添付一覧
○地域社会における処遇のガイドラインについて
(平成17年7月14日)
(/法務省保総第595号/障精発第0714003号/)
(各都道府県・各指定都市精神保健福祉主管部(局)長あて法務省保護局総務課長、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課長通知)
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号。以下「法」という。)の施行に伴い、次のとおり地域社会における処遇のガイドラインを定め、平成17年7月15日から適用することとしたので、関係制度の円滑な実施について遺憾なきを期されたい。
なお、法の対象となる者は精神障害者であることから、当該者に対する精神保健福祉は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和23年法律第123号)等に基づき行われる精神保健福祉業務の一環として提供されるものであることを申し添える。
地域社会における処遇のガイドライン
平成17年7月15日
法務省保護局
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
目次
1 ガイドラインの趣旨
2 総論
(1) 基本用語の定義
(2) 地域社会における処遇を実施する上での基本方針
(3) 地域社会における処遇を実施する上での配慮事項(精神保健福祉法との関係を含む。)
ア 関係機関相互間の連携確保及び役割の明確化
イ 情報の取扱い
ウ 地域住民等への配慮
エ 精神保健福祉法との関係
(4) 関係機関相互間の連携
ア 法務省及び厚生労働省における連携
イ 地域社会における処遇に携わる関係機関相互間の連携等
(5) 関係機関の基本的な役割
ア 地域社会における処遇に携わる関係機関に共通の役割
イ 各関係機関の基本的な役割
(ア) 保護観察所
(イ) 都道府県主管課
(ウ) 精神保健福祉センター
(エ) 保健所
(オ) 市町村主管課
(カ) 福祉事務所
(キ) 指定通院医療機関
(ク) 精神障害者社会復帰施設等
(ケ) その他
(6) 情報の取扱い
ア 情報の共有
イ 情報の入手及び提供
ウ 対象者への説明
エ 関係機関における記録の管理等
(7) 地域住民等への配慮
3 各論
(1) 当初審判
ア 生活環境の調査の実施
イ 生活環境の調査結果の報告
ウ 指定入院医療機関又は指定通院医療機関の選定準備
(2) 入院決定の場合の対応
ア 指定入院医療機関の選定・変更
イ 指定入院医療機関と保護観察所の連携
ウ 生活環境の調整
(ア) 生活環境の調整の開始
(イ) 生活環境の調整の流れ
エ 退院地の内定及び指定通院医療機関の選定準備
オ 処遇の実施計画案の作成
カ 外出・外泊時の対応
キ 退院許可又は入院継続の確認の申立て
(3) 通院決定又は退院許可決定の場合の対応
ア 通院決定時又は退院許可決定時における対応
イ 処遇の実施計画の作成
ウ 処遇の実施(通院医療、精神保健観察、援助等)
エ ケア会議の開催等
オ 処遇の実施計画の見直し
カ 転居の届出への対応
キ 旅行の届出への対応
ク 病状悪化等による緊急時の対応
(4) 地域社会における処遇の終了等
ア 本制度による処遇終了の申立て・期間満了
イ 通院期間の延長の申立て
ウ 入院の申立て
1 ガイドラインの趣旨
○ 本ガイドラインは、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号)による処遇制度(以下「本制度」という。)に基づく地域社会における処遇に携わる者が、本制度に関する基本的な事項や処遇に対する考え方を共有することにより、全国的に統一的かつ効果的に本制度による処遇が行われることを目的として定めるものである。
○ 本ガイドラインは、対象者の円滑な社会復帰を促進するため、継続的な「医療」を確保することはもとより、対象者の地域社会への定着を図り、「本人の生活を支援する立場」にも力点を置く。
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関は、本制度の目的を達成するため、各地域において、本ガイドラインに沿った処遇を実施するために必要となる事項を、都道府県ごとの運営要領等として定め、処遇の向上に努めるものとする。
○ 本ガイドラインは、本制度による処遇が終了した後における一般の精神医療及び精神保健福祉の継続をも視野に入れつつ、広く地域の精神保健福祉全般の向上にも寄与することを目指すものである。
2 総論
(1) 基本用語の定義
○ 本ガイドラインにおいて、「地域社会における処遇」とは、本制度の対象者に対し、関係機関が相互に連携し、地域社会において、継続的かつ適切な医療を提供するとともに、その生活状況の見守りと必要な指導を行い、また、必要な精神保健福祉サービス等の援助を提供する等の処遇をいう。
○ 本ガイドラインにおいて「関係機関」とは、地方厚生局、指定医療機関及び保護観察所のほか、精神障害者の保健及び福祉に携わる以下の機関をいう。
・ 都道府県・市町村(特別区を含む。以下同じ。)の主管課
