アクセシビリティ閲覧支援ツール

○特定保健用食品(規格基準型)の成分規格の一部改正等について

(平成18年7月21日)

(食安発第0721001号)

(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)

特定保健用食品(規格基準型)の成分規格については、「特定保健用食品(規格基準型)制度の創設に伴う規格基準の設定等について」(平成17年7月1日付け食安発第0701007号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知。以下「部長通知」という。)により通知したところであるが、今般、分析精度の向上及び食品衛生法(昭和22年法律第233号)第21条の規定に基づく食品添加物公定書に掲げる試験方法との整合性を図ること等を目的として、当該成分規格の一部を下記第1のとおり改正するとともに、「特定保健用食品における疾病リスク低減表示について」(平成17年2月1日付け食安新発第0201003号厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室長通知。以下「室長通知」という。)について下記第2のとおり所要の改正を行うこととしたので、貴管下関係者に対する周知徹底をはじめ、その運用に遺憾のなきよう取り計らわれたい。

なお、別添のとおり、下記第1の1に係る改正及び第2に係る改正による変更部分の新旧対照表を添付するので、業務の参考とされたい。

第1 部長通知について

1 部長通知の(別添)「特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準」の(別紙)中「ポリデキストロース」、「大豆オリゴ糖」、「フラクトオリゴ糖(2)」、「乳果オリゴ糖」、「ガラクトオリゴ糖(1)」、「キシロオリゴ糖」及び「イソマルトオリゴ糖」に係る成分規格を改正すること。

2 (別紙)中の単位について、国際単位(SI単位)系に整合させるため、「l」を「L」、「ml」を「mL」、「μl」を「μL」及び「mol/l」を「mol/L」に改めること。

なお、1及び2による改正後の部長通知の(別添)の(別紙)は、別紙のとおりであること。

第2 室長通知について

室長通知の第1の表中、カルシウムを関与成分とする場合の「特定の保健の用途に係る表示」のうち「日頃の運動と、適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は若い女性が健全な骨の健康を維持し」を「日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健康を維持し」に改めること。

別添

画像2 (110KB)別ウィンドウが開きます

画像3 (104KB)別ウィンドウが開きます

画像4 (85KB)別ウィンドウが開きます

画像5 (81KB)別ウィンドウが開きます

難消化性デキストリン

定義 本品はトウモロコシデンプンに微量の塩酸を加えて加熱し、α―アミラーゼ(注1)及びグルコアミラーゼ(注2)で処理して得られた食物繊維(注3)画分を分取したものである。

含量 本品は難消化性デキストリン(食物繊維として)を85.0~95.0%含む。

性状 本品は淡黄色の粉末である。

確認試験

(1) 本品1gに水10mLを加えて攪拌するとき、沈殿を生じない。

(2) 本品0.1gに水10mLを加え、全量を40℃で30分間放置する。これにアミラーゼ試液5mLを加えて更に40℃で30分間放置して冷却する。この溶液の1mLを沸騰フェーリング試液5mLに加えて生じる赤色沈殿をろ紙でろ過して集める。別にデキストリン(DE15~20)0.1gに水10mLを加えて溶解した溶液を同様の手順で処理し、集められた赤色沈殿を目視により比較するとき、本品から得られる赤色沈殿はデキストリンから得られる赤色沈殿より少ない。

純度試験

(1) 液性 pH3.0~6.0(10g、水90mL)

(2) 重金属 Pbとして1μg/g以下(5.0g、第2法、比較液 鉛標準液0.5mL)

(3) ヒ素 As2O3として1μg/g以下(2.0g、第4法、装置B)

(4) デキストロース当量値(注4) 10~15

本品2.5gを正確に量り、水に溶かして200mLとする。この液10mLを正確に量り、0.04mol/Lヨウ素溶液(注5)10mLと0.04mol/L水酸化ナトリウム溶液(注6)15mLを加えて20分間暗所に放置する。次に、2mol/L塩酸(注7)を5mL加えて混和した後、0.04mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液(注8)で滴定する。滴定の終点近くで液が微黄色になったら、デンプン指示薬(注9)2滴を加えて滴定を継続し、液の色が消失した時点を滴定の終点とする。別に空試験を行う。次式によりデキストロース当量(DE)値を求める。

DE=(b-a)×f×3.602/(1/1000)/(200/10)/{A×(100-B)/100}×100

a:滴定値(mL)

b:ブランク値(mL)

f:チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター値

A:試料の秤取量(g)

B:試料の水分値(%)

乾燥減量 5%以下(2.0g、93kPa減圧、70℃、5時間)

灰分 0.2%以下

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき細菌数は300以下、真菌数は100以下である。また、大腸菌は認めない。

定量法

本品約1gを精密に量り(Sp)、0.08mol/Lリン酸緩衝溶液(注10)50mLを加え、pHが6.0±0.5であることを確認する。これに熱安定性α―アミラーゼ(注11)溶液0.1mLを加え、沸騰水浴中に入れ、5分ごとに攪拌しながら30分間放置する。

冷却後、水酸化ナトリウム溶液(1.1→100)を加えてpHを7.5±0.1に調整する。たん白分解酵素(注12)溶液0.1mLを加え、60±2℃の水浴中で振とうしながら30分間反応させる。

冷却後、0.325mol/L塩酸を加え、pHを4.3±0.3に調整する。アミログルコシダーゼ(注13)溶液0.1mLを加え、60±2℃の水浴中で振とうしながら30分間反応させる。

以上の酵素処理を終了後、直ちに沸騰水浴中で10分間加熱した後冷却し、グリセリン(10→100)(内部標準物質)5mLを加え水で100mLとし酵素処理液とする。

酵素処理液50mLをイオン交換樹脂(OH型:H型=1:1)50mLを充填したカラム(ガラス管20mm×300mm)に通液速度50mL/hrで通液し、さらに水を通して流出液の全量を約200mLとする。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、全量を水で20mLとする。孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、検液とする。検液20μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液のグリセリンおよび食物繊維画分のピーク面積値を測定し、次式により食物繊維成分含量を求める。

食物繊維成分含量(%)=[食物繊維成分のピーク面積/グリセリンのピーク面積]×f1×[内部標準グリセリン重量(mg)/秤取試料重量(Sp、mg)]×100

f1:グリセリンとブドウ糖のピーク面積の感度比(0.82)

