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○70歳未満の者の入院等に係る高額療養費の現物給付化に係る事務処理に関する留意事項について

(平成19年2月28日)

(保国発第0228001号)

(都道府県民生主管部(局)・国民健康保険主管課(部)長あて厚生労働省保険局国民健康保険課長通知)

標記の件については、健康保険法施行令等の一部を改正する政令(平成18年政令第390号)及び健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成19年厚生労働省令第16号)により、他の改正事項とともに関係規定の整備が行われたところである。

その内容については、平成18年12月20日付け保発第1220003号及び平成19年2月28日付け保発第0228004号による厚生労働省保険局長通知によって通知されたところであるが、実施にあたっては、更に下記の事項に留意の上、貴都道府県内市町村等関係方面への周知徹底について遺憾なきよう配慮されたい。

Ⅰ 限度額適用認定証の交付に関する事務取扱い

1 高額療養費の支払いに関する特例

(1) 国民健康保険被保険者(国民健康保険法第42条第1項第3号又は第4号に掲げる場合に該当する被保険者及び老人医療受給対象者を除く。以下「被保険者」という。)が同一の月にそれぞれ一の医療機関について次の療養を受けた場合においては、当該被保険者に対し支給すべき高額療養費について、当該被保険者に代わり、当該医療機関に支払うこと。

① 入院療養

② 入院以外の療養であって、一の医療機関による総合的かつ計画的な医学的管理の下における療養として厚生労働大臣が定めるもの

(2) (1)により支払う高額療養費は、当該療養に係る一部負担金等の額から次の額を控除した額を限度とすること。

① 一般の世帯に属する被保険者

80,100円と当該入院療養等に要した費用の額(その額が267,000円に満たないときは、267,000円)から267,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額の合算額。ただし、多数該当の場合には、44,400円とする。

② 上位所得者の世帯に属する被保険者

150,000円と当該入院療養等に要した費用の額(その額が500,000円に満たないときは、500,000円)から500,000円を控除した額に100分の1を乗じて得た額の合算額。ただし、多数該当の場合には、83,400円とする。

③ 低所得者の世帯に属する被保険者

35,400円。ただし、多数該当の場合には、24,600円

多数該当については、医療機関が多数該当の限度額を適用することが可能と判断したときは適用するものとすること。

(3) 特例により(1)の取扱いを受けることのできる被保険者は、限度額適用認定証(様式1)の交付を受けており、医療機関等の窓口において証の提示を行った者とすること。

医療機関等において限度額適用認定証を提示しなかった場合は、被保険者証に記載する割合の一部負担金を支払うものとすること。限度額適用認定証が提示されていれば現物給付がなされていた部分については高額療養費の申請により支給されること。

2 限度額適用認定の申請

(1) 限度額適用認定を受けようとする者は、限度額適用認定申請書(様式例)を保険者に提出して申請を行わなければならないこと。

(2) (1)の申請書には、次の書類を添付して申請しなければならないこと。

① 上位所得者の世帯に属する被保険者

被保険者の属する世帯の世帯主について申請の日時点で保険料の滞納がないことを証する書類

② 一般の世帯に属する被保険者

①で添付する書類及び被保険者の属する世帯に属する全ての被保険者について基準所得額を合算した額が600万円以下であることを証する書類

③ 低所得者の世帯に属する被保険者

①で添付する書類及び被保険者の属する世帯の世帯主及びその世帯に属する当該市町村の行う国民健康保険の被保険者について、市町村民税が課されないこと又は市町村の条例で定めるところにより市町村民税が免除されることを証する書類

(3) 申請は、被保険者証を提示して行わなければならないこと。

(4) なお、保険者は、当該事実を公簿又はその写しによって確認することができるときは、当該書類を省略させることができること。

3 限度額適用認定証の交付

(1) 保険者は、限度額適用認定を行った場合には、その者に交付される限度額適用認定証に、適用対象者名、生年月日、有効期限等の必要な事項を記載するとともに、適用区分欄に下記の区分に従い「A」「B」「C」と記載すること。

「A」・・・上位所得者の世帯

「B」・・・一般の世帯

「C」・・・低所得者の世帯

(2) 限度額適用認定証の発効期日の欄には、申請のあった日の属する月の初日を記載すること。ただし、申請のあった月に新たに国民健康保険の被保険者となった者については、当該被保険者となった日を記載すること。

(3) 限度額適用認定証の有効期限については、翌年度の7月の末日まで(当該認定を行った日の属する月が4月から7月までの場合には、当年度の7月末日まで)とすること。

