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○硫酸クロピドグレル製剤の使用に当たっての留意事項について

(平成19年10月19日)

(薬食審査発第1019004号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

硫酸クロピドグレル(販売名:プラビックス錠25mg、同錠75mg)については、本日、新たに「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適応される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞)」の効能又は効果(以下「新効能」という。)を追加承認したところであるが、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が報告されていること等から、新効能への使用に当たっては、特に下記の点について留意するよう、貴管下の医療機関及び薬局に対して周知をお願いする。

硫酸クロピドグレル(販売名:プラビックス錠25mg、同錠75mg)の新効能に関連する効能又は効果、用法及び用量、並びに使用上の注意の重要な基本的注意は以下のとおりであるので、特段の留意を願いたいこと。なお、その他の使用上の注意については、添付文書を参照願いたいこと。

【効能又は効果】

経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞)

[効能又は効能に関連する使用上の注意]

PCIが適用予定の急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞)患者への投与は可能である。冠動脈造影により、保存的治療あるいは冠動脈バイパス術が選択され、PCIを適用しない場合には、以後の投与は控えること。

【用法及び用量】

通常、成人には、投与開始日にクロピドグレルとして300mgを1日1回経口投与し、その後、維持量として1日1回75mgを経口投与する。

[用法及び用量に関連する使用上の注意]

・ アスピリン(81~100mg/日)と併用すること。

・ ステント留置患者への本剤投与時には当該医療機器の添付文書を必ず参照すること。

【使用上の注意の重要な基本的注意】

・ 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が発現することがあるので、投与開始後2ヵ月間は、2週間に1回程度の血液検査等の実施を考慮すること。

・ 急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞)を対象として本剤を適用するにあたっては、ローディングドーズ投与(投与開始日に300mgを投与すること)及びアスピリンとの併用によって出血のリスクが高まる可能性があることを十分考慮すること。

・ 本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい。なお、十分な休薬期間を設けることが出来ない場合は重大な出血のリスクが高まることが報告されているので十分に観察すること。また、投与中止期間中の血栓症や塞栓症のリスクの高い症例では、適切な発症抑制策を講じること。手術後に本剤の再投与が必要な場合には、手術部位の止血を確認してから再開すること。

・ 他の出血の危険性を増加させる薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、本剤投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと。

・ 出血の危険性および血液学的副作用のおそれがあることから、出血を起こす危険性が高いと考えられる場合には、中止・減量等を考慮すること。また、出血を示唆する臨床症状が疑われた場合は、直ちに血球算定等の適切な検査を実施すること。

・ 患者には通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう注意を促すこと。また、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用している旨を医師に必ず伝えるように患者に注意を促すこと。