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○薬剤師に対する再教育研修の実施について

(平成20年3月31日)

(薬食発第0331001号)

(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医薬食品局長通知)

良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律(平成18年法律第84号)により薬剤師法(昭和35年法律第146号)の一部改正が行われ、平成20年4月1日より、行政処分を受けた薬剤師に対して再教育研修(以下「再教育」という。)を実施することとされたところである。

貴職におかれては、下記の内容を御了知の上、貴管内の薬局、医療機関、関係団体等に周知方願いたい。

1.再教育の対象者

再教育の対象となるのは、戒告処分及び業務停止処分を受けたすべての者及び再免許を受けようとするすべての者であること。

2.再教育の内容等

(1) 再教育の内容は倫理研修及び技術研修とし、研修の形態は、原則として、以下のとおりとすること。

① 戒告処分を受けた者 集合研修

② 業務停止1年未満の処分を受けた者 集合研修及び課題研修又は集合研修及び個別研修

③ 業務停止1年以上の処分を受けた者及び再免許を受けようとする者 集合研修及び個別研修

(2) 再教育の対象者は、集合研修を受けようとする際に、それぞれ以下の手数料を納付すること。

① 戒告処分を受けた者

(ア) 倫理の欠如によって処分を受けた者 9,950円

(イ) 知識・技能の欠如によって処分を受けた者 19,900円

② 業務停止1年未満の処分を受けた者

(ア) 倫理の欠如によって処分を受けた者 19,900円

(イ) 知識・技能の欠如によって処分を受けた者 61,000円

③ 業務停止1年以上の処分を受けた者及び再免許を受けようとする者 61,000円

3.集合研修

(1) 研修内容

集合研修の内容は、薬剤師としての倫理の保持に関する研修(倫理研修)又は薬剤師として必要な知識及び技能に関する研修(技術研修)であること。

(2) 研修時間

集合研修に係る再教育の対象者が受けるべき集団研修の時間は、原則として、以下のとおりとすること。

① 戒告処分を受けた者

ア 倫理の欠如によって処分を受けた者 倫理研修1日相当

イ 知識・技能の欠如によって処分を受けた者 倫理研修1日相当及び技術研修1日相当

② 業務停止1年未満の処分を受けた者

ア 倫理の欠如によって処分を受けた者 倫理研修1日相当

イ 知識・技能の欠如によって処分を受けた者 倫理研修1日相当及び技術研修1日相当

③ 業務停止1年以上の処分を受けた者及び再免許を受けようとする者 倫理研修1日相当及び技術研修1日相当

(3) 研修報告書の提出

当該対象者は、研修終了後、研修報告書を厚生労働省医薬食品局総務課まで提出すること。

4.課題研修

(1) 研修内容

課題研修の内容は、当該研修の対象者(倫理の欠如によって業務停止1年未満の処分を受けた者)の処分の原因となった事由に関連する内容について、少人数のグループ討議形式で行うものであること。

(2) 研修時間

課題研修に係る再教育の対象者(倫理の欠如によって業務停止1年未満の処分を受けた者)が受けるべき課題研修の時間は、原則として、1日相当とすること。

倫理の欠如によって業務停止1年未満の処分を受けた者 1日相当

(3) 研修報告書の提出

当該対象者は、研修終了後、研修報告書を厚生労働省医薬食品局総務課まで提出すること。

5.個別研修

(1) 研修内容

個別研修の内容は、薬剤師としての倫理の保持に関する研修(倫理研修)又は薬剤師として必要な知識及び技能に関する研修(技術研修)であること。

(2) 研修期間

個別研修に係る再教育の対象者が受けるべき個別研修の時間は、原則として、以下のとおりとすること。

① 業務停止1年未満の処分を受けた者で知識・技能の欠如によって処分を受けた者 技術研修20日

② 業務停止1年以上の処分を受けた者及び再免許を受けようとする者 倫理研修及び技術研修計30日

なお、個別研修として、薬剤師の業務を伴う研修を行おうとする場合には、当該業務を伴う研修については、業務停止等の期間が終了した後又は再免許を受けた後に行うことになること。

(3) 個別指導者の選任

個別研修対象者が受けようとする場合には、個別指導者(個別研修対象者に対して助言、指導等を行う者であって、厚生労働大臣が指名したものをいう。以下同じ。)を選任する必要があること。