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 親水性ビニルポリマーゲル

カラム管 内径7.8mm、長さ30cmのステンレス管を2本直列につないだもの

カラム温度 80℃

移動相 水

流速 0.5mL/分

(注1) α―アミラーゼ:EC3.2.1.1、Bacillus属由来

(注2) グルコアミラーゼ:EC3.2.1.3l、Aspergillus属由来

(注3) 食物繊維:「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」(平成11年4月26日付け衛新第13号厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知)により示された分析方法による。

(注4) デキストロース当量値(Dextrose Equivalent値):

還元糖をグルコースとして測定し、その還元糖の全固形分に対する割合であり、デンプン分解物の分解度の指標となる。また、100/DEはデンプン分解物の重合度(DP)を表し、平均分子量の指標となる。

(注5) 0.04mol/Lヨウ素溶液:ヨウ化カリウム20.4gとヨウ素10.2gを2Lのメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。

(注6) 0.04mol/L水酸化ナトリウム溶液:水酸化ナトリウム3.2gを2Lのメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。

(注7) 2mol/L塩酸:水750mLに塩酸150mLをかき混ぜながら徐々に加える。

(注8) 0.04mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液:チオ硫酸ナトリウム20gを2Lのメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。

(注9) デンプン指示薬:可溶性デンプン5gを水500mLに溶解し、これに塩化ナトリウム100gを溶解する。

(注10) 0.08mol/Lリン酸緩衝溶液(pH6.0):

無水リン酸二ナトリウム1.400gとリン酸一ナトリウム10.94gを700mLの蒸留水に溶かし、0.275mol/L水酸化ナトリウム溶液あるいは0.325mol/L塩酸でpHを6.0に調整して1Lとする。

(注11) 熱安定性α―アミラーゼ:EC3.2.1.1、Bacillus licheniformis由来

(注12) たん白分解酵素:EC3.4.21.62、Bacillus licheniformis由来

(注13) アミログルコシダーゼ:EC3.2.1.3、Aspergillus niger由来

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

ポリデキストロース

定義 本品は、ブドウ糖(注1)、ソルビトール及びクエン酸を、減圧下で熱処理して得られたもので、ブドウ糖のβ―1,6結合を主とした重合物を主成分とする。

含量 本品を無水物換算したものは、ブドウ糖のβ―1,6結合を持つ重合物90%以上を含む。

性状 白色~淡黄色の非結晶性の粉末又は塊で、においがなく、味はないか又はわずかに酸味がある。

確認試験

(1) 本品の水溶液(1→10)1滴にフェノ-ル溶液(1→20)4適を加え、次に濃硫酸15滴を急速に加えるとき、濃い黄色からオレンジ色を呈する。

(2) 本品の水溶液(1→10)1mLにアセトン1mLを激しく攪拌しながら加えるとき、溶液の色調に変化はない。

(3) 2の溶液にアセトン2mLを激しく攪拌しながら加えるとき、直ちに白濁する。

(4) 本品の水溶液(1→50)1mLにアルカリ性クエン酸銅試液4mLを加え、加熱する。冷後、上澄液は青色又は青緑色を呈する。

純度試験

(1) 液性 pH3.0~4.5(10g、100mL)

(2) 重金属 Pbとして5μg/g以下(4.0g、第2法、比較液 鉛標準液2.0mL)

(3) 鉛 0.5μg/g以下(10.0g、第1法、比較液 鉛標準液0.5mL)

(4) ヒ素 As2O3として1.0μg/g以下(0.5g、第1法、装置C、比較液 ヒ素標準液0.4mL)

強熱残分 0.3%以下(1.0g、800℃、15分間)

水分 4%以下(1.0g、直接滴定、試料溶解用溶媒 水分滴定用メタノール/ホルムアルデヒド混合液(2:1))

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき細菌数は、600以下である。また大腸菌は認めない。

定量法

本品及びブドウ糖、ソルビトール、レボグルコサン(注2)を、それぞれ約4g、約250mg、約160mg、約250mgを精密に量り、水を加えて溶かして正確に100mlずつとし、検液及び標準液とする。それぞれの標準液20μlにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、得られたクロマトグラムから求めたピーク面積を縦軸に、標準品の採取量を横軸にとり、検量線を作成する。検液を、検量線を作成したときと同一条件でクロマトグラムを記録させ、被検成分のピーク面積を測定し、検量線を用いて定量を行う。得られた被検成分値を用い、計算式によりブドウ糖のβ―1,6結合を持つ重合物の含量を求める。

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 ポリスチレンジビニルベンゼン陽イオン、陰イオン交換樹脂

カラム菅 内径7~9mm、長さ15~30cmのステンレス菅

カラム温度 30℃

移動相 水

流量 ブドウ糖の保持時間が約8.5分となるように調整する。

計算式

ブドウ糖のβ―1,6結合を持つ重合物(%)=100-(強熱残分)-(ブドウ糖%)-(ソルビトール%)-(レボグルコサン%)

(注1) ブドウ糖:本品の規格は日本薬局方ブドウ糖に準じるが、乾燥したものを定量する時、ブドウ糖含量は99.5%以上である。

(注2) レボグルコサン:ブドウ糖を加熱処理した際に生成される分子内脱水物で、1,6無水ブドウ糖。

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

グアーガム分解物

定義 本品は、グァー(Cyamopsis tetragonolobus)の種子中に含まれるガラクトマンナンをヘミセルラーゼ(注1)で加水分解して得られた食物繊維画分である。

含量 本品を乾燥物換算したものは、グアーガム分解物(食物繊維として)60%以上含む。

性状 本品は、類白~微黄色の粉末又は粒で、わずかににおいがある。

確認試験

(1) 本品20gにイソプロピルアルコール4mLを加えてよく湿らせた後、激しくかき混ぜながら水200mLを加え、更に均一に分散するまで激しくかき混ぜるとき、わずかに粘性のある液になる。この液を沸騰した水浴上で約10分間加熱した後、室温まで冷却するとき、その粘性は加熱前とほとんど変わらない。

(2) 室温まで冷却した(1)で得た10%水溶液10mLにホウ酸ナトリウム溶液(1→20)2mLを加え、混和して放置するとき、ゼリー状となる。また、1%水溶液10mLにホウ酸ナトリウム溶液(1→20)2mLを加え、混和して放置するとき、ゼリー状とならならない。