・ 都道府県・市町村の設置する精神保健福祉センター、保健所等の専門機関
・ 精神障害者社会復帰施設、精神障害者居宅支援事業者等の精神障害者の地域ケアに携わる機関
○ 本ガイドラインにおいて、「入院」とは、指定入院医療機関への入院をいい、「入院医療」とは指定入院医療機関における入院による医療をいう。
○ 本ガイドラインにおいて、「退院」とは、指定入院医療機関における入院医療か終了し、地域社会における処遇に移行することをいい、「通院医療」とは、指定通院医療機関による入院によらない医療をいう。
○ 本ガイドラインにおいて、「ケア会議」とは、個々の対象者(入院医療を受けている者を含む。)に対する地域社会における処遇の実施体制、実施状況等に関する情報の共有と処遇方針の統一を図るため、保護観察所が、指定通院医療機関、都道府県・市町村(その設置する保健所等の専門機関を含む。以下同じ。)のほか、必要に応じ、精神障害者社会復帰施設等の関係機関の参加を得て主催する会議をいう。
○ 「地域社会における処遇」の概要については、図1のとおり。
(2) 地域社会における処遇を実施する上での基本方針
○ 対象者自らが、必要な医療を継続し、その病状を管理し、本制度の対象行為と同様の行為を行うことなく社会生活を維持できるよう支援する。
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関等が、平素から相互に連携し、協力して処遇を実施し得る体制を整備する。
○ 処遇の実施計画の作成やケア会議の開催を通じ、①継続的かつ適切な医療の提供、②継続的な医療を確保するための精神保健観察の実施、③必要な精神保健福祉サービス等の援助の提供の3つの要素が、対象者を中心としたネットワークとして機能することを確保する。
(3) 地域社会における処遇を実施する上での配慮事項(精神保健福祉法との関係を含む。)
ア 関係機関相互間の連携確保及び役割の明確化
○ 地域社会における処遇が円滑に実施されるためには、そのためのシステムとして、国レベル(法務省、厚生労働省等)の連携、地域レベルの関係機関(地方厚生局、指定医療機関、保護観察所、都道府県・市町村、精神障害者社会復帰施設、精神障害者居宅生活支援事業者等)相互の連携をそれぞれ確保するとともに、各関係機関の役割の明確化を図ることが必要である。
イ 情報の取扱い
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関において、処遇に必要となる情報を相互に共有するに当たっては、対象者本人の同意を得るよう努めるなど、その情報の取扱いについて特段の配慮が必要である。
ウ 地域住民等への配慮
○ 地域社会における処遇を実施する上では、地域社会の実情に配慮するとともに、本制度に対する地域住民の理解の促進に努める必要がある。
エ 精神保健福祉法との関係
○ 本制度の対象者への地域社会における処遇では、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)(以下「精神保健福祉法」という。)に基づく精神保健福祉サービスを基盤として本制度に基づく処遇の体制か形づくられるものである。
○ 本制度の通院医療を受けている対象者については、精神保健福祉法に基づく任意入院、医療保護入院、措置入院などを行うことが可能であり、指定通院医療機関その他の関係機関は、対象者の病状に応じて、これらの入院が適切に行われるよう配慮する。
○ 通院期間中において対象者の病状の悪化が認められた場合には、必要な医療を確保し、本制度による入院医療の必要性が認められるかどうかの判断を行うためにも、必要かつ適切と判断される場合は、精神保健福祉法による入院等を適切に活用すべきである。
○ 精神保健福祉法に基づく入院の期間中、精神保健観察は停止することなく続けられる(通院期間は進行する。)。この場合、指定通院医療機関及び保護観察所においては、対象者が入院している医療機関と連携を図り、必要とされる医療の確保はもとより、当該医療の一貫性の確保に留意する。
○ 本制度による処遇の終了時においては、一般の精神医療及び精神保健福祉サービス等が必要に応じ確保されるよう、十分に配慮する必要がある。
(4) 関係機関相互間の連携
ア 法務省及び厚生労働省における連携
○ 法務省及び厚生労働省(以下「両省」という。)は、連携して本制度の円滑な運用の確保に努める。
○ 両省は、指定医療機関の指定状況や保護観察所による関係機関相互間の協力体制の整備状況など、地域社会における処遇の実施体制についての情報を共有する。
○ 両省は、地方厚生局、指定医療機関、保護観察所、都道府県・市町村等の関係機関相互の連携協力か円滑に行われるよう、具体的方策を構ずる。
○ 両省は、地域社会における処遇の運用状況についての情報を共有するとともに、常に評価を行い、必要に応じ、本ガイドラインの見直しを行う。
○ 両省は、地域社会における処遇の実施において支障を生じた場合には、速やかに協議し、その対応策を講ずる。
イ 地域社会における処遇に携わる関係機関相互間の連携等
