○指定医療機関指導監査要綱等について
(平成17年8月2日)
(障精発0802010号)
(各地方厚生局健康福祉部長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課長通知)
本日、指定医療機関指導監査要綱を別添1のとおり定め、指導監査の事務処理要領を別添2のとおり定めたので、関係制度の円滑な実施について遺憾なきを期されたい。
別添1
指定医療機関指導監査要綱
第一 目的
この指導監査要綱は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号。以下「法」という。)第85条第1項及び第97条第1項の規定に基づき、指定医療機関に対する指導監査の基本的事項を定めることにより、もって、指定医療機関における精神科医療の質的向上や診療及び診療報酬請求の適正化を図ることを目的とする。
第二 指導監査方法等
1 指導監査の対象
(1) 法第85条第1項の規定により対象となる指定医療機関
法第2条第5項の指定入院医療機関及び同条第6項の指定通院医療機関
(2) 法第第97条第1項の規定により対象となる指定医療機関
法第2条第5項の指定入院医療機関
2 指導監査は、「一般指導監査」及び「特別指導監査」とする。
(1) 一般指導監査
ア 指定入院医療機関については、原則として年1回は、実地により行うものとする。
イ 指定通院医療機関については、原則として5年に1回は、実地により行うものとする。
(2) 特別指導監査
特別指導監査は、次のいずれかに該当する場合に随時行うものとする。
ア 診療内容及び診療報酬の不正又は著しく不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。
イ 法第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号の決定により入院している者(以下「入院対象者」という。)の病状に照らして、明らかに入院による医療が必要ないにもかかわらず、指定入院医療機関の管理者が裁判所に対して法第49条第1項の退院の許可の申立てを行わない場合。
ウ 入院対象者への処遇に法令等に違反していると疑うに足りる理由があるとき。
エ 度重なる一般指導監査によっても是正の改善がみられないとき。
オ 正当な理由がなく、一般指導監査を拒否したとき。
3 指導監査の実施等
(1) 事前準備
指導監査に必要な資料は、指定医療機関にあらかじめ準備させることとし、事務の効率性の観点から事前に資料提出の協力を求めるものとする。
なお、資料を提出させるに当たっては、指導監査の必要性に鑑み過重なものとならないよう配慮し必要なものに限ること。
(2) 法第85条第1項による指導監査に係る事前調査
指導監査の実施に当たっては、実施する前に診療報酬明細書(調剤報酬明細書を含む。)による書面審査を行うとともに、必要と認められる場合には、入院対象者等指定医療機関において医療を受けている者に対する実地調査を行う。
(3) 実施通知
実施の時期が確定したときは指導監査の対象となった指定医療機関に対し、次に掲げる事項を文書により通知する。
ア 指導監査の根拠規定
イ 指導監査の日時及び場所
ウ 指導監査を担当する者(以下「指導監査担当者」という。)
エ 出席者
オ 準備すべき書類等
(4) 指導監査の実施体制
指導監査は、原則として地方厚生局の職員が行い、精神保健指定医を同行させることとする。また、必要に応じて厚生労働本省の職員と共同で実施する。
(5) 指導監査の実施方法
ア 指定入院医療機関については、原則として精神保健指定医が入院対象者に対して診察を行うものとする。
イ 入院対象者の行動制限等に関する聞き取り調査については、指定入院医療機関の職員に対するものだけでなく、入院対象者に対しても適宜行うようにする。
ウ 指導監査を行うに当たっては、医療監視や精神病院に対する指導監査と併せて行うなど、連携を十分に図ること。
(6) 出席者
指導監査対象となる指定医療機関の開設者及び管理者の出席を求めるほか、必要に応じて医師、薬剤師、看護師、診療報酬請求事務担当者その他関係者の出席を求める。
(7) 関係団体への立会いの依頼等
指導監査の方法等について事前に関係団体と調整し、指導監査の実施時には立会いの協力を求めるものとする。
4 指導監査実施上の留意事項
(1) 指導監査は、公正かつ懇切丁寧な態度で実施し、努めて関係者の理解と自発的協力が得られるよう配意すること。
(2) 指導監査の過程においては、直接の担当者からの事情聴取のみに終始することなく、責任者を中心に進めるようにし、相互信頼を基礎として十分意見の交換を行い、一方的判断を押しつけることのないよう留意すること。
