アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○日本薬局方外医薬品規格第三部の一部改正について

(平成19年9月28日)

(薬食発第0928012号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)

日本薬局方外医薬品規格第三部については、平成13年12月25日付け医薬発第1411号厚生労働省医薬局長通知により定めたところであるが、今般、その一部を改正し、追加収載を行う溶出試験を別添のとおり取りまとめたので、貴管下関係業者に対し周知方御配慮願いたい。

別添

シプロヘプタジン塩酸塩散

Cyproheptadine Hydrochloride Powder

溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いシプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl)約4mgに対応する量を精密に量り,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液30mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液20mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にシプロヘプタジン塩酸塩標準品を100℃で5時間減圧(0.67kPa以下)乾燥し,その約22mgを精密に量り,移動相に溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のシプロヘプタジンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

シプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×18

WS:シプロヘプタジン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

WT:本品の秤取量(g)

C:1g中のシプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:30℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル/メタノール/メタンスルホン酸混液(520:240:240:1)

流量:シプロヘプタジンの保持時間が約5分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,シプロヘプタジンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,1.5以下である.

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シプロヘプタジンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

10mg/g

30分

80%以上

シプロヘプタジン塩酸塩標準品 シプロヘプタジン塩酸塩水和物(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,シプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl:323.86)99.0%以上を含むもの.

シプロヘプタジン塩酸塩錠

Cyproheptadine Hydrochloride Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液30mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液20mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にシプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl)約4.4μgを含む液となるように水を加えて正確にV'mLとし,試料溶液とする.別にシプロヘプタジン塩酸塩標準品を100℃で5時間減圧(0.67kPa以下)乾燥し,その約22mgを精密に量り,移動相に溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のシプロヘプタジンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

シプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V'/V)×(1/C)×18

WS:シプロヘプタジン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のシプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:30℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル/メタノール/メタンスルホン酸混液(520:240:240:1)

流量:シプロヘプタジンの保持時間が約5分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,シプロヘプタジンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,1.5以下である.

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シプロヘプタジンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

4mg

30分

80%以上

シプロヘプタジン塩酸塩標準品 シプロヘプタジン塩酸塩水和物(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,シプロヘプタジン塩酸塩(C21H21N・HCl:323.86)99.0%以上を含むもの.

エグアレンナトリウム顆粒

Egualen Sodium Granules

溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いエグアレンナトリウム(C15H17NaO3S・1/3 H2O)約5mgに対応する量を精密に量り,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法により,毎分75回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にエグアレンナトリウム標準品(別途0.5gにつき,容量滴定法,直接滴定で水分〈2.48〉を測定しておく)約22mgを精密に量り,溶出試験第2液に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,溶出試験第2液を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長284nmにおける吸光度AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

エグアレンナトリウム(C15H17NaO3S・1/3 H2O)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×(45/2)×1.020

WS:脱水物に換算したエグアレンナトリウム標準品の秤取量(mg)

WT:本品の秤取量(g)

C:1g中のエグアレンナトリウム(C15H17NaO3S・1/3 H2O)の表示量(mg)

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

25mg/g

15分

85%以上

エグアレンナトリウム標準品 C15H17NaO3S・1/3 H2O:306.35 3―エチル―7―イソプロピル―1―アズレンスルホン酸ナトリウム・1/3水和物で,下記の規格に適合するもの.

必要な場合には次に示す方法により精製する.

精製法 エグアレンナトリウム10gにエタノール(99.5)30mLを加え,加温して溶かし,温時ろ過する.冷後,析出した結晶をろ取し,エタノール(99.5)2mLずつで3回洗う.更にエタノール(99.5)を用いて再結晶し,得られた結晶をエタノール(99.5)5mLずつで2回洗う.得られた結晶を80℃で2時間乾燥し,シリカゲルを乾燥剤としてデシケーター中で放冷する.

性状 本品は青色の結晶又は結晶性の粉末である.

確認試験

(1) 本品の水溶液(1→4000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長580~584nmに吸収の極大を示す.また,本品の水溶液(1→200000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長237~241nm,283~287nm及び293~297nmに吸収の極大を示す.

(2) 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,2950cm-1,1576cm-1,1385cm-1,1179cm-1及び1047cm-1付近に吸収を認める.

