第137号)の制定並びに水質管理目標設定項目の一部改正については、平成19年11月15日付健発第1115003号にて厚生労働省健康局長より通知されたところであるが、これらの施行に当たっての留意事項を下記のとおりとりまとめたので、御了知の上、貴管下水道事業者等に対する周知指導方、よろしくご配意願いたい。

第1 塩素酸に係る留意事項について

1 改正の背景及び概要

塩素酸について、浄水における検出状況等を踏まえ、水質基準項目とすることとした。「水道施設の技術的基準を定める省令」(平成12年厚生省令第15号)の別表1で定める基準(以下「薬品基準」という。)については、従来より水質基準との整合を図りつつ定められてきたところであり、今般、塩素酸の水質基準項目への追加に際し、改正前の薬品基準が新たに設定しようとする水質基準と同値である一方、水道原水において塩素酸が含有されている事例があること等を踏まえ、塩素酸に係る薬品基準を0.6mg/l以下から0.4mg/l以下に引き下げるとともに、経過措置として、平成23年3月31日までの間は、0.5mg/l以下を適用することとした。

この改正後の薬品基準は、塩素注入率が高い水道事業者等においても、次亜塩素酸ナトリウム等の購入仕様及び注入率に配慮するとともに、保管方法や保管日数等について十分留意することにより満足することが可能と考えられる。しかし、現状では水道事業者等における保管設備等が必ずしも十分であるとは言えないことから、経過措置を設け基準値を段階的に引き下げていくこととしたものである。

また、塩素酸の検査方法として、水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)に、イオンクロマトグラフ法を規定した。なお、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、フッ素並びに塩化物イオンについて、各検査機関等の使用する分析機器等において、塩素酸の検査方法により各測定対象成分の分析に影響がないことを確認した上であれば、塩素酸と一斉分析を行うことができることとした。

2 留意事項

塩素酸の水質基準及び薬品基準を遵守するため、特に塩素注入率の高い水道事業者等においては、消毒用次亜塩素酸ナトリウムの適切な管理が求められ、購入時、保管時、注入時において以下の事項に十分留意する必要がある。

(1) 購入時

購入仕様書に次亜塩素酸ナトリウム中の塩素酸濃度を規定すること及び仕様を満たしたものが納入されていることを確認すること。

(2) 保管時

保管温度及び保管期間に配慮すること。保管タンク内の不純物も塩素酸の生成促進作用があるため、保管タンクの清掃を行うことが望ましいこと。

(3) 注入時

次亜塩素酸ナトリウム中の塩素酸濃度が最も上昇していると考えられる時点において、薬品基準への適合確認を行うこと。

なお、塩素注入率が高くない水道事業者等においても、可能な限り薬品由来の汚染物質の混入を低減すべきことであること及び次亜塩素酸ナトリウムが本質的に分解性のある物質であることに配慮し、上記の点に留意することが望ましい。

第2 従属栄養細菌に係る留意事項について

1 改正の背景及び概要

水質管理目標設定項目として従属栄養細菌を追加することとしたが、これは、水道施設の健全性を判断するため、また、我が国における従属栄養細菌の存在量等必要な情報、知見の収集を図るためのものである。従属栄養細菌という指標については、本来的には、配水区域ごとに定期的に測定し、異常な増加が生じないことを確認するという使用方法が適切と考えられるが、当面、目標値として、1mlの検水で形成される集落数として2,000以下(暫定。R2A寒天培地法20±1℃で7日間培養した後の集落数である。)と設定することとした。この目標値については、今後、集積された情報、知見を踏まえて改めて検討することとしている。

2 留意事項

従属栄養細菌の目標値と比較した多寡を論ずるだけではなく、配水区域ごとの定期的な測定により、異常な増加が生じていないかを確認し、水質管理上の指標として、浄水処理過程や消毒過程での細菌の挙動の評価、配水系における塩素の消失や水の滞留の状況の評価に活用し、情報の蓄積に努めるべきである。なお、検査の実施に当たっては、以下の点に留意することとする。

(1) 一般細菌の検査に合わせて実施すること。

(2) 同一プレートで48時間後、72時間後及び可能ならば14日間後の菌数を算出することが望ましいこと。

(3) 給水栓から採水するときは、十分放流した後採取すること。予め栓口を火炎滅菌することも有効であること。

第3 関係通知の改正

1 厚生労働省健康局水道課長通知「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等並びに水道水質管理における留意事項について」(平成15年10月10日付健水発第1010001号)の一部改正について

(1) 第1の1中「臭素酸」を「塩素酸、臭素酸」に改めること。

(2) 第2の2中「臭素酸」を「塩素酸、臭素酸」に改めること。

(3) 第2の4中「表中1の項から30の項」を「表中1の項から31の項」に改めること。

(4) 第2の5中「表中31の項から50の項」を「表中32の項から51の項」に改めること。

(5) 第3の1(2)イに「、従属栄養細菌」を加えること。

(6) 第3の1(2)ニ及びホ中「、塩素酸」を削ること。

(7) 第3の2(3)を次のように改めること。

(3) 浄水又は浄水処理過程で二酸化塩素を注入する水道事業者等においては、二酸化塩素及び亜塩素酸について、水質基準に準じて取扱うこととし、これらの項目及び塩素酸について毎日水質検査を行い、これらの目標値又は水質基準値を超過しないことを確認し、それらを超えた場合には、二酸化塩素の使用の中止等、直ちに対策を実施すること。

(8) 第4の2中「臭素酸」を「塩素酸、臭素酸」に改めること。

(9) 別添1を別紙1新旧対照表のとおり改正すること。

(10) 別添3の1中「表中1の項から30の項」を「表中1の項から31の項」に改めること。

(11) 別添3の2中「表中31の項から50の項」を「表中32の項から51の項」に改めること。

(12) 別添4を別紙2新旧対照表のとおり改正すること。

(13) 別添5を別紙3新旧対照表のとおり改正すること。

2 厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知「水道用薬品の評価のための試験方法ガイドラインについて」(平成12年3月31日付衛水第21号)の一部改正について

別添を別紙4新旧対照表のとおり改正すること。

3 厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知「飲用井戸等衛生対策要領の留意事項について」(昭和62年1月29日付衛水第13号)の一部改正について

3(2)中「クロロ酢酸、クロロホルム」を「塩素酸、クロロ酢酸、クロロホルム」に改めること。

別紙1

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別紙2

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別紙3

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別紙4

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