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○労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律の施行等について(保険料徴収関係)

(昭和五五年一二月五日)

(発労徴第六八号・基発第六七四号)

(各都道府県労働基準局長、各都道府県知事あて労働大臣官房長、労働省労働基準局長通達)

労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律(昭和五五年法律第一〇四号。以下「改正法」という。)及び労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令(昭和五五年労働省令第三二号。以下「改正省令」という。)が、昭和五五年一二月五日に公布され、これによつて労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四四年法律第八四号。以下「徴収法」という。)及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和四七年労働省令第八号。以下「徴収則」という。)が改正され、労災保険率及びこれを基礎とする第一種特別加入保険料率(以下「労災保険率等」という。)の改正事項については昭和五六年一月一日から、継続事業に係るメリツト制の改正事項については昭和五五年一二月三一日から、有期事業に係るメリツト制の改正事項については昭和五六年四月一日から施行されることとなつたので、左記事項に留意のうえ、事業主に対する指導その他事務処理に万全を期されたい。

一 労災保険率の改定

(一) 改正法による労働者災害補償保険制度の保険給付の改善及び改正省令による特別支給金制度の改善に伴い、労災保険率等が全業種平均で一、〇〇〇分の〇・五引き上げられることになつた(徴収則別表第一の改正。別添参照)。

(二) (一)の労災保険率の改定に伴い、昭和五五年度において徴収法第一二条第三項の規定により労災保険率を引き上げ又は引き下げられた事業の昭和五六年一月一日以後の期間に係る昭和五五年度のメリツト料率は、同種の事業について定められた改正後の労災保険率から通勤災害に係る率を減じた率を当該事業の昭和五五年度のメリツト料率の算定に用いた増減の割合だけ引き上げ又は引き下げた率に、通勤災害に係る率を加えた率となる。

なお、徴収法第一二条第三項第二号の「当該事業と同種の事業に係る労災保険率」は、昭和五五年度については、改正省令による改正前の徴収則別表第一の規定による労災保険率をいうものとして取り扱う。

二 労働保険料の徴収に関する経過措置

労災保険率等の変更に伴い、一般保険料及び第一種特別加入保険料の徴収について次のとおり経過措置が講じられた。

(一) 徴収則別表第一の改正規定の施行前及び施行後についての労災保険率等の適用区分

改正省令中徴収則別表第一の改正規定(以下「別表第一の改正規定」という。)の施行日の前日(昭和五五年一二月三一日)以前に労災保険の保険関係が成立し、昭和五六年一月一日まで引き続いて労災保険の保険関係が継続している事業について、同日以後において一般保険料及び第一種特別加入保険料の額を算定するため労災保険率等を適用する場合には、次による。

① 当該事業が継続事業(一括有期事業を含む。)である場合には、昭和五五年一二月三一日以前の期間分については改正省令による改正前の労災保険率等(以下「旧労災保険率等」という。)を適用し、昭和五六年一月一日以後の期間分については改正省令による改正後の労災保険率等(以下「新労災保険率等」という。)を適用する(改正省令附則第三条第一項)。

この場合において、一括有期事業については、一括されたそれぞれの事業のうち、請負金額に労務費率を乗じて賃金総額を算定している事業その他別表第一の改正規定の施行の前後で賃金総額を分割して算定することが困難な事業があるときは、当該事業の開始日が一二月三一日以前であるものについては旧労災保険率等を、当該事業の開始日が一月一日以後であるものについては新労災保険率等をそれぞれ適用して確定保険料額を算定して差し支えない。

② 当該事業が有期事業である場合には、別表第一の改正規定の施行前、施行後を問わず、当該事業の全期間を通じて従前の例によることとし、旧労災保険率等を適用する。

この場合、昭和五五年三月三一日以前に労災保険の保険関係が成立している事業についての一般保険料に係る確定保険料の額の算定については、当該事業の全期間を通じて、同日以前の労災保険率を適用する(改正省令附則第三条第二項)。

(二) 継続事業の昭和五五年度分の確定保険料額の算定方法についての特例

① 別表第一の改正規定の施行日の前日以前に労災保険の保険関係が成立し、昭和五六年一月一日まで引き続いて労災保険の保険関係が継続している継続事業(一括有期事業を含む。以下②及び③において同じ。)についての昭和五五年度分の一般保険料に係る確定保険料の額の算定については、次に掲げるところによることができる(改正省令附則第三条第三項)。

