添付一覧
○労働保険の徴収一元化等関係法令の施行について
(昭和四七年三月三〇日)
(発総第二八号・基発第一九一号・職発第一二二号)
(各都道府県労働基準局長、各都道府県知事あて労働大臣官房長、労働省労働基準局長、労働省職業安定局長通達)
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(以下「徴収法」という。)は、既に昭和四四年一二月九日に公布され、以来二年有余にわたり、同法の実施のための諸般の準備をお願いしてきたところであるが、去る三月二七日、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律等の施行期日を定める政令」(別紙一)が公布され、同法のほか、失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(以下「失業保険法等の一部改正法」という。)の規定中労災保険及び失業保険の適用範囲の拡大等を定めた規定の施行期日は、昭和四七年四月一日とすることが定められた。
また、徴収法等の施行に伴うその他の関係法令が三月三一日(別紙一七の告示については四月一日)に公布され、四月一日から施行されることとなつた。
これら関係法令の概要等は下記のとおりであるので、各位におかれては、これらの法令の実施に関する事務処理に当つては、その円滑、適正を期するよう、格段のご協力をお願いいたしたい。
記
第一 徴収法その他関係法令の施行期日について
一 徴収法及び失業保険法等の一部改正法中適用範囲の拡大等に関する規定のほか、下記第二以下の関係法令の施行期日は、いずれも四七年四月一日であること。
更に、「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下「整備法」という。)は、同法附則において徴収法の施行の日から施行することとされているので、四七年四月一日から自動的に施行されることとなること。
二 なお、徴収法の施行に伴う一元的な労働保険料の収入その他労災保険、失業保険の両保険につき不可分一体の収入及び支出を経理するための「労働保険特別会計」の設置を内容とする「労働保険特別会計法案」については、当初の予定に反し、四六年度内に成立するに至らず、四月下旬、暫定予算期間中に成立し、四七年度予算の成立の日から施行されることとなる見通しであるが、さしあたり徴収法の施行には特に支障がなく、その間の歳入歳出事務等の取扱いについては、さきに通達したとおり(四七・三・二五付労働省発総第二五号通達参照)であること。
第二 「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行令」(別紙二)について
この政令は、徴収法の規定に基づき、①労災保険率を定める場合の基準及び②同法に定める労働大臣の権限の委任について定めたものであり、その要点は、別紙二―二のとおりであること。
第三 「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」(別紙三)について
この政令は、徴収法等の施行に伴い、及び関係法律の規定に基づき、①関係政令の改廃、②失業保険暫定任意適用事業及び労災保険暫定任意適用事業、③経過措置等について定めたものであり、その要点は、別紙三―二のとおりであること。
第四 「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」(別紙四)について
この省令は、徴収法の規定に基づき、及び同法を実施するため、①労働保険関係事務の所轄、②保険関係の成立及び消滅、③労働保険料の納付の手続等、④労働保険事務組合その他必要事項について定めたものであり、その要点は、別紙四―二のとおりであること。
第五 「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う労働省令の整備等に関する省令」(別紙五)について
この省令は、徴収法等の施行に伴い、及び関係法令の規定に基づき、①関係省令の改正、②労災保険に係る特例による保険給付その他の暫定措置、③経過措置等について定めたものであり、その要点は、別紙五―二のとおりであること。
第六 関係告示について
(一) 「労働保険の保険料の徴収等に関する法律第三〇条第二項に規定する一般保険料額表を定める告示」(別紙六)の要点は次のとおりであること。
失業保険の被保険者が負担すべき保険料額を定める保険料額表については、徴収法の施行に伴い、同法三〇条二項の規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、昭和四四年労働省告示第四九号を廃止し、この告示を制定したものである。
(二) 「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の規定に基づき労働大臣が指定する種類の事業及び労働大臣が指定する都道府県労働基準局の管轄区域を定める告示」(別紙七)の要点は、次のとおりであること。
有期事業の一括についての労働省令で定める要件に係る「労働大臣が指定する種類の事業及び労働大臣が指定する都道府県労働基準局の管轄区域」については、徴収法の施行に伴い、徴収法施行規則六条二項四号の規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、昭和四一年労働省告示第二四号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(三) 「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第一三条第二項第一号ただし書に規定する事業の種類及び物を定める告示」(別紙八)の要点は、次のとおりであること。
