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○労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等について

(昭和五五年三月三一日)

(発労徴第二二号・基発第一五六号)

(各都道府県労働基準局長、各都道府県知事あて労働大臣官房長、労働省労働基準局長通達)

労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(以下「改正省令」という。)が、昭和五五年労働省令第四号として昭和五五年四月一日から施行されることとなり、昭和四○年労働省告示第四六号(労働者災害補償保険法施行規則第四六条の一八(第一号の規定に基づき労働大臣が定める機械の種類を定める件)の一部を改正する告示が、昭和五五年労働省告示第一七号として同年四月一日から実施されることとなつた。また、海外派遣特別加入者については、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律(昭和五一年法律第三二号)附則第六条及び労働省災害補償保険法施行令附則第二項により、昭和五五年四月一日から通勤災害保護制度が適用されることとされている。

これらに伴い、給付基礎日額及び特別加入については、下記事項に留意のうえ、事務処理に遺漏のないよう配慮されたい。

一 給付基礎日額の最低額の引上げ

(一) 給付基礎日額について、その最低額が二、一八五円から二、六七○円に引上げられた(労働者災害補償保険法施行規則(昭和三○年労働省令第二二号。以下「労災則」という。)第九条第一号の改正)。

(二) 昭和五五年四月一日(以下「施行日」という。)前の期間に係る年金たる保険給付及び年金たる特別支給金(昭和五二年四月一日前に発生した事故に係るもの、給付基礎年額の二○パーセント相当額を算定基礎年額とするもの及び労働者災害補償保険特別支給規則の一部を改正する省令(昭和五二年労働省令第七号)附則第六条第一項の差額支給金に限る。)並びに施行日前に支給事由の生じた休業補償給付、障害補償一時金、遺族補償一時金、葬祭料、休業給付、障害一時金、遺族一時金、葬祭給付、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和四○年法律第一三○号)附則第四二条第一項の一時金、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和四八年法律第八五号)附則第四条第一項の一時金、休業特別支給金、障害特別一時金(昭和五二年四月一日前に発生した事故に係るもの及び給付基礎年額の二○パーセント相当額を算定基礎年額とするものに限る。)及び遺族特別一時金(昭和五二年四月一日前に発生した事故に係るもの及び給付基礎年額の二○パーセント相当額を算定基礎年額とするものに限る。)の額については、従来の給付基礎日額に基づいてその額を算定する(改正省令附則第二項及び労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和四九年労働省令第三○号)附則第五項)。

なお、施行日前に業務上の事由又は通勤により死亡した労働者の遺族に支給する労働者災害補償保険法(昭和二二年法律第五○号)第一六条の六第二号(同法第二二条の四第三項において準用する場合を含む。)の場合の遺族補償一時金、遺族一時金及び遺族特別一時金(昭和五二年四月一日前に発生した事故に係るもの及び給付基礎年額の二○パーセント相当額を算定基礎年額とするものに限る。)については、支給事由が施行日以後に生じた場合であっても、従来の給付基礎日額に基づいてその額を算定する。(なお、労災則第九条の規定は、特別加入者の給付基礎日額には適用されないので、留意されたい。)

二 特別加入者の範囲等の拡大

特別加入の対象者の範囲に再生利用の目的となる廃棄物等の収集、運搬、選別、解体等の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者及びこれらの者の行う事業に従事する者(以下「再生資源取扱業の一人親方等」という。)が新たに加えられることとなったこと(労災則第四六条の一七の改正)、農作業従事者の特別加入に係る指定農業機械に新たな機械が追加されたこと(昭和四○年労働省告示第四六号の改正)及び海外派遣特別加入者に係る通勤災害に対し労災保険が適用されたこと(労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律(昭和五一年法律第三二号)附則第六条及び労働者災害補償保険法施行令附則第二項参照)。

これらの者の特別加入に関する取扱い上留意すべき事項は次の(一)、(二)及び(四)のとおりである。また、一人親方等又は特定作業従事者の災害防止努力を促進するために、次の(三)の取扱いを定めるので、遺漏のないようにされたい。

