② 管理的職業
③ 事務的職業
④ 販売の職業
⑤ サービスの職業のうち、家政婦、理容師、美容師、着物着付師、クリーニング技術者、調理士、バーテンダー、配ぜん人、モデル及びマネキンの職業
⑥ 運輸・通信の職業については、観光バスガイドの職業
⑦ 技能工、採掘・製造・建設の職業及び労務の職業については、生菓子製造技術者の職業
ロ イの取扱職業の区分については、許可の申請者がその取り扱おうとする取扱職業の範囲に関して助言等を求めてきた場合に目安を示すものとして用いられるものであるとともに、第三の二の(一)(有料職業紹介事業の許可要件)の二の(四)のロの紹介責任者の経験に係る要件に関して用いるものである。
したがって、有料職業紹介所又は有料職業紹介事業の許可の申請者が、イの取扱職業の区分によることなく、その取り扱い、又は取り扱おうとする取扱職業の範囲を設定することについては、差し支えないものである。
ハ イの取扱職業の区分にかかわらず、有料職業紹介所又は有料職業紹介事業の許可の申請者が、その取り扱い、又は取り扱おうとする取扱職業の範囲の中に、重点取扱職業や取り扱わないこととする職業を設定することについては、差し支えないものである。
ただし、その際には、有料職業紹介所又は有料職業紹介事業の許可の申請者は、第一三の一「有料職業紹介事業の運営に当たり留意すべき事項についての指針」(以下「ガイドライン」という。)の一の(二)のニの(ハ)に留意して行うことが必要である。
二 国外にわたる有料職業紹介事業の取扱職業
(一) 国外にわたる有料職業紹介事業の取扱職業の考え方
国内において有料職業紹介事業の取扱職業の範囲は、則第二四条第一項で定められているが、国外にわたる職業紹介事業の場合、国内の要件の他に、次のいずれにも該当することにより、有料職業紹介事業の許可職業に指定することに社会的必要性があると認められるものを対象として選定する。
イ 出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)による在留資格を充たす職業であること。
ロ 日本国内における資格を前提とした職業等、国外にわたる職業紹介の対象となる労働者が想定されないものを除くものであること。
(二) 取扱職業及び留意事項
国外にわたる有料職業紹介事業については、則第二四条第二項で定められている科学技術者、経営管理者及び通訳とする。
三 無料職業紹介事業の取扱範囲
無料職業紹介事業は、法第三三条の規定により労働大臣の許可を得た場合は、原則としてすべての職業について行うことができるものであるが、労働大臣は、その取り扱うべき職種の範囲その他取扱いの範囲を定めることができる(法第三三条の三)
取扱範囲は、事業主体の設立目的、形態、規約等から必要かつ適当と認められるものであることを要する。
なお、国外にわたる職業紹介事業については、さらに、前記二の要件を満たした取扱範囲とする。
第三 許可要件
一 許可要件の趣旨及び運用
(一) 許可要件
イ 有料職業紹介事業の許可要件を左記二の(一)のとおり、無料職業紹介事業の許可要件を左記三の(一)のとおりとする。
ロ 許可要件は、労働大臣が有料及び無料の職業紹介事業の許可を行うに当たって、法の趣旨に則し、適正な許可を行うための基準として運用されるものである。
(二) 国外にわたる職業紹介に係る特有の要件
国外にわたる職業紹介を行う場合には、国外において、その求人又は求職を取り次ぐ取次機関を利用することが想定される。職業紹介事業の適正な運営を確保するためには、この取次機関の活動を規制する必要があるが、取次機関は国外において事業を実施するものであることから、その活動の適正を担保するため、許可事業者が国外における取次機関を利用しようとする場合又は利用する取次機関を変更しようとする場合には、労働大臣の許可を受けることとする。なお、その際、当該取次機関の活動が、当該取次機関の活動する国において合法であることが許可の要件となるものである。
(三) 複数事業所に対する許可要件の適用
イ 職業紹介事業の許可は、各事業所ごとに行うものであるため、許可要件についても、原則として、各事業所ごとに適用する。したがって、同一の者が複数の事業所(例えば、本書と支所等)について許可を得る場合は、各事業所がそれぞれ独立したものとして個別に許可要件を満たしていなければならない。
ロ 一の事業主が複数の事業所を有する場合の更新、変更申請及び届出時審査に関し、次の審査事項については、事業主があらかじめ定めた統括事業所の審査の際にのみ、すべての事業所分をまとめて審査すれば足りる。
① 事業実績に関する書類
② 人に関する書類のうち代表者及び役員に関する事項
