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○医療用医薬品の品質再評価に係る公的溶出試験(案)等について

(平成18年12月27日)

(薬食審査発第1227001号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

平成15年厚生労働省告示第3号、平成15年厚生労働省告示第175号、平成17年厚生労働省告示第503号、平成18年厚生労働省告示第88号「再評価を受けるべき医薬品の範囲を指定した件」をもって行われた再評価指定については、それぞれ平成15年5月2日、平成15年7月22日、平成18年3月5日、平成18年6月2日が再評価申請期限であったところであるが、今般、このうち別紙製剤につき、公的溶出試験(案)を別添1、標準製剤等を別添2、標準的な溶出試験条件を別添3のとおりとすることとしたので、貴管下関係業者に対し周知徹底方よろしく御配慮願いたい。

また、今般、公的溶出試験(案)が示されたことに伴い、当該製剤に係る再評価申請者が平成10年9月9日医薬審第790号審査管理課長通知「医療用医薬品の品質再評価に伴う溶出試験の設定に係る承認事項一部変更承認申請等の取扱いについて」による溶出試験一部変更承認申請を行う場合には、平成19年4月6日までに行うよう、併せて御指導願いたい。

なお、別添の記載については、第15改正日本薬局方に準じて適切に読み替えるものといたします。

別紙

メキタジン(6mg/g細粒a)

メキタジン(6mg/g細粒b)

メキタジン(6mg/g細粒c)

ロフラゼプ酸エチル(10mg/g細粒、1mg錠、2mg錠)

エピリゾール(300mg/g顆粒、50mg錠、100mg錠)

塩酸オンダンセトロン(2mg錠、4mg錠)

シンバスタチン(5mg錠、10mg錠、20mg錠)

プランルカスト水和物(112.5mgカプセル)

フェネチシリンカリウム(20万単位錠)

d―マレイン酸クロルフェニラミン(6mg徐放性錠)

アンピシリン・クロキサシリン(125mg・125mg錠、125mg・125mgカプセル)

塩酸モサプラミン(100mg/g顆粒、10mg錠、25mg錠、50mg錠)

フェンジゾ酸ペルフェナジン(10mg/g散)

クエン酸ペントキシベリン(100mg/g散)

グアイフェネシン(500mg/g散)

フェニトイン・フェノバルビタール(67mg・33mg錠)

アンピシリン(100mg/g顆粒、250mgカプセル、500mgカプセル、100mg/gドライシロップ)

ミトタン(500mgカプセル)

ニコチン酸トコフェロール(400mg/g細粒、100mgカプセル)

○医療用医薬品の品質再評価に係る公的溶出試験(案)等について

(平成18年12月27日)

(薬食審査発第1227002号)

(日本製薬団体連合会会長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

標記については、別添写しのとおり各都道府県衛生主管部(局)長あて通知したので、貴会におかれましても各会員に対する周知方、お願いいたします。

○医療用医薬品の品質再評価に係る公的溶出試験(案)等について

(平成18年12月27日)

(薬食審査発第1227003号)

(国立医薬品食品衛生研究所長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

標記については、別添写しのとおり各都道府県衛生主管部(局)長あて通知したので、お知らせいたします。

○医療用医薬品の品質再評価に係る公的溶出試験(案)等について

(平成18年12月27日)

(薬食審査発第1227003号)

(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

標記については、別添写しのとおり各都道府県衛生主管部(局)長あて通知したので、お知らせいたします。

(別記1)

日本製薬団体連合会会長

(別記2)

国立医薬品食品衛生研究所長

独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長

別添1

公的溶出試験(案)について

(別に規定するものの他,日本薬局方一般試験法溶出試験法を準用する。)

メキタジン6mg/g細粒(a)

溶出試験 本操作は遮光下で行う。本品約0.5gを精密に量り,試験液にpH6.8の日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始45分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。

別に,メキタジン標準品を酸化リン(Ⅴ)を乾燥剤として60℃で3時間乾燥し,その約0.015gを精密に量り,メタノール50mLに溶かした後,pH6.8の日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,pH6.8の日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のメキタジンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の45分間の溶出率が75%以上のときは適合とする。

メキタジン(C20H22N2S)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×(45/2)

WS:メキタジン標準品の量(mg)

WT:メキタジン細粒の秤取量(g)

C:1g中のメキタジン(C20H22N2S)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:35℃付近の一定温度

移動相:トリフルオロ酢酸(1→1000)/アセトニトリル混液(3:2)

流量:メキタジンの保持時間が約9分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,メキタジンのピークの理論段数及びシンメトリー係数はそれぞれ4000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,メキタジンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

メキタジン標準品 メキタジン(日局)。ただし,乾燥したものを定量するときメキタジン(C20H22N2S:322.47)99.0%以上を含むもの。

メキタジン6mg/g細粒(b)

溶出試験 本操作は遮光下で行う。本品約0.5gを精密に量り,試験液にpH6.8の日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始45分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。

