○日本薬局方外医薬品規格第三部の一部改正について
(平成18年3月9日)
(薬食発第0309006号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)
日本薬局方外医薬品規格第三部については、平成13年12月25日医薬発第1411号厚生労働省医薬局長通知により定めたところであるが、今般、その一部を改正し、追加収載を行う溶出試験を、(別添)としてとりまとめたので、貴管下関係業者に対し周知方御配慮願いたい。
別添
リン酸ジヒドロコデイン10mg/g・dl―塩酸メチルエフェドリン20mg/g・マレイン酸クロルフェニラミン4mg/g散
Dihydrocodeine Phosphate 10mg/g,dl―Methylephedrine Hydrochloride 20mg/g and Chlorpheniramine Maleate 4mg/g Powder
溶出試験 本品約0.5gを精密に量り,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分75回転で試験を行う(ただし,試料は試験液に分散するように投入する).溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別に定量用リン酸ジヒドロコデイン(別途105℃で4時間乾燥し,その減量を測定しておく)約0.022gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとし,標準原液(1)とする.また,定量用dl―塩酸メチルエフェドリンを105℃で3時間乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かし,正確に50mLとし,標準原液(2)とする.また,マレイン酸クロルフェニラミン標準品を105℃で3時間乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとし,標準原液(3)とする.標準原液(1)5mL,標準原液(2)5mL及び標準原液(3)2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のジヒドロコデインのピーク面積ATa及びASa,dl―メチルエフェドリンのピーク面積ATb及びASb並びにクロルフェニラミンのピーク面積ATc及びAScを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
リン酸ジヒドロコデイン(C18H23NO3・H3PO4)の表示量に対する溶出率(%)=WSa/WT×ATa/ASa×1/Ca×45/2
dl―塩酸メチルエフェドリン(C11H17NO・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WSb/WT×ATb/ASb×1/Cb×45
マレイン酸クロルフェニラミン(C16H19ClN2・C4H4O4)の表示量に対する溶出率(%)=WSc/WT×ATc/ASc×1/Cc×9
WSa:乾燥物に換算した定量用リン酸ジヒドロコデインの量(mg)
WSb:定量用dl―塩酸メチルエフェドリンの量(mg)
WSc:マレイン酸クロルフェニラミン標準品の量(mg)
WT:リン酸ジヒドロコデイン・dl―塩酸メチルエフェドリン・マレイン酸クロルフェニラミン散の秤取量(g)
Ca:1g中のリン酸ジヒドロコデイン(C18H23NO3・H3PO4)の表示量(mg)
Cb:1g中のdl―塩酸メチルエフェドリン(C11H17NO・HCl)の表示量(mg)
Cc:1g中のマレイン酸クロルフェニラミン(C16H19ClN2・C4H4O4)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径4.6mm,長さ10cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:1―オクタンスルホン酸ナトリウムの薄めたリン酸(1→1000)溶液(3→1000)/アセトニトリル混液(2:1)
流量:dl―メチルエフェドリンの保持時間が約6分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ジヒドロコデイン,dl―メチルエフェドリン,クロルフェニラミンの順に溶出し,それぞれのピークは完全に分離する.また,ジヒドロコデイン,dl―メチルエフェドリン及びクロルフェニラミンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ジヒドロコデイン,dl―メチルエフェドリン及びクロルフェニラミンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である.
