項目 |
1日目 |
7日目 |
14日目 |
21日目 |
28日目 |
容量(mL) |
276.9±14.3 |
― |
― |
― |
― |
白血球数 |
すべて適合 |
― |
― |
― |
― |
上清ヘモグロビン濃度(mg/dL) |
12.8±3.5 |
25.6±5.4 |
28.9±6.3 |
42.7±9.2 |
55.9±14.1 |
ATP濃度(μmol/gHb) |
5.5±0.9 |
7.3±0.9 |
6.5±0.9 |
6.0±1.1 |
5.3±1.2 |
2,3―DPG濃度(μmol/gHb) |
14.5±0.9 |
12.2±1.8 |
3.5±1.5 |
0.3±0.4 |
0.0±0.0 |
上清ナトリウム濃度(mEq/L) |
124.9±1.7 |
114.3±1.5 |
109.8±1.0 |
106.5±2.4 |
102.4±3.2 |
上清カリウム濃度(mEq/L) |
1.2±0.1 |
19.3±2.1 |
30.5±2.9 |
38.7±2.6 |
45.0±2.4 |
上清総カリウム量(mEq) |
0.2±0.1 |
2.5±0.3 |
3.9±0.4 |
4.9±0.4 |
5.7±0.4 |
pH |
7.23±0.03 |
7.08±0.02 |
6.87±0.02 |
6.71±0.03 |
6.63±0.03 |
赤血球数(×104/μL) |
602±32 |
603±35 |
602±36 |
603±36 |
602±38 |
ヘマトクリット(%) |
54.2±1.9 |
53.2±1.8 |
53.1±1.9 |
53.2±2.2 |
52.8±2.3 |
平均赤血球容積(fL) |
90.2±4.2 |
88.3±4.1 |
88.3±4.1 |
88.4±4.3 |
87.8±4.3 |
ヘモグロビン濃度(g/dL) |
18.9±0.8 |
19.0±0.7 |
18.9±0.8 |
18.8±0.7 |
18.8±0.8 |
10%溶血点(%NaCl) |
0.517±0.018 |
0.495±0.015 |
0.499±0.017 |
0.500±0.020 |
0.501±0.023 |
50%溶血点(%NaCl) |
0.473±0.018 |
0.452±0.019 |
0.452±0.019 |
0.449±0.021 |
0.446±0.021 |
90%溶血点(%NaCl) |
0.422±0.025 |
0.386±0.021 |
0.380±0.022 |
0.372±0.024 |
0.372±0.025 |
照射赤血球濃厚液―LR「日赤」1)(Ir―RCC―LR―2;400mL採血由来)(n=8)
項目 |
1日目 |
7日目 |
14日目 |
21日目 |
28日目 |
容量(mL) |
274.8±18.3 |
― |
― |
― |
― |
白血球数 |
すべて適合 |
― |
― |
― |
― |
上清ヘモグロビン濃度(mg/dL) |
12.8±4.3 |
24.8±7.1 |
35.0±8.5 |
49.3±15.6 |
68.8±24.8 |
ATP濃度(μmol/gHb) |
6.3±0.7 |
6.4±0.8 |
6.4±0.6 |
5.9±0.6 |
5.0±0.9 |
2,3―DPG濃度(μmol/gHb) |
14.0±1.4 |
9.7±2.6 |
2.8±2.0 |
0.6±0.9 |
0.1±0.3 |
上清ナトリウム濃度(mEq/L) |
123.4±1.6 |
100.1±3.3 |
92.4±3.8 |
89.3±3.2 |
85.8±3.2 |
上清カリウム濃度(mEq/L) |
1.7±0.3 |
36.3±4.8 |
49.5±4.8 |
56.6±4.6 |
60.3±4.6 |
上清総カリウム量(mEq) |
0.2±0.1 |
4.6±0.7 |
6.2±0.8 |
7.1±0.8 |
7.6±0.8 |
pH |
7.20±0.02 |
7.06±0.02 |
6.84±0.02 |
6.70±0.02 |
6.64±0.02 |
赤血球数(×104/μL) |
615±25 |
620±29 |
621±27 |
617±26 |
621±24 |
ヘマトクリット(%) |
54.3±1.6 |