請負による建設の事業について賃金総額の特例を適用する場合における請負金額の計算に係る「事業の種類及び物」については、徴収法の施行に伴い、徴収法施行規則一三条二項一号の規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、昭和三七年労働省告示第二号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(四) 「労災保険率適用事業細目表を定める告示」(別紙九)の要点は、次のとおりであること。
労災保険料率適用事業細目表については、徴収法の施行に伴い、徴収法施行規則一六条の規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、昭和三七年労働省告示第三号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(五) 「印紙保険料納付計器を指定する告示」(別紙一〇)の要点は、次のとおりであること。
保険料納付計器については、徴収法の施行に伴い、徴収法施行規則四五条三項の規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、昭和四五年労働省告示第五号を廃止し、この告示を制定したものであり、内容についての変更はない。
(六) 「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第一九条第二項の労働大臣の定める率を定める告示」(別紙一一)の要点は、次のとおりであること。
労災保険の特別保険料の額を算定するための保険料率については、従来労災保険法施行規則四六条の六に規定されていたが、整備法の施行に伴い、新たに同法一九条二項の規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(七) 「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令第一七条第二号への労働大臣が定める危険又は有害な作業を定める告示」(別紙一二)の要点は、次のとおりであること。
労災保険の適用事業の範囲に係る「危険又は有害な作業」については、従来労災保険法施行規則三条に規定されていたが、「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」(以下「整備令」という。)の施行に伴い、新たに同令一七条二号への規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(八) 「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令第一七条第四号の労働大臣が指定する水面に関する告示」(別紙一三)の要点は、次のとおりであること。
労災保険の任意適用事業に係る「労働大臣の指定する水面」については、整備令の施行に伴い、同令一七条四号の規定に基づいて労働大臣が定めることとなつたので、昭和三〇年労働省告示第二七号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(九) 「労働者災害補償保険法の施行に関する事務に使用する文書の様式を定める告示の一部を改正する告示」(別紙一四)の要点は次のとおりであること。
労災保険法の施行に関する事務に使用する文書の様式については、①徴収法及び整備法の施行に伴い、その一部(適用徴収関係の様式)は徴収法施行規則に定めることとなつたので、所要の整備を行なうとともに、②給付関係の様式について一部改正を行なつたものである。
なお、新労災保険法一九条の二及び二五条の規定による徴集金に係る督促状の様式は、歳入徴収官事務規程(昭和二七年大蔵省令第一四一号)別紙第三号書式によることとした。
(一〇) 「失業保険法第三七条第一号に規定する労働大臣が定める率を定める告示」(別紙一五)の要点は次のとおりであること。
整備法による失業保険法の一部改正により、失業保険の特別保険料の額に関する規定が同法三七条の四から同法三七条に改められたことに伴う形式整備を行なうため、昭和四五年労働省告示第一四号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(一一) 「適用区域外の地域にある適用事業であつて、日雇労働の労働市場の状況その他の事情に基づいて労働大臣が指定するものを定める告示」(別紙一六)の要点は次のとおりであること。
整備法による失業保険法の一部改正により、同法三八条の三第一項第三号の規定が改められたことに伴う形式整備を行なうため、昭和三五年労働省告示第二六号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(一二) 「失業保険法施行規則第六条第一項第一号の規定により失業保険法を適用しない者を定める告示」(別紙一七)の要点は、次のとおりであること。
整備法による失業保険法の一部改正により、国その他これに準ずるものに対する適用除外に関する規定が改められたことに伴う形式整備を行なうため、昭和二七年労働省告示第一五号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(一三) 「失業保険法施行規則第六条第一項第二号の規定により失業保険法を適用しない者を定める告示」(別紙一八)の要点は、次のとおりであること。
整備法による失業保険法の一部改正により、都道府県、その他これに準ずるものに対する適用除外に関する規定が改められたことに伴う形式整備を行なうため、昭和二四年労働省告示第二二号を廃止し、この告示を制定したもので、その内容に変更はない。
(一四) 「失業保険法第一七条の二第三項の労働大臣が定める賃金日額の算定方法を定める告示の一部を改正する告示」(別紙一九)の要点は、次のとおりであること。
整備法による失業保険法の一部改正により、被保険者期間に関する規定が同法一四条から同法一五条の二に改められたこと等に伴う形式整備を行なうため、昭和三八年労働省告示第三七号の一部を改正したもので、その内容に変更はない。