(4) 個別指導者の要件

厚生労働大臣は、次の要件を満たす者を個別指導者として指名すること。

① 薬剤師免許取得後5年以上経過している者であること。

② 個別研修対象者に対して助言、指導等を行うのに必要な知識・技術を有していること。具体的には、次のいずれかに該当する者であること。

ア 薬局又は医療機関において、薬剤師の指導に継続的に従事した経験を有する者

イ 大学の薬学部又は薬科大学において、学生の指導に継続的に従事した経験を有する者

ウ ア又はイに掲げる者と同等以上の知識・技術を有する者

なお、薬剤師以外の者を含めた複数の者を個別指導者として選任することを希望する場合には、個別に厚生労働省医薬食品局総務課まで相談されたい。

(5) 個別研修計画書の作成等

個別研修対象者は、個別指導者の協力を得た上で、個別研修を開始しようとする日の30日前までに、氏名、生年月日、薬剤師名簿の登録番号・登録年月日(再免許を受けようとする者を除く。)、個別研修の内容、個別研修の実施期間、個別指導者の氏名及びその他必要な事項を記載した個別研修計画書を作成し、当該計画書の内容が適切である旨の個別指導者の署名を受けた上で、厚生労働省医薬食品局総務課まで提出すること。

なお、個別研修計画書は、当該対象者の処分事由に関連する内容を含むものでなければならないこと。また、当該計画書の内容が適切でないと認められる場合には、当該計画書の内容の変更を命じることがあり得ること。

(6) 個別研修修了報告書の作成等

個別研修対象者は、個別研修を修了したときは、氏名、生年月日、薬剤師名簿の登録番号・登録年月日(再免許を受けようとする者を除く。)、個別研修の内容、個別研修の開始・修了年月日、個別指導者の氏名及びその他必要な事項を記載した個別研修修了報告書を作成し、当該対象者が個別研修を修了したものと認める旨の個別指導者の署名を受けた上で、厚生労働省医薬食品局総務課まで提出すること。

6.再教育を修了した旨の薬剤師名簿への登録

(1) 登録の申請手続

再教育を修了した者が、再教育を修了した旨の薬剤師名簿への登録の申請を行う場合には、手数料の額に相当する収入印紙を貼付した申請書に薬剤師免許証の写しを添付した上で、厚生労働省医薬食品局総務課まで提出すること。

なお、個別研修対象者が申請を行う場合にあっては、薬剤師免許証の写しに加えて、個別研修修了の際に当該対象者に交付する個別研修修了証の写しを添付する必要があること。

(2) 留意事項

再教育の命令を受けた薬剤師であって、再教育を修了した旨の薬剤師名簿への登録を受けていない者(以下「再教育未修了薬剤師」という。)については、薬剤師法(昭和35年法律第146号)等関係法令の規定により、以下のような扱いとなること。

① 再教育未修了薬剤師に係る処分に関する事項については、厚生労働大臣による公表の対象となること。

② 再教育未修了薬剤師は、薬局の管理者になれないこと。

なお、再教育を受けなかった薬剤師については、薬剤師法の規定による罰則の対象となること。

7.再教育の対象者に対する弁明の機会の付与等

再教育の対象者については、行政手続法(平成5年法律第88号)の規定により弁明の機会を付与する必要があるが、再教育に係る弁明の機会の付与については、当該対象者に対する薬剤師法の規定による行政処分に係る聴聞又は弁明の機会の付与と併せて行うことがあること。

同様に、都道府県知事が再教育の対象者に対して行う弁明の聴取についても、当該対象者に対する薬剤師法の規定による行政処分に係る意見の聴取又は弁明の聴取と併せて行うこととして差し支えないこと。

8.薬局開設の許可申請における再教育研修修了登録証の提示等

薬事法(昭和35年法律第145号)第4条第1項の規定に基づき、薬局開設の許可を受けようとする者が薬局開設の許可を申請する場合又は同法第10条に基づき許可を受けた者が変更の届出をする場合は、行政処分を受けた薬剤師に薬局を管理させるときは、再教育研修修了登録証を提示、又はその写しを添付しなければならないこと。