溶出規格
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表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
リン酸ジヒドロコデイン |
10mg/g |
15分 |
75%以上 |
dl―塩酸メチルエフェドリン |
20mg/g |
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80%以上 |
マレイン酸クロルフェニラミン |
4mg/g |
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75%以上 |
リン酸ジヒドロコデイン3mg・dl―塩酸メチルエフェドリン7mg・マレイン酸クロルフェニラミン1.5mg錠
Dihydrocodeine Phosphate 3mg,dl―Methylephedrine Hydrochloride 7mg and Chlorpheniramine Maleate 1.5mg Tablets
溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別に定量用リン酸ジヒドロコデイン(別途105℃で4時間乾燥し,その減量を測定しておく)約0.017gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとし,標準原液(1)とする.また,定量用dl―塩酸メチルエフェドリンを105℃で3時間乾燥し,その約0.019gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとし,標準原液(2)とする.また,マレイン酸クロルフェニラミン標準品を105℃で3時間乾燥し,その約0.017gを精密に量り,水に溶かし,正確に200mLとし,標準原液(3)とする.標準原液(1)2mL,標準原液(2)4mL及び標準原液(3)2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のジヒドロコデインのピーク面積ATa及びASa,dl―メチルエフェドリンのピーク面積ATb及びASb並びにクロルフェニラミンのピーク面積ATc及びAScを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
リン酸ジヒドロコデイン(C18H23NO3・H3PO4)の表示量に対する溶出率(%)=WSa×ATa/ASa×1/Ca×18
dl―塩酸メチルエフェドリン(C11H17NO・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WSb×ATb/ASb×1/Cb×36
マレイン酸クロルフェニラミン(C16H19ClN2・C4H4O4)の表示量に対する溶出率(%)=WSc×ATc/ASc×1/Cc×9
WSa:乾燥物に換算した定量用リン酸ジヒドロコデインの量(mg)
WSb:定量用dl―塩酸メチルエフェドリンの量(mg)
WSc:マレイン酸クロルフェニラミン標準品の量(mg)
Ca:1錠中のリン酸ジヒドロコデイン(C18H23NO3・H3PO4)の表示量(mg)
Cb:1錠中のdl―塩酸メチルエフェドリン(C11H17NO・HCl)の表示量(mg)
Cc:1錠中のマレイン酸クロルフェニラミン(C16H19ClN2・C4H4O4)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径4.6mm,長さ10cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:1―オクタンスルホン酸ナトリウムの薄めたリン酸(1→1000)溶液
(3→1000)/アセトニトリル混液(2:1)
流量:dl―メチルエフェドリンの保持時間が約6分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ジヒドロコデイン,dl―メチルエフェドリン,クロルフェニラミンの順に溶出し,それぞれのピークは完全に分離する.また,ジヒドロコデイン,dl―メチルエフェドリン及びクロルフェニラミンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ジヒドロコデイン,dl―メチルエフェドリン及びクロルフェニラミンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である.
溶出規格
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表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
リン酸ジヒドロコデイン |
3mg |
15分 |
75%以上 |
dl-塩酸メチルエフェドリン |
7mg |
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75%以上 |
マレイン酸クロルフェニラミン |
1.5mg |
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75%以上 |
塩酸リンコマイシンカプセル
Lincomycin Hydrochloride Capsules
溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法(ただし,シンカーを用いる)により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中に塩酸リンコマイシン約0.28mg(力価)を含む液となるように水を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別に塩酸リンコマイシン標準品約28mg(力価)に対応する量を精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液25μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のリンコマイシンのピーク面積AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
塩酸リンコマイシンの表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×900
WS:塩酸リンコマイシン標準品の量[mg(力価)]
C:1カプセル中の塩酸リンコマイシンの表示量[mg(力価)]
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:無水リン酸水素二ナトリウム1.420gを水に溶かし,1000mLとする.
この液にメタノール1000mLを加える.
流量:リンコマイシンの保持時間が約5分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液25μLにつき,上記の条件で操作するとき,リンコマイシンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液25μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リンコマイシンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
250mg(力価) |
30分 |
85%以上 |
トシル酸スルタミシリン細粒
Sultamicillin Tosilate Fine Granules
溶出試験 本品の表示量に従いトシル酸スルタミシリン約0.1g(力価)に対応する量を精密に量り,試験液にpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液900mLを用い,溶出試験法第2法(ただし,試料は試験液に分散するように投入する)により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にp―トルエンスルホン酸一水和物を硫酸を乾燥剤として18時間乾燥し,その約0.018gを精密に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確に25mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のp―トルエンスルホン酸のピーク面積AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
トシル酸スルタミシリンの表示量に対する溶出率(%)=WS/WT×AT/AS×1/C×180×3.126
WS:p―トルエンスルホン酸一水和物の量(mg)
WT:トシル酸スルタミシリン細粒の秤取量(g)
C:1g中のトシル酸スルタミシリンの表示量[mg(力価)]
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:222nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素カリウム13.6gを水に溶かして1000mLとした液に,水酸化カリウム試液を加えてpH5.5に調整する.この液950mLにアセトニトリル50mLを加える.