別に,メキタジン標準品を酸化リン(Ⅴ)を乾燥剤として60℃で3時間乾燥し,その約0.015gを精密に量り,メタノール50mLに溶かした後,pH6.8の日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,pH6.8の日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のメキタジンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の45分間の溶出率が75%以上のときは適合とする。

メキタジン(C20H22N2S)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×(45/2)

WS:メキタジン標準品の量(mg)

WT:メキタジン細粒の秤取量(g)

C:1g中のメキタジン(C20H22N2S)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:35℃付近の一定温度

移動相:トリフルオロ酢酸(1→1000)/アセトニトリル混液(3:2)

流量:メキタジンの保持時間が約9分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,メキタジンのピークの理論段数及びシンメトリー係数はそれぞれ4000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,メキタジンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

メキタジン標準品 メキタジン(日局)。ただし,乾燥したものを定量するときメキタジン(C20H22N2S:322.47)99.0%以上を含むもの。

メキタジン6mg/g細粒(c)

溶出試験 本操作は遮光下で行う。本品約0.5gを精密に量り,試験液に薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に,メキタジン標準品を酸化リン(Ⅴ)を乾燥剤として60℃で3時間減圧乾燥し,その約0.015gを精密に量り,メタノール50mLで溶解した後,薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のメキタジンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

メキタジン(C20H22N2S)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×22500

WS:メキタジン標準品の量(mg)

WT:メキタジン細粒の採取量(mg)

C:1g中のメキタジン(C20H22N2S)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:35℃付近の一定温度

移動相:トリフルオロ酢酸溶液(1→1000)/アセトニトリル混液(3:2)

流量:メキタジンの保持時間が約9分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,メキタジンのピークのシンメトリー係数が2.0以下で,理論段数が2000段以上である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,メキタジンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

メキタジン標準品 メキタジン(日局)。ただし,乾燥したものを定量するとき,メキタジン(C20H22N2S)99.0%以上を含むもの。

ロフラゼプ酸エチル10mg/g細粒

溶出試験 本品約0.2gを精密に量り,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始45分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液約10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にロフラゼプ酸エチル標準品を105℃で3時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,エタノール(95)を加えて溶かし,正確に100mLとする。この液1mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のロフラゼプ酸エチルのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の45分間の溶出率が75%以上のときは適合とする。

ロフラゼプ酸エチル(C18H14ClFN2O3)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×9

WS:ロフラゼプ酸エチル標準品の量(mg)

WT:ロフラゼプ酸エチル細粒の秤取量(g)

C:1g中のロフラゼプ酸エチル(C18H14ClFN2O3)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230nm)

カラム:内径4mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル/エタノール(99.5)混液(2:1:1)

流量:ロフラゼプ酸エチルの保持時間が約7分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ロフラゼプ酸エチルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ロフラゼプ酸エチルのピーク面積の相対標準偏差は3.0%以下である。

ロフラゼプ酸エチル標準品 C18H14ClFN2O3:360.77 7―クロロ―5―(o―フルオロフェニル)―2,3―ジヒドロ―2―オキソ―1H―1,4―ベンゾジアゼピン―3―カルボン酸エチルで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 ロフラゼプ酸エチル5gにエタノール(95)75mLを加え,80℃に加熱して溶かし,活性炭0.5gを加えよくかき混ぜた後,熱時ろ過して活性炭を除去する。ろ液を5℃の冷所に一夜放置した後,析出した結晶をろ取し,氷冷したエタノール(95)少量で洗い,50℃で一夜減圧乾燥する。

性状 本品は白色の結晶性の粉末で,においはない。

融点:約199℃(分解)。

確認試験 本品のアセトニトリル溶液(1→100000)につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長227~231nm及び314~319nmに吸収の極大を示す。

吸光度 画像1 (2KB)別ウィンドウが開きます
(229nm):970~1030(0.01g,アセトニトリル,2000mL)。

純度試験 本品0.10gをとり,クロロホルムを加えて溶かし,正確に5mLとし,試料溶液とする。この液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液5μLを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム/ヘプタン/エタノール(95)混液(5:4:1)を展開溶媒として約12cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,単一のスポットを認める。

乾燥減量 0.2%以下(0.2g,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,非水滴定用酢酸(100)60mLを加えて溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=36.077mg C18H14ClFN2O3

ロフラゼプ酸エチル1mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液約10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にロフラゼプ酸エチル標準品を105℃で3時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,エタノール(95)を加えて溶かし,正確に100mLとする。この液1mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のロフラゼプ酸エチルのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

ロフラゼプ酸エチル(C18H14ClFN2O3)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×(9/2)

WS:ロフラゼプ酸エチル標準品の量(mg)

C:1錠中のロフラゼプ酸エチル(C18H14ClFN2O3)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230nm)

カラム:内径4mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル/エタノール(99.5)混液(2:1:1)

流量:ロフラゼプ酸エチルの保持時間が約7分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ロフラゼプ酸エチルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ロフラゼプ酸エチルのピーク面積の相対標準偏差は3.0%以下である。

