添付一覧
◎化合物名の五十音順に示した。
◎測定波長は紫外分光光度型検出器又は多波長検出器付き高速液体クロマトグラフによるものを示す。
◎5―プロピルスルホニル―1H―ベンズイミダゾール―2―アミン及びチアベンダゾールについては蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフ(ex300nm、em370nm)による測定も可能である。
◎測定イオンはLC/MSによるもので、ESIポジティブ測定によるものを示す(*チアンフェニコールのみESIネガティブ測定)。
[別紙3]
エンロフロキサシン、オキソリニック酸、オフロキサシン、オルビフロキサシン、サラフロキサシン、ジフロキサシン、ダノフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン及びフルメキン試験法(畜水産物)
1.分析対象化合物
農薬等の成分である物質 |
分析対象化合物 |
エンロフロキサシン |
エンロフロキサシン、シプロフロキサシン |
オキソリニック酸 |
オキソリニック酸 |
オフロキサシン |
オフロキサシン |
オルビフロキサシン |
オルビフロキサシン |
サラフロキサシン |
サラフロキサシン |
ジフロキサシン |
ジフロキサシン |
ダノフロキサシン |
ダノフロキサシン |
ナリジクス酸 |
ナリジクス酸 |
ノルフロキサシン |
ノルフロキサシン |
フルメキン |
フルメキン |
2.装置
蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC―FL)
液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)
3.試薬、試液
次に示すもの以外は、総則の2に示すものを用いる。
アセトニトリル 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。
水 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。
メタノール 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。
ジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60mg) 内径12~13mmのポリエチレン製のカラム管にジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体60mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
エンロフロキサシン標準品 本品はエンロフロキサシン98%以上を含み、融点は219~225℃である。
シプロフロキサシン標準品 本品はシプロフロキサシン98%以上を含み、融点は255~257℃である。
オキソリニック酸標準品 本品はオキソリニック酸(オキソリン酸)99%以上含み、融点は314~316℃である。
オフロキサシン標準品 本品はオフロキサシン98%以上を含み、融点は250~257℃である。
オルビフロキサシン標準品 本品はオルビフロキサシン95%以上を含み、分解点は263℃である。
塩酸サラフロキサシン標準品 本品は塩酸サラフロキサシン95%以上を含み、融点は200℃である。
塩酸ジフロキサシン標準品 本品は塩酸ジフロキサシン95%以上を含み、融点は275℃以上である。
メシル酸ダノフロキサシン標準品 本品はメシル酸ダノフロキサシン95%以上を含み、融点は328℃である。
ナリジクス酸標準品 本品はナリジクス酸99%以上を含み、融点は225~230℃である。
ノルフロキサシン標準品 本品はノルフロキサシン98%以上を含み、融点は220~221℃である。
フルメキン標準品 本品はフルメキン99%以上を含み、融点は253~255℃である。
4.試験溶液調製
1) 抽出
試料5.00gを量り採り、アセトニトリル及び0.2%メタリン酸溶液(2:3)混液100mLを加えて細砕した後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトニトリル及び0.2%メタリン酸溶液(2:3)混液20mLを加えてかき混ぜた後、上記と同様に操作して、ろ液を合わせ、40℃以下で約30mLに濃縮する。
2) 精製
ジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60mg)に、メタノール5mL及び水5mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入した後、水5mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムにメタノール5mLを注入し、溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り、40℃以下でメタノールを除去する。この残留物に水及びメタノール(7:3)混液1.0mLを加えて溶かし、これを試験溶液とする。
5.検量線の作成
各標準品の10mg/100mLメタノール溶液を調製し、水及びメタノール(7:3)混液で希釈して0.05~5mg/Lの標準溶液を数点調製する。それぞれHPLCに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。