○ 保護観察所と都道府県とは相互に協力しつつ、地域社会における処遇に携わる関係機関と協議して、本ガイドラインに沿った処遇を実施するために必要となる事項を定める運営要領等を作成し、実際の地域処遇が各都道府県の実情に応じて円滑に行われるよう配慮する。
○ 各関係機関は、地域精神保健福祉連絡協議会等の既存のネットワークを活用するほか、平素から各関係機関か行う会議等に相互に職員を派遣するなどし、その緊密な連携に努める。
○ 本制度の地域社会における処遇の実施においては、都道府県・市町村、精神障害者社会復帰施設、精神障害者居宅生活支援事業者等は、精神保健福祉業務の一環として各種の援助業務等を行うものであり、これら関係機関等の協力体制を強化する必要がある。
○ 各関係機関は、地域における精神障害者に対する医療・保健・福祉の実情について情報を共有する。
○ 各関係機関は、当該地域における処遇の円滑な推進のため、あらかじめ役割分担を明確にし、それぞれ関係機関相互間の必要な連絡調整を行うための窓口を設ける。
○ 地域社会における処遇の実施に当たっては、関係機関の担当者のみならす、必要に応じ、対象者の社会復帰を支援する家族等のキーパーソンとの連携にも配慮する。
(5) 関係機関の基本的な役割
ア 地域社会における処遇に携わる関係機関に共通の役割
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関は、以下の役割を共通して担う。
・ 処遇の実施計画の作成及び見直しに携わる。
・ 処遇の実施計画に基づく処遇を実施する。
・ ケア会議への参加などを通じ、関係機関等との緊密な連携に努め、処遇を実施する上で必要となる情報の共有を図る。
・ 生活環境の調査・調整及び精神保健観察を始めとする地域社会における処遇の実施に関し、保護観察所からの要請に応じ、必要な協力を行う。
○ 地方厚生局は、保護観察所等の関係機関と連携を図りつつ、必要な情報を提供することなどにより、地域社会における処遇の適正かつ円滑な実施を支援する。
イ 各関係機関の基本的な役割
(ア) 保護観察所
○ 保護観察所は、本制度において、当初審判の段階から一貫して対象者に関与する立場にあり、地域社会における処遇のコーディネーターとしての役割を果たす。
○ 保護観察所は、生活環境の調査、生活環境の調整(退院地の選定・確保のための調整、退院地での処遇実施体制の整備)、処遇実施計画の作成及び見直し、精神保健観察の実施(継続的な医療を確保するための生活状況の見守り、必要な指導等)等を行う。
○ 保護観察所は、平素からの連携やケア会議の開催等を通じ、地方厚生局、指定医療機関、都道府県・市町村等の関係機関との緊密な連携体制を築く。
○ 保護観察所は、地域社会における処遇が円滑に行われるよう、関係機関と連携して、本制度の普及啓発を行う。
(イ) 都道府県主管課
○ 当該都道府県関係機関が行う処遇の実施状況の把握に努め、保護観察所に対する処遇の実施状況に関する報告をとりまとめる窓口を定めるなど、必要な調整を行う。
○ 都道府県主管課、精神保健福祉センター、保健所等の都道府県関係機関の果たすべき役割の明確化と分担を明らかにする。
(ウ) 精神保健福祉センター
○ 都道府県・市町村が行う精神保健福祉サービス等の援助を始め、本制度において行われる地域精神保健福祉活動に関する業務の支援(技術援助、教育研修等)を行う。
○ 精神保健福祉相談、デイケア等のリハビリテーション機能をいかし、対象者及びその家族の支援を行う。
○ 本制度による処遇終了後の一般の精神医療、精神保健福祉サービスの継続への円滑な橋渡しを行う。
(エ) 保健所
○ 地域精神保健福祉の立場から対象者からの相談に応じ、訪問指導等の地域ケアを行う。
○ 対象者の家族からの相談への対応を行う。
○ 市町村と協力して、地域住民からの相談の窓口としてその対応を行う。
○ 地域社会における処遇において、緊急的な介入が必要な場合における精神保健福祉法に基づく医療の確保、移送のための関係機関との連携等を行う。
(オ) 市町村主管課
○ 精神保健福祉サービスの利用の窓口となり、あっせん、調整を行う。
○ 当該市町村の関係機関及び精神障害者社会復帰施設等が行う処遇の実施状況の把握に努め、保護観察所に対する処遇の実施状況に関する報告をとりまとめる窓口を定めるなど、必要な調整を行う。
○ 保健所と協力して、地域住民からの相談の窓口としてその対応を行う。
(カ) 福祉事務所
○ 対象者の生活保護受給における対応を行う。
○ 必要に応じ、社会福祉協議会(地域福祉のコーディネート役)への協力を求め、連携してその他の必要な福祉サービスを行う。
○ 民生委員の協力を得るための連絡調整を行う。
(キ) 指定通院医療機関
○ 通院処遇ガイドラインに沿って、本制度による通院医療を実施する。
○ 保護観察所と連携して、対象者に必要な援助等や、保護者及び関係機関との連絡調整を行う。
○ 対象者の病状、治療等の状況に関し、必要に応じ、関係機関に情報提供する。
(ク) 精神障害者社会復帰施設等
○ 個別事例に応じ、地域社会における処遇に携わる関係機関との連携・協力関係に基づく精神保健福祉サービスの提供を行う。
○ 個別事例に応じ、処遇の実施計画における援助の内容の作成に関与する。
