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○良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の一部の施行について
(平成18年12月27日)
(医政発第1227017号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知)
平成18年6月21日付けで公布された良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律(平成18年法律第84号。以下「改正法」という。)のうち、病床を有する診療所(以下「有床診療所」という。)に関する規定(改正法第1条関係)については、平成19年1月1日から施行されることとされているところであるが、これに伴い、医療法施行令の一部を改正する政令(平成18年政令第371号。以下「改正政令」という。)が本年11月29日付けで、医療法施行規則の一部を改正する省令(平成18年厚生労働省令第194号。以下「改正省令」という。)が本年12月25日付けで、それぞれ公布されたところである。
これらの改正の趣旨、内容等については下記のとおりであるので、御了知の上、その運用に遺憾のないよう特段の御配慮をいただくとともに、本通知の趣旨等について、貴管下保健所設置市、特別区、医療機関、関係団体等に対し周知願いたい。
記
第一 改正の趣旨
現在、有床診療所については、へき地等における入院施設や高度な施術を行うもの等が存在し、地域の医療提供体制において様々な機能を果たしている。また、こうした中で、有床診療所における療養病床以外の病床(以下「診療所一般病床」という。)に関する48時間の患者の入院時間制限(以下「48時間規制」という。)が実態と乖離している等の現状があったところである。
今回の改正は、こうした状況を踏まえ、有床診療所に関する規定の見直しを行ったものである。
第二 改正内容
1 管理者に係る入院時間制限の努力義務規定の廃止(新法第13条関係)
へき地等における入院施設としての役割、高度な施術を行う診療所が存在すること、48時間規制が有床診療所の実態から乖離していること等、今日の有床診療所の状況を踏まえ、次の事項が規定されたこと。
(1) 診療所の管理者に係る患者の入院時間制限の努力義務に関する規定を廃止すること。
(2) 診療所の管理者は、患者の病状の急変時においても適切な治療を提供することができるよう、当該診療所の医師が速やかに診療を行う体制を確保するよう努めるとともに、他の病院又は診療所との緊密な連携を確保しておかなければならないこと。
2 診療所病床の設置に関する都道府県知事の許可(改正法第1条による改正後の医療法(以下「新法」という。)第7条第3項関係)
(1) 診療所に療養病床又は一般病床を設けようとするときは、(3)に掲げる場合を除き、都道府県知事の許可を受けるものとすること。
(2) (1)の許可を受けようとするものは、医療法施行規則の一部を改正する省令(平成29年厚生労働省令第27号。以下「平成29年改正省令」という。)による改正後の医療法施行規則(以下「平成29年新省令」という。)第1条の14第5項各号に掲げる事項(当該許可の申請が一般病床のみに係るものである場合においては、同項第3号に掲げる事項に限る。)を記載した申請書を都道府県知事に提出するものとすること。
(3) (1)の許可を受けることを要しない場合として、次に掲げる場合を定めるものであること。(平成29年新省令第1条の14第7項第1号及び第2号関係)
ア 都道府県知事が、都道府県医療審議会の意見を聴いて、医療法第30条の7第2項第2号に掲げる医療の提供の推進のために必要な診療所その他の地域包括ケアシステム(地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(平成元年法律第64号)第2条第1項に規定する地域包括ケアシステムをいう。)の構築のために必要な診療所として認めるものに療養病床又は一般病床を設けようとするとき。
イ 都道府県知事が、都道府県医療審議会の意見を聴いて、へき地の医療、小児医療、周産期医療、救急医療その他の地域において良質かつ適切な医療が提供されるために必要な診療所として認めるものに療養病床又は一般病床を設けようとするとき。
(4) (3)ア又はイに掲げる場合に該当し、都道府県知事の許可を受けずに病床を設置した者は、病床を設置したときから10日以内に、都道府県知事に、病床数その他厚生労働省令で定める事項を届け出るものとすること。(改正政令による改正後の医療法施行令(以下「新政令」という。)第3条の2関係)
(5) (4)の届出を行うべき事項を、平成29年新省令第1条の14第5項各号(当該病床が一般病床のみの場合にあっては、同項第3号)に掲げる事項とすること。(平成29年新省令第1条の14第8項関係)
3 診療所の病床数等の変更に係る都道府県知事の許可(改正法第7条第3項関係)
(1) 診療所に病床を設置した者は、次の事項を変更しようとする場合には、(2)に掲げる場合を除き、都道府県知事の許可を受けるものとすること。ただし、当該許可に基づく変更により一般病床のみを有することとなる場合においては、ウの事項のみ許可を受けるものとすること。(平成29年新省令第1条の14第6項関係)