別紙一及び二(略)
別紙二―二
「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行令」の要点
一 第一条関係
現行労災保険法施行令二条と同じ内容である。(同条中「法の適用を受けるすべての事業」とあるのを「労災保険に係る保険関係が成立しているすべての事業」としたのは、労災保険暫定任意適用事業は、労災保険法三条一項の適用事業としないこととされている(失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律附則一二条一項)ため、「法の適用を受ける……事業」としただけでは、従来と異なり、保険関係が成立している任意適用事業が含まれないこととなるおそれがあるからである。)
二 第二条関係
(一) この条は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(以下「法」という。)四五条一項の規定に基づき、同法に定める労働大臣の権限を行政庁(都道府県労基局長又は都道府県知事)に委任することを定めたものである。
(二) 「法第八条第二項の規定による認可(数次の請負による建設の事業の下請負人をその請負に係る事業の事業主とする認可)に関する権限」は、都道府県労基局長のみに委任することとしている。すなわち、建設の事業に係る元請一括及びこれに関連する下請負事業の分離の制度は、従来からの経緯等にかんがみ、失業保険の保険関係については適用しないこととし、建設の事業は二元適用事業としているため、当該認可の権限は、労基局長に限られる。
(三) 「法第九条の規定による認可及び指定(継続事業の一括の認可及びこれに係る指定)に関する権限」については、都道府県労基局が一般保険料の徴収等に関する事務を所掌する事業についての当該認可等の権限は都道府県労基局長に、都道府県が一般保険料の徴収に関する事務を所掌する事業についての当該認可等の権限は都道府県知事に委任する趣旨である。
(四) 法第三三条第二項の規定による認可(労働保険事務組合の認可)………に関する権限」については、①二元適用事業であつて労災保険の保険関係に係るもの及び②一人親方等の団体のいずれか又は双方のみの委託を受けて事務を処理する労働保険事務組合に係る認可等の権限は都道府県労基局長に、それ以外のすべての労働保険事務組合に係る認可等の権限は都道府県知事に委任することとしたものである。
(五) 「法第四条第二項及び第六条第一項の規定による認可(失業保険の任意加入の認可及び保険関係消滅の認可)に関する権限は、政令で都道府県知事に委任され、労災保険の任意加入の認可及び保険関係消滅の認可の権限は、徴収法に基づくものでないため、政令による権限委任の規定がないので、訓令で都道府県労基局長に専決させることとする予定である。
別紙三(略)
別紙三―二
「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」の要点
一 第一条関係
労災保険事務組合及び失業保険事務組合に対する報奨金に関する政令は、「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整備法)三一条及び三三条の規定により、根拠規定である「失業保険法の一部を改正する法律」(昭和三三年法律第一四八号)附則五項及び「労災保険法の一部を改正する法律」(昭和四〇年法律第一三〇号)附則一三条の規定が削除されたことに伴い廃止されるが、昭和四七年度に交付すべき報奨金については、整備法三二条及び三四条の規定により、「なお従前の例による」こととされている。なお、整備法二三条に新たに報奨金交付の根拠規定が設けられたが、この規定は、昭和四八年度以降に交付すべき報奨金について適用されることとなり、この規定に基づく政令は、別途制定される。
二 第二条関係
(一) 予算決算及び会計令二八条の二第二号の改正は、従来納入の告知を要しない歳入として、「労災保険法の規定により報告し、又は通知を受けて納付する保険料又は特別保険料(認定決定による確定保険料を除く。)」及び「失業保険法の規定による申告書に基づいて納付する保険料」が掲げられていたものを、徴収法の施行に伴い、「徴収法の規定(整備法において準用する場合を含む。)により申告し、又は通知を受けて納付する保険料又は特別保険料(認定決定による確定保険料を除く。)」という内容に改めるものであり、納入告知書による保険料及び納付書による保険料の範囲は、結局従来の労災保険の場合と同様である。
(二) 予算決算及び会計令五一条七号の四の改正は、従来資金前渡できる経費として「失業保険法三二条の規定により政府が事業主として負担すべき保険料」及び「失業保険法三八条の一二第一項の規定により政府が事業主として納付すべき保険料(失業保険印紙をもつて納付すべき日雇保険料)」が指定されていたが、これは、失業保険の一般保険料については、被保険者負担分は被保険者の賃金から控除し、保険料は翌月末までに納付することとなつていたため、資金前渡できる経費は、事業主(政府)負担分相当額だけで足りたからである。ところが徴収法の施行に伴い、事業主(政府)が納付する労働保険料(この場合は失業保険の保険関係のみに係る一般保険料)は年度当初に当該年度分を概算納付することとなつたことに伴い、当該保険料については、事業主(政府)負担分だけでなく被保険者負担分も含めた全額を資金前渡できることとする必要があるので、「徴収法一五条一項、二項若しくは四項、一六条、一七条、一九条三項若しくは五項若しくは二三条一項の規定により政府が事業主として納付すべき保険料」を指定することとしたものである。
三 第三条関係
この条は、都道府県に勤務する地方事務官の従事する事務を指定した地方自治法施行規程六九条三号の規定について、徴収法の施行に伴う字句整理を行なつたものであるが、同号の規定中「失業保険特別会計法」の字句は、労働保険特別会計法の成立後同法の施行とあわせて、労働保険特別会計法施行令の附則で「労働保険特別会計法」と改める予定である。