(3) 指導監査の結果、問題点を認めたときは、できる限りその発生の原因の究明を行うよう努めること。
5 指導監査項目について
別添2「指導監査の事務処理要領」に基づき、次の事項について指導監査を行うこと。
(1) 指定医療機関の人員、設備等に関する基準について
(2) 処遇について
(3) 医療の提供について
(4) 診療録等について
(5) その他
第三 指導監査後の措置
1 講評及び指示
指導監査終了後、出席者に対して講評及び必要な助言又は指示を行うこと。
2 指導監査調書の作成
指導監査終了後、指導監査調書を作成すること。
3 指導監査結果の通知
指導監査結果の指示は、具体的に改善を要すると認められた事項について、速やかに文書により通知を行うものとする。
4 改善報告書の提出
(1) 文書で指摘した事項については、改善報告書の提出を求めるものとし、必要に応じて職員を派遣し、その実行を確認すること。
5 行政上の措置
(1) 法第97条第1項の規定に基づく指導監査結果の改善通知の事項について、改善の措置が講じられない場合は、個々の内容に応じ、法第98条の規定により改善命令等所要の措置を講ずるものとする。
(2) 法第85条第1項の規定に基づく指導監査結果により、診療内容及び診療報酬請求に不当又は不正のあった場合には、不当又は不正のあった部分に係る医療費の全部又は一部について返還させるものとする。
なお、当該部分の支払いが未だ行われていない場合には、社会保険診療報酬支払基金に速やかに通知し、支払いを停止すること。
さらに、診療内容及び診療報酬請求に不当又は不正があり、指定医療機関として不適当と認められるものについては、法第18条の規定に基づき指定の取消しを行うものとすること。
(3) 実地指導を行った際には、その都度別紙1の報告書を作成すること。また、別紙2及び3により4月1日から翌年3月31日までを一括して取りまとめ、同年4月末日までに厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課長まで報告すること。
ただし、法律上適正を欠く等の疑いが発見された場合には、速やかに連絡するとともに、別紙1による報告書についても早急に提出すること。
第四 その他
厚生労働省及び地方厚生局が共同して行う指導監査に当たり、必要があると認められる場合には、厚生労働省の顧問医師団を構成する医療技術参与を派遣するものとする。
別添2
指定監査の事務処理要領
1 指定医療機関の人員、設備等に関する基準
(1) 指定入院医療機関の基準について
ア 医療法(昭和23年法律第205号)第21条及び第23条第1項の基準を満たしているか。ただし、当該指定入院医療機関における精神障害を有する者に対する医療及び保護の体制、当該指定入院医療機関の管理運営の状況、当該指定入院医療機関の地域における役割等を勘案し指定入院医療機関として指定することが適当であると認められた指定入院医療機関についてはこの限りでないこと。
イ 指定入院医療機関の専ら入院対象者に医療を実施するための病棟(以下「専門病棟」という。)に常勤の精神保健指定医が1名以上配置されており、かつ、当該専門病棟を有する指定入院医療機関に常勤の精神保健指定医が2名以上配置されているか。
ウ 医療法施行規則(昭和23年厚生労働省令第50号)第19条第1項第3号に定める薬剤師の員数以上の員数が配置されているか。
エ 専門病棟における医師の数は、当該病棟に法第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号の決定を受け現に入院している者(以下「入院対象者」という。)の数が8又はその端数を増すごとに1以上であり、かつ、当該専門病棟に勤務する医師の過半数は常勤の医師であるか。
オ 専門病棟における常勤の看護師の数は、4に、当該専門病棟の入院対象者の数に1.3を乗じた数を加えた数以上であるか。
カ 専門病棟における常勤の作業療法士、精神保健福祉士並びに心理学に関する専門的知識及び技術により、心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う能力を有すると認められる者(以下「臨床心理技術者」という。)の数の合計は、1に当該専門病棟の入院対象者の数が5又はその端数を増すごとに1を加えた数以上であるか。
キ 専門病棟に係る病床は全て個室で、床面積は10平方メートル以上あるか。
ク 2カ所以上の診察室を有しているか。
ケ 酸素吸入装置・吸引装置等を有する処置室を有しているか。
コ 床面積10平方メートル以上の保護室を有しているか。
サ 集団精神療法室、作業療法室を有しているか。