○ 個別事例に応じ、精神障害者地域生活支援センターにおいて相談対応を行う。
(ケ) その他
○ 緊急的な医療を要する場合の保護や措置通報を行う場合には、必要に応じ、警察署の協力を求める。
○ 対象者の社会復帰のための福祉サービスの実施について、必要に応じ、社会福祉協議会、民生委員協議会等の協力を求める。
(6) 情報の取扱い
ア 情報の共有
○ 本制度においては、保護観察所を通じ、関係機関相互間で必要な情報の収集、提供が可能な仕組みとされており、地域社会における処遇に携わる関係機関が、統一的で適正かつ円滑な処遇を実施する観点から、対象者に関する情報の共有は不可欠である。
○ 法令の定めるところに基づいて処遇に必要な情報を共有するに当たっては、対象者本人の同意を得るよう努めるなど、対象者との信頼関係の構築に配慮するほか、情報の入手・管理・提供に関し、特段の配慮が求められる。
イ 情報の入手及び提供
○ 各関係機関は、個人情報保護条例その他の当該機関の個人情報の取扱いに関する規程等に基づいて、対象者本人及びその家族等のプライバシーの保護に配慮しつつ、本制度における情報共有が適正かつ円滑に行われるよう努めるものとする。
○ 保護観察所から、法令の規定に基づいて、地域社会における処遇を実施する上で必要となる情報の報告を求められた関係機関は、当該機関の個人情報の取扱いに関する規程等に基づき、これに応ずるものとする。
○ 保護観察所は、指定通院医療機関及び都道府県・市町村に対し、当該機関による処遇を適切に実施する上で必要と認められる限度において、関係機関からの報告等を通じて取得した情報を提供する。
ウ 対象者への説明
○ 保護観察所は、ケア会議等の場において、処遇を実施する上で必要となる情報を共有することの目的、必要性及びその取扱いについて、対象者本人に対し懇切・丁寧に説明するものとする。
○ 各関係機関は、処遇の実施計画、ケア会議における決定内容その他対象者の処遇の実施に関し決定した重要事項について、対象者にその内容を懇切・丁寧に説明するものとする。
エ 関係機関における記録の管理等
○ 各関係機関は、対象者及びその家族等のプライバシーの保護の観点から、当該対象者の記録の保管方法、機関外への持出しその他記録の管理に関する取扱い指針を定めるなど、個人情報の漏えい、滅失等の防止について留意する。
○ ケア会議等における資料は、各関係機関において厳重に管理するものとする。
(7) 地域住民等への配慮
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関は、地域社会からの日常の気付きを処遇にいかせるよう、地域の精神保健福祉ボランティアや一般地域住民等からの意見や情報提供を受け入れる体制を整備し、これらの意見等をケア会議に取り入れていくよう努める。
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関は、地域住民に対し、必要に応じ、本制度の仕組み等について説明を行い、理解を得るよう努める。
○ 個別の事情に応じ、一定の範囲で地域住民に情報を提供することで、対象者の社会復帰が促進されると見込まれる場合には、対象者の個人情報については厳に慎重に取り扱わなければならないことに留意しつつ、対象者の同意に基づき、地域住民に提供可能な情報の範囲を定めるものとする。被害者等についても、必要に応じ、対象者の社会復帰を促進する観点から、同様の配慮を行う。
○ 保護観察所を始めとする関係機関は、被害者が対象者から再び同様の行為を受けることのないよう配慮し、必要な場合には、警察署等関係機関の協力を求める。
3 各論
(1) 当初審判
ア 生活環境の調査の実施
○ 保護観察所は、裁判所から命じられた調査項目を中心としつつ、次の事項について生活環境の調査を行う。
・ 居住地の状況
・ 経済状況(収入、経済的自立度、健康保険の状況等)
・ 家族の状況、家族の協力の意思の有無・程度(家族機能の状態)
・ 地域の状況、地域住民等からの協力の可能性の有無・程度
・ 本件に至るまでの生活状況、過去の治療状況等
・ 想定される指定通院医療機関の状況
・ 利用可能な精神保健福祉サービス等の現況
・ 地域社会における処遇を実施する上で、特に留意すべきと考えられる事項
・ その他対象者の生活環境に関すること
○ 地方厚生局、指定医療機関、都道府県・市町村等の関係機関は、保護観察所の求めに応じ、生活環境の調査に必要な協力(関係機関の保育する対象者に関する情報の提供、意見照会に対する回答など)を行う。
○ 生活環境の調査に当たっては、必要に応じ、対象者の同意を求める。
イ 生活環境の調査結果の報告
○ 保護観察所が裁判所に対し生活環境の調査結果を報告するときは、必要に応じ、地方厚生局、指定医療機関、都道府県・市町村等と協議を行うなどして、各関係機関の意見をも踏まえ、裁判所に対して、当該居住地において継続的な医療が確保できるかどうかに関する意見を提出する。
○ 地方厚生局、指定医療機関、都道府県・市町村等は調査結果の報告について、保護観察所に意見を述べることができる。
ウ 指定入院医療機関又は指定通院医療機関の選定準備