ロフラゼプ酸エチル標準品 C18H14ClFN2O3:360.77 7―クロロ―5―(o―フルオロフェニル)―2,3―ジヒドロ―2―オキソ―1H―1,4―ベンゾジアゼピン―3―カルボン酸エチルで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 ロフラゼプ酸エチル5gにエタノール(95)75mLを加え,80℃に加熱して溶かし,活性炭0.5gを加えよくかき混ぜた後,熱時ろ過して活性炭を除去する。ろ液を5℃の冷所に一夜放置した後,析出した結晶をろ取し,氷冷したエタノール(95)少量で洗い,50℃で一夜減圧乾燥する。

性状 本品は白色の結晶性の粉末で,においはない。

融点:約199℃(分解)。

確認試験 本品のアセトニトリル溶液(1→100000)につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長227~231nm及び314~319nmに吸収の極大を示す。

吸光度 画像2 (2KB)別ウィンドウが開きます
(229nm):970~1030(0.01g,アセトニトリル,2000mL)。

純度試験 本品0.10gをとり,クロロホルムを加えて溶かし,正確に5mLとし,試料溶液とする。この液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液5μLを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム/ヘプタン/エタノール(95)混液(5:4:1)を展開溶媒として約12cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,単一のスポットを認める。

乾燥減量 0.2%以下(0.2g,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,非水滴定用酢酸(100)60mLを加えて溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=36.077mg C18H14ClFN2O3

ロフラゼプ酸エチル2mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液約10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,試験液を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。別にロフラゼプ酸エチル標準品を105℃で3時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,エタノール(95)を加えて溶かし,正確に100mLとする。この液1mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のロフラゼプ酸エチルのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が80%以上のときは適合とする。

ロフラゼプ酸エチル(C18H14ClFN2O3)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×9

WS:ロフラゼプ酸エチル標準品の量(mg)

C:1錠中のロフラゼプ酸エチル(C18H14ClFN2O3)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230nm)

カラム:内径4mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル/エタノール(99.5)混液(2:1:1)

流量:ロフラゼプ酸エチルの保持時間が約7分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ロフラゼプ酸エチルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ロフラゼプ酸エチルのピーク面積の相対標準偏差は3.0%以下である。

ロフラゼプ酸エチル標準品 C18H14ClFN2O3:360.77 7―クロロ―5―(o―フルオロフェニル)―2,3―ジヒドロ―2―オキソ―1H―1,4―ベンゾジアゼピン―3―カルボン酸エチルで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 ロフラゼプ酸エチル5gにエタノール(95)75mLを加え,80℃に加熱して溶かし,活性炭0.5gを加えよくかき混ぜた後,熱時ろ過して活性炭を除去する。ろ液を5℃の冷所に一夜放置した後,析出した結晶をろ取し,氷冷したエタノール(95)少量で洗い,50℃で一夜減圧乾燥する。

性状 本品は白色の結晶性の粉末で,においはない。

融点:約199℃(分解)。

確認試験 本品のアセトニトリル溶液(1→100000)につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長227~231nm及び314~319nmに吸収の極大を示す。

吸光度 画像3 (2KB)別ウィンドウが開きます
(229nm):970~1030(0.01g,アセトニトリル,2000mL)。

純度試験 本品0.10gをとり,クロロホルムを加えて溶かし,正確に5mLとし,試料溶液とする。この液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液5μLを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム/ヘプタン/エタノール(95)混液(5:4:1)を展開溶媒として約12cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,単一のスポットを認める。

乾燥減量 0.2%以下(0.2g,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,非水滴定用酢酸(100)60mLを加えて溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=36.077mg C18H14ClFN2O3

エピリゾール300mg/g顆粒

溶出試験 本品約0.33gを精密に量り,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始45分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,試料溶液とする。別にエピリゾール標準品をシリカゲルを乾燥剤として4時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長250nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の45分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

エピリゾール(C11H14N4O2)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×360

WS:エピリゾール標準品の量(mg)

WT:エピリゾール顆粒の秤取量(g)

C:1g中のエピリゾール(C11H14N4O2)の表示量(mg)

エピリゾール標準品 エピリゾール(日局)。

エピリゾール50mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始60分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液2mLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとし,試料溶液とする。別にエピリゾール標準品をシリカゲルを乾燥剤として4時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長250nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の60分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

エピリゾール(C11H14N4O2)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×180

WS:エピリゾール標準品の量(mg)

C:1錠中のエピリゾール(C11H14N4O2)の表示量(mg)

エピリゾール標準品 エピリゾール(日局)。

エピリゾール100mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始90分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,試料溶液とする。別にエピリゾール標準品をシリカゲルを乾燥剤として4時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長250nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の90分間の溶出率が80%以上のときは適合とする。

エピリゾール(C11H14N4O2)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×360

WS:エピリゾール標準品の量(mg)

C:1錠中のエピリゾール(C11H14N4O2)の表示量(mg)

エピリゾール標準品 エピリゾール(日局)。

塩酸オンダンセトロン2mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に塩酸オンダンセトロン標準品約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に200mLとする。この液4mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,それぞれの液のオンダンセトロンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が80%以上のときは適合とする。

