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○旅館業法の適用について(照会)

(平成19年12月10日)

(保保生第154号)

(厚生労働省健康局生活衛生課長あて京都市保健福祉局長通知)

(/担当保健衛生推進室生活衛生課/電話075―222―3430/)

最近,本市においては,「町家レンタル」や「町家ステイ」等と称する新たな施設の形態が見受けられます。

つきましては,下記のような事例に関する旅館業法上の取扱について,ご教示いただきますようお願いします。

【事例1】

① 営業形態

利用者は,事前にインターネットや電話で旅行業者等に施設の利用を申込み,利用当日,利用施設とは異なる施設(利用施設から直線距離で約150m離れた利用施設所有者(以下「所有者」という。)の店舗)において,所有者から利用方法の説明を受けるとともに,料金の支払いや鍵の受取り等を行う。

所有者は,2階建て町家長屋(1棟4軒続き)の1軒を利用者に提供するものであり,当該施設に管理者等は常駐していない。

② 利用者 観光客等

③ 滞在期間 1泊から

④ 料金 1日単位で1軒ごとに設定(定員規定有)

⑤ 寝具の提供 有り

⑥ 施設の管理主体 所有者

⑦ 営業形態の表現 町家レンタル,町家ステイ

【事例2】

① 営業形態

利用者は,事前にインターネット等で旅行業者等に施設の利用を申込み,利用当日,利用施設とは異なる施設(施設提供者(以下「提供者」という。)の事務所),又は利用施設において,提供者から利用方法の説明を受けるとともに,鍵の受取り等を行う。料金の支払いについては,銀行振込等で行う。

提供者は,本市内に点在する一戸建ての町家(6棟)を1棟ごと利用者に貸与するものであり,当該施設に管理者等は常駐していない。

本事例では,宅地建物取引業法に基づき,利用者と提供者との間で定期賃貸借契約を結んでいる。

② 利用者 観光客等

③ 滞在期間 1泊から

④ 料金 1日単位で1棟ごとに設定(定員規定有)

⑤ 寝具の提供 有り

⑥ 施設の管理主体 提供者

⑦ 営業形態の表現 京町家ステイ,Weekly町家

【事例3】

① 営業形態

利用者は,事前にインターネットで旅行業者等に施設の利用を申込み,利用当日,事前に施設提供者(以下「提供者」という。)から電子メール等で通知された暗証番号を用い,解錠し施設を利用する。料金の支払いについては,クレジットカード等で行う。このため,利用者は,提供者等と直接面会せずに利用できる。

② 利用者 観光客等

③ 滞在期間 1泊から

④ 料金 1日単位で1棟ごとに設定(定員規定有)

⑤ 寝具の提供 有り

⑥ 施設の管理主体 提供者

⑦ 営業形態の表現 御泊処,京町家ウィークリー

1 上記の各事例について,いずれも旅館業法の適用を受けると考えるがいかがか。

2 上記の各事例において,旅館業法の適用を受ける場合

(1) 事例1の長屋のような施設の場合は,1軒ごとに許可が必要か。また,事例2のように点在する施設については,町家ごとに許可が必要か。

(2) 事例1及び事例2のように施設に付随した玄関帳場がなく,施設から地理的に離れた場所に玄関帳場の機能を有した施設がある場合は,これを玄関帳場と解してもよいか。また,同一営業者が,一箇所の玄関帳場を複数の許可施設の玄関帳場として使用しても差し支えないか。

(3) 事例3のように所有者等と面談せずに鍵等の受け渡しが可能であり,宿泊者名簿への記入は電子メールの申込みによって代える場合であっても,玄関帳場は必要と解するがいかがか。

○旅館業法の適用について

(平成19年12月21日)

(健衛発第1221001号)

(京都市保健福祉局長あて厚生労働省健康局生活衛生課長通知)

平成19年12月10日付け保保生第154号をもって照会のあった標記について下記のとおり回答します。

1.1について

貴見のとおりである。

2.2の(1)について

事例1の長屋(1棟4軒続き)のような施設の場合には、常時全軒を営業施設とするのであれば長屋全体を1施設とした営業許可を与えることも可能である。

すなわち、営業施設が長屋全体であろうと又は1軒ごとであろうと、その施設における営業の実態に即した許可を与えることが適当である。

また、事例2の町屋のように、市内に点在し各々の営業施設が関連することなく個別に立地している場合については、そもそも構造設備基準に基づく入浴設備の規模、洗面設備の規模、便所の数等は、個々の営業施設ごとにその規模及び数が適当であるか否かを判断すべきことから、貴見のとおり町屋ごとに許可が必要となるものと解する。

なお、宅地建物取引業法に基づき、定期賃貸借契約を締結している場合であっても「人を宿泊させる営業」である以上は、旅館業法の適用を受けるものである(「下宿営業の範囲について」(昭和61年3月31日付け衛指第44号厚生省生活衛生局指導課長通知を参照))。

3.2の(2)について

玄関帳場は、宿泊客が従業員と面接せず利用できるなど不健全な営業形態の旅館を排除することを趣旨に設けられているものであり、健全な営業形態を確保する観点を踏まえると、営業施設に付随しない玄関帳場は認められない。

また、1箇所の玄関帳場を点在する複数の営業施設の玄関帳場として使用する場合には、結果的に、玄関帳場が営業施設の入口、又は宿泊者が施設を利用しようとするときに必ず通過する通路に面して設置されていない施設ができることから、玄関帳場を設ける趣旨を踏まえると、そのような玄関帳場の使用は認められない。

4.2の(3)について

上記3.に記載した趣旨のとおり宿泊者との面接は必要不可欠なことから、鍵等の受け渡し又は宿泊者名簿の記載手段がいずれの方法であっても、玄関帳場の設置は必要である。