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○都道府県知事が行う薬事法の規定による品目ごとの承認に係る医薬品の有効成分を指定する件の一部改正及び薬局製剤指針の一部改正について

(平成18年5月10日)

(薬食発第0510001号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)

薬局開設者が当該薬局における設備及び器具をもって製造し、当該薬局において直接消費者に販売し、又は授与する医薬品であって、昭和55年9月27日厚生省告示第169号(以下「告示」という。)に定める有効成分以外の有効成分を含有しないもの(以下「薬局製造販売医薬品」という。)に係る承認・許可に関する取扱いについては、昭和55年10月9日薬発第1337号薬務局長通知(以下「局長通知」という。)により示されているところですが、今般、告示の一部が別添のとおり改正され、これに伴い、局長通知別添の薬局製剤指針の一部を下記2.(1)のとおり改正することとしましたので、貴管下関係業者に対し指導方御配慮願います。

1.告示改正の概要

(1) 次の題名を付したこと。

薬事法施行令第三条第三号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬品の有効成分

(2) 血圧降下薬の項を削除したこと。

(3) 耳鼻科用薬及び鎮咳去痰薬の項の塩酸フェニルプロパノールアミンを削除し、塩酸プソイドエフェドリンを追加したこと。

2.薬局製剤指針の一部改正等

(1) 局長通知別添の「薬局製剤指針」の一部を次のように改正する。

医薬品各条の【24】抗ヒスタミン薬3―①の条を次のように改める。

【24】抗ヒスタミン薬3―②

成分及び分量又は本質

 

局外規

塩酸プソイドエフェドリン

0.18g

 

日本薬局方

酒石酸アリメマジン

0.005g

 

 

日本薬局方

カフェイン

0.15g

 

 

日本薬局方

カンゾウ末

1.5g

 

賦形剤

日本薬局方

デンプン、乳糖又はこれらの混合物

適量

 

 

全量

3.0g

製造方法

以上をとり、散剤の製法により製する。ただし、分包散剤とする。

酒石酸アリメマジンに替えて、酒石酸アリメマジン100倍散を用いてもよい。

用法及び用量

1回量を次のとおりとし、1日3回、食後服用する。服用間隔は4時間以上おくこと。

大人(15歳以上) 1包1.0g、11歳以上15歳未満 大人の2/3、7歳以上11歳未満 大人の1/2、3歳以上7歳未満 大人の1/3

効能又は効果

急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重(頭が重い)

貯蔵方法及び有効期限

遮光した密閉容器

規格及び試験方法

別記のとおり

備考

 

規格及び試験方法

本品は定量するとき、塩酸プソイドエフェドリン(C10H15NO・HCl:201.69)5.4~6.6%、酒石酸アリメマジン[(C18H22N2S)2・C4H6O6:746.99]0.15~0.18%及びカフェイン(C8H10N4O2:194.19)4.5~5.5%を含む。

性状 本品は淡灰褐色の粉末である。

確認試験

(1) 本品1.0gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別に塩酸プソイドエフェドリン0.06gをメタノール5mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液および標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール・強アンモニア水混液(15:5:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい。

(2) 本品0.5gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別に酒石酸アリメマジン1mg及びカフェイン0.02gをそれぞれメタノール5mLに溶かし、標準溶液(1)及び標準溶液(2)とし、グリチルリチン酸5mgをメタノール3mLに溶かして標準溶液(3)とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にn―ブタノール・水・氷酢酸混液(7:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち3個のスポットは、標準溶液(1)、標準溶液(2)及び標準溶液(3)から得たスポットと色調及びRf値が等しい。また、この薄層板にドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき、標準溶液(1)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは黄赤色を呈する。

