○日本薬局方外医薬品規格第三部の一部改正について
(平成18年8月11日)
(薬食発第0811005号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)
日本薬局方外医薬品規格第三部については、平成13年12月25日付け医薬発第1411号厚生労働省医薬局長通知により定めたところであるが、今般、その一部を改正し、追加収載を行う溶出試験を別添の通り取りまとめたので、貴管下関係業者に対し周知方御配慮願いたい。
別添
タンニン酸ジフェンヒドラミン散
Diphenhydramine Tannate Powder
溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いジフェンヒドラミン(C17H21NO)約30mgに対応する量を精密に量り,試験液にpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にジフェンヒドラミン塩酸塩標準品を105℃で3時間乾燥し,その約19mgを精密に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確に25mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のジフェンヒドラミンのピーク面積AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
ジフェンヒドラミン(C17H21NO)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×180×0.875
WS:ジフェンヒドラミン塩酸塩標準品の秤取量(mg)
WT:本品の秤取量(g)
C:1g中のジフェンヒドラミンの表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:pH3.0の0.05mol/Lリン酸二水素ナトリウム試液900mLにトリメチルアミン(30)3mL及びアセトニトリル600mLを加える。
流量:ジフェンヒドラミンの保持時間が約8分になるように調整する。
システム適合性
システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記条件で操作するとき,ジフェンヒドラミンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である。
システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ジフェンヒドラミンのピーク面積の相対標準偏差は1.0%以下である。
溶出規格
表示量* |
規定時間 |
溶出率 |
30mg/g |
45分 |
75%以上 |
*ジフェンヒドラミンとして
ジフェンヒドラミン塩酸塩標準品 ジフェンヒドラミン塩酸塩(日局)。ただし,乾燥したものを定量したとき,ジフェンヒドラミン塩酸塩(C17H21NO・HCl)99.0%以上を含むもの。
トリメチルアミン(30)(CH3)3N 無色澄明な液である。水又はエタノール(95)と混和する。
比重 〈2.56〉 画像1 (1KB)
:0.67
含量 29.0~31.0%。定量法 本品約1.5gを,0.5mol/L硫酸25mLを正確に入れたフラスコに精密に量り,過量の硫酸を1mol/L水酸化ナトリウム液で滴定〈2.50〉する(指示薬:メチルレッド試液2滴)。同様の方法で空試験を行う。
0.5mol/L硫酸1mL=59.11mgC3H9N
メキタジン錠
Mequitazine Tablets
溶出性〈6.10〉 本操作は遮光下で行う。本品1個をとり,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にメキタジン(C20H22N2S)約3.3μgを含む液となるように溶出試験第2液を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする。別にメキタジン標準品を酸化リン(V)を乾燥剤として60℃で3時間減圧乾燥し,その約15mgを精密に量り,メタノール50mLに溶かした後,溶出試験第2液を加えて正確に100mlとする。この液5mLを正確に量り,溶出試験第2液を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,溶出試験第2液を対照とし,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長253nmにおける吸光度AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
メキタジン(C20H22N2S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×(45/2)
WS:メキタジン標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のメキタジン(C20H22N2S)の表示量(mg)
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
3mg |
45分 |
70%以上 |
メトロニダゾール錠
Metronidazole Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にメトロニダゾール(C6H9N3O3)約11μgを含む液となるように水を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする。別にメトロニダゾール標準品をシリカゲルを乾燥剤として24時間減圧乾燥し,その約22mgを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長320nmにおける吸光度AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
メトロニダゾール(C6H9N3O3)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×45
WS:メトロニダゾール標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のメトロニダゾール(C6H9N3O3)の表示量(mg)
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
250mg |
90分 |
70%以上 |
セチプチリンマレイン酸塩錠
Setiptiline Maleate Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にセチプチリンマレイン酸塩(C19H19N・C4H4O4)約1.1μgを含む液となるように水を加えて正確にV′mLとする。この液5mLを正確に量り,メタノール/pH7.5の0.15mol/Lリン酸アンモニウム緩衝液混液(1:1)10mLを正確に加え,試料溶液とする。別にセチプチリンマレイン酸塩標準品を105℃で1時間乾燥し,その約28mgを精密に量り,移動相に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に50mLとする。更にこの液4mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする。更にこの液5mLを正確に量り,メタノール/pH7.5の0.15mol/Lリン酸アンモニウム緩衝液混液(1:1)10mLを正確に加え,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のセチプチリンのピーク面積AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
セチプチリンマレイン酸塩(C19H19N・C4H4O4)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×(18/5)
WS:セチプチリンマレイン酸塩標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のセチプチリンマレイン酸塩(C19H19N・C4H4O4)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:262nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール300mLにリン酸水素二アンモニウム溶液(33→100000)にリン酸二水素アンモニウム溶液(29→100000)を加えてpH7.5に調整した液100mLを加える。
