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○国及び地方公共団体の機関における身体障害者の採用に関する計画の作成等について

(平成五年五月二八日)

(職発第四三一号)

(国の機関の任命権者あて労働省職業安定局長)

標記については、昭和六三年五月一二日付け職発第二六五号(以下「二六五号通達」という。)により取り扱っているところであるが、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律(平成四年法律第六八号)の標記に係る部分が本年四月一日から施行されたことに伴い、今後、標記の運用については、左記のとおりとするので、御留意のうえ遺憾のないようお願いする。

なお、二六五号通達については、平成五年五月二七日をもって廃止するものとする。

一 国及び地方公共団体(以下「国等」という。)は、その雇用率が民間事業主の雇用率より高く定められているように、民間事業主に率先垂範して障害者を雇用すべき立場にあり、また、その雇用状況について国民の一層の関心を集めるものと考えられる。

したがって、障害者の採用については、従前にも増して積極的な取組を願いたい。

二 改正後の障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三五年法律第一二三号。以下「新法」という。)、改正後の同法施行令(昭和三五年政令第二九二号。以下「新令」という。)及び改正後の同法施行規則(昭和五一年労働省令第三八号。以下「新則」という。)のうち、平成五年四月一日より施行される標記に係る改正部分の概要は、次のとおりである。

(一) 重度障害者である短時間勤務職員についての雇用義務等に係る規定の適用に関する特例(新法第三九条の九、第三九条の一〇及び第三九条の一七、新令第三条並びに新則第三二条の六第四項関係)

① 身体障害者の採用に関する計画に係る特例

国等は、身体障害者の採用に関する計画を作成するに当たり、重度障害者(重度身体障害者及び重度精神薄弱者をいう。以下同じ。)である短時間勤務職員が勤務している場合には、計画の作成前に、当該重度障害者である短時間勤務職員の数の身体障害者である職員を採用しているものとみなすこととしたこと。

また、国等は、身体障害者の採用に関する計画を作成し、又は実施する場合においては、重度障害者である短時間勤務職員の採用は身体障害者である職員の採用に含めることができることとしたこと。

さらに、身体障害者の採用に関する計画の記載事項に身体障害者及び精神薄弱者の数のほか重度障害者である短時間勤務職員の数が含まれることとしたこと。

② 任免に関する状況の通報に係る特例

国等は、職員の任免に関する状況の通報を行う場合に、重度障害者である短時間勤務職員は身体障害者である職員とみなすこととしたこと。

③ 短時間勤務職員の定義

「短時間勤務職員」とは、「一週間の勤務時間が、当該機関に勤務する通常の職員の一週間の勤務時間に比し短く、かつ、労働大臣の定める時間数(三三時間)未満である常時勤務する職員」であるが、短時間勤務であっても障害者の職業生活における自立につながる雇用形態となることに留意すべきであることから、通常の所定労働時間の半分に満たない一週間の勤務時間二二時間未満の者は、新法に基づく施策の対象とはならないものであること。したがって、「短時間勤務職員」の一週間の勤務時間は、二二時間以上三三時間未満であること。

(二) 重度精神薄弱者である労働者等に関する雇用義務等に係る規定等の特例(新法第三九条の一三、第三九条の一四第三項関係)

・身体障害者の採用に関する計画に係る特例

国等は、身体障害者の採用に関する計画を作成するに当たり、重度精神薄弱者である職員が勤務している場合には、計画の作成前に、当該重度精神薄弱者である職員の一人をもって二人の身体障害者である職員を採用しているものとみなすこととしたこと。

三 身体障害者の採用に関する計画の作成等に関する要領

(一) 国等の任命権者(以下「任命権者」という。)は、従来より、当該機関における雇用率の達成状況を常時把握し、未達成の場合は身体障害者の採用に関する計画(以下「採用計画」という。)を作成しなければならないこととされている(新法第一一条第一項)。しかしながら、常時雇用率の達成状況を把握し、その都度採用計画を作成することは、現実的には困難であるので、原則として、新法第一三条の規定に基づき任命権者が労働大臣(市町村及び新令第七条に規定する特別地方公共団体にあっては、都道府県知事。以下同じ。)に通報することが義務づけられている身体障害者である職員の任免に関する状況の通報の時期にあわせ、毎年六月一日現在において雇用率未達成の機関が採用計画の作成を行うこととして差し支えない。

(二) 身体障害者である職員の任免に関する状況の通報及び採用計画の作成並びに採用計画の実施状況の通報については、別紙の「国及び地方公共団体の機関の身体障害者の採用に関する計画の作成等の要領」によるものとする。

