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○身体障害者障害程度の再認定の取り扱いについて

(平成12年3月31日)

(障第276号)

(各都道府県知事・各指定都市・各中核市市長宛厚生省大臣官房障害保健福祉部長通知)

身体障害者の障害程度の再認定に係る事務については、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(以下「地方分権一括法」という。)の施行に伴い、自治事務となる。同事務については、新たに政令で規定するとともに、政令を受けて、再認定のための審査が必要なケースを厚生省令で規定したところであるが、今般、再認定の取扱いに係る事務の詳細を、下記のとおり示すこととしたので、留意の上、引き続き適正な事務の執行に努められたい。

なお、地方分権一括法の施行に伴い、本通知については、地方分権一括法による改正後の地方自治法第245条の4の規定に基づく「ガイドライン(技術的助言)」として位置づけられるので了知願いたい。

おって、平成12年3月31日をもって、昭和61年5月1日社更第91号厚生省社会局長通知「身体障害者障害程度の再認定の取扱いについて」は廃止する。

1 身体障害者手帳(以下「手帳」という。)の交付を受ける者については、その障害が身体障害者福祉法(以下「法」という。)別表に掲げるものに該当すると都道府県知事が認めたときに手帳を交付されているところであるが、手帳の交付を受ける者の障害の状態が永続的に法別表に定める程度に該当すると認定できる場合には、再認定は原則として要しないものであること。

2 手帳の交付を受ける者の障害の状態が更生医療の適用、機能回復訓練等によって軽減する等の変化が予想される場合には再認定を実施すること。

3 再認定に係る具体的取扱いについては、次によること。

(1) 法第15条第1項及び第3項に規定する身体障害者診断書・意見書に基づき、再認定が必要とされる場合は、法第17条の2第1項又は児童福祉法第19条第1項に基づく診査を行うこととし、診査を実施する年月を決定すること。

(2) 診査を実施する年月については、手帳に記載するとともに、手帳を交付する際に、様式第1により、手帳の交付を受ける者に対し通知すること。

(3) 再認定を必要とする者に対しては、診査を実施する月のおおむね1か月前までに診査を受けるべき時期等を通知すること。

(4) 診査を行った結果、障害程度に変化が認められた場合には、身体障害者福祉法施行令第10条第3項に基づき、手帳の再交付を行うこと。

また、法別表の障害程度に該当しないと認めた場合には、法第16条第2項に基づき、手帳の交付を受けた者に対し手帳の返還を命ずること。

(5) 再認定の実施に当たっては、都道府県、指定都市及び中核市においては身体障害者手帳交付台帳に再認定を行うべき年月を記録すること、又は、再認定台帳を設けること等により事務手続きが円滑に行えるようにすること。

4 身体障害者の障害の状態については、医学の進歩等に伴い症状の改善が期待できることとなる場合もあるので、再認定を要しないこととされたもの、又は再認定を必要とするとされたが、その時期が到来しないものであっても、援護の実施機関は必要に応じ随時、法第17条の2第1項又は児童福祉法第19条第1項による診査を行い、その結果に基づき都道府県知事又は指定都市若しくは中核市の市長は再認定を実施するものであること。

5 再認定に係る診査を拒み、又は忌避する者については、次により取り扱うこと。

(1) 3又は4により診査を受けることを命じたにもかかわらず、これに応じない者については期限を定めて再度診査を受けるように督促すること。この場合、正当な理由がなく診査を拒み、又は忌避したときは法第16条第2項の規定に基づき手帳の返還を命ずることとなる旨を付記すること。

(2) (1)により督促したにもかかわらず指定した期限まで診査を受けたかったときは手帳の返還を命ずること。

ただし、診査を受けないことについてやむを得ない事由があると認められたときはこの限りでないこと。

6 都道府県知事又は指定都市若しくは中核市の市長は再認定の実施に当たっては、手帳交付の経由機関である福祉事務所長との連携を十分に図ること等により適正な実施が確保されるように努めること。

7 法別表に該当する障害の状態が更生医療の適用等により変化すると予想されると認められた場合は、当該身体障害の症状に応じ、障害認定日又は再認定実施日(時)から1年以上5年以内の期間内に再認定を実施すること。

なお、再認定を実施する時期は、診断医師の意見を参考にするとともに身体障害者の更生援護に関する相談所の意見を聴取する等医学的判断に基づき決定して差し支えない。

ただし、ペースメーカ及び体内植え込み(埋込み)型除細動器(ICD)を植え込みした者(先天性疾患により植え込みしたものを除く。)については、当該植え込みから3年以内の期間内に再認定を実施すること。

8 参考までに法別表に該当する障害の状態が更生医療の適用等により変化すると予想される疾患の一部を示せばおおむね次のとおりであること。

(1) 視覚障害関係

ア 前眼部障害

パンヌス、角膜白斑

イ 中間透光体障害

白内障

ウ 眼底障害

高度近視、緑内障、網膜色素変性、糖尿病網膜症、黄斑変性

(2) 聴覚又は平衡機能の障害関係

ア 伝音性難聴

耳硬化症、外耳道閉鎖症、慢性中耳炎

イ 混合性難聴

慢性中耳炎

ウ 脊髄小脳変性症

(3) 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害関係

唇顎口蓋裂後遺症、多発性硬化症、重症筋無力症

(4) 肢体不自由関係

ア 関節運動範囲の障害

慢性関節リウマチ、結核性関節炎、拘縮、変形性関節症、骨折後遺症による関節運動制限

イ 変形又は骨支持性の障害

長管骨仮関節、変形治癒骨折

ウ 脳あるいは脊髄等に原因を有する麻痺性疾患で後天的なもの

後縦靱帯骨化症、多発性硬化症、パーキンソン病

(5) 内部障害関係

ア 心臓機能障害関係

心筋症

イ じん臓機能障害関係

腎硬化症

ウ 呼吸器機能障害関係

肺線維症

エ ぼうこう直腸機能障害関係

クローン病

オ 小腸機能障害関係

クローン病

様式第1