オンダンセトロン[C18H19N3O]の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/1.247)×(9/2)

WS:塩酸オンダンセトロン標準品の量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:216nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用シアノプロピルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:0.02mol/Lリン酸二水素ナトリウム溶液に水酸化ナトリウム試液を加えてpH5.4に調整する。この液500mLにアセトニトリル500mLを加える。

流量:オンダンセトロンの保持時間が6~7分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,オンダンセトロンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,オンダンセトロンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である。

塩酸オンダンセトロン標準品 C18H19N3O・HCl・2H2O:365.85 (±)―2,3―ジヒドロ―9―メチル―3―[(2―メチルイミダゾール―1―イル)メチル]カルバゾール―4―(1H)―オン一塩酸塩二水和物で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸オンダンセトロンを2―プロパノール/水混液(2:1)から再結晶し,50℃で3時間減圧乾燥した後,25℃,相対湿度75%の恒温器中に12時間以上放置する。

性状 本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である。本品の水溶液(1→50)は旋光性を示さない。

確認試験

(1) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法のペースト法により測定するとき,波数3180cm-1,1640cm-1,1282cm-1,761cm-1及び751cm-1付近に吸収を認める。

(2) 本品の核磁気共鳴スペクトル測定用重水素化ジメチルスルホキシド溶液(1→100)につき,核磁気共鳴スペクトル測定用テトラメチルシランを内部基準物質として核磁気共鳴スペクトル測定法(1H)により測定するとき,δ2.7ppm付近及びδ3.7ppm付近にそれぞれ単一線のシグナルA及びBを,δ4.3ppm付近及びδ4.7ppm付近にそれぞれAMX型四重線のシグナルC及びDを示し,各シグナルの面積強度比A:B:C:Dはほぼ3:3:1:1である。

純度試験

(1) 類縁物質

1) 液体クロマトグラフィー

本品20mgを移動相200mLに溶かし,試料溶液とする。試料溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に50mLとする。この液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のオンダンセトロン以外のピークの合計面積は,標準溶液のオンダンセトロンのピーク面積より大きくない。ただし,オンダンセトロンに対する相対保持時間が約0.29のピーク面積は,自動積分法で求めた面積を感度係数0.77で乗じた値とする。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:216nm)

カラム:内径4.6mm,長さ20cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用シアノプロピルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素ナトリウム二水和物1.56gを水500mLに溶かし,水酸化ナトリウム試液を加えてpHを5.4に調整する。この液500mLにアセトニトリル500mLを加える。

流量:オンダンセトロンの保持時間が6~7分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒ピークの後からオンダンセトロンの保持時間の約2倍の範囲。

システム適合性

検出の確認:標準溶液4mLを正確に量り,移動相を加えて正確に10mLとする。

この液10μLから得たオンダンセトロンのピーク高さが,5~15mmになるように調整する。

システムの性能:塩酸オンダンセトロン20mg及びジメチルアミノ体10mgを移動相200mLに溶かす。この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,オンダンセトロン,ジメチルアミノ体の順に溶出し,その分離度は1.5以上である。

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,オンダンセトロンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である。

2) 薄層クロマトグラフィー

本品12.5mgをメタノール1mLに溶かし,試料溶液とする。この液0.5mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に25mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液20μL及び標準溶液2μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム/酢酸エチル/メタノール/アンモニア水(28)混液(90:50:40:1)を展開溶媒として約15cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない。

(2) 2―プロパノール

本品約0.1gを精密に量り,3mLのガラス瓶に入れ,内標準溶液2mLを正確に加え,密栓する。ガラス瓶を50℃の水浴中で10~15分間加温し,振り混ぜて溶かした後,室温にもどし,試料溶液とする。別に2―プロパノール40μLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとする。この液及び内標準溶液1mLずつを正確に量り,混和し,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液1μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行う。それぞれの液の内標準物質のピーク面積に対する2―プロパノールのピーク面積の比QT及びQSを求めるとき,2―プロパノールの量は0.2%以下である。

2―プロパノール含量(%)=QT/QS×2×2/試料採取量(g)×10-3×0.79×100

:2―プロパノールの比重

内標準溶液 薄めたエタノール(1→500)

試験条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:内径1.5~3.0mm,長さ2mのガラス管に150~180μmのガスクロマトグラフィー用多孔性エチルビニルベンゼン―ジビニルベンゼン共重合体(平均孔径0.0075μm,500~600m2/g)を充てんする。

カラム温度:170℃付近の一定温度

キャリヤーガス:窒素

流量:内標準物質の保持時間が2~3分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液1μLにつき,上記の条件で操作するとき,内標準物質,2―プロパノールの順に流出し,それぞれのピークが完全に分離する。

水分 9.6~10.2%(50mg,容量滴定法,直接滴定)