四 第四条~第七条関係
関係政令の規定について、徴収法の施行に伴う所要の字句整理を行なつたものである。
五 第八条関係
国の債権の管理等に関する法律施行令九条二項二号の改正は、従来、債権管理簿へ記載することができなかつた理由を明らかにしておかなくてもよい場合の債権として、「失保法三三条の規定により国が賃金から控除する保険料債権」が規定されていたが、徴収法の施行に伴い、これを「徴収法三一条の規定により国が賃金から控除する保険料債権」と改めるものであり、また、同項三号を削ることとしたのは、徴収法の施行に伴い、「失業保険法による申告書に基づいて納付する保険料債権」なるものは存在しなくなるからである。
六 第九条関係
徴収法及び新労災保険法の施行に伴う規定の整備を行なつたものである。
七 第一〇条関係
(一) 失業保険法施行令一条の改正は、徴収法の施行に伴う規定の整備を行なつたものである。
(二) 失業保険法施行令一条の二の規定は、失業保険法六条一項一号ハの規定に基づき、当然適用事業としない事業(任意適用事業)を定めたものである。
なお、「学校」又は「各種学校」のうち、国、都道府県及び市町村が行なうものは、同法六条一項三号の規定により当該適用事業となるので、任意適用事業となる「学校」又は「各種学校」は私人の経営に係る「学校」又は「各種学校」ということになる。
八 第一一条~第一五条関係
関係政令の規定について、新労災保険法、新失業保険法及び徴収法の施行に伴う規定の整備を行なつたものである。
九 第一六条関係
「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律」(失保法等の一部改正法)附則二条一項の規定に基づき、失業保険の暫定任意適用事業は五人未満の労働者を雇用する事業主の事業のうち、「①製造業、②電気・ガス・水道業、③建設業及び④運輸通信業の事業で常時労働者を雇用するもの」以外の事業とする旨を定めたものである。(五人未満の労働者を雇用する事業主の事業のうちこれら四業種の事業だけは当然適用事業となり、その他の事業はすべて、たとえば「学校又は各種学校における教育、研究又は調査の事業」以外の教育、研究又は調査の事業であつても、五人未満の労働者を雇用する事業主の事業については、暫定任意適用事業となるものである。)
一〇 第一七条関係
失保法等の一部改正法附則一二条一項の規定に基づき、労災保険の暫定任意適用事業は、五人未満事業のうち、「①現に労災保険の強制適用事業とされている事業及び②新たに適用拡大を行なう事業(使用労働者数五人未満の製造業、電気、ガス・水道業、運輸通信業及び鉱業の事業については、従来強制適用事業の要件とされていた危険有害な作業を行なうこと、使用する原動機の定格出力が一・四KW以上であること等の条件を廃止し、常時労働者を使用するこれらの事業は、事務所を除きすべて適用事業となる。)以外の事業とする旨を定めたものである。(したがつて、労災保険の暫定任意適用事業となるものは、具体的には、五人未満事業のうち危険有害な作業を行なわない商業、教育研究調査の事業、サービス業、事務所等となる。)
一一 第一八条関係
旧労災保険法、旧失業保険法又は整備法(二六条一項若しくは二七条二項)の規定により事業主が納付した保険料について過納額があるときは、徴収法の規定による労働保険料に充当することができる旨を定めたものである。(実務上は、旧労災保険料(整備法二六条一項により納付する旧労災保険料を含む。)について過納額がある場合であつて、徴収一元化後における当該事業の労働保険料に係る歳入徴収官が労基局長となるときに限り、当該労働保険料に充当することができることとする。)
一二 第一九条関係
この条は、①一般失業保険の国庫負担率を三分の一までとする場合における収支計算の際に一般失業保険の旧保険料も計算基礎に含めること。②日雇失業保険の国庫負担率を四分の一までとする場合における収支計算の際に日雇失業保険の旧保険料も計算基礎に含めること及び③失業保険の一、〇〇〇分の一三の率を自動変更する場合における計算の基礎に旧保険料も含めることを定めたものである。
一三 第二〇条関係
旧労災保険法の規定により特別加入の承認を受けている一人親方団体は、あらためて申請の手続をしなくても、四月一日に、新労災保険法の規定により特別加入の承認を受けたのとみなす旨を定めたものであり、整備法二一条一項と同趣旨の規定である。
一四 第二一条関係
「三〇トン未満の漁船の範囲を定める政令の一部改正政令」により船員保険法の適用を受ける船員の範囲の拡大を行なつた際に、それより以前に労災保険の特別加入を認められていた者(中小事業主等及び一人親方等)の特別加入に関する地位の存続を保障することとしていたが(同政令附則五項)、このたびの労災保険法の改正に際しても、同様の経過措置を引き継ぐこととしたので、所要の規定を設けたものである。
一五 第二五条関係
この規定は、旧労災保険法又は旧失業保険法の施行に関する事項について、適用事業、事務組合又は労働者に対して報告命令、立入検査等を行なう必要がある場合には、なお従前の例による旨を定めたものである。
一六 第二六条関係
この規定は、整備法の規定により失業保険の任意加入の認可があつたものとみなされる事業(①失業保険の当然適用事業に該当する事業が暫定適任事業に該当するに至つた場合における当該事業及び②旧失業保険法の規定による任意適用事業に該当する事業であつて、四月一日において新失業保険法の規定による任意適用事業に該当するもの)についての保険関係の消滅に係る認可に関する労働大臣の権限は、都道府県知事に委任する旨を定めたものである。
(なお、整備法の規定による労災保険暫定任意適用事業についての任意加入等の認可に関する権限については、別紙一の二の(五)参照)
一七 第二七条関係