定量法

(1) 本品約1.0gを精密に量り、薄めたメタノール(1→2)20mLを加えて30分間振とうし、遠心分離して上清を分取する。沈殿物についても同様に、メタノール抽出を繰り返す。全上清液中に内部標準溶液5mLを加え、薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に50mLとする。この液をろ過し、最初の10mLを除いた次のろ液を試料溶液とする。別に定量用酒石酸アリメマジン約0.01gを精密に量り、薄めたメタノール(1→2)に溶かし正確に25mLとする。この液5mLを正確に量り、内標準溶液5mLを正確に加える。この液に定量用塩酸プソイドエフェドリン約0.06gを精密に量って加え、更に薄めたメタノール(1→2)を加えて50mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、内標準物質のピーク面積に対する塩酸プソイドエフェドリン及び酒石酸アリメマジンのピーク面積の比QTa、QTb、QSa及びQSbを求める。

塩酸プソイドエフェドリン(C10H15NO・HCl)の量(mg)=定量用塩酸プソイドエフェドリンの量(mg)×(QTa/QSa)

酒石酸アリメマジン[(C18H22N2S)2・C4H6O6]の量(mg)=定量用酒石酸アリメマジンの量(mg)×(QTb/QSb)×(1/5)

内標準溶液 パラオキシ安息香酸n―ヘキシルのメタノール溶液(1→8000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)

カラム:内径約4mm、長さ15~25cmのステンレス管に5~10μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:ドデシル硫酸ナトリウム2gを水1000mLに溶かす。この液300mLにメタノール700mL加える。

流量:塩酸プソイドエフェドリンの保持時間が約5分になるように調整する。

カラムの選定:標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、塩酸プソイドエフェドリン、パラオキシ安息香酸n―ヘキシル、酒石酸アリメマジンの順に溶出し、それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

(2) 本品約0.1gを精密に量り、メタノール30mLを加えて10分間振り混ぜた後、内標準溶液5mLを正確に加えた後、更に薄めたメタノールを加えて50mLとする。この液をろ過し、初めのろ液10mLを除き、次のろ液を試料溶液とする。別に定量用カフェイン約0.025gを精密に量り、メタノールに溶かして正確に25mLとする。この液5mLを正確に量り、内標準溶液5mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するカフェインのピーク面積の比QT及びQSを求める。

カフェイン(C8H10N4O2)の量(mg)=定量用カフェインの量(mg)×(QT/QS)×(1/5)×1.0928

内標準溶液 サリチルアミドのメタノール溶液(1→200)

抽出条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:275nm)

カラム:内径約4mm、長さ15~25cmのステンレス管に5~10μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:メタノール・水混液(7:3)

流量:カフェインの保持時間が約5分になるように調整する。

カラムの選定:標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、カフェイン、サリチルアミドの順に溶出し、それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

医薬品各条の【26】抗ヒスタミン薬5―①の条を次のように改める。

【26】 抗ヒスタミン薬5―②

成分及び分量又は本質

 

日本薬局方

d―マレイン酸クロルフェニラミン

0.006g

 

日本薬局方

ロートエキス散

0.6g

 

 

局外規

塩酸プソイドエフェドリン

0.18g

 

 

別紙規格

グリチルリチン酸

0.2g

 

 

日本薬局方

カフェイン

0.15g

 

賦形剤

日本薬局方

デンプン、乳糖又はこれらの混合物

適量

 

 

 

 

 

全量

3.0g

製造方法

以上をとり、散剤の製法により製する。ただし、分包散剤とする。

用法及び用量

1回量を次のとおりとし、1日3回、食後服用する。服用間隔は4時間以上おくこと。

大人(15歳以上) 1包1.0g、11歳以上15歳未満 大人の2/3、7歳以上11歳未満 大人の1/2、3歳以上7歳未満大人の1/3

効能又は効果

急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重(頭が重い)

貯蔵方法及び有効期限

遮光した密閉容器

規格及び試験方法

別記のとおり

備考

 

規格及び試験方法

本品は定量するとき、d―マレイン酸クロルフェニラミン(C16H19ClN2・C4H4O4:390.87)0.18~0.22%、塩酸プソイドエフェドリン(C10H15NO・HCl:201.69)5.4~6.6%、グリチルリチン酸(C42H62O16:822.94)6.0~7.3%及びカフェイン(C8H10N4O2:194.19)4.5~5.5%を含む。