流量:セチプチリンの保持時間が約8分になるように調整する。
システム適合性
システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,セチプチリンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。
システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,セチプチリンのピーク面積の相対標準偏差は2%以下である。
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
1mg |
15分 |
80%以上 |
セチプチリンマレイン酸塩標準品 C19H19N・C4H4O4:377.43 2,3,4,9,―Tetrahydro―2―methyl―1H―dibenzo[3,4:6,7]cyclohepta[1,2―c]pyridine maleateで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。
精製法 セチプチリンマレイン酸塩2gにエタノール(99.5)20mLを加え,加温して溶かし,熱時ろ過する。ろ液を冷却し,析出した結晶をろ取し,氷冷したエタノール(99.5)少量で洗う。得られた結晶を風乾した後,60℃で3時間減圧乾燥する。
性状 本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
確認試験 本品のメタノール溶液(1→40000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長261~263nmに吸収の極大を示す。
吸光度〈2.24〉 画像2 (2KB)
(262nm):330~340(乾燥後,25mg,メタノール,2000mL)。
融点 〈2.60〉 155~158℃
類縁物質 本品0.10gをメタノール5mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に50mLとする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に1―プロパノール/水/酢酸(100)混液(4:1:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長:254nm)を照射するとき,試料溶液から得たセチプチリン(Rf値約0.45)及びマレイン酸(Rf値約0.60)のスポット以外のスポットは,標準溶液から得たセチプチリンのスポットより濃くない。
乾燥減量 〈2.41〉 0.5%以下(1g,105℃,1時間)。
含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.2gを精密に量り,酢酸(100)40mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。
0.1mol/L過塩素酸1mL=37.74mgC19H19N・C4H4O4
リン酸アンモニウム緩衝液,0.15mol/L,pH7.5 リン酸水素二アンモニウム19.8gを水に溶かして1000mLとした液に,リン酸二水素アンモニウム17.3gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH7.5に調整する。
リスペリドン細粒
Risperidone Fine Granules
溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いリスペリドン(C23H27FN4O2)約3mgに対応する量を精密に量り,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液3mLを正確に量り,薄めた塩酸(1→137)3mLを正確に加え,試料溶液とする。別にリスペリドン標準品を80℃で4時間減圧乾燥し,その約17mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする。この液3mLを正確に量り,薄めた塩酸(1→137)3mLを正確に加え,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のリスペリドンのピーク面積AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
リスペリドン(C23H27FN4O2)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×18
WS:リスペリドン標準品の秤取量(mg)
WT:本品の秤取量(g)
C:1g中のリスペリドン(C23H27FN4O2)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:237nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル混液(13:7)1000mLにトリフルオロ酢酸1mLを加え,アンモニア水(28)を加えてpH2.9±0.1とした後,水/アンモニア水(28)混液(1:1)を加えてpH3.0±0.1に調整する。
流量:リスペリドンの保持時間が約3分になるように調整する。
システム適合性
システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,リスペリドンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3500段以上,2.5以下である。
システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リスペリドンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
10mg/g |
30分 |
75%以上 |
リスペリドン標準品 C23H27FN4O2:410.48 3{2―[4―(6―フルオロ―1,2―ベンズイソキサゾール―3―イル)ピペリジノ]エチル}―6,7,8,9―テトラヒドロ―2―メチル―4H―ピリド[1,2―α]ピリミジン―4―オンで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。
精製法 リスペリドン10gに水50mLを加え,10分間激しく振り混ぜる。この液をガラスろ過器(G3)を用いてろ過し,残留物を60℃で3時間減圧乾燥する。得られた乾燥物にエタノール(95)20mLを加え,水浴中で還流しながら完全に溶けるまで更にエタノール(95)を徐々に加える。この液を約5分間還流させ,室温で一夜放置した後,氷冷しながら,ガラスろ過器(G3)を用いてろ過する。残留物を冷エタノール(95)で3回洗浄した後,60℃で8時間減圧乾燥する。
性状 本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
確認試験 本品の2―プロパノール溶液(1→40000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長233~239nm,277~281nm及び283~287nmに吸収の極大を示す。
類縁物質 本品0.10gをメタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に25mLとし,標準溶液とする,試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のリスペリドン以外のピークの面積は,標準溶液のリスペリドンのピーク面積より大きくなく,試料溶液のリスペリドン以外のピークの合計面積は,標準溶液のリスペリドンのピーク面積の1.5倍より大きくない。
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:内径4.6mm,長さ10cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A:酢酸アンモニウム溶液(1→200)
移動相B:メタノール
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
注入後の時間(分) |