(イ) (ロ)の事業以外の事業(昭和五五年四月一日から昭和五六年三月三一日まで引き続き労災保険の保険関係が存続した事業)にあつては、昭和五五年度分の賃金総額の一二分の九に相当する額に旧労災保険率と雇用保険率とを加えた率(労災保険の保険関係のみが成立している事業については旧労災保険率。以下(ロ)において「旧一般保険料率」という。)を乗じた額と、昭和五五年度分の賃金総額の一二分の三に相当する額に新労災保険率と雇用保険率とを加えた率(労災保険の保険関係のみが成立している事業については新労災保険率。以下(ロ)において「新一般保険料率」という。)を乗じた額とを合算した額を、確定保険料の額とする。

(参考) 前記の算定方法を算式で示すと次のとおりである。

(ロ) 昭和五五年度の中途に労働保険の保険関係が成立し、又は消滅した事業にあつては、昭和五五年度において保険関係が成立した全期間に係る賃金総額に昭和五五年一二月三一日以前の期間の日数を当該保険関係成立の全期間の日数で除した数を乗じた額に更に旧一般保険料率を乗じた額と、当該賃金総額に昭和五六年一月一日以後の期間の日数を当該保険関係成立の全期間の日数で除した数を乗じた額に更に新一般保険料率を乗じた額とを合算した額を、確定保険料の額とする。

(参考) 前記の算定方法を算式で示すと次のとおりである。

② 別表第一の改正規定の施行日の前日以前において中小事業主等の特別加入の承認を受け、昭和五六年一月一日まで引き続いて当該承認を受けている事業主の継続事業についての昭和五五年度分の第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額の算定については、第一種特別加入保険料算定基礎額の総額の一二分の九に相当する額に旧第一種特別加入保険料率(旧労災保険率を基礎とする第一種特別加入保険料率をいう。以下同じ。)を乗じた額と、第一種特別加入保険料算定基礎額の総額の一二分の三に相当する額に新第一種特別加入保険料率(新労災保険率を基礎とする第一種特別加入保険料率をいう。以下同じ。)を乗じた額とを合算した額を、確定保険料の額とすることができる(改正省令附則第三条第四項)。

(参考) 前記の算定方法を算式で示すと次のとおりである。

この場合、確定保険料額の実際の算定に当たつては、第一種特別加入保険料算定基礎額の一二分の九に相当する額(左記「第一種特別加入保険料算定基礎額早見表」の②欄の額)の総額に旧第一種特別加入保険料を乗じた額と、第一種特別加入保険料算定基礎額の一二分の三に相当する額(左記「第一種特別加入保険料算定基礎額早見表」の③欄の額)の総額に新第一種特別加入保険料率を乗じた額とを合算した額を、確定保険料の額として差し支えない。

第一種特別加入保険料算定基礎額早見表

①保険料算定基礎額

②保険料算定基礎額の一二分の九に相当する額

③保険料算定基礎額の一二分の三に相当する額

五、八四〇、〇〇〇円

四、三八〇、〇〇〇円

一、四六〇、〇〇〇円

五、一一〇、〇〇〇円

三、八三二、五〇〇円

一、二七七、五〇〇円

四、三八〇、〇〇〇円

三、二八五、〇〇〇円

一、〇九五、〇〇〇円

三、六五〇、〇〇〇円

二、七三七、五〇〇円

九一二、五〇〇円

三、二八五、〇〇〇円

二、四六三、七五〇円

八二一、二五〇円

二、九二〇、〇〇〇円

二、一九〇、〇〇〇円

七三〇、〇〇〇円

二、五五五、〇〇〇円

一、九一六、二五〇円

六三八、七五〇円

二、一九〇、〇〇〇円

一、六四二、五〇〇円

五四七、五〇〇円

一、八二五、〇〇〇円

一、三六八、七五〇円

四五六、二五〇円

一、四六〇、〇〇〇円

一、〇九五、〇〇〇円

三六五、〇〇〇円

一、二七七、五〇〇円

九五八、一二五円

三一九、三七五円

一、〇九五、〇〇〇円

八二一、二五〇円

二七三、七五〇円

九一二、五〇〇円

六八四、三七五円

二二八、一二五円

七三〇、〇〇〇円

五四七、五〇〇円

一八二、五〇〇円

(参考) 前記の算定方法を算式で示すと次のとおりである。

③ 継続事業の昭和五五年度分の一般保険料及び第一種特別加入保険料に係る確定保険料額の算定について前記①及び②のとおりとすることができることとしたのは、事務処理の簡素化を図るとともに、事業主及び労働保険事務組合側の利便を考慮したものであり、当該経過措置は、徴収法第四四条の規定に基づくものである。