この規定は、労働保険特別会計法の年度内不成立に伴い、同法附則で改正を予定していた「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」(端数計算法)七条二号の規定の未整備を補い、徴収法の規定による延滞金については、端数計算法の適用を除外するためのものである。
別紙四(略)
別紙四―二
「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」の要点
一 第一条関係
労働保険の徴収一元化後における適用徴収事務の所掌を定めたものであり、既に指示したところ(四六・四・二〇付発総第一三号の通達等)と内容において変更はない。
(一) この条では、旧労災保険法及び旧失業保険法の規定による保険料、特別保険料その他の徴収金の徴収に関する事務並びに整備法の規定による特別保険料の徴収に関する事務の所掌については規定していないのであり、これらの事務の所掌については「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う労働省令の整備等に関する省令」(以下「整備省令」という。)一五条及び一六条に規定されている。
(二) この条で「都道府県労働基準局歳入徴収官」等とあるのは、労働保険特別会計法が成立した後には「都道府県労働基準局労働保険特別会計歳入徴収官」等と改める予定である。
(三) この条(第三項)は、歳入徴収官の「官職及びその所掌事務の範囲」について創設的に規定したものではなく、これらについては別途労働省所管会計事務取扱規程において指定されることとなつており、この条は、同規程の規定の内容を前提とし、その範囲内において、事務の所掌について確認的、かつ、具体的に規定したものである。
三 第六条関係
有期事業の一括の要件については、従来の労災保険の場合と同様としたものである。
有期事業の一括扱いをすることができる事業を労災保険の保険関係に係るものに限つているのは、失業保険の保険関係にある事業については、従来から適用単位のとり方が労災保険の場合と異なる等の事情があるため、有期事業としての取扱いをしないこととしたためである。
四 第七条~第九条関係
(一) 請負事業の一括
数次の請負の事業の一括は、従来の労災保険と同様、建設の事業について行なうこととしたものであるが、従来の経緯等にかんがみ労災保険の保険関係に係るものに限ることとし、失業保険の保険関係に係るものについては行なわないこととした。
(二) 下請負事業の分離
請負事業の一括にあたつても、一定の規模以上の下請負事業、すなわち、有期事業の一括を受ける事業以外の事業については、従来の労災保険と同様、元請負人及び下請負人の共同申請に基づき、下請負人をその請負に係る事業の事業主とすることができることとしたものである。
五 第一〇関係
継続事業の一括は、事業主が同一人である二以上の継続事業が次の要件に該当するものについて行なうものとしたものである。
(一) それぞれの事業が、①二元適用事業であつて労災保険の保険関係に係る事業のグループであるか、②二元適用事業であつて失業保険の保険関係に係る事業のグループであるか、又は③一元適用事業であつて両保険の保険関係が成立している事業のグループであること。
なお、④一元適用事業であつて労災保険の保険関係のみが成立するもののグループ、又は⑤一元適用事業であつて失業保険の保険関係のみが成立するもののグループについては、必要に応じ、①又は②のグループに準ずるものとして取り扱う。
(二) それぞれの事業が、事業の種類を同じくすること。この要件は、二元適用事業であつて失業保険の保険関係に係る事業については必要としない。
六 第一二条~第一五条関係
請負事業の一括、有期事業の特質等に伴い、現行労災保険の場合と同様当該事業の賃金総額を正確に算定することが困難な事業について特例による賃金総額を設けたものであり、この特例は労災保険の保険関係に係る事業についてのみ行なわれる。
七 第一六条関係
労災保険率は、別表第一(労災保険率表)のとおりとし、具体的にある事業がどの労災保険率に該当するかを判定するための労災保険率適用事業細目表は別に告示するものとした。
なお、労災保険率表は、「石炭鉱業(亜炭鉱業を除く。)」の料率が四月一日から従来の一、〇〇〇分の五六が一、〇〇〇分の六〇に変更されたことを除き、現行と同じ内容である。
八 第一七条~第二〇条関係
継続事業及び有期事業に対する労災保険のメリツト制の適用に関し、適用対象事業、メリツト労災保険率の算定に用いる保険給付の額及び労働保険料の額、労災保険率の増減の幅等について規定したものであり、現行労災保険の場合と同じ内容である。
九 第二一条~第二三条関係
第一種特別加入保険料及び第二種特別保険料の算定の基礎となる額並びに一人親方等の団体に適用する保険料率(第二種特別加入保険料率)について定めたものであり、現行の労災保険と同様の内容である。
一〇 第二四条関係
現行労災保険と同様、当年度の賃金総額の見込額が前年度の賃金総額の一〇〇分の五〇以上一〇〇分の二〇〇以下である場合には、事務簡素化の見地から、当年度の概算保険料の算定基礎額として前年度の賃金総額を用いるものとした。
なお、この条で「保険料算定基礎額」とは、法第一一条第一項の賃金総額等をいうのであるから、前年度から法の規定により保険関係が成立していたかどうかにかかわらず、この見込額の特例が適用される。
一一 第二五条関係
(一) 事業規模の拡大等により、申告した概算保険料の算定基礎額とした賃金総額等の見込額が一〇〇分の二〇〇をこえると見込まれ、かつ増加後の賃金総額等の見込額に基づき算定した概算保険料の額と申告済の概算保険料の額との差額が三万円以上である場合に増加概算保険料を申告すべきこととしたこと。(従来の労災保険と異なり、「三万円以上」の要件を附加したのは、事務処理上の便宜を考慮したものである。)
