添付一覧
○指定薬物に係る輸入監視の取扱いについて
(平成19年2月28日)
(薬食発第0228009号)
(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長・各地方厚生局長あて厚生労働省医薬食品局長通知)
薬事法の一部を改正する法律(平成18年法律第69号)の施行により、薬事法の一部を改正する法律による改正後の薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第14項に規定する指定薬物については、同法第76条の4に規定する医療等の用途以外の用途に供するための輸入が禁止されることとなります。このため、医療等の用途に供するための指定薬物の通関の際における取扱いについて、別添「指定薬物輸入監視要領」によることとし、平成19年4月1日から実施することとしましたので、御了知の上、貴管下関係業者に対し、周知方よろしく御配慮願います。
なお、本件の実施における「薬事法に係る指定薬物の通関の際における取扱要領」については、別添写しのとおり財務省関税局長あて通知済みであることを申し添えます。
別添
指定薬物輸入監視要領
1 監視の目的
薬事法(昭和35年法律第145号)の規定により、輸入される指定薬物の用途確認を輸入前に行い、医療等の用途以外の用途に供される指定薬物が違法に国内に流入することを未然に防ぎ、もって国民の保健衛生上の危害を防止することを目的とする。
2 監視対象
監視対象は、本邦に未到着の指定薬物、又は外国から本邦に到着し、保税地域(関税法第30条各号に掲げるもの及び同法第86条第1項の規定により留置されたものにあっては、保税地域以外の場所を含む。)に蔵置された通関前の指定薬物とする。
3 担当部署
厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課
4 監視事項
2で監視対象となる指定薬物に関し、医療等の用途に供するためのものであるか確認を行った上で、薬事法に違反すると認められる指定薬物については、輸入者に対し、輸入発送の中止、発送された指定薬物の積戻、廃棄等必要な指導を行うとともに、必要に応じて関係取締機関への事件通報又は情報提供を実施するものとする。
5 医薬食品局監視指導・麻薬対策課の業務
医薬食品局監視指導・麻薬対策課の業務は次のとおりとする。
(1) 監視対象となる指定薬物につき、4に規定する確認は、輸入前に輸入者に厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課に対して次の書類を提出させ、審査すること。また輸入前に審査及び確認を受けることができなかった特段の事情がある場合は、その理由書を次の書類とともに提出させ、審査すること。
なお、審査に当たり特に必要があると認められる場合においては、次の書類以外の書類を追加で提出させることを妨げるものではない。
ア 学術研究又は試験検査の用途に供されるための輸入であった場合
(ア) 輸入指定薬物用途誓約書(別紙様式。以下同じ。)(正副2部)
(イ) 輸入者が薬事法第2条第14項に規定する指定薬物及び同法第76条の4に規定する医療等の用途を定める省令(平成19年厚生労働省令第14号)第2条第1号に掲げる者であることを確認できる資料
イ 薬事法第69条第3項に規定する試験の用途、同法第76条の6第1項に規定する検査の用途、犯罪鑑識の用途に供されるための輸入であった場合
輸入指定薬物用途誓約書(正副2部)
ウ 元素又は化合物に化学反応を起こさせる用途に供されるための輸入であった場合
(ア) 輸入指定薬物用途誓約書(正副2部)
(イ) 当該指定薬物を用いる者の氏名及び住所(法人にあっては名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)を明らかにする書類
(ウ) 起こさせる化学反応とそれにより製造される化合物を明らかにする書類、又は化学反応を起こさせる研究の目論見書
(エ) 国内で保管する設備の仕様及び防犯状況を明らかにする書類
エ 疾病の治療の用途(薬事法第14条又は第19条の2の規定による承認を受けて製造販売をされた医薬品を使用する場合に限る。)に供されるための輸入であった場合
輸入指定薬物用途誓約書(正副2部)
※ なお、エの場合は、本要領に基づく確認のほか、輸入に当たって別途医薬品の輸入手続を行う必要があることを輸入者に注意喚起すること。
オ 上記アからエまで掲げる場合のほか、厚生労働大臣が人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがないと認めた用途に供されるための輸入であった場合
(ア) 輸入指定薬物用途誓約書(正副2部)
(イ) 厚生労働大臣作成の用途確認書の写し
(2) 税関において、指定薬物の疑いがある物品が発見され、厚生労働省監視指導・麻薬対策課に対し照会がなされた場合、当該物品が指定薬物であるか否かの検査を行うため必要があると認めるときには、薬事法上の薬事監視員に通報すること。
(3) 「厚生労働省確認欄」の特記事項には、税関に対し説明を要する事項があれば記載すること。
(4) 監視業務に際して、麻薬及び向精神薬取締法、あへん法、大麻取締法及び覚せい剤取締法に抵触する疑いがある輸入品を発見した場合には、当該地区を管轄する地方厚生局麻薬取締部及び税関に連絡すること。
6 執務上の注意
(1) 医薬食品局監視指導・麻薬対策課は、指定薬物輸入監視の重要性にかんがみ、厳正かつ公平に業務を行うこと。
(2) 業務の円滑な遂行を期するため、常に税関、都道府県その他関係機関と密接な連絡を保つこと。
(3) 審査業務、検査業務等事務処理は迅速に行い、理由なく遅延することのないよう心掛けること。
別添参考
薬事法に係る指定薬物の通関の際における取扱要領
1 用語の定義
(1) 指定薬物
本要領で「指定薬物」とは、中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻取締法(昭和23年法律第124号)に規定する大麻、覚せい剤取締法(昭和26年法律第252号)に規定する覚せい剤、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)に規定する麻薬及び向精神薬並びにあへん法(昭和29年法律第71号)に規定するあへん及びけしがらを除く。)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
具体的な指定薬物は、薬事法第2条第14項に規定する指定薬物及び同法第76条の4に規定する医療等の用途を定める省令(平成19年厚生労働省令第14号)第1条に規定されている。
(2) 医療等の用途
本要領で「医療等の用途」とは、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるものをいう。
具体的な医療等の用途は、薬事法第2条第14項に規定する指定薬物及び同法第76条の4に規定する医療等の用途を定める省令(平成19年厚生労働省令第14号)第2条に規定されている。
(3) 輸入者
本要領で「輸入者」とは、指定薬物を輸入しようとする者をいう。
2 税関への確認依頼事項
輸入者が指定薬物の輸入申告に際し税関に提出又は提示を必要とする具体的な書類及び通関の際における取扱いは、厚生労働省において当該指定薬物が医療等の用途に供するためのものであることの確認がなされた輸入指定薬物用途誓約書(別紙様式)の確認によるものとする。
3 その他
上記2の税関における確認に当たり、薬事法に違反する疑いがあると認められるとき又は疑義が生じたときには、その都度税関より厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課あて照会されたい。
別紙様式