(一) 再生資源取扱業の一人親方等の取扱い

再生資源取扱業の一人親方等については、実態調査を行った結果、業務の実態、災害発生状況等よりみて、特別加入の対象として取扱うこととしたものである。

イ 特別加入者の範囲

再生資源取扱業の一人親方等として特別加入できる者は、再生利用を目的とした古紙、古繊維、金属くず、ガラスくず、空容器等(以下「再生資源」という。)の回収、運搬、選別、解体、集荷等の事業を行う者(通常廃品回収業、くず鉄業と呼ばれる事業を行う者)であって、労働者を使用しないで行うことを常態とする者及びその者の行う事業に従事する者である。したがって、この要件に該当する者であれば、たまたま臨時的に労働者を使用することがあっても、それが常態ではなく、かつ将来継続的に使用されるものでないことが明らかな場合には、再生資源取扱業の一人親方等と認めてさしつかえない。

ロ 特別加入の手続

特別加入の手続は、従来の一人親方等の場合と同様とする。この場合一人親方等の団体は、あらかじめ業務災害の防止に関し、当該団体が講ずべき措置及び当該団体の構成員が守るべき事項を定め、これを記載した書類を加入申請書に添えて提出することとされているが(労災則第四六条の二三第三項第二号)、今般新たに特別加入の対象となった再生資源取扱業については、当分の間、当該団体が別紙一に掲げる法令の規定に準じた措置を、当該団体の構成員に守らせる旨の誓約書(別紙二参照)を提出させることとする。

なお、「当分の間」の取扱いは、他の特別加入者の団体との関連で、具体的には、後述「(三)一人親方等又は特定作業従事者の団体の業務災害防止について」によることとする。

ハ 特別加入の承認基準

特別加入の承認基準は、従来の一人親方等の場合と同様とするが、承認に当たっては次の点に留意すること。

(イ) 承認申請に当たっては、当該団体の構成員である再生資源取扱業を行う一人親方等が、改正後の労災則第四六条の一七第六号に掲げる事業に常態として従事しているかどうかを明らかにするため、特別加入申請書(告示様式第三四号の一○)の「業務又は作業の内容」欄に、特別加入者が行う作業の内容、年間の従事日数、通常の就業時間及び主として取り扱う再生資源の種類を記載させることとする。

(ロ) 承認申請に当たっては、団体から労災則第四六条の二三第三項に掲げる書類のほか、所定の保険料納付期限までに保険料を全く納付しない場合等労働者災害補償保険法若しくは労働保険の保険料の徴収等に関する法律又はこれらの法律に基づく労働省令の規定に違反したときは、法第二九条第四項の規定により、当該団体についての保険関係を消滅させられても異議のない旨の誓約書(別紙二記載例参照)を提出させることとする。

(ハ) 再生資源取扱業の一人親方等の団体についても、従来の一人親方等の団体と同様に労働保険事務を確実に処理しうる能力を具備していることを必要とするものであるが、当面は、一応団体としての結成がなされ、その行うべき労働保険事務を、労働保険事務組合に委託することによって、円滑に処理しうるような場合には、特別加入の承認を行うこととしてさしつかえない。

ニ 業務上外の認定

再生資源取扱業の一人親方等が被った災害に係る業務上外の認定は、次により行うものとする。

(イ) 業務遂行性は、次の行為を行う場合に認めるものとすること。

a 再生資源を収集、運搬、選別又は解体する等の作業及びこれに直接附帯する行為(直接附帯する行為とは、生理的行為、反射的行為、準備・後始末行為、必要行為、合理的行為及び緊急業務行為をいう。以下同じ。)

b 再生資源を収集、運搬するために行われるトラック等の貨物運搬用車両等を運転又は操作する作業及びこれらに直接附帯する行為

(注) 再生資源の回収の事業を行う者で、自宅以外に作業場等の施設を有しない場合は、自宅を出てから自宅へ戻るまでの間、私的行為、恣意的行為を除き業務遂行性を認めるものとする。

c 台風、火災等の突発事故による緊急用務のために、再生資源の集積場所等に赴く行為

(ロ) 業務起因性の判断は、労働者の場合に準じて行うものとすること。

なお、特別加入前に発生した事故による負傷、疾病、障害又は死亡については、当該保険給付は行われないものであるが、この点に関する具体的取扱いについては、林業の一人親方等の特別加入の場合の取扱いに準ずることとすること。

ホ 特別加入の制限、取消等の取扱い

特別加入の制限、特別加入者たる地位の消滅、保険給付、給付基礎日額及び支給制限に関する取扱いは、従来の一人親方等の場合と同様であること。

なお、給付基礎日額は二、○○○円から一○、○○○円の範囲のうちから希望を徴して決定することとなるが、決定に当たっては、希望額を無条件に承認することなく同種の事業の労働者の賃金その他の事情を考慮し、実情に即した額とするよう配慮すること。