流量:p―トルエンスルホン酸の保持時間が約8分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,p―トルエンスルホン酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ4000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,p―トルエンスルホン酸のピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である.
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
100mg(力価)/g |
30分 |
85%以上 |
酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液,0.05mol/L,pH4.0 酢酸(100)3.0gに水を加えて1000mLとした液に,酢酸ナトリウム三水和物3.4gを水に溶かして500mLとした液を加え,pH4.0に調整する.
トシル酸スルタミシリン錠
Sultamicillin Tosilate Tablets
溶出試験 本品1個をとり,試験液にpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にトシル酸スルタミシリン約0.42mg(力価)を含む液となるようにpH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にp―トルエンスルホン酸一水和物を硫酸を乾燥剤として18時間乾燥し,その約0.027gを精密に量り,pH4.0の0.05mol/L酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液に溶かし,正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のp―トルエンスルホン酸のピーク面積AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
トシル酸スルタミシリンの表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×450×3.126
WS:p―トルエンスルホン酸一水和物の量(mg)
C:1錠中のトシル酸スルタミシリンの表示量[mg(力価)]
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:222nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:35℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素カリウム13.6gを水に溶かして1000mLとした液に,水酸化カリウム試液を加えてpH5.5に調整する.この液950mLにアセトニトリル50mLを加える.
流量:p―トルエンスルホン酸の保持時間が約8分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,p―トルエンスルホン酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ4000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,p―トルエンスルホン酸のピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である.
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
375mg(力価) |
15分 |
75%以上 |
酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液,0.05mol/L,pH4.0 酢酸(100)3.0gに水を加えて1000mLとした液に,酢酸ナトリウム三水和物3.4gを水に溶かして500mLとした液を加え,pH4.0に調整する.
パモ酸ピランテル錠
Pyrantel Pamoate Tablets
溶出試験 本品1個をとり,試験液に崩壊試験法の第1液900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にピランテル(C11H14N2S)約11μgを含む液となるように塩酸のメタノール溶液(9→1000)を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にパモ酸ピランテル標準品を105℃で2時間乾燥し,その約0.016gを精密に量り,N,N―ジメチルホルムアミド25mLに溶かした後,塩酸のメタノール溶液(9→1000)を加えて正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,塩酸のメタノール溶液(9→1000)を加えて正確に25mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,塩酸のメタノール溶液(9→1000)を対照とし,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長316nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ピランテル(C11H14N2S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×180×0.347
WS:パモ酸ピランテル標準品の量(mg)
C:1錠中のピランテル(C11H14N2S)の表示量(mg)
溶出規格
表示量* |
規定時間 |
溶出率 |
100mg |
60分 |
75%以上 |
*ピランテルとして
パモ酸ピランテル標準品 パモ酸ピランテル(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,パモ酸ピランテル(C11H14N2S・C23H16O6)99.0%以上を含むもの.