含量 99.5%以上。定量法 本品約50mgを精密に量り,無水酢酸/非水滴定用酢酸混液(7:3)50mLに溶かし,0.01mol/L過塩素酸で滴定する。(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.01mol/L過塩素酸1mL=3.659mg C18H19N3O・HCl・2H2O

ジメチルアミノ体3―[(Dimethylamino)methyl]―1,2,3,9―tetrahydro―9―methyl―4H―carbazol―4―one,hydrochloride ほとんど白色の粉末である。

融点 190℃~191℃

塩酸オンダンセトロン4mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水で正確に10mLとし試料溶液とする。別に塩酸オンダンセトロン標準品約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に200mLとする。この液4mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,それぞれの液のオンダンセトロンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が80%以上のときは適合とする。

オンダンセトロン[C18H19N3O]の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/1.247)×(9/2)

WS:塩酸オンダンセトロン標準品の量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:216nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用シアノプロピルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:0.02mol/Lリン酸二水素ナトリウム溶液に水酸化ナトリウム試液を加えてpH5.4に調整する。この液500mLにアセトニトリル500mLを加える。

流量:オンダンセトロンの保持時間が6~7分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,オンダンセトロンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,オンダンセトロンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である。

塩酸オンダンセトロン標準品 C18H19N3O・HCl・2H2O:365.85 (±)―2,3―ジヒドロ―9―メチル―3―[(2―メチルイミダゾール―1―イル)メチル]カルバゾール―4―(1H)―オン一塩酸塩二水和物で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸オンダンセトロンを2―プロパノール/水混液(2:1)から再結晶し,50℃で3時間減圧乾燥した後,25℃,相対湿度75%の恒温器中に12時間以上放置する。

性状 本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である。本品の水溶液(1→50)は旋光性を示さない。

確認試験

(1) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法のペースト法により測定するとき,波数3180cm-1,1640cm-1,1282cm-1,761cm-1及び751cm-1付近に吸収を認める。

(2) 本品の核磁気共鳴スペクトル測定用重水素化ジメチルスルホキシド溶液(1→100)につき,核磁気共鳴スペクトル測定用テトラメチルシランを内部基準物質として核磁気共鳴スペクトル測定法(1H)により測定するとき,δ2.7ppm付近及びδ3.7ppm付近にそれぞれ単一線のシグナルA及びBを,δ4.3ppm付近及びδ4.7ppm付近にそれぞれAMX型四重線のシグナルC及びDを示し,各シグナルの面積強度比A:B:C:Dはほぼ3:3:1:1である。

純度試験

(1) 類縁物質

1) 液体クロマトグラフィー

本品20mgを移動相200mLに溶かし,試料溶液とする。試料溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に50mLとする。この液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のオンダンセトロン以外のピークの合計面積は,標準溶液のオンダンセトロンのピーク面積より大きくない。ただし,オンダンセトロンに対する相対保持時間が約0.29のピーク面積は,自動積分法で求めた面積を感度係数0.77で乗じた値とする。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:216nm)

カラム:内径4.6mm,長さ20cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用シアノプロピルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素ナトリウム二水和物1.56gを水500mLに溶かし,水酸化ナトリウム試液を加えてpHを5.4に調整する。この液500mLにアセトニトリル500mLを加える。

流量:オンダンセトロンの保持時間が6~7分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒ピークの後からオンダンセトロンの保持時間の約2倍の範囲。

システム適合性

検出の確認:標準溶液4mLを正確に量り,移動相を加えて正確に10mLとする。

この液10μLから得たオンダンセトロンのピーク高さが,5~15mmになるように調整する。

システムの性能:塩酸オンダンセトロン20mg及びジメチルアミノ体10mgを移動相200mLに溶かす。この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,オンダンセトロン,ジメチルアミノ体の順に溶出し,その分離度は1.5以上である。

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,オンダンセトロンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である。

2) 薄層クロマトグラフィー

本品12.5mgをメタノール1mLに溶かし,試料溶液とする。この液0.5mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に25mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液20μL及び標準溶液2μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム/酢酸エチル/メタノール/アンモニア水(28)混液(90:50:40:1)を展開溶媒として約15cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない。

(2) 2―プロパノール

本品約0.1gを精密に量り,3mLのガラス瓶に入れ,内標準溶液2mLを正確に加え,密栓する。ガラス瓶を50℃の水浴中で10~15分間加温し,振り混ぜて溶かした後,室温にもどし,試料溶液とする。別に2―プロパノール40μLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとする。この液及び内標準溶液1mLずつを正確に量り,混和し,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液1μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行う。それぞれの液の内標準物質のピーク面積に対する2―プロパノールのピーク面積の比QT及びQSを求めるとき,2―プロパノールの量は0.2%以下である。

2―プロパノール含量(%)=QT/QS×2×2/試料採取量(g)×10-3×0.79×100

:2―プロパノールの比重

内標準溶液 薄めたエタノール(1→500)

試験条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:内径1.5~3.0mm,長さ2mのガラス管に150~180μmのガスクロマトグラフィー用多孔性エチルビニルベンゼン―ジビニルベンゼン共重合体(平均孔径0.0075μm,500~600m2/g)を充てんする。