(3) 本品の核磁気共鳴スペクトル測定用重水素化メタノール溶液(1→50)につき,核磁気共鳴スペクトル測定用テトラメチルシランを内部基準物質として核磁気共鳴スペクトル測定法〈2.21〉により1Hを測定するとき,δ1.4ppm付近に多重線のシグナルAを,δ3.0ppm付近に幅広い多重線のシグナルBを,δ7.2ppm付近に三重線のシグナルCを,δ7.7ppm付近に二重線のシグナルDを,δ8.0ppm付近に単一線のシグナルEを,δ8.3ppm付近に二重線のシグナルFを,δ9.2ppm付近に単一線又はわずかに分裂した二重線のシグナルGを示し,各シグナルの面積強度比A:B:C:D:E:F:Gはほぼ9:3:1:1:1:1:1である.

純度試験

(1) 1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレン本品20mgをメタノールに溶かし,正確に100mLとし,試料溶液とする.別に1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレン10mgずつをメタノールに溶かし,それぞれ正確に100mLとする.これらの液1mLずつを正確に量り,それぞれにメタノールを加えて正確に50mLとする.これらの液1mLずつを正確に量り,それぞれにメタノールを加えて正確に50mLとし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする.試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2)20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液の1―エチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積は,標準溶液(1)の1―エチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積より大きくない.また,試料溶液の1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積は,標準溶液(2)の1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積より大きくない.

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:20℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム2.7gを水に溶かして1000mLとした液に,リン酸水素二ナトリウム十二水和物7.2gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.0に調整する.この液100mLにアセトニトリル400mLを加える.

流量:1―エチル―5―イソプロピルアズレンの保持時間が約9分になるように調整する.

面積測定範囲:1―エチル―5―イソプロピルアズレンの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

システムの性能:1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレン10mgずつをメタノールに溶かし,それぞれ100mLとする.これらの液1mLずつにメタノールを加えて50mLとする。この液1mLにメタノールを加えて50mLとし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,1―エチル―5―イソプロピルアズレン,1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンの順に溶出し,その分離度は3以上である.

システムの再現性:システム適合性試験用溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ10%以下である.

(2) 類縁物質 本品20mgを移動相100mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のエグアレンに対する相対保持時間0.25以上のピークの合計面積は,標準溶液のエグアレンのピーク面積より大きくない.また,試料溶液のエグアレンに対する相対保持時間0.25未満のピークの合計面積は,標準溶液のエグアレンのピーク面積より大きくない.

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:20℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム2.7gを水に溶かして1000mLとした液に,リン酸水素二ナトリウム十二水和物7.2gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.0に調整する.この液700mLにアセトニトリル300mLを加える.

流量:エグアレンの保持時間が約12分になるように調整する.

面積測定範囲:エグアレンの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に25mLとする.この液20μLから得たエグアレンのピーク面積が,標準溶液のエグアレンのピーク面積の15~25%になることを確認する.

システムの性能:パラオキシ安息香酸メチル10mgに試料溶液5mLを加え,移動相を加えて25mLとする.この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,パラオキシ安息香酸メチル,エグアレンの順に溶出し,その分離度は2.0以上である.

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,エグアレンのピーク面積の相対標準偏差は5%以下である.

水分〈2.48〉 1.8~2.2%(0.5g,容量滴定法,直接滴定).

含量 換算した脱水物に対しエグアレンナトリウム(C15H17NaO3S:300.35)99.0%以上. 定量法 本品約0.3gを精密に量り,水30mLに溶かし,あらかじめカラムクロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(H型)2gを用いて調製した直径15mmのカラムに入れ,1分間に5mLの流速で流出させる.次に水50mLでカラムを洗い,洗液は先の流出液に合わせ,0.05mol/L水酸化ナトリウム液で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.

0.05mol/L水酸化ナトリウム液 1mL=15.02mg C15H17NaO3S

1―エチル-5―イソプロピルアズレン C15H18 青色澄明の液である.

確認試験

(1) 本品のメタノール溶液(1→4000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長613~617nmに吸収の極大を示す.また,本品のメタノール溶液(1→400000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長279~283nmに吸収の極大を示す.

(2) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の液膜法により測定するとき,2950cm-1及び1572cm-1付近に吸収を認める.

類縁物質 本品10mgをメタノール100mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液の1―エチル―5―イソプロピルアズレン以外のピークの合計面積は,標準溶液の1―エチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積より大きくない.