6.定量
試験溶液をHPLCに注入し、5の検量線で各物質の含量を求める。
なお、エンロフロキサシンについては、その代謝物のシプロフロキサシンとの和を分析値とする。
7.確認試験
LC/MSにより確認する。
8.測定条件
HPLC
検出器:FL
エンロフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、サラフロキサシン、ジフロキサシン、ダノフロキサシン及びノルフロキサシン:励起波長290nm、蛍光波長450nm
オキソリニック酸、ナリジクス酸及びフルメキン:励起波長325nm、蛍光波長365nm
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル 内径2.0~6.0mm、長さ100~250mm、粒子径2~5μm
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル及び0.1%ギ酸溶液の混液(1:99)から(1:0)までの濃度勾配を35分間で行い、(1:0)で5分間保持する。
保持時間の目安:20分(エンロフロキサシン)
9.定量限界
各分析対象化合物について0.01mg/kg
10.留意事項
1) 試験法の概要
エンロフロキサシン、シプロフロキサシン、オキソリニック酸、オフロキサシン、オルビフロキサシン、サラフロキサシン、ジフロキサシン、ダノフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン及びフルメキンを試料からアセトニトリル及び0.2%メタリン酸溶液の混液で抽出し、ジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体ミニカラムで精製した後、HPLC―FLで測定し、LC/MSで確認する方法である。
2) 注意点
① HPLC―FL及びLC/MSにおける標準溶液及び試験溶液の標準的な注入量は、内径3.0mmのカラムにおいて10μLであるが、カラム及び装置により最適な注入量が異なる場合があるので、必要に応じて最適注入量を検討すること。
② LC/MSにおける測定条件は用いる装置により、最適なイオン化方法、生成するイオンが異なる場合があるので、装置ごとに最適条件を検討すること。
11.参考文献
堀江ら、食品衛生学雑誌、36,62(1995)
12.類型
C
ツラスロマイシン試験法(畜水産物)
1.分析対象化合物
ツラスロマイシン
2.装置
液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS又はLC/MS/MS)
3.試薬、試液
次に示すもの以外は、総則の2に示すものを用いる。
水 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。
メタノール 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。
ジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60mg) 内径12~13mmのポリエチレン製のカラム管にジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体60mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
ツラスロマイシン標準品 本品はツラスロマイシン97%以上を含み、融点は190~192℃である。
4.試験溶液調製
1) 抽出
① 筋肉、肝臓、腎臓及びその他の食用部分の場合
試料5.00gを量り採り、メタノール及び0.2%メタリン酸溶液(3:7)混液100mLを加えて細砕した後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にメタノール及び0.2%メタリン酸溶液(3:7)20mLを加えてかき混ぜた後、上記と同様に操作して、ろ液を合わせ、40℃以下で約30mLに濃縮する。
② 脂肪の場合
試料5.00gを量り採り、n―ヘキサン30mL及び0.2%メタリン酸溶液70mLを加えて細砕した後、毎分3,000回転で5分間遠心分離する。n―ヘキサン層を捨て、残りの層を吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にメタノール及び0.2%メタリン酸溶液(3:7)混液20mLを加えてかき混ぜた後、上記と同様に操作して、ろ液を合わせ、40℃以下で約30mLに濃縮する。
2) 精製
ジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60mg)に、メタノール5mL及び水5mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入した後、水5mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムにメタノール5mLを注入し、溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り、40℃以下でメタノールを除去する。この残留物にアセトニトリル及び0.05%トリフルオロ酢酸溶液(1:3)混液1.0mLを加えて溶かし、これを試験溶液とする。