シ 入院対象者が使用できる談話室、食堂、面会室、浴室及び公衆電話を設置しているか。
ス 当該指定入院医療機関には、医療の質を確保するため、「新病棟外部評価会議」、「新病棟運営会議」、「新病棟倫理会議」、「新病棟治療評価会議」及び「地域連絡会議」が設置され、定期的に開催されているか。
セ 緊急時に対応するため、「事故・火災発生対応マニュアル」及び「無断退去等対応マニュアル」が整備されているか。
ソ 無断退去を防止するため、玄関の二重構造等安全管理体制が整備されているか。
(2) 指定通院医療機関の基準について
ア 指定通院医療機関に通院対象者通院医学管理を担当する常勤の精神保健指定医が1名以上配置されているか。
イ 当該医療機関に、作業療法士、精神保健福祉士又は臨床心理技術者が1名以上配置されているか。
ウ 当該医療機関には、医療の質を確保するため「多職種チーム会議」が設置され、定期的に開催されているか。
エ 保護観察所が設置する「ケア会議」に参加しているか。また、処遇の実施計画に協力するなど緊密な連携体制が整備されているか。
オ 患者の病状急変等により、患者又はその看護に当たっている者から電話等によって治療上の意見を求められた場合に常時対応できる体制があるか。
カ 当該医療機関は、医療観察精神科デイ・ケア及び医療観察精神科訪問看護・指導を実施できる体制を整えているか若しくはそのような他の指定通院医療機関と連携をとっているか。また、通院対象者の急性増悪等による入院における診療に対処するため、当該医療機関の1つの精神病棟における常勤の看護師若しくは准看護師の数が、当該病棟の入院患者の数の3若しくはその端数を増すごとに1以上であり、かつ、当該病棟の看護師の割合が4割以上であるか、又は前述と同等の機能を有する医療機関との連携体制を有しているか。ただし、当該医療機関における精神障害を有する者に対する医療及び保護の体制、当該医療機関の管理運営の状況、当該医療機関の地域における役割等を勘案し指定通院医療機関として指定することが適当であると認められた医療機関については、この限りではないこと。
2 処遇について
(1) 入院対象者の通信面会の制限について
ア 医療機関の管理者が信書の発受の制限を行っていないか。(刃物・薬物等の異物が同封されていると判断される場合を除く。)
イ 医療機関の管理者が、付添人、都道府県、市町村及び保護観察所等の職員との電話制限及び面会制限を行っていないか。
ウ 入院対象者に対して、通信・面会は基本的に自由であることを文書又は口頭により伝えているか。
エ 入院対象者の医療の必要性を慎重に判断することなく、通信・面会の制限を行っていないか。
オ 電話・面会制限を行った場合、その事実及び理由を診療録に記載するとともに、入院対象者、付添人及び保護者に知らせているか。
カ 電話機は入院対象者が自由に使える場所に設置されているか。
キ 当該指定入院医療機関の所在地を管轄する保護観察所、裁判所、法務局又は地方法務局及び地方厚生局の電話番号を入院対象者の見やすいところに掲示してあるか。
ク 入院後、入院対象者の症状に応じてできる限り早期に入院対象者に面会の機会を与えているか。
ケ 面会について、入院対象者若しくは面会者の希望のある場合又は医療のため特に必要がある場合を除いて、医療機関の職員の立会いを条件に行っているようなことはないか。
(2) 入院対象者の隔離について
ア 入院対象者の隔離は、当該入院対象者の症状からみて、その医療を実施する上でやむを得ずなされるものであり、次の場合以外に行っていないか。
(ア) 他の入院対象者との人間関係を著しく損なう場合。
(イ) 自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合。
(ウ) 他害行為や迷惑行為、器物破損行為の危険性が著しい場合。
(エ) 不穏・多動・爆発性等が目立ち、一般個室では治療できない場合。
(オ) 身体合併症治療の検査及び処置等のために隔離が必要な場合。
(カ) 入院対象者本人の意思による入室である旨の書面を得て、閉鎖的環境の部屋に入室させている場合。
イ 入院対象者の12時間以上の隔離を行う場合には、精神保健指定医の診察に基づいているものか。
ウ 12時間を超えない隔離については、医師の判断に基づくものか。
エ 隔離を行った場合には、入院対象者にその理由を告知するとともに、告知した旨を、診療録に記載することにより確認することができるようにされているか。
オ 隔離を行った事実及びその理由並びに開始・終了日時を診療録に記載しているか。
カ 隔離が複数日に及ぶ場合、1日1回は医師による診察が行われているか。
キ 保護室に2名以上の入院対象者を入院させていないか。