純度試験

(1) たん白質 7.0%以下 本品約0.15gを精密に量り、窒素定量法中のセミミクロケルダール法により試験を行う。

0.005mol/L硫酸1mL=0.8754mgたん白質

(2) 酸不溶物 7.0%以下 「加工ユーケマ藻類」の純度試験(5)を準用する。

(3) 重金属 Pbとして20μg/g以下(1.0g、第2法、比較液 鉛標準液2.0mL)

(4) 鉛 Pbとして10μg/g以下(1.0g、第1法)

(5) ヒ素 As2O3として1.0μg/g(1.0g、第3法、装置C,比較液 ヒ素標準液1mL)

乾燥減量 14.0%以下(105℃、3時間)

灰分 2.0%以下(800℃、5時間)

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、細菌数は10,000以下、真菌数は1,000以下である。また、大腸菌は認めない。

定量法

本品約1gを精密に量り、0.08mol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)(注2)50mLを加えて攪拌し、溶解、分散させる。ターマミル溶液(注3)0.1mLを加え、沸騰水溶液中で時々攪拌しながら15~30分間加熱する。冷却後、0.275mol/L水酸化ナトリウム試液(注4)10mLを加えてpH7.5±0.1に調整する。プロテアーゼ(注5)5mgを加え、振とうさせながら60℃で30分間、加温する。冷却後、0.325mol/L塩酸溶液(注6)10mLを加えてpH4.5±0.2に調整する。アミログルコシダーゼ(注7)0.3mLを加え、振とうさせながら60℃で30分間、加温し、冷却後、蒸留水を加え、100mLとする。その後、60℃に加温した95%エタノール(注8)400mLを攪拌しながら加え、室温で60分間放置する。その後、毎分約3,000回転で5分間遠心分離し、上清を捨てる。残渣を78%エタノール(注9)20mLで3回、95%エタノール10mLで2回、さらにアセトン10mLで2回洗浄し、毎回同様に遠心分離し、上清を除去する。残渣を少量の95%エタノールで重量既知の白金製、石英製又は磁性のるつぼに移し、105℃で一晩乾燥し、デシケーター中で放冷した後、その重量を精密に量る。

上記操作によって得られた残渣について、一つは窒素定量法によりたん白質を定量し(係数:6.25)、さらに、一つは、灰分試験法(525℃、5時間)を行う。

別に空試験を行い補正する。

グアーガム分解物(食物繊維含量として)(%)=R-{(P+A)/100×R}-B/S×100

R:残渣重量平均値(mg)

P:残渣中のたん白質(%)

A:残渣中の灰分(%)

S:試料採取量(mg)

B:空試験補正値(mg)

B=Br-{(Bp+Ba)/100×Br}

Br:空試験の残渣(mg)

Bp:空試験の残渣中のたん白質(%)

Ba:空試験の残渣中の灰分(%)

(注1) ヘミセルラーゼ:β―ガラクトマンナナーゼ、麹菌等由来(EC3.2.1.78)

(注2) 0.08mol/Lリン酸緩衝液(pH6.0):リン酸二ナトリウム、無水1.400gとリン酸一ナトリウム10.94gを量り、水を加えて溶かし1,000mLとする。pHを確認する。

(注3) ターマミル:熱安定性α―アミラーゼ(EC3.2.1.1)、濃度:10,000―11,000単位/mL

(注4) 0.275mol/L水酸化ナトリウム試液:水酸化ナトリウム11.0gを水に溶かし、1,000mLにする。

(注5) プロテアーゼ:バチルス属サブスティリス(EC3.4.21.62)、濃度:7―15単位/mg

(注6) 0.325mol/L塩酸試液:塩酸27mLを量り、水を加えて1,000mLにする。

(注7) アミログルコシダーゼ:麹菌液化型アミラーゼ((EC3.2.1.3)、濃度:2,000―3,300単位/mL

(注8) 95%エタノール:C2H5OH[エタノール(95)(エチルアルコール(95)、特級)

(注9) 78%エタノール:水207mLに95%エタノールを加えて1,000mLとする。

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

大豆オリゴ糖

定義 本品は、大豆(Glycine max)から抽出した水溶性糖類の濃縮物で、スタキオース、ラフィノースを主成分とするものである。

含量 本品は、スタキオースおよびラフィノース20%以上を含む。

性状 本品は、無~淡黄色の透明のシロップ状の液体である。

確認試験 検液及びスタキオース及びラフィノース標準液につき、定量法の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、本品に含まれる大豆オリゴ糖(スタキオース、ラフィノース)のピークの保持時間は標準品のピークの保持時間と一致する。

純度試験

(1) 溶状 無色または淡黄色、澄明(34.2→100)

(2) 液性 pH4.5~6.5

(3) 重金属 Pbとして20μg/g以下(1.0g、第2法、比較液 鉛標準液2.0mL)

(4) ヒ素 As2O3として1μg/g以下(0.5g、第1法、装置C、比較液 ヒ素標準液0.4mL)

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき細菌数は300以下、真菌数は5以下である。

定量法

本品約1gを精密に量り、これに水を加えて正確に100mLとし、検液とする。別に、スタキオース標準品(四水和物)(注1)およびラフィノース標準品(五水和物)(注2)を常温・減圧下で24時間乾燥する。それぞれ、スタキオース標準品約0.45gおよび0.9g、ラフィノース標準品約0.15gおよび0.35gを精密に量り、それぞれ水に溶かして100mLとし、これらを標準液とする。検液および標準液5μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、各糖のピーク高さ又はピーク面積を測定する。

大豆オリゴ糖(スタキオース、ラフィノース)含量(W/W%)=(a+b)×100/c×100/1000

a:検量線から求めた検液中のスタキオース(無水和物換算)の濃度(mg/mL)

b:検量線から求めた検液中のラフィノース(無水和物換算)の濃度(mg/mL)

c:試料採取量(g)

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 スルホ基を結合させたスチレンジビニルベンゼン共重合体

カラム管 内径8mm、長さ30cmのステンレス管

カラム温度 70℃

移動相 水

流量 スタキオース及びラフィノースの保持時間が、それぞれ、約5.4分、約5.7分となるように調整する。

(注1) スタキオース標準品(四水和物):