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:20℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム2.7gを水に溶かして1000mLとした液に,リン酸水素二ナトリウム十二水和物7.2gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.0に調整する.この液100mLにアセトニトリル400mLを加える.

流量:1―エチル―5―イソプロピルアズレンの保持時間が約9分になるように調整する.

面積測定範囲:1―エチル―5―イソプロピルアズレンの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとする.この液20μLから得た1―エチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積が,標準溶液の1―エチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積の3.5~6.5%になることを確認する.

システムの性能:1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレン10mgずつをメタノールに溶かし,それぞれ100mLとする.これらの液1mLずつにメタノールを加えて50mLとする。この液1mLにメタノールを加えて50mLとし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,1―エチル―5―イソプロピルアズレン,1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンの順に溶出し,その分離度は3以上である.

システムの再現性:システム適合性試験用溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ10%以下である.

1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレン C17H22 青色澄明の液である.

確認試験

(1) 本品のメタノール溶液(1→4000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長640~644nmに吸収の極大を示す.また,本品のメタノール溶液(1→400000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長282~286nmに吸収の極大を示す.

(2) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の液膜法により測定するとき,2950cm-1及び1572cm-1付近に吸収を認める.

類縁物質 本品10mgをメタノール100mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液の1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレン以外のピークの合計面積は,標準溶液の1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積より大きくない.

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:20℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム2.7gを水に溶かして1000mLとした液に,リン酸水素二ナトリウム十二水和物7.2gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.0に調整する.この液100mLにアセトニトリル400mLを加える.

流量:1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンの保持時間が約15分になるように調整する.

面積測定範囲:1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとする.この液20μLから得た1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積が,標準溶液の1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積の3.5~6.5%になることを確認する.

システムの性能:1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレン10mgずつをメタノールに溶かし,それぞれ100mLとする.これらの液1mLずつにメタノールを加えて50mLとする。この液1mLにメタノールを加えて50mLとし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,1―エチル―5―イソプロピルアズレン,1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンの順に溶出し,その分離度は3以上である.

システムの再現性:システム適合性試験用溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,1―エチル―5―イソプロピルアズレン及び1,3―ジエチル―5―イソプロピルアズレンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ10%以下である.

ビスベンチアミン錠

Bisbentiamine Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液にpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液900mLを用い,パドル法により,毎分75回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にビスベンチアミン(C38H42N8O6S2)約13μgを含む液となるようにpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確にV'mLとし,試料溶液とする.別にビスベンチアミン標準品を酸化リン(V)を乾燥剤として24時間減圧乾燥し,その約25mgを精密に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長232nmにおける吸光度AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

ビスベンチアミン(C38H42N8O6S2)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V'/V)×(1/C)×45

WS:ビスベンチアミン標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のビスベンチアミン(C38H42N8O6S2)の表示量(mg)

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

28.58mg

45分

85%以上

ビスベンチアミン標準品 「ビスベンチアミン」.ただし,乾燥したものを定量するとき,ビスベンチアミン(C38H42N8O6S2)99.0%以上を含むもの.

モサプリドクエン酸塩散

Mosapride Citrate Powder

溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いモサプリドクエン酸塩無水物(C21H25ClFN3O3・C6H8O7)約2.5mgに対応する量を精密に量り,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にモサプリドクエン酸塩標準品を酸化リン(V)を乾燥剤として60℃で4時間減圧乾燥し,その約28mgを精密に量り,移動相に溶かし,正確に100mLとする.この液2mLを正確に量り,移動相を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のモサプリドのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

モサプリドクエン酸塩無水物(C21H25ClFN3O3・C6H8O7)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×9

WS:モサプリドクエン酸塩標準品の秤取量(mg)

WT:本品の秤取量(g)

C:1g中のモサプリドクエン酸塩無水物(C21H25ClFN3O3・C6H8O7)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:274nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:クエン酸三ナトリウム二水和物8.82gを水800mLに溶かし,希塩酸を加えてpH3.3に調整した後,水を加えて1000mLとする.この液240mLにメタノール90mL及びアセトニトリル70mLを加える.

流量:モサプリドの保持時間が約9分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,モサプリドのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ4000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

10mg/g

45分

70%以上

モサプリドクエン酸塩無水物として

モサプリドクエン酸塩標準品 C21H25ClFN3O3・C6H8O7:614.02 (±)―4―アミノ―5―クロロ―2―エトキシ―N―{[4―(4―フルオロベンジル)―2―モルホリニル]メチル}ベンズアミドクエン酸塩で,下記の規格に適合するもの.

