昏睡度 |
精神症状 |
参考事項 |
Ⅰ |
睡眠―覚醒リズムの逆転 多幸気分、ときに抑うつ状態 だらしなく、気にもとめない態度 |
retrospectiveにしか判定できない場合が多い |
Ⅱ |
指南力(時・場所)障害、物を取り違える(confusion) 異常行動(例:お金をまく、化粧品をゴミ箱に捨てるなど) ときに傾眠状態(普通の呼びかけで開眼し、会話ができる) 無礼な言動があったりするが、医師の指示に従う態度をみせる |
興奮状態がない 尿、便失禁がない 羽ばたき振戦あり |
Ⅲ |
しばしば興奮状態または譫妄状態を伴い、反抗的態度をみせる 嗜眠状態(ほとんど眠っている) 外的刺激で開眼しうるが、医師の指示に従わない、または従えない(簡単な命令には応じうる) |
羽ばたき振戦あり(患者の協力が得られる場合) 指南力は高度に障害 |
Ⅳ |
昏睡(完全な意識の消失) 痛み刺激に反応する |
刺激に対して、払いのける動作、顔をしかめる等がみられる |
Ⅴ |
深昏睡 痛み刺激にもまったく反応しない |
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肝臓機能障害の重症度は、90日以上(180日以内)の間隔をおいた連続する2回の検査により評価するものであり、それぞれの結果を記載する。
なお、既に実施した90日以前(最長180日まで)の検査の結果を第1回の結果とすることとして差し支えない。
イ 「障害の変動に関する因子」について
肝臓機能障害を悪化させる因子であるアルコールを、それぞれの検査日より前に180日以上摂取していないことについて、医師による確認を行う。また、それぞれの検査時において改善の可能性のある積極的治療を継続して実施しており、肝臓移植以外に改善が期待できないことについて、医師による確認を行う。
ウ 「肝臓移植」について
肝臓移植と抗免疫療法の実施の有無について記載する。複数回肝臓移植を行っている場合の実施年月日は、最初に実施した日付を記載する。
エ 「補完的な肝機能診断、症状に影響する病歴、日常生活活動の制限」について
(ア) 原発性肝がん、特発性細菌性腹膜炎、胃食道静脈瘤の治療の既往
医師による確定診断に基づく治療の既往とする。
(イ) 現在のB型肝炎又はC型肝炎ウイルスの持続的感染の確認
HBs抗原検査あるいはHCV―RNA検査によって確認する。
なお、持続的な感染については、180日以上の感染を意味する。
(ウ) 期間・回数・症状等の確認
7日等の期間、1日1時間、2回等の頻度、倦怠感・易疲労感・嘔吐・嘔気・有痛性筋けいれんの症状の確認は、カルテに基づく医師の判断によるものとする。
(エ) 日・月の取扱い
1日:0時から翌日の0時までを意味する。
1月:連続する30日を意味する。暦月ではない。
(オ) 月に7日以上
連続する30日の間に7日以上(連続していなくてもかまわない)を意味する。
2 障害程度の認定について
(1) 肝臓機能障害の認定は、肝臓機能を基本とし、肝臓機能不全に基づく臨床症状、治療の状況、日常生活活動の制限の程度によって行うものである。
(2) 肝臓機能検査、臨床症状、治療の状況と日常生活活動の制限の程度との間に極端な不均衡が認められる場合には、慎重な取扱いをして認定する必要がある。
(3) 患者の訴えが重視される所見項目があるので、診察に際しては、患者の主訴や症候等の診療録への記載に努めること。
(4) 肝臓移植術を行った者の障害程度の認定は、現在の肝臓機能検査の結果にかかわらず、抗免疫療法を実施しないと仮定した場合の状態で行うものである。
(5) 身体障害認定基準を満たす検査結果を得るため、必要な治療の時期を遅らせる等のことは、本認定制度の趣旨に合致しないことであり、厳に慎まれたい。
表1 障害等級と日常生活におけるコミュニケーション活動(場とレベル)の具体的状況例
(3級の欄の音声言語機能のレベルに該当すれば3級と判定する。3級の欄の項目が可能でも,4級の欄のレベルであれば4級と判定する。)
障害等級 |
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コミュニケーションのレベル |
理解面 |
表出面 |
コミュニケーションの場 |
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3級 |