このほか、前記①及び②の算定方法については、次の点に留意されたい。

(イ) 当該算定方法は、別表第一の改正規定の施行の際現に両保険又は労災保険の保険関係が成立している継続事業についてのみ適用されるものであること。

(ロ) 当該算定方法は、通常、昭和五六年度の年度更新に際して、確定保険料額を算定する場合に適用されるものであるが、年度更新前に保険関係が消滅したため確定保険料額を算定する場合についても適用されるものであること。

したがつて、当該算定方法を適用する事例は、別表第一の改正規定施行後(昭和五六年一月一日以後)においては、いつでもありうるものであること。

なお、保険年度の中途において労災保険率の引上げを行つたことに伴う保険料の徴収については、諸般の状況等を勘案して昭和五六年度の年度更新時に行うこととする予定である(改正省令附則第三条第五項)。

(三) 昭和五五年度分の保険料申告書の様式

継続事業の昭和五五年度分の確定保険料額の算定について前記(一)及び(二)のとおり経過的な取扱いをすることに伴い、昭和五六年一月一日以後に使用する確定保険料申告書については、徴収法施行規則様式第六号(甲)に必要な改定をして使用することができることとされている(改正省令附則第三条第六項)。

昭和五六年度の年度更新に際して使用する必要な改定をした申告書の様式については、おつて連絡する予定であるが、昭和五六年一月一日以降当面使用するもの(前記(二)の①の(ロ)及び③の(ロ)参照)については、別添の様式による「内訳」を現行の申告書に貼付して使用することとする。

なお、前記の(一)又は(二)の算定方法による場合、確定保険料申告書の⑪欄(確定保険料額)の記載に当たつては、当該保険料額のうち労災保険分及び雇用保険分についても、同欄中(A)及び(B)の欄にそれぞれの額を記載することとする。

別添

昭和55年度 確定保険料額(労災保険分)算定の内訳

((25))算定期間

((26))賃金総額

((27))労災保険率

((28))確定保険料額

(((26))×((27)))

 年 月 日から

55年12月31日まで

(イ)     千円

1000分の

(ニ)     円

56年1月1日から

 年 月 日まで

(ロ)     千円

1000分の

(ホ)     円

合計

(ハ)     千円

 

(ヘ)     円

(注) ((28))欄の(ヘ)を⑪欄の(A)に転記すること。

三 メリツト制の改正

メリツト制度は、個別事業場の労働災害防止意欲を喚起し、もつて新規災害の発生率を低下させることにより、当該業種全体の保険収支に好影響を与えるとともに、災害防止努力の成果を直接個別事業場の負担保険料に反映させることによつて事業場間の負担の公平を図ることを目的としている。

今回の改正においては、この趣旨のより一層の徹底を図るために継続事業及び有期事業についての労災保険率又は保険料の増減幅を五%ずつ拡大するとともに、個別メリツト適用事業場における災害率を適正に評価するために、収支率の計算方法の改善を行つたものである。

(一) メリツト増減幅の拡大

イ 一定の要件に該当する継続事業又は一括有期事業については、従来、その事業の毎年一二月三一日以前三年間における収支率(以下単に「収支率」という。)に応じ、その事業についての翌年の四月一日から開始する保険年度の労災保険率(通勤災害に係る率に応ずる部分を除く。)を一〇〇分の三五又は一〇〇分の二五の範囲内において増減することとされていたが、今回の改正により、この収支率に応じた労災保険率の増減の割合が一〇〇分の四〇又は一〇〇分の三〇の範囲まで拡大された(徴収法第一二条第三項及び徴収則別表第三の改正)。

ロ 一定の要件に該当する有期事業については、従来、その事業が終了した日から三箇月を経過した日又は九箇月を経過した日における収支率に応じ、その事業の確定保険料の額が一〇〇分の二五の範囲内において引き上げ又は引き下げられることになつていたが、今回の改正により、この収支率に応じた確定保険料の増減の割合が一〇〇分の三〇の範囲まで拡大された(徴収法第二〇条第一項並びに徴収則別表第六及び第七の改正)。