カラム温度:170℃付近の一定温度

キャリヤーガス:窒素

流量:内標準物質の保持時間が2~3分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液1μLにつき,上記の条件で操作するとき,内標準物質,2―プロパノールの順に流出し,それぞれのピークが完全に分離する。

水分 9.6~10.2%(50mg,容量滴定法,直接滴定)

含量 99.5%以上。定量法 本品約50mgを精密に量り,無水酢酸/非水滴定用酢酸混液(7:3)50mLに溶かし,0.01mol/L過塩素酸で滴定する。(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.01mol/L過塩素酸1mL=3.659mg C18H19N3O・HCl・2H2O

ジメチルアミノ体3―[(Dimethylamino)methyl]―1,2,3,9―tetrahydro―9―methyl―4H―carbazol―4―one,hydrochloride ほとんど白色の粉末である。

融点 190℃~191℃

シンバスタチン5mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液にポリソルベート80 3gに水1000mLを加えた液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液10mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液5mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にシンバスタチン標準品(別途,減圧:0.67kPa以下,60℃,3時間乾燥し,乾燥減量を測定する。)約22mgを精密に量り,アセトニトリルを加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,それぞれの液のシンバスタチンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が70%以上のときは適合とする。

シンバスタチン(C25H38O5)表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(22.5/C)

WS:シンバスタチン標準品の量(mg)

C:1錠中のシンバスタチン(C25H38O5)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:238nm)

カラム:内径3.9mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:50℃付近の一定温度

移動相:メタノール/0.02mol/Lリン酸二水素カリウム試液混液(4:1)

流量:シンバスタチンの保持時間が約4分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,シンバスタチンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上及び2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シンバスタチンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である。

シンバスタチン標準品 C25H38O5:418.57

(+)―(1S,3R,7S,8S,8aR)―1,2,3,7,8,8a―hexahydro―3,7―dimethyl―8―[2―(2R,4R)―tetrahydro―4―hydroxy―6―oxo―2H―pyran―2―yl]ethyl]―1―naphtyl―2,2―dimethylbutanoateで次の規格に適合するもの。必要な場合は次に示す方法により精製する。

精製法 シンバスタチン5gをメタノール70mLに溶かし,ろ過する。ろ液を約35℃に加温し,水30mLを加えた後,約15℃に冷却して数時間放置した後,ろ過する。得られた個体を水・メタノール混液(1:1)で洗浄後,減圧下40℃で3時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品につき赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3550cm-1,3010cm-1,1720cm-1,1695cm-1,1465cm-1及び1390cm-1,付近に吸収を認める。

旋光度 [α]画像4 (1KB)別ウィンドウが開きます
:+288~+295°(乾燥物に換算したもの0.05g,アセトニトリル10mL,100mm)

純度試験

(1) 類縁物質1 本品20mgをアセトニトリル・pH4.0の0.05mol/L酢酸塩緩衝液(4:1)100mLに溶かし,試料溶液とする。試料溶液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,主ピークと溶媒に起因するピーク以外のピークの合計面積は,溶媒に起因するピーク以外の総ピーク面積の1.0%以下である。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:238nm)

カラム:内径4.6mm,長さ25cmのステンレス管に5μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:50℃付近の一定温度

移動相:アセトニトリル・0.025mol/Lリン酸二水素ナトリウム試液混液(7:3)

流量:シンバスタチンの保持時間が4~6分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:9―メチルアントラセン10mg及びシンバスタチン20mgをアセトニトリル・pH4.0の0.05mol/L酢酸塩緩衝液(4:1)200mLに溶かす。この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,シンバスタチン,9―メチルアントラセンの順に溶出し,その分離度は5以上である。

検出感度:試料溶液1mLを正確に測り,アセトニトリル/pH4.0の0.05mol/L酢酸塩緩衝液(4:1)を加えて正確に100mLとし,検出確認用溶液とする。検出確認用溶液5mLを正確に測り,アセトニトリル/pH4.0の0.05mol/L酢酸塩緩衝液(4:1)を加えて正確に50mLとする。この液10μLから得たシンバスタチンのピーク面積が,検出確認用溶液のシンバスタチンのピーク面積の8~12%になることを確認する。

面積測定範囲:シンバスタチンの保持時間の約2倍の範囲

(2) 類縁物質2 本品40mgをジブチルヒドロキシトルエンのアセトニトリル溶液(1→2000)2mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,ジブチルヒドロキシトルエンのアセトニトリル溶液(1→2000)を加えて正確に200mLとした液を標準溶液(1)とする。標準溶液(1)5mL及び2mLを正確に量り,それぞれジブチルヒドロキシトルエンのアセトニトリル溶液(1→2000)を加えて正確に10mLとした液を標準溶液(2)及び標準溶液(3)とする。試料溶液,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)4μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にジブチルヒドロキシトルエン含有シクロヘキサン・クロロホルム・2―プロパノール溶液を展開溶媒として約7cm展開する。この後,直ちに薄層板を窒素気流で風乾し,メタノール・硫酸混液(4:1)を均等に噴霧する。これを110℃で10~20分間加熱し,紫外線(主波長365nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,それぞれ標準溶液(2)のスポットより濃くない。また試料溶液から得た主スポット以外のスポットの総量を各標準液のスポットと比較して求めるとき,0.5%以下である。

