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○「地域行動計画策定に当たっての留意事項」について(通知)

(平成15年8月22日)

(雇児発第0822004号)

(都道府県知事あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)

標記について、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)に基づき、行動計画策定指針(平成15年8月22日国家公安委員会、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省告示第1号。以下「指針」という。)が策定され、次世代育成支援対策の実施に関する基本的な事項及び次世代育成支援対策の内容に関する事項等が示されたところであるが、本指針を踏まえ、市町村行動計画及び都道府県行動計画の策定に当たっての留意事項について、別紙のとおり定めたので、計画策定の参考とされたい。

また、管内市町村に周知するとともに、市町村行動計画の円滑な策定が図られるよう配意願いたい。

なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言である。

地域行動計画策定に当たっての留意事項

次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号。以下「法」という。)第7条に基づき、行動計画策定指針(平成15年8月22日国家公安委員会、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省告示第1号。以下「指針」という。)が策定され、次世代育成支援対策の実施に関する基本的な事項及び次世代育成支援対策の内容に関する事項等が示されたところである。

この「地域行動計画策定に当たっての留意事項」は、指針を踏まえ、法第8条第1項の市町村行動計画及び法第9条第1項の都道府県行動計画(以下「行動計画」という。)に関する策定手順等を定めたものである。

第1 行動計画策定の手順

1 行動計画策定体制の構築

市町村及び都道府県は、行動計画の策定に当たり、指針「二 次世代育成支援対策の実施に関する基本的な事項」の「3 次世代育成支援対策の推進に当たっての関係者の連携」に掲げられた内容を踏まえ、指針「四 市町村行動計画及び都道府県行動計画の内容に関する事項」にかかわる関係部局が参画する全庁的な検討体制を構築するとともに、必要に応じてテーマ別にワーキングチーム等を設置することが望ましい。

特に、検討に当たっては、指針二の「4 次世代育成支援対策地域協議会の活用」の(1)に掲げる次世代育成支援対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)を設置し、地域における子育てや子育て支援活動の現状の把握等を行いつつ、十分な検討を重ねるとともに、その他の多種多様な地域協議会の設置を促しつつ必要な連携を図ることが求められる。

2 現状の分析

行動計画の策定に当たっては、指針「三 市町村行動計画及び都道府県行動計画の策定に関する基本的な事項」の「2 市町村行動計画及び都道府県行動計画の策定に当たって必要とされる手続」の(1)に基づき、適切に地域の現状を分析し、それを踏まえることが必要である。

また、既に児童育成計画(地方版エンゼルプラン)や母子保健計画を策定している市町村及び都道府県においては、現行の児童育成計画や母子保健計画の推進状況の評価や推進に係る課題の分析を行い、その結果を活用していくことが必要である。

3 ニーズ調査の実施と目標事業量の設定

市町村は、指針三の2の(2)に基づき、サービス対象者に対するニーズ調査を適切に行うとともに、調査結果をもとにサービスのニーズ量を推計・把握し、当該市町村の財政状況や、民間団体の活用を含めた供給基盤等を勘案し、目標事業量を設定することが望ましい。調査方法としては、基本的にはアンケート方式により行うことが適当と考えているが、人口規模等の地域の実情に応じて、ヒアリングや懇談会等の方法をとる等、適宜、適切な方法により実施することが望ましい。なお、近年類似の調査を実施した市町村にあっては、その内容に応じ、必要な事項に限定して調査を行うことも考えられる。

4 計画の基本理念の設定

行動計画には、次世代育成支援対策を推進するに当たっての基本理念を定め、その下に具体的な施策のあり方を検討することが必要である。

基本理念については、法第3条の「基本理念」及び指針三の「1 市町村行動計画及び都道府県行動計画の策定に当たっての基本的な視点」を踏まえ、当該地域の実情に応じた対策全般の共通理念として設定するものとする。

5 重点課題の検討

市町村及び都道府県においては、現状分析、ニーズ調査の結果等を踏まえ、次世代育成支援対策の推進に当たって重点的に対処すべき課題について地域の状況に即して検討する必要がある。

6 施策・事業の検討

行動計画に盛り込む施策及び事業については、既存の事業を羅列するに留めることなく、新たに事業を立案しあるいは事業内容・方法を見直すことを含め、総合的・体系的に検討を進めることが必要である。また、その際には、効率的かつ効果的な事業の実施に留意することが必要である。