(二) 収支率の算定に当たつての特定疾病等の取扱い

イ 収支率算定式の分子たる保険給付及び特別支給金から除外するものについてメリツト制適用事業場の災害発生状況を適正に評価するため、従来の通勤災害等の取扱いと同様に、一定の条件のもとに特定疾病にかかつた者に係る保険給付の額及び特別支給金の額並びに労働者災害補償保険法第一六条の六第二号の場合に支給される遺族補償一時金及び当該遺族補償一時金の受給権者に支給される遺族特別一時金を個別事業場の収支率算定式の分子たる保険給付の額及び特別支給金の額から除外することとされた(徴収法第一二条第三項及び第二〇条第一項の改正並びに徴収則第一七条の二の新設及び第一八条の二の改正)。

この場合において、一定の条件のもとに特定疾病にかかつた者の範囲は、有期的な性格を持つ事業及び日雇又は短期的な雇用形態の労働者に限るという観点から、事業場を転々移動する日雇又は短期間の就労を常態とする労働者を多数使用する事業に多発する特定の疾病であつて、かつ、当該疾病の発症までに比較的長期間を要するものであるにもかかわらず最終事業場における従事歴が短期であるため、疾病の発生に係る責任を最終事業場の事業主に帰属させることが困難なものにかかつた者とされた。

すなわち、具体的には、次表の上欄に掲げる疾病にかかつた者のうち中欄に掲げる業種に属する事業に係る下欄に掲げるものと定められた。

疾病

事業の種類

疾病にかかつた者の範囲

非災害性腰痛

港湾貨物取扱事業

沿岸荷役業

船内荷役業

事業主を異にする二以上の事業場において非災害性腰痛の発生のおそれのある業務に従事した労働者であつて、最後の事業場の事業主に日雇で使用されたもの(二月を超えて使用されるに至つた者を除く。)

振動障害

林業の事業

建設の事業

事業主を異にする二以上の事業場において振動障害の発生のおそれのある業務に従事した労働者であつて、最終事業場における当該業務の従事期間が一年に満たないもの

じん肺症

建設の事業

事業主を異にする二以上の事業場においてじん肺症の発生のおそれのある業務に従事した労働者であつて、最終事業場における当該業務の従事期間が三年に満たないもの

なお、前記の表において留意すべき点は、次のとおりである。

① 特定疾病にかかつた者とする要件は、

a 非災害性腰痛については、労働基準法施行規則(以下「労基則」という。)別表第一の二第三号二に該当する疾病と認められた場合

b 振動障害については、労基則別表第一の二第三号三に該当する疾病と認められた場合

c じん肺症については、労基則別表第一の二第五号に該当する疾病と認定された場合

とすること。

② 港湾貨物取扱事業、林業の事業、建設の事業等の事業の種類は、労災保険率適用事業細目表に掲げる事業の種類をいうこと。

③ 「事業主を異にする二以上の事業場において(上欄の疾病)の発生のおそれのある業務に従事した」とは、当該疾病の発生のおそれのある業務に従事した事業場が二以上あり、かつ、そのうち少なくとも二事業場につき、次の要件を同時に満たしていなければならないものであること。

a 当該二事業場の事業主が互いに異なつていること。

b 当該二事業場が、それぞれ、当該疾病に係る事業の種類のいずれかに属していること。

④ 「(上欄の疾病)の発生のおそれのある業務」とは、

a 非災害性腰痛については、労基則別表第一の二第三号二に規定する業務

b 振動障害については、労基則別表第一の二第三号三に規定する業務

c じん肺症については、労基則別表第一の二第五号に規定する業務をいい、具体的には、各疾病の業務上外の認定に当たり、疾病の発生のおそれのある業務と認められた業務と同一のものとすること。

⑤ 振動障害及びじん肺症の項の下欄における「最終事業場における当該業務の従事期間」とは、疾病の発生の原因となつた業務に従事した最後の事業場に使用されるまでの間、引き続いて当該最後の事業場の事業主の他の事業場に使用されていた場合にあつては、最後の事業場における従事期間だけでなく、当該他の事業場における従事期間をも通算した期間であること。

すなわち、同一事業主のもとで事業場を移動し、最後の事業場で特定疾病が発生した場合、当該同一事業主のもとにおける従事期間が通算されることとなる。

(例)

なお、従事期間は、振動障害については、業務上の疾病として認定の要件とされている当該業務の従事期間のは握の方式と同一の方式をもつては握された期間とし、じん肺症については、振動障害における方式に準じた方式でもつては握された期間とする。

⑥ 振動障害及びじん肺症については、⑤のとおり最終事業場における当該業務の従事期間が問題とされるが、非災害性腰痛については最後の事業場における雇用形態が問題とされ、日雇労働者のみが、その対象労働者となることに注意されたいこと。