乾燥減量 0.2%以下(2g,減圧・0.67kPa以下,60℃,3時間)

0.05mol/L酢酸塩緩衝液,pH4.0 酢酸(100)3.0gに水900mLを加える。水酸化ナトリウム試液を加えてpHを4.0に調整した後,水を加えて1000mLとする。

ジブチルヒドロキシトルエン C15H24O

無色の結晶又は白色の結晶性の粉末若しくは塊で,においはないか又は,わずかに特異なにおいがある。融点69.5~72.0℃

ジブチルヒドロキシトルエン含有シクロヘキサン・クロロホルム・イソプロパノール溶液 ジブチルヒドロキシトルエン40mgにシクロヘキサン50mL,クロロホルム20ml及びイソプロパノール10mLを加えて溶かす。

9―メチルアントラセン C15H12

性状:黄色の結晶又は結晶性の粉末である。

融点:77~79℃

純度試験:本品10mgをアセトニトリル・pH4.0の0.05mol/L酢酸塩緩衝液混液(4:1)200mLに溶かす。この液10μLにつき,リポバス錠の定量法の操作条件で操作するとき,シンバスタチンに対応する位置にピークを認めない。

0.025mol/Lリン酸二水素ナトリウム試液 リン酸二水素ナトリウム3.90gを水に溶かし1000mLとする。

シンバスタチン10mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液にポリソルベート80 3gに水1000mLを加えた液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液10mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液5mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にシンバスタチン標準品(別途,減圧:0.67kPa以下,60℃,3時間乾燥し,乾燥減量を測定する。)約22mgを精密に量り,アセトニトリルを加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,それぞれの液のシンバスタチンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が70%以上のときは適合とする。

シンバスタチン(C25H38O5)表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(45/C)

WS:シンバスタチン標準品の量(mg)

C:1錠中のシンバスタチン(C25H38O5)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:238nm)

カラム:内径3.9mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:50℃付近の一定温度

移動相:メタノール/0.02mol/Lリン酸二水素カリウム試液混液(4:1)

流量:シンバスタチンの保持時間が約4分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,シンバスタチンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上及び2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シンバスタチンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である。

シンバスタチン標準品 C25H38O5:418.57

(+)―(1S,3R,7S,8S,8aR)―1,2,3,7,8,8a―hexahydro―3,7―dimethyl―8―[2―(2R,4R)―tetrahydro―4―hydroxy―6―oxo―2H―pyran―2―yl]ethyl]―1―naphtyl―2,2―dimethylbutanoateで次の規格に適合するもの。必要な場合は次に示す方法により精製する。

精製法 シンバスタチン5gをメタノール70mLに溶かし,ろ過する。ろ液を約35℃に加温し,水30mLを加えた後,約15℃に冷却して数時間放置した後,ろ過する。得られた個体を水・メタノール混液(1:1)で洗浄後,減圧下40℃で3時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品につき赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3550cm-1,3010cm-1,1720cm-1,1695cm-1,1465cm-1及び1390cm-1,付近に吸収を認める。

旋光度 [α]画像5 (1KB)別ウィンドウが開きます
:+288~+295°(乾燥物に換算したもの0.05g,アセトニトリル10mL,100mm)

純度試験

(1) 類縁物質1 本品30mgをアセトニトリル/pH4.0の0.01mol/Lリン酸二水素カリウム溶液混液(3:2)に溶かし,正確に20mLとし試料溶液とする。試料溶液5μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,シンバスタチン以外の類縁物質のピークの合計面積は1.0%以下である。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:238nm)

カラム:内径4.6mm,長さ33mmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相A:薄めたリン酸(1→1000)/液体クロマトグラフ用アセトニトリル混液(1:1)

移動相B:リン酸の液体クロマトグラフ用アセトニトリル溶液(1→1000)

移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。

注入後からの時間(分)

移動相A(%)

移動相B(%)

0~4.5

100

0

4.5~4.6

100→95

0→5

4.6~8.0

95→25

5→75

8.0~11.5

25

75

11.5~11.6

25→100

75→0

11.6~13.0

100

0

流量:3.0mL/分

面積測定範囲:シンバスタチンの保持時間の約5倍の範囲。

システム適合性

検出の確認:試料溶液0.5mLを正確に量り,アセトニトリル/pH4.0の0.01mol/Lリン酸二水素カリウム溶液混液(3:2)を加えて正確に100mLとし,システム適合性試験用溶液とする。システム適合性試験用溶液2mLを正確に量り,アセトニトリル/pH4.0の0.01mol/Lリン酸二水素カリウム溶液混液(3:2)を加えて,正確に10mLとする。この液5μLから得たシンバスタチンのピーク面積が,システム適合性試験用溶液のシンバスタチンのピーク面積の16~24%になることを確認する。