52.2±1.6 |
51.5±1.7 |
51.2±1.9 |
51.1±1.8 |
平均赤血球容積(fL) |
88.3±2.4 |
84.2±2.3 |
83.0±2.4 |
82.9±2.1 |
82.4±2.2 |
ヘモグロビン濃度(g/dL) |
19.1±0.7 |
19.1±0.7 |
19.0±0.7 |
19.1±0.7 |
19.0±0.7 |
10%溶血点(%NaCl) |
0.521±0.017 |
0.484±0.016 |
0.475±0.018 |
0.472±0.019 |
0.473±0.023 |
50%溶血点(%NaCl) |
0.477±0.018 |
0.429±0.020 |
0.415±0.019 |
0.410±0.019 |
0.409±0.021 |
90%溶血点(%NaCl) |
0.425±0.030 |
0.353±0.045 |
0.349±0.016 |
0.345±0.022 |
0.345±0.030 |
平均±標準偏差
1) 1日目(採血当日)に15Gy以上50Gy以下の放射線を照射
(日本赤十字社社内資料より)
参考16 血小板濃厚液の製法と性状
血小板濃厚液の調製法には,採血した全血を常温に保存し製剤化する方法と,単一供血者から成分採血装置を使用して調製する方法があるが,日本赤十字社から供給される血小板濃厚液では,全血採血由来の保存前白血球除去の導入により,白血球とともに血小板も除去されることから(製造工程において使用する白血球除去フィルターに吸着される),現在は,全血採血からは製造しておらず,後者の成分採血による方法のみが行われている。
血小板製剤では,血小板数を単位数で表す。1単位は0.2×1011個以上である。
血小板濃厚液の製剤規格,実単位数と含有血小板数との関係を表3に示す。
HLA適合血小板濃厚液には,10,15,20単位の各製剤がある。
これらの血小板濃厚液の中には少量の赤血球が含まれる可能性がある。なお,平成16年10月より,保存前白血球除去技術が適用され,製剤中の白血球数は1バッグ当たり1×106個以下となっている。
調製された血小板濃厚液は,輸血するまで室温(20~24℃)で水平振盪しながら保存する。
有効期間は採血後4日間である。
表3 血小板製剤の単位換算と含有血小板数
製剤規格 |
実単位数 |
含有血小板数(×1011) |
1単位(約20mL) |
1 |
0.2≦ |
2単位(約40mL) |
2 |
0.4≦ |
5単位(約100mL) 1.0×1011≦ |
5 |
1.0≦~<1.2 |
6 |
1.2≦~<1.4 |
|
|
7 |
1.4≦~<1.6 |
|
8 |
1.6≦~<1.8 |
|
9 |
1.8≦~<2.0 |
10単位(約200mL) 2.0×1011≦ |
10 |
2.0≦~<2.2 |
11 |
2.2≦~<2.4 |
|
|
12 |
2.4≦~<2.6 |
|
13 |
2.6≦~<2.8 |
|
14 |
2.8≦~<3.0 |
15単位(約250mL) 3.0×1011≦ |
15 |
3.0≦~<3.2 |
16 |
3.2≦~<3.4 |
|
|
17 |
3.4≦~<3.6 |
|
18 |
3.6≦~<3.8 |
|
19 |
3.8≦~<4.0 |
20単位(約250mL) 4.0×1011≦ |
20 |
4.0≦~<4.2 |
21≦ |
4.2≦ |
現在,日本赤十字社から供給される血小板製剤は全て成分採血由来である。
参考17 新鮮凍結血漿(FFP)の製法と性状
全血採血由来の新鮮凍結血漿(新鮮凍結血漿―LR「日赤」)は,血液保存液(CPD液)を28mL又は56mL混合したヒト血液200mL又は400mLから当該血液バッグに組み込まれた白血球除去フィルターを用いたろ過により白血球の大部分を除去し,採血後8時間以内に分離した新鮮な血漿を-20℃以下に置き,凍結したもので,容量は約120mL(FFP―LR―1)及び約240mL(FFP―LR―2)である。
成分採血由来の新鮮凍結血漿(新鮮凍結血漿「日赤」)は,血液保存液(ACD―A液)を混合し,血液成分採血により白血球の大部分を除去して採取した新鮮な血漿を採血後6時間以内に-20℃以下に置き,凍結したもので,容量は約450mL(FFP―5)である。