(二) 労災保険の保険関係のみが成立している事業が失業保険の保険関係も成立したことにより一般保険料率が変更した場合には、変更後の一般保険料率に基づき算定した概算保険料の額が申告済の概算保険料の額の一〇〇分の二〇〇をこえ、かつ、その差額が三万円以上である場合に増加概算保険料を申告納付すべきこととした。
一二 第二七条~第三二条関係
(一) 概算保険料の延納
イ 継続事業であつて概算保険料の額が六万円(労災保険の保険関係のみ又は失業保険の保険関係のみが成立している事業については、従来と同様三万円)以上のもの又は労働保険事務組合にその事務処理が委託されているものについては、従来の労災保険の場合と同様その概算保険料を年三期(年度の中途に保険関係が成立した事業のうち四月一日から五月三一日までに成立した事業については年三期、六月一日から九月三〇日までに成立した事業については年二期)に分けて納付することができるものとした。
なお、一〇月一日以降に保険関係が成立した事業の概算保険料については延納の実益がないので従来と同様延納は認められない。
ロ 従来の労災保険と同様有期事業であつて概算保険料の額が一〇万円以上のもの又は労働保険事務組合にその事務処理が委託されているものについては、その概算保険料を、毎年三期に分けて納付することができるものとした。
なお、保険料の納期限等の起算日については、民法の原則に従い、原則として翌日から起算すべきことを規定上明らかにしたこと。
(二) その他政府が決定して概算保険料の延納、増加概算保険料の延納、延納の方法の特例等について、現行労災保険の場合と同様の規定を設けた。
一三 第三五条関係
(一) 有期事業に係るメリツト制の適用を受ける事業は、建設の事業であつて労災保険の保険関係に係るもの又は立木の伐採の事業であつて労災保険の保険関係に係るものであることとし、その他当該事業の規模についての要件、当該メリツト制の適用による確定保険料の額の増減の率について、現行労災保険と同様の規定を設けた。
一四 第三八条関係
(一) 納付書の様式は、歳入徴収官事務規程(昭和二七年大蔵省令第一四一号)別紙第二号書式の特例として別途大蔵省令で定めることとした。
(二) 納入告知書及び督促状の様式は、歳入徴収官事務規程別紙第一号書式及び別紙第二号書式の特例として別途定めることとした。
一五 第三九条~第五五条関係
これらの規定は、失業保険印紙及び納付計器による印紙保険料の納付に関する事項を定めたものであり、次の点を除き、現行失保法施行規則の規定と内容において変りはない。
(一) 失業保険印紙の購入及び買戻しについては、四月一日以降は、新たに郵政省令で定めることとなつたこと。(したがつて、第四三条第一項及び第二項は、郵政省令の規定の内容を確認的に規定したものであること。)
(二) 失業保険印紙が変更された場合の買戻し期間は、従来、印紙が変更された日から一年間であつたが、四月一日以降は、六カ月間とすることが新たに規定されたこと。(徴収法の施行に伴う旧失業保険印紙の買戻し期間についても六カ月以内とされたこと。)(四三条二項及び整備省令二四条)
一六 第五六条関係
(一) 失業保険に係る保険料は労使折半負担を原則とするところから、事業主は、一般失業保険の被保険者については、従来と同様被保険者に賃金を支払うつど、その支払賃金に応ずる徴収法三〇条二項の「一般保険料額表」による被保険者の負担額を当該賃金から控除することができ、また、日雇失業保険の被保険者については、被保険者に賃金を支払うつど、当該負担額と印紙保険料の額の二分の一の額との合計額を当該賃金から控除することができる旨を規定した。
一七 第六〇条関係
「労働保険事務処理委託等届」は、労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事(労災二元適用事業等のみに係るものについては、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働基準局長)に提出しなければならない旨を規定したものである。
なお、都道府県知事に対して提出する当該届については、当該事務所の所在地を管轄する公共職業安定所長を経由することとされているが(七五条二項)、暫定措置として、事業場の所在地を管轄する公共職業安定所長を経由することができる。(整備省令一三条二項)
一八 第六五条関係
労働保険事務組合に処理を委託された労働保険料の納付等の労働保険事務については、管轄の特例を設け、当該事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する行政庁を、それぞれ所轄行政庁としたものである。
なお、労働保険事務組合にその処理を委託された労働保険事務のうち、失業保険の被保険者の資格の得喪に関する事務、失業保険の特例保険料に関する事務等については、失業保険の事業所単位に処理することが合理的であるので、管轄の特例から除外した。
一九 第六六条関係
(一) 労災保険及び失業保険の両保険で適用労働者の範囲が異なる事業並びに従来からの両保険の適用の仕組み等が著しく異なる事業については、両保険の適用徴収事務を一元的に処理することは実情に即さないので、両保険の保険別に、それぞれ別個の二つの事業とみなしてそれぞれごとに徴収法を適用することとし、その事業を指定したものである。
二〇 第六七条関係
国の行なう事業及び二元適用事業に使用される労働者については、労災保険と失業保険とで適用労働者の範囲が異なるので、当該事業については、労働保険料の算定等にあたつては、労災保険の保険関係に係る事業にあつては労災保険法の適用を受けない者を労働者の範囲から除くものとし、失業保険の保険関係に係る事業にあつては失業保険法の適用を受けない者を労働者の範囲から除くものとしたものである。
二一 第六九条関係
(一) 「保険関係成立届」は、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出しなければならない旨を規定したものである。