分子量 738.65

外観 白色の結晶性粉末

融点 110℃

比旋光度画像6 (2KB)別ウィンドウが開きます
(C=1,H2O)=約+133°

溶解性 水に可溶、エタノールに難溶

(注2) ラフィノース標準品(五水和物):

分子量 594.51

外観 白色の結晶性粉末

融点 77~81℃

比旋光度画像7 (2KB)別ウィンドウが開きます
(C=2,H2O)=+102°~+106°

溶解性 水に可溶、エタノールに不溶

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

フラクトオリゴ糖(1)

定義 本品はショ糖をフルクトシルトランスフェラーゼ(注1)により酵素反応させたものであり、1―ケストース、ニストース、フラクトシルニストースを主成分とするものである。

含量 本品は、フラクトオリゴ糖55.0~60.0%で、1―ケストースを24.0~35.0%、ニストースを20.0~26%、1F―フラクトシルニトース2.0~7.0%を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の粘ちょうな液体で、においがなく、甘みがある。

確認試験

定量法で規定した検液及び標準液につき、定量法の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、本品に含まれるフラクトオリゴ糖(1―ケストース、ニストース及び1F―フラクトシルニストース)のピークの保持時間は標準品のピークの保持時間と一致する。

純度試験

(1) 液性 pH5.0~6.0(10mL、水10mL)

(2) 重金属 Pbとして10μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液2.0mL)

(3) ヒ素 As2O3として4μg/g以下(0.5g、第3法、装置B)

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき細菌数は300以下である。また大腸菌は認めない。

定量法

本品を乾燥(五酸化リンの存在下、真空デシケータ中で恒量に達するまで)したもの約5gを精密に量りグリセリン(5→100)20mLを加えた後、水を加えて正確に100mLとし検液とする。

別にフラクトオリゴ糖標準品(注2)を乾燥(五酸化リンの存在下、真空デシケータ中で恒量に達するまで)し、約1、2、3、4及び5gずつをそれぞれ精密に量り、それぞれにグリセリン(5→100)を正確に1mL加え、水で正確に100mLとし、標準液とする。検液及び標準液5μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液のグリセリンのピーク面積及び各フラクトオリゴ糖(グリセリンの対する相対保持時間が、1―ケストース約2.03、ニストース約2.57、1F―フラクトシルニストース約3.27)の面積を測定する。検液の各面積の比から検量線により求められた検液中の1―ケストースの濃度(mg/mgグリセリン)A、ニストースの濃度(mg/mgグリセリン)B及びフラクトシルニストースの濃度(mg/mgグリセリン)Cを求め、次式により、検液中の総フラクトオリゴ糖(1―ケストース+ニストース+1F―フラクトシルニストース)の含有量を求める。

総フラクトオリゴ糖(%)=(A+B+C)×1000/試料採取量(mg)×100

操作条件

検出器 RI検出器

カラム充てん材 粒径5μmのアクリルアミド基化学結合シリカ

カラム管 内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管

カラム温度 40℃

移動層 アセトニトリル/水混液(70:30)

流速 1mL/分

(注1) フルクトシルトランスフェラーゼ:β―フラクトフラノシダーゼ、Aureobasidium属FERMP4257由来

(注2) フラクトオリゴ糖標準品:

1―ケストース 本品は白色の粉末でにおいがなく、甘味がある。

含量 本品を乾燥(五酸化リンの存在下、真空デシケータ中で恒量に達するまで)したものは、1―ケストース99.0%以上を含む。

定量法 本品1g及びブドウ糖1gをそれぞれ精密に量り、水を加えて溶かし正確に100mLとし、その10μLについて以下の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ブドウ糖及び、1―ケストース(ブドウ糖に対する相対保持時間1.70)のピーク面積を測定し、1―ケストースピーク面積のブドウ糖ピーク面積に対する比に100を乗じたものを含量(%)とする。

操作条件

検出器 RI検出器

カラム充てん材 細孔径12nm粒径5μmのODS結合シリカ

カラム管 内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管

カラム温度 40℃

移動層 水

流速 1mL/分

ニストース 本品は白色の粉末でにおいがなく、わずかに甘味がある。

含量 本品を乾燥(五酸化リンの存在下、真空デシケータ中で恒量に達するまで)したものは、ニストース99.0%以上を含む。

定量法 本品1g及びブドウ糖1gをそれぞれ精密に量り、水を加えて溶かし正確に100mLとし、以下の操作条件において、その10μLで液体クロマトグラフィーを行い、ブドウ糖及び、ニストース(ブドウ糖に対する相対保持時間3.04)のピーク面積を測定し、ニストースピーク面積のブドウ糖ピーク面積に対する比に100を乗じたものを含量(%)とする。

操作条件

1―ケストースに同じ。

1F―フラクトフラノシルニストース 本品は白色の粉末でにおいがなく、わずかに甘味がある。

含量 本品を乾燥したものは、1F―フラクトフラノシルニストース99.0%以上を含む。

定量法 本品1g及びブドウ糖1gをそれぞれ精密に量り、水を加えて溶かし正確に100mLとし、以下の操作条件において、その10μLで液体クロマトグラフィーを行い、ブドウ糖及び、1F―フラクトフラノシルニストース(ブドウ糖に対する相対保持時間6.11)のピーク面積を測定し1F―ニストースピーク面積のブドウ糖ピーク面積に対する比に100を乗じたものを含量(%)とする。

操作条件

1―ケストースに同じ。

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

フラクトオリゴ糖(2)

(①粉末 ②液体)

定義 本品は、ショ糖をインベルターゼ(注1)で酵素反応(ショ糖の果糖側に果糖をβ―2,1結合させる)して得られた1―ケストース、ニストース、フラクトフラノシルニストースを主成分とするものである。

含量

①本品を乾燥物換算したものは、フラクトオリゴ糖95%以上を含み、主な成分としてフラクトオリゴ糖中に1―ケストースを15.0~65.0%、ニストースを25.0~75.0%、フラクトフラノシルニストースを0~30.0%を含む。

②本品を乾燥物換算したものは、フラクトオリゴ糖55%以上を含み、主な成分としてフラクトオリゴ糖中に1―ケストースを15.0~65.0%、ニストースを25.0~75.0%、フラクトフラノシルニストースを0~30.0%含む。