○ 地方厚生局は、裁判所の終局決定に先立ち、原則として、できるだけ対象者の居住地に近い指定入院医療機関と事前調整を行い、入院決定があった場合に指定入院医療機関を速やかに選定できるよう、あらかじめ内定する。
○ 地方厚生局は、裁判所の終局決定に先立ち、保護観察所が行う指定通院医療機関との協議の結果を踏まえ、通院決定があった場合に指定通院医療機関を速やかに選定できるよう、あらかじめ内定する。この場合、保護観察所は、原則として、できるだけ対象者の居住地に近い指定通院医療機関と協議を行う。
(2) 入院決定の場合の対応
ア 指定入院医療機関の選定・変更
○ 地方厚生局は、指定入院医療機関を選定又は変更(転院)したときは、速やかに保護観察所に通知する。通知を受けた保護観察所は、都道府県・市町村等の関係機関に連絡する。
○ 指定入院医療機関の変更(転院)については、外出・外泊を実施するために特に必要がある場合等(生活環境の調整が整っている退院地での外出・外泊を容易に実施するほか、指定入院医療機関と退院後の通院医療を担当する指定通院医療機関との円滑な連携を確保する上で必要がある場合等)に、当該対象者が現に入院している指定入院医療機関が、保護観察所との意見調整を行った上で発意し、地方厚生局において必要な調整等を行う。
イ 指定入院医療機関と保護観察所の連携
○ 保護観察所の社会復帰調整官は、入院当初から指定入院医療機関に出向き、対象者と面談し、当該医療機関のスタッフと継続的に協議し、また、必要に応じ院内会議に出席するなどして、指定入院医療機関との緊密な連携に努める。
○ 指定入院医療機関は、保護観察所の社会復帰調整官を必要な院内会議に加えるなど、対象者に関する情報の共有に努めるほか、社会復帰調整官の院内における執務の便宜を図るなど、緊密な連携に努める。
ウ 生活環境の調整
(ア) 生活環境の調整の開始
○ 対象者の居住地(入院前において生活の本拠としていた住居等)を管轄する保護観察所(以下「居住地保護観察所」という。)は、指定入院医療機関の所在地を管轄する保護観察所(以下「入院地保護観察所」という。)と連携し、地域社会における処遇への円滑な移行を図るため、入院後速やかに、対象者の退院後の生活環境の調整に着手する。
○ 生活環境の調整は、原則として、対象者の居住地(入院前において生活の本拠としていた住居等)を退院予定地として開始することとし、当該居住地への退院について特段の支障があると認める場合には、対象者の希望に基づき、以下の順に従って当該地域を退院予定地として設定し、調整を行う。
・ 居住地の存する市町村
・ 居住地の存する都道府県
・ 対象者本人が相当期間の居住経験を有するなど、本人の成育歴その他の生活環境を踏まえ、適当と考えられる都道府県
○ 引受け意思を有する家族等がいる場合には、当該家族等のもとに退院することについての対象者の希望を考慮しつつ、当該家族等のもとを調整する。
(イ) 生活環境の調整の流れ
○ 居住地保護観察所は、指定入院医療機関との協議、生活環境の調査結果、関係機関からの資料等に基づくほか、入院地保護観察所を通じ、対象者の病状その他の生活環境の調整を行う上で必要な情報を得るなどして、退院予定地における調整計画を立案する。
○ 居住地保護観察所の社会復帰調整官は、入院当初から、定期又は必要に応じ指定入院医療機関を訪問し、対象者本人から生活環境の調整に関する希望を聴取するほか、指定入院医療機関のスタッフと、調整計画等に関する協議を行う。この場合、居住地保護観察所と指定入院医療機関が遠隔地であるなど、指定入院医療機関への訪問に支障がある場合には、必要に応じ、入院地保護観察所の社会復帰調整官が面接、協議等を行い、その状況を居住地保護観察所に報告するものとする。
○ 調整計画は、対象者の希望を踏まえて作成し、その内容については、対象者に懇切・丁寧に説明するものとする。
○ 居住地保護観察所は、調整計画に基づいて、地方厚生局、都道府県・市町村と連携し、退院予定地における生活環境について調査の上、退院後に必要となる精神保健福祉サービス等の援助が円滑に受けられるよう、あっせん、調整するなどして生活環境の調整を行う。
○ 都道府県・市町村は、保護観察所の求めに応じ、それぞれの機関において提供することのできる精神保健福祉サービス等の利用について調整を行う。
○ 居住地保護観察所は、他の保護観察所の管轄区域を退院予定地として生活環境の調整を行う場合には、当該保護観察所と連携して、必要な調査、調整等を行う。
○ 入院地保護観察所は、居住地保護観察所の生活環境の調整経過等を指定入院医療機関に連絡し、また、必要な情報を居住地保護観察所に報告するなどして、効果的な調整が行われるよう配慮する。
エ 退院地の内定及び指定通院医療機関の選定準備
○ 居住地保護観察所は、上記ウの生活環境の調整結果に基づき、当該対象者の社会復帰を促進する上で適当と認める退院予定地を、退院地として内定する。
○ 地方厚生局は、上記ウの生活環境の調整結果及び下記カの外出・外泊の結果を踏まえ、当該退院地を管轄する保護観察所(以下「退院地保護観察所」という。)と協議して、あらかじめ当該対象者の退院後の通院医療を担当する指定通院医療機関を内定する。
