本品約1gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に20mLとし、メンブランフィルター(0.45μm)でろ過し、検液とする。別にD―キシロース(注2)、ブドウ糖(注3)を乾燥し、1.00gを正確に量り、水を加えて溶かし、正確にそれぞれ100mLとし、標準液とする。また、キシロビオース(注4)を乾燥し、0.50gを正確に量り、水を加えて溶かし、正確に50mLとし、標準液とする。検液及び標準液それぞれ10μLずつを量り、それぞれの液につき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、それぞれのピーク面積を測定する。D―キシロース、ブドウ糖、キシロビオース標準液の面積比をあらかじめ求めておき、ファクターとする。以後このうちのどれかを基準物質として分析し、あらかじめ求めておいたファクターを乗じる。検液中の各糖濃度(%)を(検液のクロマトグラフィーにおける各糖のピーク面積)/(各糖の標準液のクロマトグラフィーにおける面積)で求める。相対保持時間が、キシロビオースより短い糖はキシロビオースの、キシロースより長い糖はキシロースのファクターで定量する。
キシロオリゴ糖含量(%)=(キシロビオース及びキシロビオースより相対保持時間の短いピークのものの濃度の総計/全ピークの濃度の総計)×100
キシロオリゴ糖中のキシロビオース含量(%)=(キシロビオースの濃度/キシロビオース及びキシロビオースより相対保持時間の短いピークのものの濃度の総計)×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 ポリスチレンジビニルベンゼン陽イオン交換樹脂
カラム管 内径7.8mm、長さ30cmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 0.005mol/LH2SO4
流速 0.6mL/分
(注1) キシラナーゼ:Trichoderma sp.由来
(注2) D―キシロース:
本品は、無~白色の結晶又は粉末である。
含量 本品を乾燥したものは、D―キシロース(C5H10O5)95%以上を含む。
定量法 本品を乾燥し、その約1gを精密に量り、水を加えて溶かし、正確に500mLとする。この液10mLを正確に量り、メタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液(1→400)又は0.3%過ヨウ素酸カリウム溶液50mLを加え、更に硫酸1mLを加えて水浴中で15分間加熱する。冷後、ヨウ化カリウム2.5gを加え、よく振り混ぜた後、冷暗所に5~15分間放置し、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬デンプン試液)。
別に空試験を行い補正する。
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1mL=1.8766mg C5H10O5
(注3) ブドウ糖:
本品の規格は日本薬局方ブドウ糖に準じるが、乾燥したものを定量する時、ブドウ糖含量は98%以上である。
(注4) キシロビオース:
本品は、無~白色の結晶又は粉末である。
含量 本品を乾燥したものは、キシロビオース(C10H18O9)95%以上を含む。
定量法 本品約0.2gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に20mLとし、検液とする。この検液10μLを採り、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、主ピークの保持時間の2倍の範囲について、ピーク面積を自動測定法により測定し、総面積に対する主ピークの面積比を計算する。
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 スチレンジビニルベンゼン共重合体、スルホ基(Na+)
カラム管 内径8mm、長さ30cmのステンレス管
カラム温度 80℃
移動相 水
流速 0.8mL/分
この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。
イソマルトオリゴ糖
定義 本品は、デンプンをα―アミラーゼ(注1)、β―アミラーゼ(注2)及びα―グルコシダーゼ(注3)により酵素反応させたもので、(α1,2―、α1,3―、α1,6―)グリコシド結合された重合度2~6糖類を主成分とするものである。
含量 本品は、イソマルトオリゴ糖が37%以上で、主要な成分としてイソマルトース10~27%、イソマルトトリオース3~15%、パノース5~15%を含む。
性状 無~淡黄色の透明な液体で、においがなく、甘味がある。
純度試験
(1) pH 4.0~6.0(30.0g、水100mL)
(2) 重金属 Pbとして1μg/g以下(20.0g、第1法、鉛標準液2.0mL)
(3) ヒ素 As2O3として1μg/g以下(1.0g、第1法、装置C、ヒ素標準液1.0mL)
灰分 0.1%以下(20.0g、550℃、5時間)
微生物限度
微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき細菌数30以下、真菌数5以下である。また、大腸菌群は認めない。
定量法
本品約2gを精密に量り、水に溶かし、正確に50mLとし検液とする。別に標準品としてフラクトース、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、イソマルトース、イソマルトトリオース、パノース(注4)を約500mgずつ精密に計り、水に溶かし正確に100mLとする。この液を5、10、15、20mLずつ正確に計り、それぞれ水で正確に50mLとし、標準液とする。検液及び標準液につき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、検液中のイソマルトオリゴ糖の含量を次の計算式より求める。
イソマルトオリゴ糖(%)=(G-L)×50/S×100
G:排除型イオン交換カラムを用いた液体クロマトグラフィーにより、各標準液検量線より求めた総糖含量(mg)
L:排除型イオン交換カラム及び順相カラムを用いた液体クロマトグラフィーより、各標準液検量線より求めた単糖及びマルトオリゴ糖含量(mg)
S:試料採取量(mg)
主要な成分については、順相カラムを用いた液体クロマトグラフィーにて、各標準液検量線より含量を求める。
操作条件
排除型イオン交換カラム
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na 型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
順相カラム