製剤中の白血球数は,1バッグ当たり1×106個以下である。
新鮮凍結血漿は,-20℃以下で凍結保存する。有効期間は採血後1年間である。
新鮮凍結血漿―LR「日赤」の経時的変を表4に示す。含有成分は血液保存液により希釈されて,単位容積当たりの濃度は正常血漿と比較して,およそ10~15%低下している。
また,血漿中の凝固因子活性の個人差は大きいが,新鮮凍結血漿中でもほぼ同様な凝固因子活性が含まれている。ただし,不安定な因子である凝固第Ⅴ,Ⅷ因子活性はわずかながら低下する。一方,ナトリウム濃度は血液保存液中のクエン酸ナトリウム水和物及びリン酸二水素ナトリウムの添加により増量している。なお,正常血漿1mL中に含まれる凝固因子活性を1単位(100%)という。また,日本赤十字社が供給する輸血用血液製剤は,採血時における問診等の検診,採血血液に対する感染症関連の検査等の安全対策を講じており,さらに新鮮凍結血漿では6ヵ月間の貯留保管注1)を行っているが,感染性の病原体に対する不活化処理はなされておらず,人の血液を原料としていることに由来する感染症伝播等のリスクを完全には排除できないため,疾病の治療上の必要性を十分に検討の上,必要最小限の使用にとどめる必要がある。
注1) 貯留保管(Quarantine)とは,一定の期間隔離保管する方法である。
採血時の問診や献血血液に対する核酸増幅検査(NAT)を含めた感染症関連検査等でも,感染リスクの排除には限界がある。
貯留保管期間中に,遡及調査の結果及び献血後情報等により感染リスクの高い血液があることが判明した場合,その輸血用血液(ここでは新鮮凍結血漿)及び血漿分画製剤用原料血漿を確保(抜き取って除外)することにより,より安全性の確認された血液製剤を医療機関へ供給する安全対策である。
新鮮凍結血漿の有効期間は1年間であるが,日本赤十字社では,6ヵ月間の貯留保管をした後に医療機関へ供給している。
表4 新鮮凍結血漿―LR「日赤」の経時的変化
項目 |
新鮮凍結血漿―LR「日赤」(FFP―LR―2;400mL採血由来)(n=7) |
||||||
1日目 |
1ヵ月目 |
3ヵ月目 |
6ヵ月目 |
9ヵ月目 |
12ヵ月目 |
13ヵ月目 |
|
容量(mL) |
229±141) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
白血球数 |
すべて適合1) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
凝固第Ⅱ因子(%) |
1002) |
97.4±1.9 |
97.0±1.9 |
95.0±2.9 |
87.0±2.1 |
82.6±6.7 |
81.9±2.3 |
凝固第Ⅴ因子(%) |
1002) |
96.0±3.6 |
95.0±6.0 |
92.8±2.6 |
89.7±3.2 |
89.6±2.9 |
89.4±2.6 |
凝固第Ⅷ因子(%) |
1002) |
95.6±3.8 |
95.3±4.0 |
82.3±7.0 |
82.1±5.9 |
80.6±6.2 |
75.0±8.3 |
プロトロンビン時間(秒) |
9.2±0.33) |
9.2±0.4 |
9.4±0.3 |
9.4±0.3 |
9.3±0.2 |
9.3±0.2 |
9.5±0.4 |
活性化部分トロンボプラスチン時間(秒) |
40.3±4.23) |
40.3±4.5 |
41.7±3.4 |
38.9±4.2 |
44.2±6.2 |
42.6±3.4 |
42.2±2.7 |
上清ヘモグロビン濃度(mg/dL) |
5.0±0.94) |
― |
― |
― |
― |
7.6±3.0 |
11.4±6.7 |
上清ナトリウム濃度(mEq/L) |
167.4±2.14) |
― |
― |
― |
― |
165.5±3.0 |
169.5±4.0 |
上清カリウム濃度(mEq/L) |
3.3±0.24) |
― |
― |
― |
― |
4.2±0.4 |
4.2±0.1 |
上清総カリウム量(mEq) |
0.8±0.14) |
― |
― |
― |
― |
1.0±0.1 |
1.0±0.1 |
pH |
7.34±0.034) |
― |
― |
― |
― |
7.39±0.03 |
7.37±0.02 |