別紙

国及び地方公共団体の機関の身体障害者の採用に関する計画の作成等の要領

第一 身体障害者である職員の任免に関する状況の通報

一 身体障害者である職員の任免に関する状況の通報

国及び地方公共団体の任命権者(委託を受けて任命権を行う者を除く。以下「任命権者」という。)は、毎年六月一日現在の当該機関(当該任命権者の委任を受けて任命権を行う者に係る機関を含む。以下同じ。)における身体障害者である職員の任免に関する状況を把握し、労働大臣又は都道府県知事に通報しなければならない。

なお、平成四年法律第六八号による改正後の障害者の雇用の促進等に関する法律(以下「法」という。)第三九条の一〇第三項、第三九条の一四第三項及び同第四項並びに第三九条の一七の規定により、任免に関する状況の通報については、精神薄弱者(重度精神薄弱者を含む。)である職員及び重度障害者(重度身体障害者及び重度精神薄弱者をいう。以下同じ。)である短時間勤務職員は身体障害者である職員とみなされることに注意すること(法第一三条、平成五年政令第二六号による改正後の障害者の雇用の促進等に関する法律施行令(以下「令」という。)第八条)。

二 通報内容

通報すべき内容及び様式は、別添の平成五年労働省告示第三七号による改正後の昭和五一年労働省告示第一一二号(以下「告示第一一二号」という。)第二条に規定する様式第三号(一)「身体障害者雇用状況通報書」及び様式第三号(二)「身体障害者職員名簿」(以下「様式第三号(一)及び(二)」という。)に定めるとおりとする。

なお、様式第三号(二)の「身体障害者職員名簿」については、身体障害者である全職員について作成することとする。

三 通報の方法

(一) 任命権者は、次の区分に従って、毎年七月一五日までに労働大臣又は都道府県知事に通報するものとする。

イ 国及び都道府県等の機関

国及び都道府県並びに次項ロの地方公共団体以外の地方公共団体の任命権者は、当該機関に係る状況を労働大臣(職業安定局高齢・障害者対策部障害者雇用対策課)あて直接(都道府県の任命権者(都道府県警察本部長を除く。)にあっては、都道府県職業安定主務課を、都道府県警察本部長にあっては警察庁を経由して)、通報するものとする。

ロ 市町村等の機関

市町村及び次に掲げる特別地方公共団体(以下「市町村等」という。)の任命権者にあっては、当該機関に係る分を都道府県知事(都道府県職業安定主務課)あて通報するものとする。

(イ) 特別区

(ロ) 地方公共団体の組合のうち都道府県が加入する組合以外の組合

(ハ) 財産区

(ニ) 地方開発事業団のうち都道府県又は都道府県及び市町村が設ける地方開発事業団以外の地方開発事業団

第二 身体障害者である職員の採用に関する計画

一 採用計画の作成

(一) 任命権者が前記一により通報すべき毎年六月一日現在の身体障害者である職員の任免に関する状況が令第二条の規定により当該機関に適用される雇用率(以下「雇用率」という。)に達していない任命権者は、雇用率を達成するため、その翌日から起算して七ケ月以内の日を始期とする身体障害者である職員の採用に関する計画(以下「採用計画」という。)を作成しなければならない(法第一一条第一項、令第三条、昭和五一年労働省告示第一〇七号(以下「告示第一〇七号」という。)第一条第一項)。

(二) ただし、(一)の場合において、次に該当するときは、採用計画を作成しなくても差し支えないものとする。

イ 相当期間職員を採用しないことが確実に見込まれる場合

ロ 通報すべき六月一日現在の身体障害者である職員の任免に関する状況が雇用率を下回っているが、採用計画を作成すべき日までの間において雇用率を達成することとなった場合

二 採用計画の作成についての協議又は通知

(一) 採用計画を作成しなければならない国の機関の任命権者(国会及び裁判所の任命権者を除く。)にあっては、採用計画の始期とする一箇月前までに採用計画の案を労働大臣(職業安定局高齢・障害者対策部障害者雇用対策課)に協議するものとする(令第四条第一項)。

(二) 採用計画を作成しなければならない前記(一)の任命権者以外の任命権者にあっては、採用計画の始期とする一箇月前までに、採用計画の案を第一の三の(一)に準じて労働大臣(職業安定局高齢・障害者対策部障害者雇用対策課)又は都道府県知事(都道府県職業安定主務課)に通知するものとする(令第四条第二項)。

(三) 前記(一)の協議又は(二)の通知は、別紙の告示第一一二号第一条に規定する様式第一号「身体障害者採用計画通報書」により、次の文書を参考として行うものとする。