性状

①粉末 本品は、白色の粉末、粒、結晶又はこれらの混合物で、においがなく甘味がある。

②液体 本品は、白~淡黄色で澄明のシロップ状の液体で、無~白色の結晶を析出することがあり、においがなく、甘味がある。

確認試験

(1) 検液及びフラクトオリゴ糖標準液を定量法の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、ピークの保持時間は標準品のピークの保持時間と一致する。

(2) 本品の水溶液(1→20)を検液とし、フラクトオリゴ糖(注2)、白糖、果糖及びブドウ糖標準品の水溶液(1→20)を対照液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。検液及び対照液2μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に、酢酸/クロロホルム/水混液(7:6:1)を展開溶媒として約7cm展開した後、薄層板をドライヤーにて熱風乾燥する。これに発色液(注3)を噴霧した後、300℃で約1分加熱するとき、ブドウ糖から得たスポットは青~紺色、果糖は赤~橙色、白糖、1―ケストース、ニストースおよびフラクトフラノシルニストースは赤~紫色を呈し、検液と対照液のスポットの移動位置により確認する。

(3) 本品の水溶液(1→50)の味は甘い。

純度試験

(1)

①溶状 澄明(25.0g、水50.0mL)

②液性 4.5~7.0(3.0g、水10mL)

(2) 鉛 Pbとして1.0μg/g以下(10.0g、第1法)

(3) ヒ素 As2O3として1.0μg/g以下(2.0g、第3法、装置B)

乾燥減量

①粉末 5%以下(減圧、90℃、4時間)

②液体 25%以下(減圧、90℃、3時間)

灰分 0.1%以下

微生物限度

①粉末 微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、細菌数は1,000以下、真菌数は20以下である。また大腸菌は認めない。

②液体 微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、細菌数は300以下、真菌数は20以下である。また大腸菌は認めない。

定量法

本品約2.0gを精密に秤量して水を加えて溶かし、内部標準用5w/v%グリセリン溶液(注4)20mL(グリセリンとして1,000mg)を加え、さらに水を加えて正確に100mLとして検液とする。別にフラクトオリゴ糖標準品1―ケストース(GF2)、ニストース(GF3)、フラクトフラノシルニストース(GF4)をそれぞれ0.4g精密に秤量し、水を加えて正確に20mLとする。この液を1、2、3、4及び5mL正確に採取し、内部標準用5w/v%グリセリン溶液1mLと水を加えて約10mLとして標準液とする(グリセリン1mgに対して各フラクトオリゴ糖量が0.4、0.8、1.2、1.6及び2.0mgの標準液となる)。検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液の各フラクトオリゴ糖と内部標準物質のピーク高さを求める。別に標準液10μLにつき、同じ操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、各標準液の各フラクトオリゴ糖と内部標準物質のピーク高さ比と、グリセリン1mgに対するフラクトオリゴ糖量(mg)で検量線を作成し、フラクトオリゴ糖量を測定する。

総フラクトオリゴ糖量(%)=(A+B+C)×D/(E×1,000)×100

A:検量線から求めた検液中GF2量(mg/mgグリセリン)

B:検量線から求めた検液中GF3量(mg/mgグリセリン)

C:検量線から求めた検液中GF4量(mg/mgグリセリン)

D:検液中に含まれるグリセリン量(=1,000mg)

E:乾燥物換算した試料摂取量(g)

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 5μmの化学修飾型アミノプロピルシリル化シリカゲル

カラム管 内径4mm、長さ25cmのステンレス管

カラム温度 40℃

移動相 アセトニトリル/水混液(70:30)

流速 1.0mL/分

(注1) β―フルクトフラノシダーゼ:β―フルクトフラノシダーゼ、Aspergillus niger由来

(注2) フラクトオリゴ糖標準品:

1―ケストース

性状 本品は白色の粉末で、水溶液(1→20)は澄明である。

含量 本品は、1―ケストース98%以上を含む。

定量法 本品約15mgを精密に秤量して水を加えて溶かし、さらに水を加えて正確に1.0mLとして検液とする。検液10μLにつき、フラクトオリゴ糖の定量法に示した操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検出ピーク面積の比から純度を求め、含量とする。

標準品の純度(%)=A/B×100

A:標準品のピーク面積

B:全検出ピーク面積

ニストース

性状 本品は白色の粉末で、水溶液(1→20)は澄明である。

含量 本品は、ニストース98%以上を含む。

定量法 「1―ケストース」の定量法を準用する。

フラクトフラノシルニストース

性状 本品は白色の粉末で、水溶液(1→20)は澄明である。

含量 本品は、フラクトフラノシルニストース75%以上を含む。

定量法 「1―ケストース」の定量法を準用する。

(注3) 発色液:A液とB液を10:1〔容量比〕で混合する。A液はジフェニルアミン2g、アニリン2mL、アセトン100mL、B液はリン酸である。

(注4) 内部標準用5w/v%グリセリン溶液:5gのグリセリンに80v/v%エタノール50mLを加えて100mLとする。

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

乳果オリゴ糖

(①粉末②液体)

定義 本品はショ糖(注1)と乳糖(注2)をフルクトシルトランスフェラーゼ(注3)により酵素反応させたもので、ラクトスクロースを主成分としたものである。

含量

①粉末 本品を乾燥物換算したものは乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)を55.0%以上含む。

②液体 本品を乾燥物換算したものは乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)を55.0~60.0%含む。

性状

①粉末 本品は白色粉末で、甘味がある。

②液体 本品は無色澄明の粘ちょうな液体で、甘味がある。

確認試験 定量法の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、本品のピークの保持時間はラクトスクロース標準品のピーク保持時間と一致する。また、白糖標準液(注4)および乳糖標準液(注5)を同一条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、白糖及び乳糖に対する本品の相対保持時間はそれぞれ1.6±0.3、1.3±0.1である。

純度試験

(1) 液性

①粉末 pH4.0~7.0(30g、水70mL)

②液体 pH4.0~6.5(30g、水70mL)

(2) 重金属 Pbとして1.0μg/g以下(10g、第1法、比較液 鉛標準液1.0mL)

(3) ヒ素 As2O3として1.0μg/g以下(0.5g、第1法、装置C、比較液 ヒ素標準液0.4mL)

乾燥減量

①粉末 5.0%以下(2~3g、減圧、80℃、6時間)

②液体 25%以下(1g、減圧、80℃、6時間)

強熱残分

①粉末 0.1%以下(2g、600℃、4時間)