5.検量線の作成
ツラスロマイシン標準品の10mg/100mLメタノール溶液を調製し、アセトニトリル及び0.05%トリフルオロ酢酸溶液(1:3)混液で希釈して0.5~50mg/Lの標準溶液を数点調製する。それぞれLC/MSに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。
6.定量
試験溶液をLC/MSに注入し、5の検量線でツラスロマイシンの含量を求める。
7.確認試験
LC/MS又はLC/MS/MSにより確認する。
8.測定条件
LC/MS
カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル 内径2.0~6.0mm、長さ100~250mm
粒子径2~5μm
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル及び0.05%トリフルオロ酢酸溶液(1:3)混液
イオン化モード:ESI(+)
主なイオン(m/z):577、807
保持時間の目安:4~6分
9.定量限界
0.01mg/kg
10.留意事項
1) 試験法の概要
ツラスロマイシンを試料からメタノール及び0.2%メタリン酸溶液の混液で抽出し、ジビニルベンゼン―N―ビニルピロリドン共重合体ミニカラムで精製した後、LC/MS又はLC/MS/MSで測定及び確認する方法である。
2) 注意点
① LC/MSにおける標準溶液及び試験溶液の標準的な注入量は、内径3.0mmのカラムにおいて10μLであるが、カラム及び装置により最適な注入量が異なる場合があるので、必要に応じて最適注入量を検討すること。
② LC/MSにおける測定条件は用いる装置により、最適なイオン化方法、生成するイオンが異なる場合があるので、装置ごとに最適条件を検討すること。主なモニターイオン577(m/z)は、ツラスロマイシンの代謝物からも生成する場合があるので、他のイオンでも確認すること。
11.参考文献
なし
12.類型
C
[別紙4]
食品名 |
シプロフロキサシン |
オルビフロキサシン |
ジフロキサシン |
ノルフロキサシン |
牛の筋肉 |
○ |
○ |
○ |
● |
豚の筋肉 |
○ |
○ |
○ |
○ |
その他の陸棲哺乳類に属する動物(注1)の筋肉 |
● |
● |
○ |
● |
牛の脂肪 |
○ |
○ |
○ |
● |
豚の脂肪 |
○ |
○ |
○ |
○ |
その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪 |
● |
● |
○ |
● |
牛の肝臓 |
○ |
○ |
○ |
● |
豚の肝臓 |
○ |
○ |
○ |
○ |
その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓 |
● |
● |
○ |
● |
牛の腎臓 |
○ |
○ |
○ |
● |
豚の腎臓 |
○ |
○ |
○ |
○ |
その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓 |
● |
● |
○ |
● |
牛の食用部分(注2) |
○ |
○ |
○ |
● |
豚の食用部分 |
○ |
○ |
○ |
○ |
その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分 |
● |
● |
○ |
● |
乳 |
○ |
○ |
● |
● |
鶏の筋肉 |
○ |
● |
○ |
○ |
その他の家きん(注3)の筋肉 |
● |
● |
○ |
○ |
鶏の脂肪 |
○ |
● |
○ |
○ |
その他の家きんの脂肪 |
● |
● |
○ |
○ |
鶏の肝臓 |
○ |
● |
○ |
○ |
その他の家きんの肝臓 |
● |
● |
○ |
○ |
鶏の腎臓 |
○ |
● |
○ |
○ |
その他の家きんの腎臓 |
● |
● |
○ |
○ |
鶏の食用部分 |
○ |
● |
○ |
○ |
その他の家きんの食用部分 |
● |
● |
○ |
○ |
魚介類(さけ目魚類に限る。) |
● |
● |
○ |
● |
魚介類(うなぎ目魚類に限る。) |
● |
● |
○ |
● |
魚介類(すずき目魚類に限る。) |
● |
● |
○ |
● |
魚介類(その他の魚類(注4)に限る。) |
● |
● |
○ |
● |
魚介類(貝類に限る。) |
● |
● |
○ |
● |
魚介類(甲殻類に限る。) |
● |
● |
○ |
● |
その他の魚介類(注5) |
● |
● |
○ |
● |
上記以外の食品 |
● |
● |
● |
● |
(注1) 牛及び豚を除く陸棲哺乳類に属する動物をいう。
(注2) 筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓を除く食用に供する部分をいう。
(注3) 鶏を除く家きんをいう。
(注4) さけ目魚類、うなぎ目魚類及びすずき目魚類を除く魚類をいう。
(注5) 魚類、貝類及び甲殻類を除く魚介類をいう。
○ 平成18年11月30日施行。
● 平成19年5月30日施行。