パモ酸ピランテルドライシロップ
Pyrantel Pamoate Dry Syrup
溶出試験 本品の表示量に従いピランテル(C11H14N2S)約0.1gに対応する量を精密に量り,試験液にポリソルベート80 0.1gに崩壊試験法の第1液を加えて1000mLとした液900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液2mLを正確に量り,塩酸のメタノール溶液(9→1000)を加えて正確に20mLとし,試料溶液とする.別にパモ酸ピランテル標準品を105℃で2時間乾燥し,その約0.016gを精密に量り,N,N―ジメチルホルムアミド25mLに溶かした後,塩酸のメタノール溶液(9→1000)を加えて正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,塩酸のメタノール溶液(9→1000)を加えて正確に25mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,塩酸のメタノール溶液(9→1000)を対照とし,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長316nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ピランテル(C11H14N2S)の表示量に対する溶出率(%)=WS/WT×AT/AS×1/C×1800×0.347
WS:パモ酸ピランテル標準品の量(mg)
WT:パモ酸ピランテルドライシロップの秤取量(g)
C:1g中のピランテル(C11H14N2S)の表示量(mg)
溶出規格
表示量* |
規定時間 |
溶出率 |
100mg/g |
60分 |
75%以上 |
*ピランテルとして
パモ酸ピランテル標準品 パモ酸ピランテル(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,パモ酸ピランテル(C11H14N2S・C23H16O6)99.0%以上を含むもの.
テプレノンカプセル
Teprenone Capsules
溶出試験 本品1個をとり,試験液にラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(1→20)900mLを用い,溶出試験法第2法(ただし,シンカーを用いる)により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にテプレノン(C23H38O)約56μgを含む液となるようにラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(1→20)を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にテプレノン標準品約0.028gを精密に量り,エタノール(99.5)に溶かし,正確に50mLとする.この液5mLを正確に量り,ラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(1→20)を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のテプレノンのモノシス体のピーク面積ATa及びASa並びにテプレノンのオールトランス体のピーク面積ATb及びASbを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
テプレノン(C23H38O)の表示量に対する溶出率(%)=WS×((ATa+ATb)/(ASa+ASb))×V′/V×1/C×180
WS:テプレノン標準品の量(mg)
C:1カプセル中のテプレノン(C23H38O)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:アセトニトリル/水混液(87:13)
流量:テプレノンのオールトランス体の保持時間が約8分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,テプレノンのモノシス体,テプレノンのオールトランス体の順に溶出し,その分離度は1.0以上である.
システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,テプレノンのモノシス体のピーク面積とテプレノンのオールトランス体のピーク面積の和の相対標準偏差は1.5%以下である.
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
50mg |
60分 |
70%以上 |
テプレノン標準品 C23H38O:330.55(9E,13E)―6,10,14,18―テトラメチル―5,9,13,17―ノナデカテトラエン―2―オンの幾何異性体混合物で,下記の規格に適合するもの.
性状 本品は無色~微黄色澄明の油状の液である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により試験を行うとき,波数1718cm-1,1442cm-1,1358cm-1及び1158cm-1付近に吸収を認める.
類縁物質
(1) 本品0.02gをヘキサン4mLに混和し,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,ヘキサンを加えて正確に20mLとする.この液1mLを正確に量り,ヘキサンを加えて正確に10mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液4μLずつを正確にとり,次の条件でガスクロマトグラフ法により試験を行う.それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のテプレノンのモノシス体及びテプレノンのオールトランス体以外のピークの合計面積は,標準溶液のテプレノンのモノシス体のピーク面積及びテプレノンのオールトランス体のピーク面積の和より大きくない.
試験条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径4mm,長さ2mのガラス管にガスクロマトグラフ用ポリエチレングリコール2―ニトロテレフタレートを149~177μmのガスクロマトグラフ用ケイソウ土に5%の割合で被覆したものを充てんする.
カラム温度:210℃付近の一定温度
キャリヤーガス:窒素又はヘリウム
流量:テプレノンのオールトランス体の保持時間が約19分になるように調整する.
面積測定範囲:溶媒のピークの後からテプレノンのオールトランス体の保持時間の約2倍の範囲
システム適合性
検出の確認:標準溶液2mLを正確に量り,ヘキサンを加えて正確に10mLとする.この液4μLから得たテプレノンのモノシス体のピーク面積及びテプレノンのオールトランス体のピーク面積の和が,標準溶液のテプレノンのモノシス体のピーク面積及びテプレノンのオールトランス体のピーク面積の和の15~25%になることを確認する.