②液体 0.05%以下(2g、600℃、4時間)

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、細菌数は300以下、真菌数は5以下である。また、大腸菌は認めない。

定量法

①粉末 本品約1.0gを精密に量り、これに水約20mLを加えて溶解し、水を加えて正確に50mLとし、検液とする。別にラクトスクロース標準品(注6)を80℃で6時間減圧乾燥し、その約500mgを精密に量り、水を加えて溶かし、正確に50mLとし、標準液とする。検液及び標準液20μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液のラクトスクロースのピーク面積S1及び標準液のラクトスクロースのピーク面積Stを測定する。

②液体 本品約1.3gを精密に量り、これに水約20mLを加えて溶解(加温しながら混ぜるか、超音波処理により行う)し、水を加えて正確に50mLとし、検液とする。検液及び①粉末で用いた標準液20μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液のラクトスクロースのピーク面積S1及び標準液のラクトスクロースのピーク面積Stを測定する。

乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)の含量=(標準品採取量(mg)/試料採取量(mg))×(S1/St)×100(%)

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 5μmのカルバモイル基化学結合型シリカゲル

カラム管 内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管

カラム温度 35℃

移動相 アセトニトリル/水混液(71:29)

流量 ラクトスクロースの保持時間が約16~19分となるよう調整する。

(注1) ショ糖(C12H22O11):純度99.0%以上。

(注2) 乳糖(C12H22O11・H2O):純度98.5%以上。

(注3) フルクトシルトランスフェラーゼ:β―フラクトシダーゼ、Arthrobactersp. K―1株(FERM BP―3192)由来

(注4) 精製白糖(日本薬局方)100mgを精密に量り、水に溶解し正確に10mLとする。

(注5) 乳糖一水和物100mgを精密に量り、水に溶解し正確に10mLとする。

(注6) ラクトスクロース標準品

本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。

含量 本品は、ラクトスクロース(C18H32O16)98.0%以上を含む。

定量法 本品約1.5gをとり、水を加えて正確に100mLとし、検液とする。検液20μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を自動積分法により測定する。

ラクトスクロースの量(%)=(検液のラクトスクロースのピーク面積/総ピーク面積)×100

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 5μmのカルバモイル基化学結合型シリカゲル

カラム管 内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管

カラム温度 35℃

移動相 アセトニトリル/水混液(71:29)

流量 ラクトスクロースの保持時間が約16~19分となるよう調整する。

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

ガラクトオリゴ糖(1)

定義 本品は乳糖からβ―ガラクトシダーゼ(注1)の作用により生成する、4’―ガラクトシルラクトースを主成分とするものである。

含量 本品を乾燥物換算(減圧加熱乾燥法、90℃、3時間)したものは、ガラクトオリゴ糖55%以上で、主な成分としてガラクトオリゴ糖中に20%以上の4’―ガラクトシルラクトースを含む。

性状 本品は無色透明~淡黄色の粘ちょうな液体で、甘味がある。

確認試験 定量法で調製した検液及びガラクトオリゴ糖標準液につき、順相カラムの操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、本品の主成分である4’―ガラクトシルラクトースのピークの保持時間は標準品の保持時間と一致する。

純度試験

(1) pH3.0~5.5(12.5g、水23.5mL)

(2) 鉛 Pbとして1μg/g以下(5.0g、第1法、比較液 鉛標準液0.5mL)

(3) ヒ素 As2O3として1μg/g以下(0.5g、第1法、装置C、比較液 ヒ素標準液0.4mL)

灰分 0.1%以下

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、細菌数は300以下、真菌数は10以下である。また、大腸菌は認めない。

定量法

本品約2.5gを精密に量り、水を加えて正確に50mLとし検液とする。別にガラクトオリゴ糖標準品(4’―ガラクトシルラクトース:注2)を減圧下2時間乾燥し、その約100mgを精密に量り、水を加えて溶解し、正確に10mLとし標準液とする。検液および標準液10μLにつき、排除型イオン交換カラムの条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液の2糖(乳糖及びマルトースの保持時間と一致する:注3)のピーク面積S2、ガラクトオリゴ糖3糖(主要成分4’―ガラクトシルラクトース及びマルトトリオースと保持時間が一致する:注3)のピーク面積S3、ガラクトオリゴ糖4糖(マルトテトラオースと保持時間が一致する:注3)のピーク面積S4、ガラクトオリゴ糖5及び6糖(マルトペンタオースと保持時間が一致する:注3)のピーク面積S5、並びに標準液のピーク面積Stを測定する。

別に乳糖一水和物105.3mg(乳糖として100mg)(注4)を正確に量り、水を加えて正確に10mLとし標準液とする。検液及び乳糖標準液10μLにつき、順相カラムの操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液の乳糖のピーク面積S0、乳糖標準液のピーク面積SLを測定する。

ガラクトオリゴ糖の含有量(%)=(GL(mg)×((S2+S3+S4+S5)/St)-L(mg)×(S0/SL))×(5×100/OS(mg))

OS:乾燥物換算した試料量(mg)

GL:ガラクトオリゴ糖標準品の採取量(mg)

S2~5:排除型イオン交換カラムにより求めた検液中の2~6糖の面積値

St:排除型イオン交換カラムより求めたガラクトオリゴ糖標準品の面積値

L:乾燥物換算した乳糖標準品の採取量(mg)

SL:順相カラムより求めた乳糖標準品の面積値

S0:順相カラムより求めた検液中の乳糖の面積値

検液および4’―ガラクトシルラクトース標準液10μLにつき、順相カラムの操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、4’―ガラクトシルラクトースと同定されたピークの濃度を定量する。以下の計算式よりガラクトオリゴ糖中の4’―ガラクトシルラクトースの量が20%以上であることを確認する。

(4’―ガラクトシルラクトースの定量値/ガラクトオリゴ糖の定量値)×100≧20

操作条件

排除型イオン交換カラム

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 Na型スルホン化ポリスチレン系ゲル

カラム管 内径6.0mm、長さ300mm

カラム温度 60~80℃

移動相 水

流速 0.5mL/分

順相カラム

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 順相ポリアミン型ポリマー系ゲル

カラム管 内径4.6mm、長さ250mm

カラム温度 25℃

移動相 アセトニトリル/水混液(70:30)