(4) 限度額適用認定証を交付する際には、申請を行った者に対し、当該認定証の有効期間が終了した場合において再度認定を受ける必要があるときは、再度申請を行うよう指導すること。

(5) 限度額適用認定証を交付する際には、交付する者に対し、医療機関に入院する際に、当該医療機関の窓口で被保険者証とともに当該限度額適用認定証を提示するよう指導すること。

(6) 認定は、申請を行った被保険者が属する世帯の世帯主に、保険料の滞納がないことを確認できた場合に限り行うものとする。ただし、保険料の滞納があることについて、特別の事情があると認められる場合及び保険者が適当と認める場合は、認定を行うものとする。限度額適用認定証の交付を行わなかった場合は、被保険者に対し、その理由及び当該理由が解消されれば交付を行うことができるので再度申請を行うこと等について十分な説明を行うこと。

【特別の事情】

次に掲げる事由により保険料を納付することができないと認められる事情であること。

① 世帯主がその財産につき災害を受け、又は盗難にかかったこと。

② 世帯主又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。

③ 世帯主がその事業を廃止し、又は休止したこと。

④ 世帯主がその事業につき著しい損失を受けたこと。

⑤ ①から④に類する事由があったこと。

(7) 低所得者の世帯に属する被保険者については、標準負担額減額認定証に限度額適用認定証を兼ねる旨を明記することができる(以下、兼ねた場合の証を「限度額適用・標準負担額減額認定証」という。)。なお、様式については、国民健康保険法施行規則様式第1号の9を用いて差し支えないこと。この場合において、適用区分の欄には「C」と記入すること。

Ⅱ 世帯構成の変更がある場合の限度額適用認定証の交付の事務取扱い

限度額適用認定証の交付を受けている被保険者が属する世帯内の被保険者及びその世帯主の構成に変更があった場合は、変更後の状況を踏まえ、速やかに判定を行うこと。

1 事務手順

(1) 限度額適用認定証の交付を受けている被保険者の世帯構成に変更があった場合

① 世帯構成の変更の事実の把握

国民健康保険被保険者に係る転入・転出・居住地変更・死亡等の届出又は住民基本台帳情報による異動状況の確認など市町村の実情に応じた仕組みにより、随時国民健康保険被保険者に係る世帯構成の事実の把握に努めること。

② 変更後の世帯・所得状況の把握

世帯構成の変更の事実を把握した場合、適用区分の判定に必要な世帯員の所得の状況を確認すること。

③ 適用区分の判定

世帯構成の変更のあった世帯に属する被保険者について判定を行うこと。

④ 限度額適用認定証の作成

①及び③により、適用区分等が変更となる被保険者について、新たな適用区分等を明記した限度額適用認定証を作成すること。

⑤ 限度額適用認定証の交付及び旧限度額適用認定証の回収

④により作成した限度額適用認定証を被保険者に交付するとともに、既に交付している限度額適用認定証を確実に回収すること。交付に際しては、被保険者に対し変更内容の十分な説明を行うこと。

(2) 限度額適用認定証の交付を受けている者が新たな世帯に異動した場合

既に交付している限度額適用認定証を回収し、異動した先の世帯に属する被保険者として新たに申請を行うこととすること。申請、交付の手続きは、Ⅰの2及び3によること。

2 適用区分の変更の時期

世帯構成の変更により適用区分の変更がある場合は下記のとおり取扱うものとすること。

(1) 限度額適用認定証の交付を受けている者の世帯構成に変更があった場合

所得の判定は、月の初日における世帯の状況により判断するので、当該世帯の適用区分に変更が生じる場合には、新たな適用区分を翌月初日から適用することとすること。適用区分欄には翌月以降の新たな適用区分と当月現在の適用区分を明記すること。

(2) 限度額適用認定証の交付を受けている者が他の世帯に異動した場合

当該被保険者の異動により、異動後の世帯の適用区分に変更が生じる場合には、新たな適用区分を翌月初日から適用することとすること。適用区分欄には翌月以降の新たな適用区分と当月現在の適用区分を明記すること。

(3) 限度額適用認定証の交付を受けている者が新たに世帯を形成した場合

新たな世帯となった日から、当該世帯における適用区分を適用すること。

Ⅲ 限度額適用認定を受けた被保険者の世帯に保険料の滞納が生じた場合の事務取扱い

限度額適用認定を受けた被保険者の世帯に保険料の滞納が生じた場合は、Ⅰの3の(6)の基準に基づいて、交付していた限度額適用認定証の返還を求めることができる。限度額適用・標準負担額減額認定証を交付していた場合は、返還にあわせて標準負担額減額認定証を交付するものとすること。

(様式例)

[様式1]