[様式ダウンロード]

(四) 前記一の(二)により、採用計画を作成しない場合にあっては、当該任命権者は、一の(二)のイの場合にあっては、その事情を明らかにして協議又は通知し、一の(二)のロの場合にあっては、その後の任免の状況を告示第一一二号様式第三号(一)及び(二)によって通報するものとする。

(五) 労働大臣又は都道府県知事は、前記(四)により協議又は通知を受けた場合において異議あるときは、遅滞なくその意見を当該任命権者に通知するものとする(令第四条第一項及び第二項)。

三 採用計画の始期及び終期

(一) 毎年六月一日現在において雇用率未達成であるため作成すべき採用計画の始期は、その翌日から起算して七箇月以内の日とされているところから、当面、毎年一月一日を始期とする採用計画を作成するものとし、その終期は始期から起算して一年を経過した日とする(告示第一〇七号)。

(二) (一)の基準によるとすれば、採用を予定する職員の大部分を身体障害者をもって充てなければならない等特別の事情があり、計画の終期を延長する場合には、計画の協議又は通知の際その理由を告示一一二号様式第一号の「D備考欄」で明らかにするものとする。

四 組織の区分

任命権者(国会及び裁判所並びに地方公共団体の任命権者を除く。)に係る採用計画は、労働大臣と協議して定める組織別に区分して作成する(令第三条第三項)。

この組織区分は、おおむね次の基準によるものとし、その協議は、採用計画の作成についての協議又は通知を行う際に行うものとする。

ただし、すでに協議して定められた組織の区分による場合は、採用計画の作成の都度改めて協議する必要はない。

(一) 国家行政組織法第三条第一項に規定する国の行政機関、すなわち、省、委員会又は庁である機関にあっては、まず次に掲げる組織に区分し、ロであって地域的に置かれているもの及びハについては、さらに都道府県別(都道府県単位に置かれていない機関については、ブロック別)に区分するものとする。

イ 内部部局

ロ 附属機関その他の機関(機関別)

ハ 地方支分部局等(所掌事務を同じくする系統別)

(二) (一)以外の機関にあっては、(一)に準ずるものとする。

五 採用計画の通報

採用計画を作成した任命権者は、当該計画を労働大臣又は都道府県知事に通報しなければならない(法第一二条第一項)が、採用計画の案についてあらかじめ労働大臣又は都道府県知事に協議又は通知した場合には、これに代えるものとする。

ただし、労働大臣又は都道府県知事が当該協議又は通知を受けた採用計画の案について意見を通知したときは改めて遅滞なく、告示第一一二号様式第一号により採用計画を通報するものとする。

六 採用計画の変更

(一) 任命権者は、採用計画を作成した後、次のようなその採用計画をそのまま実施することが不合理な事情が生じた場合は、当該計画をその状況に即して変更することができるものとする。

イ 採用計画の終期において見込まれる職員の総数の著しい減少等により要採用身体障害者数が著しく減少したとき。

ロ 採用を予定する職員の数の著しい減少により、採用を予定した職員の大部分を身体障害者をもって充てなければならなくなったとき。

(二) 任命権者は、採用計画を作成した後、次のような事情が生じた場合には、当該計画をその状況に即して変更するものとする。

イ 採用計画の終期において見込まれる職員の総数の著しい増加等により要採用身体障害者数が著しく増加したとき。

ロ 採用計画の終期が告示第一〇七号第一条第二項に定める基準よりも延期されている場合において終期を繰り上げることが可能となったとき。

(三) 採用計画の変更についての労働大臣又は都道府県知事に対する協議又は通知については、第二の二に準ずるものとする。

(四) 採用計画を変更した場合は、変更した採用計画を第二に準じて労働大臣又は都道府県知事に通報するものとする。

第三 採用計画の実施状況の通報

一 採用計画を作成した任命権者は、毎年六月一日現在における当該計画の実施状況を告示第一一二号様式第二号「身体障害者採用計画実施状況通報書」により、七月一五日までに労働大臣(職業安定局高齢・障害者対策部障害者雇用対策課)又は都道府県知事(職業安定主務課)に通報するものとする。(法第一二条第一項、令第六条第一項及び第二項)。

二 採用計画を作成した任命権者は、当該計画期間が満了したときは、その終期における当該計画の実施状況を告示第一一二号様式第二号に準じて終期の日から四五日以内に労働大臣(職業安定局高齢・障害者対策部障害者雇用対策課)又は都道府県知事(職業安定主務課)に通報するものとする。