精製法 モサプリドクエン酸塩水和物10gにエタノール(99.5)300mLを加え,加熱して溶かし,熱時ろ過する.ろ液を室温で放置し,析出した結晶をろ取し,エタノール(99.5)少量で洗う.得られた結晶につき,40倍量のエタノール(99.5)を用いて,同様の操作を繰り返し,得られた結晶を室温で減圧乾燥する.

性状 本品は白色~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である.

確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3450cm-1,3370cm-1,1729cm-1,1613cm-1及び1229cm-1付近に吸収を認める.

類縁物質 本品0.10gをメタノール50mLに溶かし,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとする.この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液5μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のモサプリド以外のピークの合計面積は,標準溶液のモサプリドのピーク面積より大きくない.

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:274nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:クエン酸三ナトリウム二水和物8.82gを水800mLに溶かし,希塩酸を加えてpH3.3に調整した後,水を加えて1000mLとする.この液240mLにメタノール90mL及びアセトニトリル70mLを加える.

流量:モサプリドの保持時間が約9分になるように調整する.

面積測定範囲:溶媒のピークの後からモサプリドの保持時間の約3倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に10mLとする.この液5μLから得たモサプリドのピーク面積が,標準溶液のモサプリドのピーク面積の30~70%になることを確認する.

システムの性能:試料溶液5mLにパラオキシ安息香酸エチルのメタノール溶液(1→1000)5mLを加え,更にメタノールを加えて25mLとする.この液5μLにつき,上記の条件で操作するとき,モサプリド,パラオキシ安息香酸エチルの順に溶出し,その分離度は1.5以上である.

システムの再現性:標準溶液5μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

水分〈2.48〉 1.0%以下(0.5g,電量滴定法).

含量 99.0%以上. 定量法 本品を酸化リン(V)を乾燥剤として60℃で4時間減圧乾燥し,その約0.3gを精密に量り,酢酸(100)150mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.

0.1mol/L過塩素酸 1mL=61.40mg C21H25ClFN3O3・C6H8O7

グラニセトロン塩酸塩細粒

Granisetron Hydrochloride Fine Granules

溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いグラニセトロン(C18H24N4O)約2mgに対応する量を精密に量り,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にグラニセトロン塩酸塩標準品(別途本品1gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約25mgを精密に量り,水に溶かし,正確に200mLとする.この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のグラニセトロンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

グラニセトロン(C18H24N4O)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×1/C×9×0.895

Ws:脱水物に換算したグラニセトロン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

WT:本品の秤取量(g)

C:1g中のグラニセトロン(C18H24N4O)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:300nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素ナトリウム二水和物15.6gに水900mLを加えて溶かした後,リン酸を加えpH2.0に調整し,水を加えて1000mLとする。この液750mLにメタノール240mLを加え,更にテトラヒドロフラン11mLを加える.

流量:グラニセトロンの保持時間が約10分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,グラニセトロンのピークの理論段数及びシンメトリー係数はそれぞれ3000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,グラニセトロンのピーク面積の相対標準偏差は,1.5%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

4mg/g

15分

85%以上

グラニセトロンとして

グラニセトロン塩酸塩標準品 C18H24N4O・HCl:348.87 1―メチル―N―(エンド―9―メチル―9―アザビシクロ―[3.3.1]ノン―3―イル)―1H―インダゾール―3―カルボキサミドハイドロクロライドで下記の規格に適合するもの.必要な場合には次に示す方法により精製する.

精製法 グラニセトロン塩酸塩225gに2―プロパノール3200mLを加えて加熱還流させ,水31mLを加えて約20℃に冷却し,析出物をうる.減圧下,2―プロパノールとの共沸蒸留により水を除去した後,ろ過し,得られた析出物を2―プロパノールで洗い,約40℃で乾燥する.

性状 本品は白色の結晶性の粉末である.

確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により試験を行うとき,波数3230cm-1,2630cm-1,1645cm-1,1546cm-1,1309cm-1及び756cm-1付近に吸収を認める.

水分〈2.48〉 0.5%以下(1g,容量滴定法,直接滴定).

含量 99.0%以上. 定量法 本品約50mgを精密に量り,無水酢酸/酢酸(100)混液(7:3)30mLを加えて溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い補正する.