なお、日雇労働者とは、日々又は二月以内の期間を定めて使用され又は使用されたものをいう。ただし、事実上二月を超えて使用されるに至つた場合は、日々雇用契約又は二月以内の短期間の雇用契約を締結した者であつても、日雇労働者とはならない。

ロ 収支率算定方法の改善について

メリツト収支率の算定に当たつては、年金に係る給付費の評価額として労働基準法による災害補償相当額を算入することとしているが、労災保険率の算定において考慮される年金たる保険給付に要する費用が増大してきたことから評価額としての労働基準法による災害補償相当額との間に大きな不均衡が生じてきた。このため、今回の法改正において収支率算定式の分母たる保険料の額に乗ずべき調整率を定め、収支率算定の適正化を図つたものである。

また、特に林業、建設業及び港湾運送関係業種については、特定の疾病に係る保険給付の額及び特定支給金の額をメリツト収支率の算定基礎から除外することとした措置との関連において、調整率を別途定めることとしたものである。

この調整率は、次のように定められた(徴収則第一九条の二の新設)。

林業の事業 一〇〇分の六六

建設の事業 一〇〇分の七九

/港湾貨物取扱事業/沿岸荷役業/船内荷役業/ 一〇〇分の七八

前記以外の事業 一〇〇分の八〇

ハ 改正後の収支率算定式

前記イ及びロによる継続事業に係るメリツト計算上の収支率の算定は、次式のとおりとなる。

また、有期事業に係るメリツト制の収支率の算定も、継続事業に準ずるものであること。

四 メリツト制の改正に関する経過措置

メリツト制の改正に伴い、その適用及び収支率の算定に関し、次のとおり経過措置が講じられた。

(一) メリツト増減幅の拡大に関する経過措置

イ 一定の要件に該当する継続事業に係る改正後の徴収則別表第三の規定は、昭和五六年度以後の労災保険率等について適用されるものであり、昭和五五年度以前の労災保険率等については、従前どおり取り扱われるものである(改正省令附則第三条第七項)。

ロ また、一定の要件に該当する有期事業に係る改正後の徴収則別表第六及び別表第七は、昭和五六年四月一日以後に労災保険に係る保険関係が成立した事業について適用されるものであり、昭和五六年三月三一日以前に労災保険に係る保険関係が成立した事業については、従前どおり取り扱われるものである(改正省令附則第三条第八項)。

(二) 収支率算定に当たつての特定疾病等の取扱いに関する経過措置

イ 収支率の分子たる保険給付及び特別支給金から除外されるものについて

(イ) 一定の要件に該当する継続事業に係る収支率の算定式の分子たる給付から除外する保険給付及び特別支給金は、昭和五六年一月一日以後の期間に係るものに限られ、昭和五五年一二月三一日以前の期間に係る保険給付及び特別支給金については、従前どおり取り扱われるものである(改正法附則第七条第一項)。

(ロ) また、一定の要件に該当する有期事業に係る収支率の算定式の分子たる給付から除外する保険給付及び特別支給金は、昭和五六年四月一日以後に労災保険に係る保険関係が成立した事業に係る保険給付及び特別支給金に限られ、昭和五六年三月三一日以前に労災保険に係る保険関係が成立した事業に係る保険給付及び特別支給金については、従前どおり取り扱われるものである(改正法附則第七条第二項)。

ロ 収支率の算定方式の改善について

(イ) 一定の要件に該当する継続事業に係る収支率の算定式の分母たる保険料に乗ずべき調整率は、昭和五六年一月一日以後の期間に係る保険料に乗じられるものであり、昭和五五年一二月三一日以前の期間に係る保険料については、従前どおり取り扱われるものである(改正法附則第七条第一項)。

なお、昭和五五年度分の保険料のうち調整率を乗じられることとなる昭和五六年一月一日から同年三月三一日までの間の保険料の額の算定に当たつては、昭和五五年度分の一般保険料及び第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額から通勤災害に係る率に応ずる部分の額を減じた額(以下「メリツト算入確定保険料の額」という。)の一二分の三に相当する額として差し支えない。

この場合、昭和五五年四月一日から同年一二月三一日までの間の保険料の額は、昭和五五年度分のメリツト算入確定保険料の額の一二分の九に相当する額となる。

(参考) 前記の算定方法を使用して、昭和五七年度のメリツト料率算定のための収支率算定式の分母を算式で示すと次のようになる。なお、左記算式においては、一般保険料及び第一種特別加入保険料に係る概算(確定)保険料の額から通勤災害に係る率に応ずる部分の額を減じた額を「メリツト算入概算(確定)保険料の額」ということにする。