移動相A(vol%) |
移動相B(vol%) |
0~2 |
70 |
30 |
2~17 |
70→30 |
30→70 |
17~22 |
30 |
70 |
流量:毎分1.5mL
面積測定範囲:リスペリドンの保持時間の約1.6倍の範囲
システム適合性
検出の確認:標準溶液2mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとする。この液10μLから得たリスペリドンのピーク面積が,標準溶液のリスペリドンのピーク面積の7~13%になることを確認する。
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,リスペリドンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ10000段以上,2.0以下である。
システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リスペリドンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
乾燥減量 〈2.41〉 0.5%以下(1g,減圧,80℃,4時間)。
含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.15gを精密に量り,2―ブタノン/酢酸(100)混液(7:1)70mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。
0.1mol/L過塩素酸1mL=20.52mgC23H27FN4O2
リスペリドン錠
Risperidone Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にリスペリドン(C23H27FN4O2)約0.56μgを含む液となるように薄めた塩酸(1→137)を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする。別にリスペリドン標準品80℃で4時間減圧乾燥し,約22mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に200mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとする。この液3mLを正確に量り,薄めた塩酸(1→137)3mLを正確に加え,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のリスペリドンのピーク面積AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
リスペリドン(C23H27FN4O2)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×(9/4)
WS:リスペリドン標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のリスペリドン(C23H27FN4O2)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:237nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:水/アセトニトリル混液(13:7)1000mLにトリフルオロ酢酸1mLを加え,アンモニア水(28)を加えてpH2.9±0.1とした後,水/アンモニア水(28)混液(1:1)を加えてpH3.0±0.1に調整する。
流量:リスペリドンの保持時間が約3分になるように調整する。
システム適合性
システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,リスペリドンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3500段以上,2.5以下である。
システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リスペリドンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
1mg |
30分 |
75%以上 |
2mg |
30分 |
80%以上 |
3mg |
30分 |
75%以上 |
リスペリドン標準品 C23H27FN4O2:410.48 3{2―[4―(6―フルオロ―1,2―ベンズイソキサゾール―3―イル)ピペリジノ]エチル}―6,7,8,9―テトラヒドロ―2―メチル―4H―ピリド[1,2―α]ピリミジン―4―オンで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。
精製法 リスペリドン10gに水50mLを加え,10分間激しく振り混ぜる。この液をガラスろ過器(G3)を用いてろ過し,残留物を60℃で3時間減圧乾燥する。得られた乾燥物にエタノール(95)20mLを加え,水浴中で還流しながら完全に溶けるまで更にエタノール(95)を徐々に加える。この液を約5分間還流させ,室温で一夜放置した後,氷冷しながら,ガラスろ過器(G3)を用いてろ過する。残留物を冷エタノール(95)で3回洗浄した後,60℃で8時間減圧乾燥する。
性状 本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
確認試験 本品の2―プロパノール溶液(1→40000)につき,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長233~239nm,277~281nm及び283~287nmに吸収の極大を示す。
類縁物質 本品0.10gをメタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に25mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のリスペリドン以外のピークの面積は,標準溶液のリスペリドンのピーク面積より大きくなく,試料溶液のリスペリドン以外のピークの合計面積は,標準溶液のリスペリドンのピーク面積の1.5倍より大きくない。
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:内径4.6mm,長さ10cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A:酢酸アンモニウム溶液(1→200)
移動相B:メタノール
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
注入後の時間(分) |
移動相A(vol%) |
移動相B(vol%) |
0~2 |
70 |
30 |
2~17 |
70→30 |
30→70 |
17~22 |
30 |
70 |
流量:毎分1.5mL
面積測定範囲:リスペリドンの保持時間の約1.6倍の範囲
システム適合性
検出の確認:標準溶液2mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとする。この液10μLから得たリスペリドンのピーク面積が,標準溶液のリスペリドンのピーク面積の7~13%になることを確認する。
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,リスペリドンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ10000段以上,2.0以下である。
システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リスペリドンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
乾燥減量〈2.41〉 0.5%以下(1g,減圧,80℃,4時間)。
含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.15gを精密に量り,2―ブタノン/酢酸(100)混液(7:1)70mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。
0.1mol/L過塩素酸1mL=20.52mgC23H27FN4O2
レピリナスト錠