0.1mol/L過塩素酸 1mL=34.89mg C18H24N4O・HCl

グラニセトロン塩酸塩錠

Granisetron Hydrochloride Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法により毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にグラニセトロン(C18H24N4O)約1.1μgを含む液となるように溶出試験第2液を加えて正確にV’mLとし,試料溶液とする.別にグラニセトロン塩酸塩標準品(別途本品1gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約25mgを精密に量り,溶出試験第2液に溶かし,正確に200mLとする.この液2mLを正確に量り,溶出試験第2液を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のグラニセトロンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

グラニセトロン(C18H24N4O)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V’/V)×1/C×(9/2)×0.895

Ws:脱水物に換算したグラニセトロン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のグラニセトロン(C18H24N4O)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:300nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素ナトリウム二水和物15.6gに水900mLを加えて溶かした後,リン酸を加えpH2.0に調整し,水を加えて1000mLとする。この液750mLにメタノール240mLを加え,更にテトラヒドロフラン11mLを加える.

流量:グラニセトロンの保持時間が約10分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,グラニセトロンのピークの理論段数及びシンメトリー係数はそれぞれ3000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,グラニセトロンのピーク面積の相対標準偏差は,1.5%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

1mg

15分

85%以上

2mg

15分

85%以上

グラニセトロンとして

グラニセトロン塩酸塩標準品 C18H24N4O・HCl:348.87 1―メチル―N―(エンド―9―メチル―9―アザビシクロ―[3.3.1]ノン―3―イル)―1H―インダゾール―3―カルボキサミドハイドロクロライドで下記の規格に適合するもの.必要な場合には次に示す方法により精製する.

精製法 グラニセトロン塩酸塩225gに2―プロパノール3200mLを加えて加熱還流させ,水31mLを加えて約20℃に冷却し,析出物をうる.減圧下,2―プロパノールとの共沸蒸留により水を除去した後,ろ過し,得られた析出物を2―プロパノールで洗い,約40℃で乾燥する.

性状 本品は白色の結晶性の粉末である.

確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により試験を行うとき,波数3230cm-1,2630cm-1,1645cm-1,1546cm-1,1309cm-1及び756cm-1付近に吸収を認める.

水分〈2.48〉 0.5%以下(1g,容量滴定法,直接滴定).

含量 99.0%以上. 定量法 本品約50mgを精密に量り,無水酢酸/酢酸(100)混液(7:3)30mLを加えて溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い補正する.

0.1mol/L過塩素酸 1mL=34.89mg C18H24N4O・HCl

タムスロシン塩酸塩カプセル

Tamsulosin Hydrochloride Capsules

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法(ただし,シンカーを用いる)により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mLを正確にとり,直ちに37±0.5℃に加温した溶出試験第2液20mLを正確に注意して補う.溶出液は孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にタムスロシン塩酸塩(C20H28N2O5S・HCl)約0.11μgを含む液となるように溶出試験第2液を加えて正確にV'mLとし,試料溶液とする.別にタムスロシン塩酸塩標準品を105℃で2時間乾燥し,その約15mgを精密に量り,溶出試験第2液に溶かし,正確に20mLとする.この液2mLを正確に量り,溶出試験第2液を加えて正確に200mLとする.更にこの液3mLを正確に量り,溶出試験第2液を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液200μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のタムスロシンのピーク面積AT(n)及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

n回目の溶出液採取時におけるタムスロシン塩酸塩(C20H28N2O5S・HCl)の表示量に対する溶出率(%)(n=1,2,3)=WS[AT(n)/AS画像1 (1KB)別ウィンドウが開きます
(AT(i)/AS×1/45)]×V'/V×1/C×27/40

WS:タムスロシン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1カプセル中のタムスロシン塩酸塩(C20H28N2O5S・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:225nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:過塩素酸4.4mL及び水酸化ナトリウム1.5gを水950mLに溶かす.この液に水酸化ナトリウム試液を加えてpHを2.0に調整し,水を加えて1000mLとする.この液700mLにアセトニトリル300mLを加える.

流量:タムスロシンの保持時間が約6分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液200μLにつき,上記の条件で操作するとき,タムスロシンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液200μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,タムスロシンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

0.1mg

120分

20~50%

3時間

30~60%

10時間

75%以上

0.2mg

120分

15~45%

4時間

35~65%

10時間

75%以上

タムスロシン塩酸塩標準品 タムスロシン塩酸塩(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,タムスロシン塩酸塩(C20H28N2O5S・HCl)99.0%以上を含むもの.