ク 隔離を行っている間も、洗面、入浴、清掃等入院対象者及び部屋の衛生が確保されているか。
ケ 保護室を医療の目的外に使用していないか。
コ 機械的に期間を設定する等、必要以上に入院対象者を保護室に隔離させているようなことはないか。
(3) 入院対象者の身体拘束について
ア 入院対象者の身体拘束は、当該入院対象者の生命の保護及び重大な身体損傷を防ぐことに重点を置いた行動の制限であり、次の場合以外行っていないか。
(ア) 自殺又は自傷の危険性が高い場合。
(イ) 多動・不穏が顕著である場合。
(ウ) そのまま放置すれば入院対象者の生命にまで危険が及ぶおそれがある場合。
イ 入院対象者の身体拘束は精神保健指定医の診察に基づいているか。
ウ 身体拘束を行った場合、入院対象者にその理由を告知するとともに、告知した旨を、診療録に記載することにより確認することができるようにされているか。
エ 身体拘束を行った事実及びその理由並びに開始・終了日時を診療録に記載しているか。
オ 身体拘束を行った入院対象者について、頻回に医師による診察が行われているか。
(4) その他の処遇について
ア 入院対象者に対し、暴行を加えて人権を侵害している等の事実はないか。
イ 回復期及び社会復帰期にある入院対象者については、原則として本人が金銭の管理を行っているか。急性期にある入院対象者については、必要な場合に限り、保護者等の同意を得て、当該指定入院医療機関が預り金として管理しているか。
ウ 実費徴収の取扱いについては、「保険医医療機関等において患者から求めることができる実費について」(平成12年11月10日保険発第186号)に準じた取扱いとしているか。
エ 将来発生することが予想される債権(実費徴収等)を適正に管理するため、当該指定入院医療機関が金銭を管理する預り金については、入院対象者(急性期の場合には保護者等)への十分な情報提供と同意の下、内容、金額、精算方法等が提示できるようにしてあるか。
オ 預り金は、原則として個人毎に口座を設けて管理し、収支状況についても個人毎に整理、把握され、入院対象者や保護者等から要請があった場合は、速やかに提示できるようにしてあるか。
カ 預り金の管理にかかる費用については、必要最低限の実費として積算した経費に限って徴収しているか。徴収する場合には、預り金に関する契約を締結し、約定書として保存しているか。
3 医療の提供について
(指定入院医療機関)
(1) 全入院対象者に共通的な治療指針を新病棟運営会議において策定し、新病棟外部評価会議で適宜評価を受けているか。
(2) 入院対象者の症状が重篤であり治療の開始を遅らせることにより当該入院対象者の心身に著しい不利益を来すおそれが高いと判断する際の評価基準を新病棟運営会議であらかじめ設けており、本基準に基づき緊急的な治療を行った事例を集積し、定期的に見直しを行っているか。
(3) 新病棟治療評価会議の多職種チームにより入院対象者毎に個別の治療計画を作成し、各職種が連携を図りながら医療を提供しているか。
(4) 入院対象者の治療段階(「急性期」、「回復期」、「社会復帰期」)の各評価は、多職種チームによる新病棟治療評価会議において行われているか。
(5) 当該評価結果に基づいて当該指定入院医療機関の管理者は、入院対象者の治療段階(「急性期」、「回復期」、「社会復帰期」)の移行決定を行っているか。また、当該管理者の移行の決定は、診療録その他諸記録に照らして妥当・適切か。
(6) 入院処遇ガイドラインに沿った急性期医療、回復期医療及び社会復帰期医療が適切に提供されているか。
(7) 多職種チームにおいて入院対象者の院内散歩、院外外出及び外泊の計画が作成されているか。
(8) 入院対象者の院内散歩、院外外出及び外泊の実施に当たっては多職種チームによる協議及び精神保健指定医の診察を経て、当該指定入院医療機関の管理者の責任により行われているか。
(9) 当該指定入院医療機関の管理者は、当該指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医の診察に基づき、入院による医療を行う必要性を認めることができなくなった場合、速やかに法第49条第1項の退院の許可の申立てを行っているか。
(10) 当該指定入院医療機関の管理者は、当該指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医の診察に基づき、入院による医療の必要性が認められる場合には、前の決定から6か月が経過する以前に、法第49条第2項の入院継続の確認の申立てを行っているか。
(11) 他の指定入院医療機関への転院については、指定入院医療機関運営ガイドラインの要件を満たしているか。