なお、事務組合に処理を委託された当該届であつて公共職業安定所長に提出するものについては、事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する所長に提出することとされているが(六五条)、暫定措置として事業場の所在地を管轄する所長に提出することができる。(整備省令一三条三項)
(二) 現行労災保険においては、保険関係の成立に関する届出は、法律で規定されており(現行労災保険法六条二項)、また、現行失業保険においては、事業所の設置に関する届出について、省令で規定されている(失保法施行規則四七条)ところであるが、徴収法の施行に伴い、同法では直接規定していない「保険関係成立届」について、保険関係成立の確認を容易にするため、省令で規定することとしたものである。
なお、失業保険の「事業所設置届」は失業保険の被保険者の関係事務、特別保険料関係事務等の処理上必要があるので、今後も存続することとなる。
二二 第七五条関係
都道府県段階以上の行政庁に提出すべき申請書等については、現行制度においても直接提出すべきこととされているもの等特殊のものを除き、第一条に定める事務の所轄の区分に従い、必ず第一線行政庁を経由して提出すべきことを定めたものである。
別紙五(略)
別紙五―二
「失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う労働省令の整備等に関する省令」の要点
一 第一条、第三条及び第一四条関係
これらの規定は、労災保険の任意加入及び保険関係消滅の申請をしようとする事業主は、申請書を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働基準局長に提出すべき旨を定めたものであり、労災保険暫定任意適用事業に係るものであるため、この省令に規定したものである。
二 第六条関係
徴収法の施行の際現に旧労災保険法の規定により保険関係が成立している有期事業については、二元適用事業としての取り扱いが行なわれる(整備法一四条)が、当該事業であつて労災保険の保険関係に係るものについては、この規定により、徴収法の施行後における確定積算の際に、旧労災保険法の規定による保険料(徴収法の施行前に旧労災保険法の規定により納付した概算保険料及び徴収法の施行後に整備法二六条一項の規定により納付する概算保険料)は徴収法の規定による労働保険料とみなして処理することとしたものである。
三 第七条~第九条関係
これらの規定は、現行労災保険法施行規則第四六条の二、四六条の五及び四六条の七の規定と同じ内容である。
四 第一三条関係
この条は、事務組合に委託する労働保険事務の管轄の特例等についての暫定措置として、事務組合が事業主から委託を受けて行なう①失業保険の任意加入申請書及び保険関係消滅申請書、②労働保険事務処理委託等届、③保険関係成立届、名称・所在地等変更届及び代理人選任・解任届の提出は、徴収法施行規則の規定にかかわらず、当分の間、事業場の所在地を管轄する都道府県知事若しくは公共職業安定所長に対して行なうことができ、又は事業場の所在地を管轄する公共職業安定所長を経由して行なうことができる旨を定めたものである。
五 第一五条及び第一六条関係
(一) 一五条二項及び一六条二項の規定の趣旨は、整備法二六条及び二七条二項の規定により従前の例によることとされる旧労災保険料、旧失業保険料等の徴収に関する事務については、①四六年度の歳入となるものにあつては、都道府県労基局労災保険特別会計歳入徴収官又は都道府県失業保険特別会計歳入徴収官が、②四七年度の歳入となるものにあつては、都道府県労基局労働保険特別会計歳入徴収官又は都道府県労働保険特別会計歳入徴収官が行なうということである。
(二) 一五条三項及び一六条二項の規定は、整備法の規定により四七年度において従前の例により交付される報奨金に関する事務については、旧労災保険事務組合であつた事務組合に対して交付するものについては都道府県労基局長、旧失業保険事務組合であつた事務組合に対して交付するものについては都道府県知事がそれぞれ行なう旨を定めたものである。
六 第一七条関係
この規定は、一元適用事業のうち失業保険法の適用を受けない者(失業保険法の適用を受けない日雇労働者、四カ月以内の期間を予定して行なわれる季節的事業に雇用される者、アルバイト昼間学生その他臨時内職的に雇用される者等)を使用する事業については、労災保険及び失業保険の各保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の算定を二元的に行なうが、当該事業は実質的な意味における二元適用事業ではないので、一般保険料の納付(還付、充当、督促及び滞納処分を含む。)については、一元適用事業の場合と同じに取り扱う旨を定めたものである。
七 第一八条関係
この規定は、徴収法施行規則一条三項一号の規定の例外として、一元適用事業であつて事務組合に委託しないもののうち、失業保険の保険関係のみが成立している事業についての一般保険料の徴収の事務は、都道府県が行なう旨を定めたものである。
八 第二〇条関係
(一) 失業保険法施行規則(以下(一六)までにおいて「失保則」という。)第一条の改正規定
徴収法施行規則第一条第一項の労働保険関係事務以外の失業保険に関する事務についての管轄は、従前と同様とすることとしたほか、整備法による失業保険法の一部改正に伴う形式整備を行なつたものである。
(二) 失保則第三条の改正規定
徴収法の施行に伴い、保険料の申告納付については徴収法施行規則において規定されることとなつたので、形式整備を行なつたものである。
(三) 失保則第四条及び第五条の改正規定
徴収法の施行により、同法第九条の継続事業の一括の制度が実施されることに伴い、保険料の申告納付についての一括事務処理の制度を廃止したものである。
(四) 失保則第六条及び第七条の改正の規定
整備法による失業保険法の一部改正により、国、都道府県、市町村等の適用除外に関する規定が改正されたことに伴う形式整備を行なつたものである。