ア 医師、看護師その他の従業員の定員
イ 法第21条第2項第2号及び第3号に掲げる施設の構造設備の概要
ウ 病床数及び病床の種別ごとの病床数並びに各病室の病床数
(2) 診療所の病床を設けた者が、(1)の都道府県知事の許可を受けることは要しない場合として、次に掲げる場合を定めるものであること。(平成29年新省令第1条の14第7項第3号及び第4号関係)
ア 2(3)ア又はイに掲げる診療所の療養病床又は一般病床の病床数を増加させようとするとき。
イ 診療所に療養病床又は一般病床を設置した者が平成29年新省令第1条の14第5項第3号に掲げる事項を変更しようとする場合において、療養病床若しくは一般病床の病床数を減少させ又は療養病床若しくは一般病床に係る病室の病床数を変更しようとするとき。
(3) (2)ア又はイに掲げる場合に該当し、都道府県知事の許可を受けずに(1)の事項を変更した者は、当該変更をしたときから10日以内に、都道府県知事に、病床数その他厚生労働省令で定める事項を届け出るものとすること。(新政令第4条第2項関係)
(4) (3)の届出を行うべき事項を、平成29年新省令第1条の14第5項各号(当該病床が一般病床のみの場合にあっては、同項第3号)に掲げる事項とすること。(平成29年新省令第1条の14第9項関係)
4 診療所の一般病床に関する基準病床数制度上の取扱い
医療資源の地域的偏在の解消等という医療計画制度の目的を踏まえ、診療所一般病床の基準病床数制度における取扱いに関し、次の事項が規定されたこと。
(1) 従前の診療所の療養病床以外の病床を一般病床に位置付けることとしたこと。(新法第7条第2項第5号)
(2) (1)に伴い、診療所一般病床を基準病床数制度の対象としたこと。(新法第7条の2、第30条の3及び第30条の7関係)
5 経過措置
(1) 施行日前に存在する診療所の療養病床以外の病床のうち、施行日(平成19年1月1日)前に、法第27条に規定する許可証の交付を受けたものについては、新法第7条第3項の一般病床の設置の許可を受けたものとみなすものとすること。(改正法附則第3条第1項)
(2) 施行日前に存在する診療所の療養病床以外の病床のうち、(1)に該当する病床以外の病床については、施行日以後に新たに新法第7条第3項の許可を要するものとするが、このうち次に掲げる病床については、新医療法第30条の7の規定に基づく勧告の対象としないものとすること。(改正法附則第3条第2項)
ア 施行日前において、法第7条第1項の規定により行われている診療所の開設の許可の申請又は法第7条第2項の病床数の変更の許可の申請に係る診療所の療養病床以外の病床
イ 施行日前において、建築基準法第6条第1項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定により、同法第4条の建築主事が受理している確認の申請書に係る診療所の療養病床以外の病床
(3) (1)並びに(2)ア及びイに定める病床(以下「特定病床」という。)については、施行日から別途政令で定める日までの間は、基準病床数制度における既存の一般病床の数には算入しないものとすること。(改正法附則第3条第3項及び第4項)
第三 留意事項
1 第二2(3)ア及びイに掲げる都道府県知事が認める診療所について
(1) 医療法第30条の7第2項第2号に掲げる医療の提供の推進のために必要な診療所その他の地域包括ケアシステムの構築のために必要な診療所とは、次のいずれかの機能を有し、地域における医療需要を踏まえ必要とされる診療所であること。
ア 在宅療養支援診療所の機能(訪問診療の実施)
イ 急変時の入院患者の受入機能(年間6件以上)
ウ 患者からの電話等による問い合わせに対し、常時対応できる機能
エ 他の急性期医療を担う病院の一般病棟からの受入れを行う機能(入院患者の1割以上)
オ 当該診療所内において看取りを行う機能
カ 全身麻酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔又は伝達麻酔(手術を実施した場合に限る。)を実施する(分娩において実施する場合を除く。)機能(年間30件以上)
キ 病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受渡機能
(2) へき地の医療、小児医療、周産期医療、救急医療その他の地域において良質かつ適切な医療が提供されるために必要な診療所とは、(1)以外の診療所であって、「へき地保健医療対策事業について」(平成13年5月16日付け医政発第529号厚生労働省医政局長通知)の別添「へき地医療対策等実施要綱」に示される設置基準に基づき設置するへき地診療所(入院機能を必要とする診療所に限る。)等の地域における医療需要を踏まえ必要とされる診療所であること。
(3) (1)及び(2)の診療所については、療養病床の場合であっても届出による設置又は増床が可能であること。
(4) (1)又は(2)の診療所に該当するか否かについては、必要とされる医療に関する地域の実情を踏まえて検討する必要があることから、届出の前に事前計画書等の提出を求める等の方法で確認するとともに、都道府県医療審議会の議を経るものとする。
