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○化粧品に配合可能な医薬品の成分について

(平成19年5月24日)

(薬食審査発第0524001号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

薬事法(昭和35年法律第145号)第42条第2項の規定に基づく化粧品基準(平成12年9月厚生省告示第331号。以下「新基準」という。)において、医薬品の成分(添加剤としてのみ使用される成分及び新基準別表第2から第4に掲げる成分を除く。)は、化粧品への配合が禁止とされているところであるが、平成13年4月1日以前に薬事法第14条第1項の規定による承認に係る化粧品の成分であるもの(以下「承認化粧品成分」という。)又は昭和36年2月厚生省告示第15号(薬事法第14条第1項の規定に基づき品目ごとの承認を受けなければならない化粧品の成分を指定する件)(以下「旧基準」という。)別表に掲げられていた化粧品の成分であるものについては、当該承認に係る化粧品の成分の分量又は旧基準別表に掲げられていた化粧品の成分の分量に限り、化粧品の成分とすることができるものとしているところである。

今般、承認化粧品成分について明確化を図ることを目的とし、平成16年3月25日付け薬食審査発第0325022号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「化粧品に配合可能な医薬品の成分について(確認依頼)」(以下「課長通知」という。)にて調査を行い、本調査により提出された資料を基に、その結果を下記のとおりとりまとめましたので、御了知の上、貴管下関係業者に周知方よろしく御配慮願いたい。

1.化粧品に配合可能な医薬品成分の取扱いについて

(1) 承認化粧品成分として、課長通知による調査の結果、確認できた成分は別添のとおりであり、これらの成分については、別添に示す分量の範囲内において、化粧品の成分とすることができること。

ただし、安易に化粧品に配合できることを意味するものではなく、配合するにあたっては企業責任のもとに当該成分の品質及びその安全性を確認し、配合すること。

2.その他

(1) 医薬品の成分(添加剤としてのみ使用される成分及び新基準別表第2から第4に掲げる成分を除く。)に該当するものであって、別添の承認化粧品成分の範囲を超えるものであっても、過去に承認を取得した際の承認書等、承認されていたことを明確に示す資料があり、かつ、企業責任のもとに当該成分の品質及びその安全性が確認できる場合、その分量の範囲内において化粧品の成分とすることができること。

(2) 本通知の別添中、「粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの」としては、専ら洗い流す用法で使用される化粧品(いわゆる、清浄用化粧品)が該当すること。

また、同別添中の「粘膜に使用されることがある化粧品」としては、専らメークアップ効果の目的でまつ毛の生え際に沿って使用される化粧品、専ら口唇の保護・メークアップ効果等の目的で使用される化粧品及び口腔内の清掃・口臭の予防等の目的で使用される化粧品(いわゆる、アイライナー化粧品、口唇化粧品及び口腔化粧品)が該当すること。

(3) 別添の表については改定を行う予定であり、そのための調査については別途示す予定であること。

(4) 課長通知において示した別添案に掲げていた成分であって、本通知別添に掲げていない成分及びその理由は以下のとおり。

① 調査報告書の提示が無かった品目。

・L―システイン塩酸塩

・ウラジロガシエキス

・ウラジロガシ抽出液

・塩化ベルベリン

・水酸化アルミナマグネシウム

② 調査報告書の提示の有無に関わらず、現時点においては医薬品成分に該当しないと判断した品目

・乳酸菌発酵液

・レモン油

・ローズ油

・L―チロシンメチルエステル塩酸塩

・アデノシン

・ジヒドロキシアセトン

・ハイビスカスエキス

・レチノール

(別添)

承認化粧品成分の範囲

 

成分名

100g中の最大配合量(g)

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの

粘膜に使用されることがある化粧品

1

*dl―カンフル

4.0

4.0

(1.0)

2

*DL―パントテニルアルコール

(○)

8.0

(0.30)

3

*D―パントテニルアルコール

(○)

3.0

(0.30)

4

*l―メントール

7.0

7.0

(1.0)

5

N―アセチル―L―システイン

9.00

9.00

 

6

*β―グリチルレチン酸

(0.80)

0.5

(0.20)

7

*γ―オリザノール

(○)

1.25

1.25

8

*アラントイン

(0.50)

0.3

(0.20)

9

イオウ

1.62

1.62

 

10

塩酸アルギニン

5.0

5.0

5.0

11

*オレンジ油

(○)

(○)

1.0

12

*カフェイン

2.0

2.0

 

13

可溶化硫黄

0.3

0.3

 

14

*カンゾウエキス

(8.0)

4.3

(2.0)

15

*グアイアズレンスルホン酸ナトリウム

0.10

0.10

(0.010)

16

*グリチルリチン酸ジカリウム

(0.80)

0.5

(0.20)

17

*グルコン酸クロルヘキシジン液

0.225

0.225

(0.050)

18

合成ヒドロタルサイト

1

1

1

19

サイコエキスBS

3.0

3.0

 

20

*酢酸dl―α―トコフェロール(注2)

(○)

3.03

3.03

21

*サリチル酸メチル

5.0

5.0

(0.10)

22

ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート

1

1

1

23

次没食子酸ビスマス(別名:デルマトール)

1.0

1.0

 

24

水溶性硫黄

2.00

2.00

 

25

*ニコチン酸ベンジル

0.20

0.20

 

26

ビオサルファーF

5.0

1.0

 

27

*ビサボロール

1.2000

1.2000

0.7905

28

豚脂

69.0

69.0

 

29

ミルラエキス

1.0000

1.0000

1.0000

30

*薬用炭

2.0

2.0

 

31

リュウコツパウダー

10

10

 

32

*硫酸亜鉛

10.0

10.0

 

33

ロクジョウチンキM

3.0075

3.0075

 

注1) 「*」は旧基準に収載されていた成分。

注2) ( )内は、旧基準において示していた成分の分量を参考に付したもの。

注3) 一部、用途の違いによりその整合性を図ったこと。

注4) すべてのdl―α―トコフェロール誘導体をdl―α―トコフェロールに換算して、dl―α―トコフェロールとして合計。