性状 本品は淡灰褐色の粉末である。

確認試験

(1) 本品1.0gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別にd―マレイン酸クロルフェニラミン2mg、塩酸プソイドエフェドリン0.06g及びカフェイン0.05gをそれぞれメタノール5mLに溶かし、標準溶液(1)、標準溶液(2)及び標準溶液(3)とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール・強アンモニア水混液(15:5:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち3個のスポットは、標準溶液(1)、標準溶液(2)及び標準溶液(3)から得たスポットと色調及びRf値が等しい。また、この薄層板にドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき、標準溶液(1)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは黄赤色を呈する。

(2) 本品2.0gに水80mLを加えて10分間振り混ぜた後、ろ過する。ろ液を分液漏斗に移し、アンモニア試液を加えて弱アルカリ性とし、直ちにエーテル30mLを加えて振り混ぜる。エーテル層を分取し、無水硫酸ナトリウム3gを加えて振り混ぜた後、ろ過する。ろ液を蒸発乾固し、残留物をエタノール5mLに溶かし、試料溶液とする。別に硫酸アトロピン5mgをエタノール3mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム・メタノール・アセトン・強アンモニア水混液(73:15:10:2)を展開溶液として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき、試料溶液から得た2個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た黄赤色のスポットと色調及びRf値が等しい。

(3) 本品0.5gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別にグリチルリチン酸6mgをメタノール5mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にn―ブタノール・水・氷酢酸混液(7:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た暗紫色のスポットと色調及びRf値が等しい。

定量法

(1) 本品約1.0gを精密に量り、薄めたメタノール(1→2)20mLを加えて30分間振とうし、遠心分離して上清を分取する。沈殿物についても同様に、メタノール抽出を繰り返す。全上清液中に内部標準溶液5mLを加え、薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に50mLとする。この液をろ過し、最初の10mLを除いた次のろ液を試料溶液とする。別に定量用マレイン酸クロルフェニラミン約0.04gを精密に量り、薄めたメタノール(1→2)を加えて100mLとする。この液5mLを正確に量り、内標準溶液5mLを正確に加える。この液に定量用塩酸プソイドエフェドリン約0.06gを精密に量って加え、薄めたメタノール(1→2)を加えて50mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するマレイン酸クロルフェニラミン及び塩酸プソイドエフェドリンのピーク面積の比QTa、QTb、QSa及びQSbを求める。

マレイン酸クロルフェニラミン(C16H19ClN2・C4H4O4)の量(mg)=定量用マレイン酸クロルフェニラミンの量(mg)×(QTa/QSa)×(1/20)

塩酸プソイドエフェドリン(C10H15NO・HCl)の量(mg)=定量用塩酸プソイドエフェドリンの量(mg)×(QTb/QSb)

内標準溶液 テレフタル酸ジエチルのメタノール溶液(1→25000)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)

カラム:内径約4mm、長さ15~25cmのステンレス管に5~10μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:ドデシル硫酸ナトリウム2gを水1000mLに溶かす。この液350mLにメタノール650mLを加える。

流量:塩酸プソイドエフェドリンの保持時間が約7分になるように調整する。

カラムの選定:標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、塩酸プソイドエフェドリン、テレフタル酸ジエチル、マレイン酸クロルフェニラミンの順に溶出し、それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

(2) 本品約0.1gを精密に量り、薄めたメタノール(7→10)30mLを加えて振り混ぜた後、内標準溶液5mLを正確に加え、更に薄めたメタノールを加えて正確に50mLとする。この液をろ過し、初めのろ液10mLを除き、次のろ液を試料溶液とする。別に定量用グリチルリチン酸約0.01gを精密に量り、内標準溶液5mLを正確に加えた後、薄めたメタノール(7→10)を加えて溶かし正確に50mLとし標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するグリチルリチン酸のピーク面積の比QT及びQSを求める。

グリチルリチン酸(C42H62O16)の量(mg)=定量用グリチルリチン酸の量(mg)×(QT/QS)