7 目標の設定

行動計画に盛り込む施策及び事業については、指針四に基づき、可能な限り定量的に示す等具体的な目標を設定することが必要である。

また、各市町村において設定された定量的な目標については、後日、国の参考資料としてその数値の提供を依頼することとしている。

なお、定量的な目標の設定に当たっては、都道府県行動計画との整合性を図る観点から、市町村は都道府県との協議・調整を行うことが求められる。一方、都道府県にあっては、市町村から報告を受けた定量的な目標をもとに、都道府県全体としての定量的な目標を設定することが求められる。

8 他計画との整合性の確保

行動計画に盛り込む事項については、指針三の「5 他の計画との関係」に基づき、他の計画であって、次世代育成支援に関する事項を定めるものとの間の調和が保たれたものとすることが必要であり、必要に応じて他の計画の見直しを含めて検討することが求められる。

9 住民参加と情報公開

指針三の2の(3)の内容を踏まえ、地域住民の意見を計画に反映させるための措置を講ずることが必要である。また、行動計画を策定又は変更したときは、遅滞なく、これを公表することとされており、適時適切に広く住民に周知を図ることが必要である。

第2 行動計画策定に当たっての関係者との連携

1 市町村及び都道府県の連携

市町村及び都道府県は、行動計画の策定に当たって、相互にその整合性を図ることが重要であり、計画の策定過程において緊密な連携を図る必要がある。

特に、都道府県は、指針二の3の(2)の内容を踏まえ、市町村に対して、次に掲げる事項について、必要な助言その他の援助を行うなど、適切に配慮することが必要である。

① 国及び都道府県の施策や補助制度の内容についての情報の提供

② 少子化や子育て支援に関する各種の統計資料の提供

③ 地域協議会の活用・連携等の計画策定体制のあり方

④ 共同調査の支援等のニーズ調査の円滑な実施方法

⑤ ニーズ量の推計方法及び目標事業量の設定方法 等

2 市町村間の連携

市町村行動計画の策定に当たっては、指針二の3の(2)に基づき、必要に応じて広域的なサービス提供体制の整備等、近隣市町村間での協力・連携のあり方について検討することが必要である。

特に、合併を予定している、もしくは協議している市町村間においては、ニーズ調査の企画・実施や、計画の策定体制等に関して、互いに緊密な連絡・調整を図ることが望ましい。

3 一般事業主との連携

市町村及び都道府県は、指針二の3の(3)に基づき、その行動計画の策定に当たって、地域における次世代育成支援が効果的に実施されるよう、必要に応じて一般事業主と情報交換を行う等十分な連携を図ることが必要である。

第3 行動計画の実施状況の点検及び推進体制

行動計画の推進に当たっては、指針三の「4 市町村行動計画及び都道府県行動計画の実施状況の点検及び推進体制」に基づき、その実施状況を適切に把握・点検・公表するとともに、住民の意見等を聴取しつつ、その後の対策の実施や計画の見直し等に反映させることが必要である。

特に、都道府県においては、市町村の取組に資するため、必要に応じて、管内の市町村の行動計画に基づく措置の実施状況等の情報を集約し、これを市町村に提供することが求められる。

市町村及び都道府県における行動計画策定フロー

市町村及び都道府県の行動計画策定スケジュール(例)

 

市町村

都道府県

十五年度

8月

○計画策定の準備を開始

○9月補正予算案(ニーズ調査費等)の検討

○市町村への指導・支援を開始

9月

○補正予算案(ニーズ調査費等)の議決

○市町村行動計画策定のための地域協議会の設置

○ニーズ調査の企画、準備

○現状分析の開始

 

10月

○ニーズ調査の実施

 

12月

○ニーズ調査結果集計完了

 

○16年度当初予算案(計画策定費)の検討

○16年度当初予算案(計画策定費)の検討

3月

○計画策定の基礎資料(現状分析、ニーズ調査結果)の整理完了

 

○16年度当初予算案(計画策定費)の議決

○16年度当初予算案(計画策定費)の議決

十六年度

8月

○定量的目標数値(暫定集計)を都道府県に報告

 

9月

 

○市町村の定量的目標数値(暫定集計)を取りまとめ、国へ報告

12月

○市町村行動計画の素案作成完了

○住民への計画素案の公開、意見聴取

 

1月

 

○都道府県行動計画の素案作成完了

○住民への計画素案の公開、意見聴取

3月

○市町村行動計画の決定・公表

○都道府県行動計画の決定・公表