ヘ 第二種特別加入保険料率

再生資源取扱業の一人親方等に係る第二種特別加入保険料率は一、○○○分の一二であること(徴収則別表第五の改正)。

なお、保険料の納付に関しては、従来の一人親方等の特別加入者の場合と同様であること。

ト 通勤災害保護制度の適用

再生資源取扱業の一人親方等に対しても通勤災害保護制度が適用になること。

なお、通勤の取扱いについては、一般の労働者の場合と同様であり、自宅(住居)から再生資源の集積場所等の作業場所までの往復行為が該当することとなる。

また、上記への保険料率については、通勤災害に係る保険料率を考慮しているものである。

(二) 農作業従事者の特別加入に係る指定農業機械等の範囲の拡大について

イ 自営農業者で労災保険の特別加入が認められるものの範囲は、重度の傷害を起す危険度が高いと認められる労働大臣が定める種類の農業機械を使用して行う一定の農作業に従事する者に限定しているところであるが、最近における農業機械の普及状況、農業機械による農作業中の災害発生状況等を勘案し、次の五種類の農業機械を定置式機械又は携帯式機械として追加することとした(昭和四○年労働省告示第四六号の改正)。

動力せん定機、動力せん枝機、チェーンソー、単軌条式運搬機、コンベヤー

なお、特別加入者の団体である特定農作業従事者の団体が定めることとされている業務災害の防止に関する当該団体が講ずべき措置及び当該団体の構成員が守るべき事項に、今回の追加指定機械に関する規定を設けることは当然であるが、チェーンソーについては、労働安全衛生法第四二条に基づき労働大臣が定める規格(昭和五二年九月二九日労働省告示第八五号)を具備するもの(既に保有しているものを除く。)でなければ使用してはならない旨の規定を設け、これを励行させるよう指導すること。

ロ 指定農業機械による災害の補償の範囲については、昭和五二年三月二八日付け基発第一七○号によるほか、動力カッター及びコンベヤーを用いて行う作業については、作業の実態を考慮して、圃場で採取したものの最終利用までの作業を圃場、圃場以外で行う場合も含めるものとする。

なお、「圃場で採取したものの最終利用までの作業」とは、牧草等を圃場で採取する時からいったんサイロ等に貯蔵し、飼料とするためにコンベヤーにより取り出すまでの作業又は動力カッターにより裁断するまでの作業をいう。したがって購入した牧草等を裁断する等の作業は含まないものであること。

(三) 一人親方等又は特定作業従事者の団体の業務災害防止について

従来一人親方等又は特定作業従事者の団体が特別加入の申請に当たり、業務災害の防止に関する当該団体が講ずべき措置及び当該団体の構成員が守るべき事項を記載した書類に代るものとして誓約書を提出させることにより足りるものとして取り扱ってきたところであるが、これが取扱いは、施行当初の暫定措置であるので、今後特別加入の申請を行おうとする団体については、できるだけ速やかに当該書類を整備し、構成員に対して周知を図り、その励行を期するよう加入承認に際して指導すること。

なお、既に特別加入の承認が認められている団体についても、当該団体の実情に配慮しつつ、できるかぎり速やかに上記書類の整備を図るよう指導すること。

(四) 海外派遣特別加入者に対する通勤災害保護制度の適用について

海外派遣特別加入者に対する通勤災害保護制度が、昭和五五年四月一日以降の通勤災害について適用されることとなった。

なお、通勤災害の認定並びに保険給付の請求手続等に係る留意点は次のとおりである。

イ 通勤災害の認定

海外派遣者に係る通勤災害の認定に当たっての「住居」及び「通勤」の取扱いは、日本国内における一般労働者の場合と同様であること。したがって、通勤災害の認定も日本国内の一般労働者の場合に準じて行うこととなる。

ロ 保険給付の請求手続

(イ) 保険給付の請求は、一般の労働者の場合と同様に通勤災害に係る保険給付支給請求書により行わせるものとする。

(ロ) 保険給付の請求手続については、昭和五二年八月二四日付基発第四八一号の記の一によることとするほか、請求書別紙の「通勤災害に関する事項」のうち事業主の証明を受けなければならないこととされている事項については派遣先の事業の事業主の証明書を必ず添付させることとする。