オ 処遇の実施計画案の作成
○ 退院地保護観察所は、退院後の地域社会における処遇に携わる関係機関とケア会議を開催するなどして協議の上、退院後の処遇の実施計画案を作成する。この場合、退院地保護観察所は、退院後に必要となる処遇に関し、あらかじめ指定入院医療機関と協議する。
○ 指定通院医療機関は、必要な診療情報を指定入院医療機関より入手するとともに、指定入院医療機関と連携して、退院後に必要となる医療の内容について検討する。
○ 退院地保護観察所は、退院後に必要となる精神保健観察の内容及び関係機関相互間の連携確保のための具体的方策について検討する。
○ 都道府県・市町村は、当該対象者の入院医療を担当する指定入院医療機関及び保護観察所の意見並びに当該地域における精神障害者に対する精神保健福祉サービスの実情等を踏まえ、それぞれの機関において提供することのできる精神保健福祉サービス等の援助の内容について検討する。
○ 退院地保護観察所は、指定通院医療機関、都道府県・市町村等と協議の上作成した処遇の実施計画案を入院地保護観察所に送付するほか、対象者への説明の機会を設け、その同意を得るよう努める。
○ 入院地保護観察所は、処遇の実施計画案に関し、必要に応じ指定入院医療機関と協議して、その状況を退院地保護観察所に報告する。
カ 外出・外泊時の対応
○ 指定入院医療機関は、対象者の院外外出(指定入院医療機関の敷地外への外出)又は外泊(指定入院医療機関の敷地外での宿泊)の計画を作成したときは、その計画を保護観察所に連絡する。保護観察所は、必要に応じ、外出外泊計画を関係機関に周知する。
○ 指定入院医療機関は、退院地への外泊を行うに当たっては、あらかじめ、保護観察所にその旨を連絡する。外泊の終了時についても、同様とする。
○ 指定入院医療機関は、外出・外泊の実施に際し、必要に応じて保護観察所の協力を求め、その医学的管理のもと、対象者と、当該対象者の退院後の地域社会における処遇に携わる指定通院医療機関、保護観察所、都道府県・市町村のスタッフとが面談する機会を設けるなどして、その関係構築に配慮する。
キ 退院許可又は入院継続の確認の申立て
○ 指定入院医療機関は、入院医療の必要があると認めることができなくなったとして退院許可の申立てを行おうとする場合、又は入院医療を継続する必要があると認めて入院継続の確認の申立てを行おうとする場合は、当該対象者の生活環境の調整の状況についての保護観察所の意見を踏まえ、入院医療の必要性の有無について新病棟運営会議において評価を行う。
○ 退院地保護観察所は、当該対象者の退院後の地域社会における処遇に携わる関係機関から必要に応じ意見を聴取した上、当該退院地において継続的な医療が確保できるかどうかについての意見を、指定入院医療機関に提出する。
○ 指定入院医療機関は、保護観察所からの意見を付して、裁判所に対し、退院許可等の申立てを行う。
○ 保護観察所は、退院許可等の申立てが行われた場合は、その旨を当該対象者の退院後の地域社会における処遇に携わる関係機関に連絡する。
(3) 通院決定又は退院許可決定の場合の対応
ア 通院決定時又は退院許可決定時における対応
○ 保護観察所は、対象者から居住地の届出を受けるとともに、地方厚生局にその内容を通知する。通知を受けた地方厚生局は、当該対象者の通院医療を担当する指定通院医療機関を正式に選定し、保護観察所に通知する。
○ 退院許可決定に当たっては、指定入院医療機関及び入院地保護観察所と、指定通院医療機関、退院地保護観察所等地域社会における処遇に携わる関係機関との間で、必要な情報を交換するなどして、処遇の継続性の確保に配慮する。
○ 保護観察所は、関係機関と連携し、家族等による出迎え、緊急時における医療の対応等の調整を行い、対象者が退院地へ円滑に移動するための方策を講ずる。
イ 処遇の実施計画の作成
○ 保護観察所は、ケア会議を開催するなどして、指定通院医療機関、都道府県・市町村等と協議の上、速やかに処遇の実施計画を作成する。この場合、指定入院医療機関から退院した対象者については、生活環境の調整の過程で作成された処遇の実施計画案を踏まえて作成する。
○ 指定通院医療機関は、必要な診療情報を指定入院医療機関より入手するとともに、指定入院医療機関と連携して、通院医療の内容について検討する。
○ 保護観察所は、当該対象者の精神保健観察の内容及び関係機関相互間の連携確保のための具体的方策について検討する。
○ 都道府県・市町村は、指定医療機関及び保護観察所の意見並びに当該地域における精神障害者に対する精神保健福祉サービスの実情等を踏まえ、それぞれの機関において提供することのできる精神保健福祉サービス等の援助の内容について検討する。
○ 処遇の実施計画に記載する処遇の内容及び方法については、概ね次のとおりとする。
・ 医療については、指定通院医療機関の名称、主治医・担当スタッフ名、医療方針、通院及び訪問診療等の頻度、指示事項等
・ 精神保健観察については、保護観察所名、担当社会復帰調整官名、精神保健観察の目的、接触の方法(訪問、出頭及びその頻度等)、指導事項等
・ 援助等については、精神保健福祉関係機関名、担当者名、援助の内容及び方法等