・本人や家族の名前がわからない。 ・住所がわからない。 ・日付,時間がわからない。 ・部屋の中の物品を言われてもわからない。 ・日常生活動作に関する指示がわからない(風呂に入って,STに行って,薬を2錠飲んで……)。 |
・本人,家族の名前が言えないか,通じない。 ・住所が言えない(通じない)。 ・日付,時間,年齢が言えない(通じない)。 ・欲しい物品を要求できない(通じない)。 ・日常生活動作に関する訴えができないか通じない(窓を開けて……)。 ・身体的訴えができない(通じない)。 |
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状況依存度が高い |
本人の所属,時間 日常生活動作,物品に関する指示 |
本人の所属,時間 日常生活動作,物品に関する要求 |
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4級 |
・問診の質問が理解できない。 ・治療上の指示が理解できない(PT,薬の飲み方……)。 ・訪問者の用件がわからない。 ・電話での話がわからない。 ・尋ねた道順がわからない。 ・おつかいができない(どこで,何を,いくつ,いくら,誰に,いつ)。 |
・病歴,病状が説明できない(通じない)。 ・治療上のことについて,質問ができない(通じない)。家族に内容を伝えられない。 ・訪問者に用件を質問できないか通じない。用件を家族に伝えられない。 ・電話で応答できない。家族に内容を伝えられない(いつ,誰,何,どこ)。 ・知り合いに電話をかけて用件が伝えられない(通じない)。 ・行先が言えない(通じない)。道順を尋ねられない(通じない)。 ・買物をことばでできないか通じない(何をいくつ,いくら)。 |
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状況依存度が低い |
家族以外の者から,日常生活動作について,質問されたり,指示されたりしたときに,理解できない。 |
家族以外の者に,日常生活動作に関することを説明できない。 |
表2 等級判定の基準
(大原則:障害程度の判定基準は一次能力障害程度(稼得に関係のない日常生活活動能力の欠損度)に基づく)
障害の程度と等級 |
認定基準の原則 |
音声,言語機能障害の場合 |
障害程度の定義と具体例 |
等級判定の基準―コミュニケーション活動の場とレベルからみた意思疎通困難の程度― |
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重度(1,2級) |
………… |
………… |
……………………………… |
………………………………… |
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中程度 |
3級 |
家庭内での日常生活活動が著しく障害される |
喪失 |
音声言語による意思疎通ができないもの 「音声機能障害」―音声を全く発することができない(例:無喉頭,喉頭外傷による喪失,発声筋麻痺による音声喪失<反回神経麻痺など>) 「言語機能障害」―発声しても意思疎通ができない(例:重度失語症,聴あ,運動障害性構音障害,脳性麻痺構音障害,ろうあ) |
家庭において,家族又は肉親との会話の用をなさない(日常会話は誰が聞いても理解できない)。 ※具体的状況(コミュニケーション活動の場とレベル)は表1に例示してある。 |
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4級 |
家庭周辺での日常生活活動が著しく障害される |
著しい障害 |
音声言語のみ用いて意思を疎通することが困難なもの 「音声機能障害」―喉頭の障害又は形態異常によるもの 「言語機能障害」―イ.構音器官の障害又は形態異常によるもの ロ.中枢性疾患によるもの ※障害類型の例は(1)ウの具体例参照のこと |
家族又は肉親との会話は可能であるが,家庭周辺において他人には殆ど用をなさない。 ※具体的状況(コミュニケーション活動の場とレベル)は表1に例示してある。 |
軽度 軽微 |
社会での日常生活が著しく障害される |
障害非該当 |
……………………………… |
日常の会話が可能であるが不明瞭で不便がある。 |