(ハ) 通勤災害の発生状況等に関する資料としては、業務災害の場合と同様、派遣先事業主の証明書、在外公館の証明書、新聞記事等を添付するか又は災害発生地の警察署等の公的機関の証明書若しくは公共交通機関を利用中の災害の場合にあっては当該交通機関を管理する者等の証明書を添付させることとする。

ハ 保険給付の支給手続等

保険給付の支給手続等については、業務災害の場合と同様であることとする。

ニ その他

海外派遣特別加入者に係る第三種特別加入保険料率は、従来どおり一、○○○分の一一とされている。

(別紙1)

法令の区分

条項

備考

労働安全衛生規則(機械による危険の防止)

第27条

規格に適合した機械等の使用

第28条

安全装置等の有効保持のための点検・整備

第29条

安全装置等の有効保持、使用

第36条

危険業務に対する特別教育事項

第44条

定期健康診断の励行

第61条

病者の就業禁止

第101条

原動機、回転軸等による危険の防止

第102条

ベルトの切断による危険の防止

第103条

動力しゃ断装置の設置

第104条

運転開始の合図の励行

第105条

加工物等の飛来による危険の防止

第106条

切削屑の飛来等による危険の防止

第107条

そうじ等の場合の運転停止

第108条

刃部のそうじ等の場合の運転停止

第110条

作業帽等の着用

第111条

回転刃物等の機械使用時の手袋の使用禁止

第131条

プレス等による危険の防止

第131条の2

プレスのスライドの下降による危険の防止

第132条

クラッチ等の機能の保持

 

 

 

 

第134条の3第135条

 

 

定期自主検査

 

 

 

 

第136条

作業開始前の点検

第137条

プレス等の補修

(荷役運搬機械等)

第151条の5

制限速度の厳守

第151条の6

転落等の防止

第151条の7

接触の防止

第151条の8

合図の励行

第151条の9

立入禁止の措置

第151条の10

荷の積載の注意事項

第151条の11

運転位置から離れる場合の措置

第151条の12

車両系荷役運搬機械等の移送

第151条の13

荷台等へのとう乗の制限

第151条の14

主たる用途以外の使用の制限

第151条の15

修理等

第151条の16

前照灯及び後照灯の装備

第151条の17

ヘッドガードの装備

第151条の18

バックレストの装備

第151条の19

パレット等の強度

第151条の20

荷重超過使用の制限

 

 

 

 

第151条の21

第151条の22

 

 

定期自主検査

 

 

 

 

第151条の25

フォークリフトの始業点検

第151条の26

補修等

第151条の49

貨物自動車の適正装備

第151条の50

荷重超過使用の制限

第151条の51

昇降設備の設置

第151条の52

不適格な繊維ロープの使用禁止

第151条の53

繊維ロープの点検

第151条の55

中抜きの禁止

 

 

 

 

第151条の56

第151条の57

 

 

荷台への乗車制限

 

 

 

 

第151条の58

保護帽の着用

第151条の59

始業点検

第151条の60

補修等

(爆発、火災等の防止)

第262条

通風等が不十分な場所におけるガス溶接等の作業

第263条

ガス等の容器の取扱い

第265条

火災のおそれのある作業の場所等の整備

第266条

自然発火の防止

第279条

危険物等がある場所における火気等の使用禁止

第289条

消火設備の設置

第290条

防火措置

第291条

火気使用場所の火災防止

第301条

アセチレン溶接装置の圧力の制限

第302条

発生器室

第303条

発生器室の要件

第304条

格納室

第305条

アセチレン溶接装置の構造規格

第306条

安全器の設置

第312条

アセチレン溶接装置の管理等

第317条

定期自主検査

(電気による危険の防止)

第329条

電気機械器具の囲い等

第330条

手持型電灯等のガード

第333条

漏電による感電の防止

第335条

電気機械器具の操作部分の照度

第336条

配線等の絶縁被覆

第337条

移動電線等の被覆又は外装

第338条

仮設の配線等

第352条

電気機械器具等の使用前点検等

第353条

電気機械器具の囲い等の点検等

(荷役作業等における危険の防止)

第418条

不適格な繊維ロープの使用禁止

第419条

始業前の繊維ロープの点検

第421条

中抜きの禁止

第427条

はいの昇降設備の設置

第430条

はいの間隔

第431条

はいくずし作業の注意事項

第432条

はい崩壊等の危険防止

第433条

はいくずし場所の立入禁止

第434条

はいくずし場所の照度の保持

第435条

保護帽の着用の励行

(別紙2)