クロカプラミン塩酸塩顆粒

Clocapramine Hydrochloride Granules

溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いクロカプラミン塩酸塩(C28H37ClN4O・2HCl)約50mgに対応する量を精密に量り,試験液にpH6.0のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にクロカプラミン塩酸塩標準品を酸化リン(V)を乾燥剤として105℃で4時間減圧(0.67kPa以下)乾燥し,その約28mgを精密に量り,水に溶かし,正確に50mLとする.この液5mLを正確に量り,pH6.0のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,pH6.0のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液を対照とし,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長251nmにおける吸光度AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

クロカプラミン塩酸塩(C28H37ClN4O・2HCl)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×180

WS:クロカプラミン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

WT:本品の秤取量(g)

C:1g中のクロカプラミン塩酸塩(C28H37ClN4O・2HCl)の表示量(mg)

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

96.85mg/g

45分

70%以上

クロカプラミン塩酸塩標準品 クロカプラミン塩酸塩水和物(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,クロカプラミン塩酸塩(C28H37ClN4O・2HCl)99.0%以上を含むもの.

リン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液,pH6.0 0.05mol/Lリン酸水素二ナトリウム試液1000mLに,クエン酸一水和物5.25gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.0に調整する.

炭酸リチウム錠

Lithium Carbonate Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mLを正確にとり,直ちに37±0.5℃に加温した水20mLを正確に注意して補う.溶出液は孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,希塩酸5mLを正確に加え,更に表示量に従い1mL中に炭酸リチウム(Li2CO3)約4.4μgを含む液となるように水を加えて正確にV’mLとし,試料溶液とする.別に炭酸リチウム標準品を105℃で3時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液0.5mL,2mL,3mL,4mL及び5mLをそれぞれ正確に量り,水を加えてそれぞれ正確に20mLとする.これらの液5mLを正確に量り,希塩酸5mLを正確に加え,更に水を加えてそれぞれ正確に50mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法〈2.23〉により試験を行い,吸光度AT(n)及びAS1,AS2,AS3,AS4,AS5を測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

n回目の溶出液採取時における炭酸リチウム(Li2CO3)の表示量に対する溶出率(%)(n=1,2)=[(AT(n)-検量線の縦軸切片)+画像2 (1KB)別ウィンドウが開きます
(AT(i)-検量線の縦軸切片)×1/45]×1/検量線の傾き×V'/V×1/C×90

C:1錠中の炭酸リチウム(Li2CO3)の表示量(mg)

検量線の縦軸切片及び傾き:縦軸に吸光度AS1,AS2,AS3,AS4,AS5を,横軸にそれぞれの炭酸リチウム濃度(μg/mL)とする検量線を作成し求める.

使用ガス:

可燃性ガス アセチレン

支燃性ガス 空気

ランプ:リチウム中空陰極ランプ

波長:670.8nm

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

100mg

15分

45%以下

180分

80%以上

200mg

30分

50%以下

180分

80%以上

炭酸リチウム標準品 炭酸リチウム(日局)

ボピンドロールマロン酸塩錠

Bopindolol Malonate Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液にpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にボピンドロールマロン酸塩(C23H28N2O3・C3H4O4)約0.71μgを含む液となるようにpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確にV'mLとする.この液4mLを正確に量り,アセトニトリルを加えて正確に5mLとし,試料溶液とする.別にボピンドロールマロン酸塩標準品を80℃で3時間減圧(0.67kPa以下)乾燥し,その約28mgを精密に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に溶かして正確に200mLとする.この液1mLを正確に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確に200mLとする.この液20mLを正確に量り,アセトニトリルを加えて正確に25mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,ボピンドロールのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

ボピンドロールマロン酸塩(C23H28N2O3・C3H4O4)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V'/V)×(1/C)×(9/4)

WS:ボピンドロールマロン酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のボピンドロールマロン酸塩(C23H28N2O3・C3H4O4)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:268nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラムの温度:25℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム1.45gを水に溶かして1000mLとし,リン酸でpH3.0に調整する.この液1000mLにアセトニトリル1000mLを加えて混和する.

流量:ボピンドロールの保持時間が約5分となるように調整する.

システム適合性:

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ボピンドロールの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.5以下である.

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ボピンドロールのピーク面積の相対標準偏差は,2.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

0.6365mg

15分

80%以上

1.273mg

30分

85%以上