・ ケア会議の予定(内容、頻度、場所等)、関係機関が行う定期報告等
・ 病状悪化等による緊急時の対応(精神保健福祉法による入院の体制等)
・ その他処遇に当たっての留意事項や本制度の処遇終了後の一般の精神医療・精神保健福祉サービスの利用に関する事項(通院後期の場合)等
○ 処遇の実施計画については、対象者に懇切・丁寧に説明し、同意を得るよう努める。
ウ 処遇の実施(通院医療、精神保健観察、援助等)
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関は、対象者及びその家族等の関係者に対し、本制度による処遇の在り方や内容について、懇切・丁寧に説明し、理解を得るよう努める。
○ 地域社会における処遇に携わる関係機関は、通院期間中、処遇の実施計画に基づいて、概ね次のとおり処遇を行う。
・ 指定通院医療機関は、通院処遇ガイドラインに基づき、継続的かつ適切な医療を提供し、その病状の改善を図る。
・ 保護観察所は、必要な医療の継続を確保するため、訪問又は出頭による面談や、指定通院医療機関、都道府県・市町村等からの生活状況の報告などにより、対象者が必要な医療を受けているか否か及びその生活状況を見守り、通院や服薬を促したり、家族等からの相談に応じ、助言を行うなどの必要な指導等を行う。
・ 都道府県・市町村は、対象者やその家族等からの相談に応じ、必要な指導を行ったり、精神障害者社会復帰施設、ホームヘルプ、デイケア等必要とされる精神障害者居宅生活支援事業等の利用の調整を行うほか、生活保護等の福祉サービス等の援助を行う。
エ ケア会議の開催等
○ 保護観察所は、地域社会における処遇に携わる関係機関が、対象者に関する必要な情報を共有し、処遇方針の統一を図るほか、処遇実施計画の見直しや各種申立ての必要性等について検討するため、定期的又は必要に応じ、ケア会議を開催する。
○ 当該対象者の処遇に携わる指定通院医療機関、都道府県・市町村並びに対象者及びその保護者は、保護観察所に対し、ケア会議の開催を提案することができる。
○ ケア会議の参加機関は、当該対象者の処遇に携わる指定通院医療機関、都道府県・市町村とし、その他の出席者については、保護観察所がこれら参加機関の意見を聴取した上で決定する。
○ 対象者及びその保護者は、ケア会議に出席して意見を述べることができる。ただし、保護観察所が、指定通院医療機関その他の参加機関の意見を聴いた上で適当でないと認めるときは、この限りでない。
○ 対象者の家族等の関係者は、保護観察所が必要と認めるとき、ケア会議に出席して意見を述べることができる。
○ 保護観察所は、地域社会における処遇に携わる関係機関に対し、処遇の実施状況について報告を求め、また、必要な情報を提供するなどして、相互に情報の共有を図り、緊密な連携の確保に努める。
○ 保護観察所は、ケア会議の開催及びその議論内容に関する記録を管理する。
○ ケア会議で行われた情報交換の内容、配布された資料について、その取扱いに関し特に留意すべき事項については、参加者に周知されなければならない。
○ 保護観察所は、ケア会議で決定されたこと等に関して、対象者に懇切・丁寧に説明し、同意を得るよう努める。
オ 処遇の実施計画の見直し
○ 通院期間中、地域社会における処遇に携わる関係機関は、常に各々の処遇の実施状況について評価を行い、対象者を取り巻く生活環境の変化、社会復帰のための新たなニーズ等の把握に努める。また、処遇の実施計画に影響すると思われる情報を得た場合は、保護観察所にケア会議の開催を求めることができる。
○ 保護観察所は、処遇の実施計画に基づく処遇の実施状況を常に把握し、当該実施計画について見直しの必要があると認めたときは、ケア会議を開催するなどして、関係機関との協議を行う。
○ 処遇の実施計画の見直しを行った場合には、対象者に懇切・丁寧に説明し、同意を得るよう努める。
○ 保護観察所は、処遇の実施計画を変更した場合には、その旨を関係機関に周知する。
カ 転居の届出への対応
○ 保護観察所は、転居の届出を受けた場合は、転居先を管轄する保護観察所を通じ、当該転居先の生活環境、近隣の指定通院医療機関の状況等について調査する。
○ 保護観察所は、転居の届出を受けた場合において、指定通院医療機関の変更の必要があると認めるときは、その旨を地方厚生局に通知する。
○ 地方厚生局は、転居先の保護観察所が行う指定通院医療機関との協議の結果を踏まえ、転居後の指定通院医療機関を、あらかじめ内定する。この場合、保護観察所は、原則として、できるだけ当該転居先に近い指定通院医療機関と協議を行う。
○ 転居先の保護観察所においては、速やかに指定通院医療機関、都道府県・市町村等と協議の上、処遇の実施計画を策定する。
○ 転居後の指定通院医療機関は、必要な診療情報を転居前の指定通院医療機関より入手するとともに、通院医療の内容について検討する。
○ 保護観察所は、転居が対象者の医療の継続や社会復帰の促進を図る観点から適当でないと認める場合には、対象者に対して、懇切・丁寧に説明する。
キ 旅行の届出への対応