流速 1.0mL/分

(注1) β―ガラクトシダーゼ:EC.3.2.1.23

(注2) 4’―ガラクトシルラクトース標準品:

本品は白色の結晶または粉末である。

含量 本品を乾燥したものは4’―ガラクトシルラクトースを95%以上含む。

定量法 本品100mgを正確に量り、水を加えて正確に10mLとし検液とする。検液10μLにつき、上記排除型イオン交換カラムの操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、全ピーク面積に対する主ピークの面積比を求め、含有量とする。

(注3) マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオースを各20mg量り、水を加えて10mLとし検液とする。検液10μLにつき、上記排除型イオン交換カラムの操作条件で液体クロマトグラフィーを行う時、各糖の保持時間は原理的にガラクトオリゴ糖の2,3,4,5糖と一致する。

(注4) 乳糖一水和物(C12H22O11・H2O):

本品の特級試薬は白色結晶で、純度98.5%以上を使用する。

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

ガラクトオリゴ糖(2)

(①液体 ②粉末)

定義 本品は、乳糖にβ―ガラクトシダーゼ(β-D-galactoside galactohydrolase注1)を作用させ、副生するグルコースをパン酵母等により消費することで得られる4’―ガラクトシルラクトースを主成分とするものである。

含量

①液体 本品は、ガラクトオリゴ糖52.5%以上で、主な成分としてガラクトオリゴ糖中に45.0~85.0%の4’―ガラクトシルラクトースを含む。

②粉末 本品を乾燥物換算したものは、ガラクトオリゴ糖70.0%以上で、主な成分としてガラクトオリゴ糖中に45.0~85.0%の4’―ガラクトシルラクトースを含む。

性状

①液体 本品は無色透明~淡黄色の粘ちょうな液体で、甘味がある。

②粉末 本品は白色の粉末で、甘味がある。

確認試験 定量法で調製した検液及びガラクトオリゴ糖標準液につき、定量法の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、本品に含まれるガラクトオリゴ糖(4’―ガラクトシルラクトース)のピークの保持時間は標準品のピークの保持時間と一致する。

純度試験

(1) 着色度 ①液体 20以下(色価測定法(720nm、420nm))

(2) 鉛 Pbとして1μg/g以下(5g、第1法、比較液 鉛標準液0.5mL)

(3) ヒ素 As2O3として1μg/g以下(0.5g、第1法、装置C、比較液 ヒ素標準液0.4mL)

乾燥減量

②粉末 3%以下(105℃、2時間)

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、細菌数は200以下、真菌数は20以下である。また大腸菌は認めない。

定量法 本品(粉末)約3g又は本品(液体)約4gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に50mLとし検液とする。別にガラクトオリゴ糖標準品(4’―ガラクトシルラクトース)(注2)を105℃で2時間乾燥し、その約20mgを精密に量り水を加えて溶かし、正確に10mLとし標準液とする。

検液及び標準液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液のガラクトオリゴ糖3糖(主成分4’―ガラクトシルラクトース)のピーク面積S1、及びガラクトオリゴ糖4糖(ガラクトオリゴ糖3糖に対する相対保持時間が約0.91)のピーク面積S2、ガラクトオリゴ糖5糖(ガラクトオリゴ糖3糖に対する相対保持時間が約0.84)のピーク面積S3、並びに標準液のピーク面積Stを測定する。

①液体

ガラクトオリゴ糖の含量(%)=(ガラクトオリゴ糖標準品の採取量(mg)/試料採取量(mg))×((S1+S2+S3)×5/St)×100

②粉末

ガラクトオリゴ糖の含量(%)=(ガラクトオリゴ糖標準品の採取量(mg)/試料採取量(mg)(1-乾燥減量(%)/100))×((S1+S2+S3)×5/St)×100

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 5~15μmのスルホン化ポリスチレン系ゲル

カラム管 内径10~12mm、長さ30cmのステンレス管

カラム温度 60℃

移動相 水

流速 1.0mL/分

(注1) β―ガラクトシダーゼ:E.C.3.2.1.23、クリプトコッカス属酵母(主としてCryptococcus laurentii var. laurentii FERM P-7629)由来

(注2) ガラクトオリゴ糖標準品(4’―ガラクトシルラクトース):

性状 本品は白色の粉末で、甘味がある。

含量 本品を乾燥物換算したものは、4’―ガラクトシルラクトースを99%以上含む。

乾燥減量 1%以下(105℃、2時間)

定量法 本品を105℃で2時間乾燥し、その約20mgを精密に量り水を加えて溶かし、正確に10mLとし検液とする。この検液10μLにつき、液体クロマトグラフィーを上記操作条件で行い、全ピーク面積値に対する主ピークの面積比を求め、含量とする。

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

キシロオリゴ糖

(①粉末 ②液体)

定義 本品は、コーンコブ(Zea mays)をキシラナーゼ(注1)で酵素反応させて得られた、キシロビオースを主成分とするものである。

含量

①粉末 本品を乾燥物換算したものは、キシロオリゴ糖95%以上を含み、キシロオリゴ糖中のキシロビオース含量は28~70%である。

②液体 本品を脱水物換算したものは、キシロオリゴ糖70%以上を含み、キシロオリゴ糖中のキシロビオース含量は35~70%である。

性状

①粉末 本品は、白色の粉末で、わずかに甘い。

②液体 本品は、極めて薄い黄色の透明な液体である。

純度試験

(1) 比吸光度

①粉末

画像8 (4KB)別ウィンドウが開きます
=0.07以下

本品10.0gを精密に量り、水を加えて正確に50mLとした液の吸光度を測定する。

②液体

画像9 (4KB)別ウィンドウが開きます
=0.07以下

本品約20.0gを精密に量り、同重量の水を加えて溶かした液の吸光度を測定する。

(2) 重金属

①粉末 Pbとして10μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液2.0mL)

(3) 鉛

②液体 Pbとして1.0μg/g以下(10.0g、第1法)

(4) ヒ素

①粉末 As2O3として0.5μg/g以下(4.0g、第1法、装置B)

②液体 As2O3として0.2μg/g以下(10.0g、第1法、装置B)

(5) pH ②液体 3.5~6.5(1.0g、水4g)

乾燥減量 ①粉末 6.0%以下(3.0g、105℃、2時間)

水分 ②液体 24~26%(0.04g、直接滴定)