システムの性能:試料溶液1mLにヘキサン1mLを加えた液1μLにつき,上記の条件で操作するとき,テプレノンのモノシス体,テプレノンのオールトランス体の順に流出し,その分離度は1.1以上である.
システムの再現性:標準溶液4μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,テプレノンのモノシス体のピーク面積及びテプレノンのオールトランス体のピーク面積の和の相対標準偏差は3.0%以下である.
(2) 本品0.01gを酢酸エチル2mLに混和し,試料溶液とする.この液1mLを正確に量り,酢酸エチルを加えて正確に20mLとする.この液1mLを正確に量り,酢酸エチルを加えて正確に10mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う.試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にヘキサン/イソプロピルエーテル混液(7:3)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これにリンモリブデン酸n水和物の酢酸(100)溶液(1→20)を噴霧した後,90℃で20分間加熱するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは2個以下で,標準溶液から得たスポットより濃くない.
含量 99.0%以上. 定量法 本品約0.7gを精密に量り,ヒドロキシルアミン試液25mLを正確に加えて溶かし,還流冷却器をつけて30分間煮沸した後,直ちに氷冷する.冷後,過量のヒドロキシルアミンを0.5mol/L塩酸で滴定する(指示薬:ブロモフェノールブルー試液10滴).ただし,滴定の終点は液の紫色が黄緑色に変わるときとする.同様の方法で空試験を行う.
0.5mol/L塩酸1mL=165.28mg C23H38O
ポリエチレングリコール2―ニトロテレフタレート,ガスクロマトグラフ用 ガスクロマトグラフ用に製造したもの.
リン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液,pH6.8 0.05mol/Lリン酸水素二ナトリウム試液1000mLに,クエン酸一水和物5.25gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.8に調整する.
サラゾスルファピリジン腸溶錠
Salazosulfapyridine Enteric―coated Tablets
溶出試験
[pH1.2] 本品1個をとり,試験液に崩壊試験法の第1液900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にサラゾスルファピリジン(C18H14N4O5S)約11μgを含む液となるように希水酸化ナトリウム試液を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にサラゾスルファピリジン標準品を105℃で4時間乾燥し,その約0.022gを精密に量り,希水酸化ナトリウム試液/崩壊試験法の第1液混液(V′-V:V)に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,希水酸化ナトリウム試液/崩壊試験法の第1液混液(V′-V:V)を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長460nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
サラゾスルファピリジン(C18H14N4O5S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×45
WS:サラゾスルファピリジン標準品の量(mg)
C:1錠中のサラゾスルファピリジン(C18H14N4O5S)の表示量(mg)
[pH6.8] 本品1個をとり,試験液に薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にサラゾスルファピリジン(C18H14N4O5S)約11μgを含む液となるように薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にサラゾスルファピリジン標準品を105℃で4時間乾燥し,その約0.022gを精密に量り,薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長360nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
サラゾスルファピリジン(C18H14N4O5S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×45
WS:サラゾスルファピリジン標準品の量(mg)
C:1錠中のサラゾスルファピリジン(C18H14N4O5S)の表示量(mg)
溶出規格
表示量 |
pH |
規定時間 |
溶出率 |
250mg |
1.2 |
120分 |
5%以下 |
6.8 |
90分 |
85%以上 |
|
500mg |
1.2 |
120分 |
5%以下 |
6.8 |
90分 |
70%以上 |
サラゾスルファピリジン標準品 サラゾスルファピリジン(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,サラゾスルファピリジン(C18H14N4O5S)99.0%以上を含むもの.