システムの性能:ロバスタチン3mgを試料溶液2mLに溶かす。この液5μLにつき,上記の条件で操作するとき,ロバスタチン,シンバスタチンの順に溶出し,その分離度は3以上である。

システムの再現性:システム適合性試験用溶液5μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シンバスタチンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である。

(2) 類縁物質2 本品40mgをジブチルヒドロキシトルエンのアセトニトリル溶液(1→2000)2mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,ジブチルヒドロキシトルエンのアセトニトリル溶液(1→2000)を加えて正確に200mLとした液を標準溶液(1)とする。標準溶液(1)5mL及び2mLを正確に量り,それぞれジブチルヒドロキシトルエンのアセトニトリル溶液(1→2000)を加えて正確に10mLとした液を標準溶液(2)及び標準溶液(3)とする。試料溶液,標準溶液(1),標準溶液(2)及び標準溶液(3)4μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にジブチルヒドロキシトルエン含有シクロヘキサン・クロロホルム・2―プロパノール溶液を展開溶媒として約7cm展開する。この後,直ちに薄層板を窒素気流で風乾し,メタノール・硫酸混液(4:1)を均等に噴霧する。これを110℃で10~20分間加熱し,紫外線(主波長365nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,それぞれ標準溶液(2)のスポットより濃くない。また試料溶液から得た主スポット以外のスポットの総量を各標準液のスポットと比較して求めるとき,0.5%以下である。

乾燥減量 0.2%以下(2g,減圧・0.67kPa以下,60℃,3時間)

0.01mol/Lリン酸二水素カリウム溶液,pH4.0 リン酸二水素カリウム1.4gを水1000mLに溶かし,リン酸を加えてpHを4.0に調整する。

ロバスタチン C24H36O5

白色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトニトリルまたはメタノールにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない。

旋光度 [α]画像6 (1KB)別ウィンドウが開きます
:+325~+340°(乾燥物に換算したもの50mg,アセトニトリル10mL,100mm)

ジブチルヒドロキシトルエン C15H24O

無色の結晶又は白色の結晶性の粉末若しくは塊で,においはないか又は,わずかに特異なにおいがある。融点69.5~72.0℃

ジブチルヒドロキシトルエン含有シクロヘキサン・クロロホルム・2―プロパノール溶液 ジブチルヒドロキシトルエン40mgにシクロヘキサン50mL,クロロホルム20ml及び2―プロパノール10mLを加えて溶かす。

シンバスタチン20mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液にポリソルベート80 3gに水1000mLを加えた液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液10mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液5mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にシンバスタチン標準品(別途,減圧:0.67kPa以下,60℃,3時間乾燥し,乾燥減量を測定する。)約22mgを精密に量り,アセトニトリルを加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,それぞれの液のシンバスタチンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が70%以上のときは適合とする。

シンバスタチン(C25H38O5)表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(90/C)

WS:シンバスタチン標準品の量(mg)

C:1錠中のシンバスタチン(C25H38O5)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:238nm)

カラム:内径3.9mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:50℃付近の一定温度

移動相:メタノール/0.02mol/Lリン酸二水素カリウム試液混液(4:1)

流量:シンバスタチンの保持時間が約4分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,シンバスタチンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上及び2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シンバスタチンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である。

シンバスタチン標準品 C25H38O5:418.57

(+)―(1S,3R,7S,8S,8aR)―1,2,3,7,8,8a―hexahydro―3,7―dimethyl―8―[2―(2R,4R)―tetrahydro―4―hydroxy―6―oxo―2H―pyran―2―yl]ethyl]―1―naphtyl―2,2―dimethylbutanoateで次の規格に適合するもの。必要な場合は次に示す方法により精製する。

精製法 シンバスタチン5gをメタノール70mLに溶かし,ろ過する。ろ液を約35℃に加温し,水30mLを加えた後,約15℃に冷却して数時間放置した後,ろ過する。得られた個体を水・メタノール混液(1:1)で洗浄後,減圧下40℃で3時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品につき赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3550cm-1,3010cm-1,1720cm-1,1695cm-1,1465cm-1及び1390cm-1,付近に吸収を認める。

旋光度 [α]画像7 (1KB)別ウィンドウが開きます
:+288~+295°(乾燥物に換算したもの0.05g,アセトニトリル10mL,100mm)

純度試験

(1) 類縁物質1 本品30mgをアセトニトリル/pH4.0の0.01mol/Lリン酸二水素カリウム溶液混液(3:2)に溶かし,正確に20mLとし試料溶液とする。試料溶液5μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,シンバスタチン以外の類縁物質のピークの合計面積は1.0%以下である。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:238nm)

カラム:内径4.6mm,長さ33mmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相A:薄めたリン酸(1→1000)/液体クロマトグラフ用アセトニトリル混液(1:1)

移動相B:リン酸の液体クロマトグラフ用アセトニトリル溶液(1→1000)

移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。