添付一覧
○健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針について
(平成16年8月4日)
(保保発第0804001号)
(健康保険組合理事長あて厚生労働省保険局保険課長通知)
健康保険法(大正11年法律第70号)第150条第1項及び第5項において、厚生労働大臣は、保険者が行う、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者及びその被扶養者の健康の保持増進のために必要な事業に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表することとされており、平成16年7月30日付けで「健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針」(平成16年厚生労働省告示第308号。以下「保健事業等指針」という。別紙1)が公布されたところであるが、その概要等は以下のとおりであるので、御了知の上、円滑な運用に御配意をお願いしたい。
なお、健康保険法第150条第6項において、調和が保たれたものでなければならないこととされている健康増進法(平成14年法律第103号)第9条第1項に規定する「健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針」(平成16年厚生労働省告示第242号。以下「健康診査等指針」という。別紙2)及び平成16年8月4日付け健習発第0804001号厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室長通知(別紙3)を添付する。
記
第1 保健事業等指針の目的、基本的な考え方、保健事業の内容及び留意事項
1 目的
保健事業等指針は、健康保険法第150条第5項に基づき、健康診査等指針と調和を保ちつつ、政府管掌健康保険及び組合管掌健康保険の保険者(以下「保険者」という。)が被保険者及び被扶養者(以下「加入者」という。)を対象として行う同条第1項に規定する健康教育、健康診査その他の加入者の健康の保持増進のために必要な事業(以下「保健事業」という。)に関して、その効果的かつ効率的な実施を図るため、基本的な考え方を示すものである。
本指針は、生活習慣病対策をはじめとして、個々の加入者の自主的な健康増進及び疾病予防の取組について、保険者がその支援の中心となって、個々の加入者の特性を踏まえた保健事業を展開することを目指すものである。
保険者をはじめとする保健事業の実施者は、本指針、健康診査等指針等に基づき、保健事業の積極的な推進が図られるよう努めるものとする。
2 基本的な考え方
① 保険者が中心となって、自主的な健康増進を働きかけるとともに、他の保険者等と連携して、きめ細かい保健事業を実施する。
② 生活習慣病対策を重視し、生涯にわたる生活の質(QOL)の向上を目指す。このため、一次予防(生活習慣を改善して健康を増進し、発症を予防することをいい、健康診査の結果等を踏まえ、特に発症予防のための指導が必要な者(以下「要指導者」という。)に対して生活習慣の改善に関する指導を行うことを含む。)を中心に位置付け、要指導者をはじめとして全ての加入者に対して、生活習慣の改善のための対策を推進する。
③ 健康診査の結果を踏まえ、よりきめ細かい個々の加入者の生活習慣等の特性に応じた継続的な保健指導に重点を置き、集団指導とともに、個別指導を行う。
④ 地域の特性に応じた保健事業を行うため、他の保険者、市区町村、都道府県及び医療関係者と連携し、都道府県ごとに保険者協議会を設ける。
3 保健事業の内容
(1) 健康教育
・個人教育、小集団教育、集団教育を適切に組み合わせ、具体的な事例を挙げながら、運動習慣、食習慣等の重要性について理解させる。
・単なる知識の伝達にとどまらず、自らの生活習慣の問題点を発見できるような事業を行う。
・特に、心の病気対策や喫煙対策が重要である。
(2) 健康相談
・生活習慣の改善等を目標として、定期的に健康相談を開催し参加を促す。
・心の健康相談に参加しやすい環境を作る。
(3) 健康診査
・対象者、対象年齢、検査項目等を適切に設定し、特に被扶養者が受診しやすいような工夫を行う。
・科学的知見の蓄積等を踏まえて検査項目及び検査方法の設定並びに見直しを行う。これを他の事業者に委託する場合には、委託先を適切に管理する。
(4) 健康診査後の通知及び指導
・健康診査を行った場合には、治療を要する者及び要指導者をはじめとして、対象者の健康水準の把握及び評価を行う。
・健康診査の結果の通知については、生活習慣等の問題点を発見、意識させるような工夫を行い、また、継続的な指導を行う。
(5) 訪問指導
・訪問指導は、生活習慣病等の予防に関する指導、保健医療サービス、福祉・介護サービス等の活用方法に関する指導等を行う。
・複数医療機関の重複受診者には、その事情を十分に聴取し、必要に応じて適切な受診につながるような指導等を行う。
また、継続的な治療が必要であるにもかかわらず、受診しない加入者についても、その事情を十分に聴取した上で、適切な指導等を行う。その際には、必要に応じて、医療機関と十分な連携を図る。
4 事業実施上の留意事項
① 保健事業を実施する際には、医師、保健師、管理栄養士等を充てるとともに、定期的な研修を行うこと。
② 保健事業の直接の担当者のほかにも、保険者協議会等の場を通じて、他の保険者や市区町村との連携に努め、生活習慣の改善等に向けた取組を支援するリーダー的な人材の育成に努めること。
③ よりきめ細やかな保健事業を行うために、保健指導を効果的に行うノウハウを有するような一定の水準を満たす委託事業者を活用することも可能であること。
④ 各年度において、保健事業の実施計画を策定し、傷病の出現率などの客観的なデータに基づき、事業の評価を行うこと。
⑤ 健康情報を継続させていくことが重要であり、健康情報の管理は、健康の自己管理の観点から本人が主体となって行うことが原則であるが、保険者は健康情報を5年間程度保存し、必要に応じて活用することにより、加入者による自己の健康管理等の取組を支援するよう努めること。
⑥ 保健事業に参加しやすい職場環境の醸成や健康づくりに自主的に取り組みやすい職場環境の実現について、必要に応じて事業主等に働きかけること。また、保険者が行う保健事業は、事業主が行う福利厚生事業や労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に基づく事業と密接な関係があることから、その実施に当たっては、事前に事業主等と十分な調整を行い、また、健康診断の結果を、本人の同意を前提として提供してもらうなど、事業主等との積極的な連携に努めること。
第2 健康診査等実施指針との関係
健康診査等指針は、「各健康増進事業実施者により適切な健康増進事業が実施されるよう、健康診査の実施、健康診査の結果の通知等、健康手帳等による健康診査の結果等に関する情報の継続の在り方及び個人情報の取扱いについて、各制度に共通する基本的な事項を定める」ものであり、各健康増進事業実施者は、当該指針に定める事項を基本的な方向として、国民の健康増進に向けた自主的な取組を進めるよう努めることとされているところである。
健康保険法に基づく保健事業の実施者である健康保険組合は、同指針の健康増進事業実施者であり、保健事業を実施するに当たっては、同指針に定める事項についても留意すること。
また、同指針において、「地方公共団体、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者は、健康診査の結果の通知等の実施に関し、健康づくり対策、老人保健及び産業保健等の各分野における対策並びに医療保険の保険者が実施する対策を講ずるために、相互の連携を図ること」とされているところである。
保健事業等指針でも示しているところであるが、保健事業を実施するに当たっては、他の機関との積極的な連携及び協力を行い、その円滑な実施に努めること。
別紙1 略
別紙2 略
別紙3 略