オキシメテバノール錠
Oximetebanol Tablets
溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にオキシメテバノール(C19H27NO4)約1.1μgを含む液となるように移動相を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にオキシメテバノール標準品(別途105℃で3時間乾燥し,その減量を測定しておく)約0.022gを精密に量り,移動相を加えて正確に200mLとする.この液2mLを正確に量り,移動相を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のオキシメテバノールのピーク面積AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
オキシメテバノール(C19H27NO4)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×9/2
WS:乾燥物に換算したオキシメテバノール標準品の量(mg)
C:1錠中のオキシメテバノール(C19H27NO4)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:ラウリル硫酸ナトリウム1.0gを薄めたリン酸(1→1000)500mLに溶かした後,水酸化ナトリウム試液を加え,pH3.0に調整する.この液240mLにテトラヒドロフラン70mLを加える.
流量:オキシメテバノールの保持時間が約10分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,オキシメテバノールのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.
システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,オキシメテバノールのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
2mg |
15分 |
80%以上 |
オキシメテバノール標準品 「オキシメテバノール」.ただし,定量するとき,換算した乾燥物に対し,オキシメテバノール(C19H27NO4)99.0%以上を含むもの.
ヨウ化カリウム丸
Potassium Iodide Pills
溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にヨウ化カリウム(KI)約56μgを含む液となるように水を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別に定量用ヨウ化カリウムを105℃で4時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液10mLを正確に量り,水を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のヨウ化物イオンのピーク面積AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
ヨウ化カリウム(KI)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×180
WS:定量用ヨウ化カリウムの量(mg)
C:1丸中のヨウ化カリウム(KI)の表示量(mg)
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:225nm)
カラム:内径4.6mm、長さ5cmのプラスチック管に10μmの液体クロマトグラフ用強塩基性イオン交換樹脂を充てんする.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:グルコン酸カリウム0.30g,四ホウ酸ナトリウム十水和物0.50g,ホウ酸1.80gを水900mLに溶かし,アセトニトリル100mL,グリセリン5mLを加える.
流量:ヨウ化物イオンの保持時間が約15分になるように調整する。
システム適合性
システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヨウ化物イオンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ800段以上,1.5以下である。
システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ヨウ化物イオンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である.
溶出規格
表示量 |
規定時間 |
溶出率 |
50mg |
90分 |
80%以上 |
強塩基性イオン交換樹脂,液体クロマトグラフ用 液体クロマトグラフ用に製造したもの.
グルコン酸カリウム 「グルコン酸カリウム」.
オメプラゾール腸溶錠
Omeprazole Enteric―coated Tablets
溶出試験
[pH1.2] 本品1個をとり,試験液に崩壊試験法の第1液900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にオメプラゾール(C17H19N3O3S)約22μgを含む液となるように崩壊試験法の第1液を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にオメプラゾール標準品約0.022gを精密に量り,エタノール(95)に溶かし,正確に50mLとする.この液5mLを正確に量り,崩壊試験法の第1液を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,崩壊試験法の第1液を対照とし,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長323nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
オメプラゾール(C17H19N3O3S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×90
WS:オメプラゾール標準品の量(mg)
C:1錠中のオメプラゾール(C17H19N3O3S)の表示量(mg)
[pH6.8] 本品1個をとり,試験液に薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にオメプラゾール(C17H19N3O3S)約22μgを含む液となるように薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にオメプラゾール標準品約0.022gを精密に量り,エタノール(95)に溶かし,正確に50mLとする.この液5mLを正確に量り,薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,薄めたpH6.8のリン酸塩緩衝液(1→2)を対照とし,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長293nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
オメプラゾール(C17H19N3O3S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×90
WS:オメプラゾール標準品の量(mg)
C:1錠中のオメプラゾール(C17H19N3O3S)の表示量(mg)
溶出規格
表示量 |
pH |
規定時間 |
溶出率 |
20mg |
1.2 |
120分 |
5%以下 |
6.8 |
15分 |
85%以上 |
オメプラゾール標準品 C17H19N3O3S:345.42 (±)―5―メトキシ―2―{[(4―メトキシ―3,5―ジメチル―2―ピリジル)メチル]スルフィニル}ベンズイミダゾールで,下記の規格に適合するもの.必要な場合には次に示す方法により精製する.