(12) 合併症治療のための他医療機関への一時的な入院については、入院対象者の医療上の必要に基づき、当該指定入院医療機関の管理者の責任により行われているか。
(13) 当該指定入院医療機関で行われる医療行為について治療者は十分な説明を行い、入院対象者の理解による同意を得られるように努めているか。
(14) 入院対象者に対して治療方針等に関する説明を尽くした上でなお当該入院対象者の同意が得られない場合、代替となる治療行為の可能性について当該入院対象者とよく相談し、また多職種チームにより入院対象者の治療意欲を引き出す取組みを行っているか。
(15) 十分な期間をかけて入院対象者の治療意欲を引き出す取組みを行ったにもかかわらず治療の同意が得られない場合、当該入院対象者の同意を得ずに治療行為を開始することについて、事前に新病棟倫理会議において決議を行っているか。
(16) 同意によらない治療行為を行っている間も、常に治療行為に関する説明を行い、同意を得られるような取組みを継続しているか。
(17) 同意によらない治療を継続している入院対象者に関しては、各回の新病棟倫理会議において報告を行い、その必要性について評価を受けているか。
(18) 別途定められている緊急性評価の基準に基づき、入院対象者の症状が重篤であり治療の開始を遅らせることにより当該入院対象者の心身に著しい不利益を来すおそれが高いと判断され、緊急的に同意によらない治療行為を行う場合、事後開催される新病棟倫理会議において当該判断及び治療行為の内容について報告し評価を受けているか。
(指定通院医療機関)
(1) 多職種チームにより通院対象者毎に個別の治療計画を作成し、各職種が連携を図りながら医療を提供しているか。
(2) 通院対象者の治療段階(「前期通院」、「中期通院」、「後期通院」)の各評価は、多職種チーム会議において行われているか。
(3) 通院処遇ガイドラインに沿った前期通院医療、中期通院医療、後期通院医療が適切に提供されているか。
(4) 当該指定通院医療機関の管理者は、通院処遇ガイドラインに従い「処遇の終了」、「通院期間の延長」及び「(再)入院」の意見書を作成し、保護観察所の長に提出しているか。
(5) 転居等による指定通院医療機関の変更については、指定通院医療機関運営ガイドラインの要件を満たしているか。
(6) 当該指定通院医療機関の管理者は、指定通院医療機関運営ガイドラインに従い通院対象者の長期旅行への対応について必要な情報提供を保護観察所に行っているか。
(7) 急性増悪包括管理料を算定した月にあっては、集中的な医学管理が行われているか(なお、急性増悪包括管理料が頻回(概ね年に2回以上)に算定されている場合は、別途監査を行うなどして、適正化に努めること)。
(8) 通院対象者社会復帰体制強化加算の届出をしている場合には、当該施設基準を満たしているか。
(診療報酬関係)
(1) 診療内容について以下の不正が行われていないか。
ア 診断名(誤診の場合を除く。)に基づく診療とは異なる不実の診療行為をなすこと。(例えば、診断名とは異なる検査、処置、投薬等を行うこと。)
イ 違法の診療行為をなすこと。(例えば、法に基づく診療報酬及び健康保険・老人保健に基づく診療報酬において認められていない特殊療法又は新療法が行われ、これが別の名称で請求されていないこと。)
ウ 診療録に必要な事項を記載しないこと及び実際の診療行為と異なるものを記載すること。
(2) 診療内容について以下の不当な行為が行われていないか。
ア 実質的に妥当を欠く診療行為をなすこと。(例えば、診療方針又は医学通念にてらして、必要の限度を超え、又は適切若しくは合理的でない診療を行うこと。即ち、濃厚診療、過剰診療、過小診療等を行うこと。)
イ 診療録の記載が乱雑であったり、不明確であること。
(3) 診療報酬の請求について以下の不正が行われていないか。
不実の請求をすること。(例えば、診療の事実がないのに請求すること。)
4 診療録等について
(1) 適切に作成された診療録が適切に管理、保存されているか。
(2) 入院処遇ガイドラインによる「入院時基本情報管理シート、新病棟治療評価会議シート、新病棟運営会議シート、入院継続情報管理シート又は退院前情報管理シート」並びに通院処遇ガイドラインによる「対象者の通院開始時に整備すべき情報、指定通院医療機関における多職種チーム会議において整備すべき情報」が適正に整理保管されているか。
(3) 診療録の開示に当たっては、「診療情報の提供等に関する指針」(平成15年9月12日付け厚生労働省医政局長通知)に基づいて適切に行われているか。
5 その他
心神喪失者等医療観察法指定入院医療機関運営負担金が交付の目的どおり適切に使用されているか。
別紙1
別紙2
別紙3