○ 保護観察所は、長期の旅行の届出を受けた場合は、医療の継続性の面で支障がないか、指定通院医療機関の意見を聴くとともに、旅行期間中に受けることとなる医療の予定について対象者に確認する。
○ 保護観察所は、対象者が長期の旅行を行う場合には、対象者に対し、その旅行先の保護観察所の連絡先等を現地での連絡先として伝えるとともに、当該保護観察所に対し、事前に、対象者の旅行の日程、旅行期間中において受けることとなる医療の予定等を連絡する。
○ 保護観察所は、旅行が対象者の医療の継続や社会復帰の促進を図る観点から適当でないと認める場合には、対象者に対して、その旨を懇切・丁寧に説明する。
○ 保護観察所は、対象者が長期の旅行を行う場合において、適正かつ円滑な処遇を確保するため必要があると認めるときは、指定通院医療機関、都道府県・市町村等に協力を求めることができる。ただし、医療費については選定された指定通院医療機関ではないことから医療保険による対応となる。
ク 病状悪化等による緊急時の対応
○ 病状悪化等による緊急時の対応方法については、ケア会議等の場であらかじめ協議して定めておくほか、対象者及びその家族等の関係者に対し、その対応方法についてあらかじめ説明しておく。病状悪化時の対応方法については、既存の精神科救急医療システムの活用についても考慮する。
○ 対象者の病状悪化が認められた場合には、その病状に応じて、あらかじめ協議していた対応方法に基づき、対象者に適切な精神科救急医療を提供するとともに、精神保健福祉法による任意入院、医療保護入院、措置入院などを適切に行うなどして必要な医療の確保に努める。精神保健福祉法による入院が行われた場合には、関係機関は、その旨を速やかに保護観察所に連絡する。
○ 保護観察所は、病状悪化が認められた対象者について、本制度による入院医療の必要性が認められるかどうかの判断を行うため、必要に応じてケア会議を開催するなどして、その結果に応じ、入院の申立てを行う。
○ 指定医療機関は、保護観察所等の関係機関からの求めに応じ、対象者の病状が悪化した場合の対応、病状改善の見込み等について助言を行うものとする。
○ 保護観察所は、緊急の対応を必要とする場合に備え、対象者の地域社会における処遇に関する地方厚生局、指定医療機関、都道府県・市町村等と、互いにその担当者の緊急連絡先を通知しておく。
(4) 地域社会における処遇の終了等
ア 本制度による処遇終了の申立て・期間満了
○ 保護観察所は、本制度による処遇を終了することが相当と認めたとき又は指定通院医療機関から本制度による処遇を終了することが相当である旨の通知を受けたときは、ケア会議を開催するなどして、関係機関と協議し、本制度による医療を受けさせる必要があると認めることができなくなった場合は、処遇終了の申立てを行う。
○ 指定通院医療機関は、処遇終了の申立てに関する意見書を作成し、保護観察所に提出する。
○ 都道府県・市町村は、処遇終了の申立てに関し、保護観察所に意見を述べることができる。
○ 保護観察所は、処遇終了の申立てをした場合には、関係機関にその旨を通知する。その決定があった場合も同様とする。
○ 処遇終了に当たっては、一般の精神医療及び精神保健福祉サービス等が必要に応じ確保されるよう、関係機関が相互に協議するなどして、十分に配慮する必要がある。
イ 通院期間の延長の申立て
○ 保護観察所は、通院期間を延長することが相当と認めたとき若しくは指定通院医療機関から通院期間延長が必要である旨の通知を受けたとき、又は通院期間の満了日の数か月前に至ったときは、ケア会議を開催するなどして、関係機関と協議し、通院期間を延長して本制度による医療を受けさせる必要があると認める場合は、通院期間の延長の申立てを行う。
○ 指定通院医療機関は、通院期間の延長の申立てに関する意見書を作成し、保護観察所に提出する。
○ 都道府県・市町村は、通院期間の延長の申立てに関し、保護観察所に意見を述べることができる。
○ 保護観察所は、通院期間の延長の申立てをした場合には、関係機関にその旨を通知する。その決定があった場合も同様とする。
ウ 入院の申立て
○ 保護観察所は、指定通院医療機関、都道府県・市町村からの通報等を受けるなどして入院の申立てを検討するときは、原則として、ケア会議を開催するなどして、関係機関と協議し、対象者を入院させて本制度による医療を受けさせる必要があると認める場合又は対象者が通院医療を受けるべき義務に違反するなどし、そのため継続的な医療を行うことが確保できないと認める場合は、入院の申立てを行う。
○ 指定通院医療機関は、入院の申立てに関する意見書を作成し、保護観察所に提出する。
○ 保護観察所は、必要があると認める場合は、入院の申立てに併せて、裁判所に対し、鑑定入院医療機関を推薦する。
○ 保護観察所は、入院の申立てに伴う同行状又は鑑定入院命令の執行において、医師、警察官等による援助が必要な場合には、あらかじめ該当する関係機関と協議する。
○ 保護観察所は、入院の申立てをした場合には、地方厚生局その他関係機関にその旨を通知する。その決定があった場合も同様とする。
○ 保護観察所は、緊急の場合で、指定通院医療機関その他関係機関との協議を経ずに入院の申立てをした場合には、速やかに、関係機関に対してその旨を連絡する。
(図1)