Repirinast Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液にラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(1→500)900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にレピリナスト(C20H21NO5)約0.17mgを含む液となるようにラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(1→500)を加えて正確にV′mLとする。この液2mLを正確に量り,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を加えて正確に20mLとし,試料溶液とする。別にレピリナスト標準品を105℃で4時間乾燥し,その約17mgを精密に量り,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,ラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(1→500)5mLを正確に加えた後,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,ラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(1→500)5mLを正確に量り,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を加えて正確に50mLとした液を対照とし,紫外可視吸光度測定法〈2.24〉により試験を行い,波長289nmにおける吸光度AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
レピリナスト(C20H21NO5)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×900
WS:レピリナスト標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のレピリナスト(C20H21NO5)の表示量(mg)
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
150mg |
30分 |
80%以上 |
リン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液,pH6.8 0.05mol/Lリン酸水素二ナトリウム試液1000mLに,クエン酸一水和物5.25gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.8に調整する。
テモカプリル塩酸塩錠
Temocapril Hydrochloride Tablets
溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にテモカプリル塩酸塩(C23H28N2O5S2・HCl)約1.1μgを含む液となるように水を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする。別にテモカプリル塩酸塩標準品(別途1gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約22mgを精密に量り,薄めたアセトニトリル(1→2)に溶かし,正確に50mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする。更にこの液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のテモカプリルのピーク面積AT及びASを測定する。
本品が溶出規格を満たすときは適合とする。
テモカプリル塩酸塩(C23H28N2O5S2・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×(9/2)
WS:脱水物に換算したテモカプリル塩酸塩標準品の秤取量(mg)
C:1錠中のテモカプリル塩酸塩(C23H28N2O5S2・HCl)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:234nm)
カラム:内径6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:薄めたリン酸(1→500)/アセトニトリル混液(43:32)
流量:テモカプリルの保持時間が約7分になるように調整する。
システム適合性
システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,テモカプリルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ9000段以上,2.0以下である。
システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,テモカプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
1mg |
30分 |
85%以上 |
2mg |
30分 |
85%以上 |
4mg |
30分 |
85%以上 |
テモカプリル塩酸塩標準品 C23H28N2O5S2・HCl:513.07 (+)―((2S,6R)―6―{[(1S)―1―(エトキシカルボニル)―3―フェニルプロピル]アミノ}―5―オキソ―2―(2―チエニル)ペルヒドロ―1,4―チアゼピン―4―イル)酢酸塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。
性状 本品は白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により測定するとき,波数1758cm-1,1733cm-1,1676cm-1,1496cm-1,755cm-1,729cm-1及び700cm-1付近に吸収を認める。
類縁物質 本品0.10gを薄めたアセトニトリル(1→2)200mLに溶かし,試料溶液とする。試料溶液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う。試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し,面積百分率法によりテモカプリル以外のピークの合計量を求めるとき,0.5%以下である。
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:234nm)
カラム:内径6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:薄めたリン酸(1→500)/アセトニトリル混液(63:37)
流量:テモカプリルの保持時間が約11分になるように調整する。
面積測定範囲:溶媒のピークの後からテモカプリルの保持時間の約4倍の範囲
システム適合性
検出の確認:試料溶液5mLを正確に量り,薄めたアセトニトリル(1→2)を加えて正確に50mLとする。この液5mLを正確に量り,薄めたアセトニトリル(1→2)を加えて正確に50mLとし,システム適合性試験用溶液とする。システム適合性試験用溶液5mLを正確に量り,薄めたアセトニトリル(1→2)を加えて正確に50mLとする。この液10μLから得たテモカプリルのピーク面積が,システム適合性試験用溶液のテモカプリルのピーク面積の7~13%になることを確認する。
システムの性能:システム適合性試験用溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,テモカプリルの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ9000段以上,2.0以下である。
システムの再現性:システム適合性試験用溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,テモカプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
水分〈2.48〉 0.5%以下(1g,容量滴定法,直接滴定)。
含量 換算した脱水物に対し99.5%以上。 定量法 本品約0.8gを精密に量り,無水酢酸/酢酸(100)混液(7:3)80mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。
0.1mol/L過塩素酸1mL=51.31mgC23H28N2O5S2・HCl