強熱残分

①粉末 1.0%以下(5g)

②液体 0.06%以下(10g)

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき細菌数は①1000以下、②300以下、真菌数は①20以下、②10以下である。また、大腸菌は認めない。

定量法

本品約1gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に20mLとし、メンブランフィルター(0.45μm)でろ過し、検液とする。別にD―キシロース(注2)、ブドウ糖(注3)を乾燥し、1.00gを正確に量り、水を加えて溶かし、正確にそれぞれ100mLとし、標準液とする。また、キシロビオース(注4)を乾燥し、0.50gを正確に量り、水を加えて溶かし、正確に50mLとし、標準液とする。検液及び標準液それぞれ10μLずつを量り、それぞれの液につき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、それぞれのピーク面積を測定する。D―キシロース、ブドウ糖、キシロビオース標準液の面積比をあらかじめ求めておき、ファクターとする。以後このうちのどれかを基準物質として分析し、あらかじめ求めておいたファクターを乗じる。検液中の各糖濃度(%)を(検液のクロマトグラフィーにおける各糖のピーク面積)/(各糖の標準液のクロマトグラフィーにおける面積)で求める。相対保持時間が、キシロビオースより短い糖はキシロビオースの、キシロースより長い糖はキシロースのファクターで定量する。

キシロオリゴ糖含量(%)=(キシロビオース及びキシロビオースより相対保持時間の短いピークのものの濃度の総計/全ピークの濃度の総計)×100

キシロオリゴ糖中のキシロビオース含量(%)=(キシロビオースの濃度/キシロビオース及びキシロビオースより相対保持時間の短いピークのものの濃度の総計)×100

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 ポリスチレンジビニルベンゼン陽イオン交換樹脂

カラム管 内径7.8mm、長さ30cmのステンレス管

カラム温度 65℃

移動相 0.005mol/LH2SO4

流速 0.6mL/分

(注1) キシラナーゼ:Trichoderma sp.由来

(注2) D―キシロース:

本品は、無~白色の結晶又は粉末である。

含量 本品を乾燥したものは、D―キシロース(C5H10O5)95%以上を含む。

定量法 本品を乾燥し、その約1gを精密に量り、水を加えて溶かし、正確に500mLとする。この液10mLを正確に量り、メタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液(1→400)又は0.3%過ヨウ素酸カリウム溶液50mLを加え、更に硫酸1mLを加えて水浴中で15分間加熱する。冷後、ヨウ化カリウム2.5gを加え、よく振り混ぜた後、冷暗所に5~15分間放置し、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 デンプン試液)。

別に空試験を行い補正する。

0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1mL=1.8766mg C5H10O5

(注3) ブドウ糖:

本品の規格は日本薬局方ブドウ糖に準じるが、乾燥したものを定量する時、ブドウ糖含量は98%以上である。

(注4) キシロビオース:

本品は、無~白色の結晶又は粉末である。

含量 本品を乾燥したものは、キシロビオース(C10H18O9)95%以上を含む。

定量法 本品約0.2gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に20mLとし、検液とする。この検液10μLを採り、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、主ピークの保持時間の2倍の範囲について、ピーク面積を自動測定法により測定し、総面積に対する主ピークの面積比を計算する。

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 スチレンジビニルベンゼン共重合体、スルホ基(Na)

カラム管 内径8mm、長さ30cmのステンレス管

カラム温度 80℃

移動相 水

流速 0.8mL/分

この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。

イソマルトオリゴ糖

定義 本品は、デンプンをα―アミラーゼ(注1)、β―アミラーゼ(注2)及びα―グルコシダーゼ(注3)により酵素反応させたもので、(α1,2―、α1,3―、α1,6―)グリコシド結合された重合度2~6糖類を主成分とするものである。

含量 本品は、イソマルトオリゴ糖が37%以上で、主要な成分としてイソマルトース10~27%、イソマルトトリオース3~15%、パノース5~15%を含む。

性状 無~淡黄色の透明な液体で、においがなく、甘味がある。

純度試験

(1) pH 4.0~6.0(30.0g、水100mL)

(2) 重金属 Pbとして1μg/g以下(20.0g、第1法、鉛標準液2.0mL)

(3) ヒ素 As2O3として1μg/g以下(1.0g、第1法、装置C、ヒ素標準液1.0mL)

灰分 0.1%以下(20.0g、550℃、5時間)

微生物限度

微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき細菌数30以下、真菌数5以下である。また、大腸菌群は認めない。

定量法

本品約2gを精密に量り、水に溶かし、正確に50mLとし検液とする。別に標準品としてフラクト-ス、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、イソマルトース、イソマルトトリオース、パノース(注4)を約500mgずつ精密に計り、水に溶かし正確に100mLとする。この液を5、10、15、20mLずつ正確に計り、それぞれ水で正確に50mLとし、標準液とする。検液及び標準液につき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液中のイソマルトオリゴ糖の含量を次の計算式より求める。

イソマルトオリゴ糖(%)=(G-L)×(50/S)×100

G:排除型イオン交換カラムを用いた液体クロマトグラフィーにより、各標準液検量線より求めた総糖含量(mg)

L:排除型イオン交換カラム及び順相カラムを用いた液体クロマトグラフィーより、各標準液検量線より求めた単糖及びマルトオリゴ糖含量(mg)

S:試料採取量(mg)

主要な成分については、順相カラムを用いた液体クロマトグラフィーにて、各標準液検量線より含量を求める。

操作条件

排除型イオン交換カラム

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂

カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管

カラム温度 65℃

移動相 水

流速 0.35mL/分

順相カラム

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 アミノ基修飾シリカ

カラム管 内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管

カラム温度 25℃

移動相 アセトニトリル/水(65:35)

流速 0.8mL/分

(注1) α―アミラーゼ:EC.3.2.1.1、主にBacillus licheniformis由来。

(注2) β―アミラーゼ:EC.3.2.1.2、主に大豆由来。

(注3) α―グルコシダーゼ:EC.3.2.1.20、主にAspergillus niger由来。

(注4)

フラクトース標準品:

本品は、白色の結晶で、においがなく、甘味がある。

含量 本品は、乾燥物換算でフラクトース99%以上を含む。

定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。

フラクトースの乾燥物換算含量(%)=検液のフラクトースのピーク面積÷総ピーク面積×100

操作条件

検出器 示差屈折計

カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