(五) 先保則第八条及び第九条の改正規定
徴収法の施行に伴い、失業保険の任意加入及び保険関係の消滅の申請手続は徴収法施行規則において規定されることとなつたので、任意加入の認可及び任意脱退の認可に関する規定を削除したものである。
(六) 失保則第九条の二から第九条の六まで及び第九条の九から第一〇条までの改正規定
整備法による失業保険法の一部改正により、被保険者に関する届出についての失業保険法の規定が改正されたこと等に伴う形式整備を行なつたものである。
(七) 失保則第三七条の二の改正規定及び同条の次に二条を加える改正規定
失業保険法第二三条の二第一項又は第二項(同法第二五条第四項、第二六条第一一項及び第二七条第五項において準用する場合を含む。)の規定により返還又は納付を命じた金額の徴収手続は、保険料の徴収手続に準ずることとされていたので、徴収法の施行に伴い、形式整備を行なつたものである。
なお、この場合に使用する督促状の様式は、歳入徴収官事務規程(昭和二七年大蔵省令第一四一号)別紙第三号書式の特例として別途定めることとした。
(八) 失保則第三七条の一八の改正規定
上記(七)に同じ。
(九) 失保則第四章の改正規定
徴収法の施行に伴い、費用の負担に関する規定は徴収法施行規則において規定されることとなつたので、第四章の規定を削除したものである。
(一〇) 失保則第四五条の四から第四六条までの改正規定
整備法による失業保険法の一部改正により、失業保険の特別保険料に関する規定が改正されたことに伴う形式整備を行なつたものである。
(一一) 失保則第四六条の二、第四六条の四及び第四六条の五の改正規定
様式の番号について形式整備を行なつたものである。
(一二) 失保則第四六条の九から第四六条の一五の一二までの改正規定
徴収法の施行に伴い、日雇労働被保険者に係る保険料に関する規定は徴収法施行規則において規定されることとなつたので、日雇労働被保険者に係る保険料に関する規定を削除したものである。
(一三) 失保則第四六条の一六の改正規定
イ 一般失業保険の被保険者に切り替えられた者に係る切替前の二月における賃金額の計算にあたつて、その期間中に納付された印紙保険料額を除すべき率は、二、〇〇〇分の一三としたものである。
ロ その他整備法による失業保険法の一部改正等に伴う形式整備を行なつたものである。
(一四) 失保則第五章の二及び第五章の三の改正規定
徴収法の施行に伴い、小規模事業主に関する特例の制度が廃止されるとともに、事務組合制度に関する規定は徴収法施行規則において規定されることとなるので、これらの規定を削除したものである。
(一五) 失保則第五〇条の改正規定
徴収法の施行に伴う形式整備を行なつたものである。
(一六) その他
以上のほか、失保則について、別表第三の削除、様式の改正等徴収法の施行等に伴う形式整備を行なつたものである。
九 第二四条関係
この規定は、旧失業保険印紙の買戻しについては、徴収法施行規則の規定の例による(したがつて買戻し期間については四月一日から六カ月間とする)旨を定めたものである。
一〇 第三〇条関係
徴収法及び整備法の施行に伴い、保険関係の成立及び消滅、保険料の徴収、事務組合等については徴収法において、労災保険暫定任意適用事業の任意加入の認可及び特例による保険給付等については整備法において規定されることとなつたので、労災保険法施行規則についても、所要の形式整備を行なつたものである。同規則については、適用徴収事務に関する規定が削られたことを除き、実質的な変更はないが、事務処理上留意すべき主な点は、次のとおりである。
(一) 事務の所轄
有期事業の一括に係る事業及び継続事業の一括に係る事業についての労災保険法上の事務の所轄については、従前と変更がないこと。したがつて、有期事業の一括に係る事業についての労災保険法上の事務については、保険料を納付する事務所(徴収法施行規則第六条第二項第三号の事務所)の所在地を管轄する都道府県労働基準局長及び労働基準監督署長が所轄都道府県労働基準局長及び所轄労働基準監督署長となるものであること(新労災保険法施行規則第二条)。また、継続事業の一括に係る事業に使用される労働者に係る保険給付及び労災就学援護費に関する事務については、各事業場の所在地を管轄する都道府県労働基準局長及び労働基準監督署長が所轄都道府県労働基準局長及び所轄労働基準監督署長となるものであること。
労災保険法施行規則の一部を改正する省令(昭和四一年労働省令第二号)附則第四項の規定に基づき、その住所地を管轄する労働基準監督署長を所轄労働基準監督署長としている受給権者に係る保険給付及び労災就学援護費の支給についての事務の所轄も従前と変更がないこと。
なお、旧労災保険法施行規則第一条第三項の規定は削除されることとなつたが、事業主に対する加入促進の指導に関する事務については、従前どおり取り扱うものであること。
(二) 事業主代理人の選任届
事業主の代理人の選任届については、徴収法施行規則第七三条の規定による代理人選任届とは別に新労災保険法施行規則第三条の規定による代理人選任届を提出させることとなつたこと。
なお、徴収法第八条の規定により元請一括とされている事業についての「事業主」とは元請負人をいうものであり従前と変るものでないこと。
一一 第三三条関係
(一) 第一項は、徴収法施行規則の規定による様式、たとえば同規則の様式第六号の「概算保険料申告書」については、四七年度中に使用する場合には、当該様式の一部を変更して使用することができる旨を規定したものである。
(二) 第二項は、旧労災保険法施行規則及び旧失業保険法施行規則の規定による様式、たとえば旧労災保険の「確定保険料報告書」及び旧失業保険の「失業保険料申告書」の様式の一部を変更したものは、依然としてこれらの規則による様式(すなわち、整備法二六条一項及び二七条二項でいう従前の例による様式)とみなす旨を規定したものである。
別紙六から別紙一九まで(略)