(ロ) 一定の要件に該当する有期事業に係る収支率算定式の分母たる保険料に乗ずる調整率は、昭和五六年四月一日以後に労災保険に係る保険関係が成立した事業の保険料に乗じられるものであり、昭和五六年三月三一日以前に労災保険に係る保険関係が成立した事業の保険料については、従前どおり取り扱われるものである(改正法附則第七条第二項)。

(別添)

労災保険率

事業の種類の分類

事業の種類

改正後

現行

林業

製薪業又は木炭製造業

1000分の53

1000分の51

木材伐出業

1000分の118

1000分の113

その他の林業

1000分の33

1000分の32

漁業

漁業

1000分の50

1000分の48

鉱業

金属又は非金属鉱業(石灰石鉱業又はドロマイト鉱業を除く。)

1000分の78

1000分の76

石灰石鉱業又はドロマイト鉱業

1000分の58

1000分の56

石炭鉱業

1000分の93

1000分の89

原油又は天然ガス鉱業

1000分の10

1000分の10

採石業

1000分の118

1000分の113

その他の鉱業

1000分の40

1000分の38

建設事業

水力発電施設、隧道等新設事業

1000分の129

1000分の124

道路新設事業

1000分の40

1000分の38

ほ装工事業

1000分の26

1000分の25

鉄道又は軌道新設事業

1000分の68

1000分の66

建築事業(既設建築物設備工事業を除く。)

1000分の47

1000分の45

既設建築物設備工事業

1000分の31

1000分の30

機械装置の組立て又はすえ付けの事業

1000分の33

1000分の31

その他の建設事業

1000分の35

1000分の34

製造業

食料品製造業

1000分の9

1000分の8

繊維工業又は繊維製品製造業(製糸業を除く。)

1000分の7

1000分の6

製糸業

1000分の6

1000分の5

木材又は木製品製造業

1000分の26

1000分の25

パルプ又は紙製造業

1000分の11

1000分の11

印刷又は製本業

1000分の7

1000分の7

化学工業

1000分の8

1000分の8

ガラス又はセメント製造業

1000分の9

1000分の9

陶磁器製品製造業

1000分の20

1000分の19

その他の窯業又は土石製品製造業

1000分の25

1000分の24

金属精錬業(非鉄金属精錬業を除く。)

1000分の9

1000分の8

非鉄金属精錬業

1000分の11

1000分の11

金属材料品製造業(鋳物業を除く。)

1000分の19

1000分の18

鋳物業

1000分の21

1000分の20

金属製品製造業又は金属加工業(洋食器、刃物、手工具又は一般金物製造業及びめつき業を除く。)

1000分の23

1000分の22

洋食器、刃物、手工具又は一般金物製造業(めつき業を除く。)

1000分の17

1000分の16

めつき業

1000分の13

1000分の12

機械器具製造業(電気機械器具製造業、輸送用機械器具製造業、船舶製造又は修理業及び計量器、光学機械、時計等製造業を除く。)

1000分の11

1000分の10

電気機械器具製造業

1000分の5

1000分の5

輸送用機械器具製造業(船舶製造又は修理業を除く。)

1000分の8

1000分の7

船舶製造又は修理業

1000分の21

1000分の21

計量器、光学機械、時計等製造業(電気機械器具製造業を除く。)

1000分の5

1000分の5

貴金属製品、装身具、皮革製品等製造業

1000分の8

1000分の7

その他の製造業

1000分の12

1000分の11

運輸業

交通運輸事業

1000分の7

1000分の6

貨物取扱事業(港湾貨物取扱事業、沿岸荷役業及び船内荷役業を除く。)

1000分の20

1000分の19

港湾貨物取扱事業(沿岸荷役業及び船内荷役業を除く。)

1000分の27

1000分の26

沿岸荷役業

1000分の40

1000分の38

船内荷役業

1000分の75

1000分の71

電気、ガス、水道又は熱供給の事業

電気、ガス、水道又は熱供給の事業

1000分の5

1000分の4

その他の事業

清掃、火葬又はと畜の事業

1000分の14

1000分の14

一般失業対策事業

1000分の12

1000分の12

ビルメンテナンス業

1000分の6

1000分の6

その他の各種事業

1000分の5

1000分の5