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 アミノ基修飾シリカ
カラム管 内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管
カラム温度 25℃
移動相 アセトニトリル/水(65:35)
流速 0.8mL/分
(注1) α―アミラーゼ:EC.3.2.1.1、主にBacillus licheniformis由来。
(注2) β―アミラーゼ:EC.3.2.1.2、主に大豆由来。
(注3) α―グルコシダーゼ:EC.3.2.1.20、主にAspergillus niger由来。
(注4)
フラクトース標準品:
本品は、白色の結晶で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でフラクトース99%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
フラクトースの乾燥物換算含量(%)=検液のフラクトースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
グルコース標準品:
本品は、白色の結晶で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でグルコース98%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
グルコースの乾燥物換算含量(%)=検液のグルコースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
マルトース標準品:
本品は、白色の結晶で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でマルトース99%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
マルトースの乾燥物換算含量(%)=検液のマルトースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
マルトトリオース標準品:
本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でマルトトリオース97%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
マルトトリオースの乾燥物換算含量(%)=検液のマルトトリオースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
マルトテトラオース標準品:
本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でマルトテトラオース97%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
マルトテトラオースの乾燥物換算含量(%)=検液のマルトテトラオースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
マルトペンタオース標準品:
本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でマルトペンタオース97%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
マルトペンタオースの乾燥物換算含量(%)=検液のマルトペンタオースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
マルトヘキサオース標準品:
本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でマルトヘキサオース97%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
マルトヘキサオースの乾燥物換算含量(%)=検液のマルトヘキサオースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 Na型強酸性カチオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ200mmのステンレス管
カラム温度 65℃
移動相 水
流速 0.35mL/分
イソマルトース標準品:
本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算でイソマルトース99%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
イソマルトースの乾燥物換算含量(%)=検液のイソマルトースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 アミノ基修飾シリカ
カラム管 内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管
カラム温度 25℃
移動相 アセトニトリル/水(65:35)
流速 0.8mL/分
イソマルトトリオース標準品:
本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算で、イソマルトトリオース99%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
イソマルトトリオースの乾燥物換算含量(%)=検液のイソマルトトリオースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 アミノ基修飾シリカ
カラム管 内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管
カラム温度 25℃
移動相 アセトニトリル/水(65:35)
流速 0.3mL/分
パノース標準品:
本品は、白色の粉末で、においがなく、甘味がある。
含量 本品は、乾燥物換算で、パノース97%以上を含む。
定量法 本品約100mgを水に溶かし正確に100mLとし検液とする。この検液10μLにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積を測定する。
パノースの乾燥物換算含量(%)=検液のパノースのピーク面積÷総ピーク面積×100
操作条件
検出器 示差屈折計
カラム充てん剤 アミノ基修飾シリカ
カラム管 内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管
カラム温度 25℃
移動相 アセトニトリル/水(65:35)
流速 0.8mL/分
この規格及び試験方法においては、別に規定するもののほか、食品添加物公定書通則及び一般試験法を準用する。