内標準溶液 パラオキシル安息香酸イソアミルのメタノール溶液(1→5000)

操作条件

検出器:紫外線吸光光度計(測定波長:254nm)

カラム:内径約4mm、長さ15~25cmのステンレス管に5~10μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:メタノール・薄めた酢酸(1→100)(7:3)

流量:グリチルリチン酸の保持時間が約8分になるように調整する。

カラムの選定:標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、パラオキシル安息香酸イソアミル、グリチルリチン酸の順に溶出し、それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

(3) 本品約0.1gを精密に量り、薄めたメタノール(1→2)30mLを加えて10分間振り混ぜた後、内標準溶液5mLを正確に加え、更に薄めたメタノール(1→2)を加えて50mLとする。この液をろ過し、初めのろ液10mLを除き、次のろ液を試料溶液とする。別に定量用カフェイン約0.025gを精密に量り、内標準溶液5mLを正確に加えた後、薄めたメタノール(1→2)を加えて溶かして50mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するカフェインのピーク面積の比QT及びQSを求める。

カフェイン(C8H10N4O2)の量(mg)=定量用カフェインの量(mg)×(QT/QS)×1.0928

内標準溶液 サリチルアミドのメタノール溶液(1→100)

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)

カラム:内径約4mm、長さ15~25cmのステンレス管に5~10μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:水・メタノール混液(7:3)

流量:カフェインの保持時間が約4分になるように調整する。

カラムの選定:標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、カフェイン、サリチルアミドの順に溶出し、それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

別紙規格

グリチルリチン酸の規格及び試験方法

本品を乾燥したものは定量するとき、グリチルリチン酸(C42H62O16)96.0~102.0%を含む。

性状 本品は白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはなく、特異な甘味がある。

確認試験

(1) 本品0.5gに水酸化ナトリウム試液5mLを加えて溶かし、1mol/L塩酸試液15mLを加え、10分間穏やかに煮沸した後、冷却し、ろ過する。ろ紙上の残留物は、よく水洗し、105℃で1時間乾燥する。乾燥物1mgに硫酸3mLを加え、水浴上で5分間過熱し、冷後、バニリンのエタノール溶液(1→100)2mLを加えるとき、液は濃赤紫色を呈する。

(2) (1)のろ液にナフトレゾルシン10mg及び塩酸5滴を加え、1分間穏やかに煮沸した後、5分間放置し、直ちに冷却する。この液にベンゼン3mLを加えて振り混ぜるとき、ベンゼン層は赤紫色を呈する。

pH 本品1.0gにエタノール50mL及び新たに煮沸し、冷却した水50mLを加えて溶かした液のpHは2.5~3.5である。

純度試験

(1) 溶状 本品1.0gにエタノール20mLを加えて溶かすとき、液は無色~微黄色澄明である。

(2) アンモニア 本品0.20gに熱湯20mLを加えてよく振り混ぜた後、水酸化ナトリウム試液5mLを加えて加熱するとき、発生するガスは、潤した赤色リトマス紙を青変しない。

(3) 重金属 本品2.0gをとり、硫酸少量で潤し450~500℃で強熱して灰化する。残留物に希酢酸2mLを加え、加温して溶かした後、水を加えて50mLとする。これを検液とし、試験を行う。比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以下)。

(4) ヒ素 本品0.50gに硝酸10mL及び硫酸5mLを加え、注意しながら加熱する。液が無色~微黄色にならないときは、冷後、時々硝酸2~3mLずつを追加し、液が無色~微黄色になるまで加熱する。冷後、飽和シュウ酸アンモニウム溶液15mLを加え、白煙が発生するまで加熱する。冷後、水を加えて20mLとする。これを検液とし、装置Bを用いる方法により試験を行う(4ppm以下)。

乾燥減量 6.0%以下(1g、105℃、1時間)。

強熱残分 0.20%以下(1g)。

定量法 本品を乾燥し、その約0.1gを精密に量り、希エタノールに溶かして250mLとする。この液100mLに希エタノールを加えて100mLとする。この液につき、吸光度測定法により試験を行い、波長252nm付近の吸収極大の波長における吸光度Aを測定する。