精製法 オメプラゾール84gにメタノール/アンモニア水(28)混液(100:1)380mL及びジクロロメタン160mLを加え,30℃に加温し,かき混ぜながら溶かした後,活性炭を加えて15分間かき混ぜ,ろ過する.ろ液を減圧で約390gとなるまで濃縮し,メタノール/アンモニア水(28)混液(100:1)120mLを加え,室温で5分間かき混ぜた後,約5℃に冷却し,更に3時間かき混ぜる.析出した結晶をろ取し,約5℃に冷却したメタノール/アンモニア水(28)混液(100:1)84mLで洗う.結晶は室温で24時間風乾した後,シリカゲルを乾燥剤として4時間減圧乾燥する.
性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である.
確認試験
(1) 本品のエタノール(95)溶液(1→1000)1mLにpH7.4のリン酸塩緩衝液を加えて50mLとした液につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長273~277nm及び299~303nmに吸収の極大を示す.
(2) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数1626cm-1,1407cm-1,1204cm-1,1015cm-1及び809cm-1付近に吸収を認める.
類縁物質 本操作は試料溶液調製後,速やかに試験を行う.本品0.05gを移動相50mLに溶かし,試料溶液とする.この液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う.試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し,面積百分率法によりそれらの量を求めるとき,オメプラゾール以外のピークの合計量は,0.20%以下である.
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280nm)
カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:リン酸水素二ナトリウム十二水和物2.83g及びリン酸二水素ナトリウム二水和物0.21gを水に溶かして1000mLとした液に,薄めたリン酸(1→100)を加えてpH7.6に調整する.この液290mLにアセトニトリル110mLを加える.
流量:オメプラゾールの保持時間が約8分になるように調整する.
面積測定範囲:オメプラゾールの保持時間の約10倍の範囲
システム適合性
検出の確認:試料溶液1mLに移動相を加えて100mLとし,システム適合性試験用溶液とする.システム適合性試験用溶液10mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとする.この液10μLから得たオメプラゾールのピーク面積が,システム適合性試験用溶液10μLから得たオメプラゾールのピーク面積の5~15%になることを確認する.
システムの性能:本品0.01g及び1,2―ジニトロベンゼン0.025gに四ホウ酸ナトリウム十水和物溶液(19→5000)5mLを加え,更にエタノール(95)を加えて100mLとする.この液5μLにつき,上記の条件で操作するとき,オメプラゾール,1,2―ジニトロベンゼンの順に溶出し,その分離度は10以上である.
システムの再現性:システム適合性試験用溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,オメプラゾールのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.
乾燥減量 0.20%以下(1g,減圧,酸化リン(V),50℃,2時間).
含量 99.0%以上. 定量法 本品約0.4gを精密に量り,N,N―ジメチルホルムアミド70mLに溶かし,0.1mol/Lテトラメチルアンモニウムヒドロキシド液で滴定する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/Lテトラメチルアンモニウムヒドロキシド液1mL=34.542mg(C17H19N3O3S)
1,2―ジニトロベンゼン C6H4(NO2)2帯黄白色~帯褐黄色の結晶又は結晶性の粉末である.
確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法のペースト法により測定するとき,波数3100cm-1,1585cm-1,1526cm-1,1352cm-1及び793cm-1付近に吸収を認める.
融点 116~119℃
塩酸ペンタゾシン錠
Pentazocine Hydrochloride Tablets
溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中に塩酸ペンタゾシン(C19H27NO・HCl)約31μgを含む液となるように水を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別に塩酸ペンタゾシン標準品を酸化リン(V)を乾燥剤として100℃で5時間減圧乾燥し,その約0.016gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に25mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長278nmにおける吸光度AT及びASを測定する.
本品が溶出規格を満たすときは適合とする.
塩酸ペンタゾシン(C19H27NO・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×AT/AS×V′/V×1/C×180
WS:塩酸ペンタゾシン標準品の量(mg)
C:1錠中の塩酸ペンタゾシン(C19H27NO・HCl)の表示量(mg)
溶出規格