グリチルリチン酸(C42H62O16)の量(mg)=(A/136)×25000

医薬品各条の【27】血圧降下薬1の条を削り、【39】鎮咳去痰薬12―②を次のように改める。

【39】 鎮咳去痰薬12―③

成分及び分量又は本質

 

日本薬局方

ヒベンズ酸チペピジン

0.075g

 

日本薬局方

グアイフェネシン

0.3g

 

 

局外規

塩酸プソイドエフェドリン

0.162g

 

 

日本薬局方

安息香酸ナトリウムカフェイン

0.3g

 

 

日本薬局方

キキョウ末

1.0g

 

 

日本薬局方

カンゾウ末

0.75g

 

賦形剤

日本薬局方

デンプン、乳糖又はこれらの混合物

適量

 

 

 

 

 

全量

4.5g

製造方法

以上をとり、散剤の製法により製する。ただし、分包散剤とする。

ヒベンズ酸チペピジンに替えて、ヒベンズ酸チペピジン10倍散を用いてもよい。

用法及び用量

1回量を次のとおりとし、1日3回、4時間以上の間隔をおいて適宜服用する。

大人(15歳以上) 1包1.5g、11歳以上15歳未満 大人の2/3、8歳以上11歳未満大人の1/2、5歳以上8歳未満大人の1/3、3歳以上5歳未満 大人の1/4

効能又は効果

せき、たん

貯蔵方法及び有効期限

遮光した密閉容器

規格及び試験方法

別記のとおり

備考

 

規格及び試験方法

性状 本品は淡灰褐色の粉末で、味は甘い。

確認試験

(1) 本品0.5gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別にヒベンズ酸チペピジン0.01gをメタノール5mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム・アセトン・強アンモニア水混液(45:5:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい。また、この薄層板に噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき、標準溶液から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは、黄赤色を呈する。

(2) 本品0.5gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別にグアイフェネシン0.03g、安息香酸0.015g及びカフェイン0.015gをそれぞれメタノール5mLに溶かし、標準溶液(1)、標準溶液(2)及び標準溶液(3)とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にエーテル・無水エタノール・氷酢酸混液(40:10:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た3個のスポットは、標準溶液(1)、標準溶液(2)及び標準溶液(3)から得たそれぞれのスポットと色調及びRf値が等しい。また、この薄層板に噴霧用p―ジメチルアミノベンズアルデヒド試液を均等に噴霧するとき、標準溶液(1)から得たスポット及びそれに対応する位置の試料溶液から得たスポットは、淡赤紫色を呈する。

(3) 本品1.5gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別に塩酸プソイドエフェドリン0.05gをメタノール5mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル・エタノール・強アンモニア水混液(15:5:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい。

(4) 本品1.5gにメタノール30mLを加え、水浴上で10分間加温し、冷後、ろ過する。ろ液を蒸発乾固し、残留物をメタノール2mLに溶かし、試料溶液とする。別にキキョウ末0.4gにメタノール10mLを加え、水浴上で10分間加温し、冷後、ろ過する。ろ液を蒸発乾固し、残留物をメタノール2mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム・メタノール・水混液(13:10:2)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これにバニリン・硫酸溶液を均等に噴霧し、110℃で10分間加熱するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た緑褐色のスポットと色調及びRf値が等しい。

[注] バニリン・硫酸溶液:バニリン0.5gにメタノール25mL及び希硫酸25mLを加える。

(5) 本品1gにメタノール5mLを加えて振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別にグリチルリチン酸5mgをメタノール5mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にn―ブタノール・水・氷酢酸混液(7:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい。

(2) 薬局製剤指針から削除することとした品目の製造販売承認を受けている薬局製造販売医薬品の製造販売業者に対しては、速やかに当該品目について昭和46年6月29日薬発第588号薬務局長通知に基づく承認整理届を提出させること。