③ 法人に関する書類
④ 資産及び資金に関する書類
ハ 代表者や役員については、各事業所に共通しているので、新たに支所等を設置する場合は、既に審査済みとして取り扱う。
ニ 許可要件のうち、資産・資金に関するものについては、申請者が許可を受けようとする事業所の数に応じて要件を満たしている必要があるものである。
例えば、有料職業紹介事業を行う本所と一支所を有する場合は、二所分、すなわち、各紹介所ごとに必要な額の合計額以上の資産・資金を有していることが必要となる。
二 有料職業紹介事業の許可要件
(一) 有料職業紹介事業の許可要件
有料職業紹介事業の許可要件 一 基本要件 <趣旨> 有料職業紹介事業については、職業安定法に基づき、許可を受け、法定の手数料を徴収して職業紹介事業を行うものであり、そのための基本的な要件を定めたものである。 (一) 有料職業紹介事業を行おうとする者は、次のいずれかに該当するものであること。 イ 個人 ロ 営利法人 ハ 公共的団体(国及び地方公共団体を除く。) ニ 公益的法人 (二) 職業安定法施行規則第二四条第一項に定められた職業の範囲に従事する者の職業紹介を行うものであること。 (三) 当該事業所の設置が労働力需給の効率化、円滑化に必要であることを説明する職業紹介事業計画が策定されていること。 (四) 他に名義を貸与するために、又は紹介責任者となり得る者の名義を借用して許可を得るものでないこと。 (五) 職業紹介事業を会員の獲得、組織の拡大、宣伝等他の目的の手段として利用するものでないこと。 (六) 国外にわたる職業紹介事業を行う場合にあっては、職業安定法施行規則第二四条第一項に定められた職業の範囲のうち科学技術者、経営管理者又は通訳の職業に従事する者の職業紹介を行うものであること。 (七) 国外における取次機関を利用する場合には、当該取次機関の利用について許可を受けたもの以外を利用するものではないこと。 (八) 国外にわたる職業紹介を実施するに当たって申請書に記載し、又は、届け出た国を相手先国として職業紹介を行うものであること。 二 代表者、紹介責任者等に関する要件 <趣旨> 職業紹介事業の公共性及び労働者保護の見地から、適正な職業紹介事業の運営を確保するために代表者、紹介責任者等に関する要件を定めたものである。 (一) 第二の一の(三)のイの取扱職業の区分によるそれぞれの職業ごとに、(二)から(六)までの要件を満たす紹介責任者を置くものであること。 (二) 代表者及び紹介責任者及び役員(法人の場合に限る。)は、法律行為能力を有しない者、法令に違反した者等適正な事業運営を期待し得ないものでないこと。 イ 住所及び居所が一定しないなど生活根拠が不安定なものでないこと。 ロ 禁治産者、準禁治産者及び破産者でないこと。 ハ 日本国籍でない場合は、在留期間が三年以上の在留資格を有していること。 ニ 禁錮以上の刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなってから五年以上経過した者であること。 ホ 罰金であっても、それが労働関係法令その他職業紹介事業に重大な影響を及ぼすと認められる法令違反である場合には、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなってから五年以上経過したものであること。 ヘ 処罰はされないが、労働関係法令その他職業紹介事業に重大な影響を及ぼすと認められる法令に違反した事実のある者は、改しゅんの情が顕著であり、適正な運営を約するものであること。 ト 許可の取消し又は同等の理由で廃止を行ってから五年以上経過した者であること。 チ 不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。 リ 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。 ヌ 虚偽の事実を告げ、若しくは不正な方法で許可申請を行った者又は許可の審査に必要な調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者でないこと。 (三) 法人、代表者及び紹介責任者は職業安定法第三三条の四の禁止兼業その他職業紹介事業との関係において不適当な兼業を行うものでないこと。 イ 料理店業、飲食店業、旅館業、古物商、質屋業、貸金業、両替業の名義人又は実質的にその営業を行うものでないこと。 ロ 置屋業、割賦金融会社等イに類する事業その他風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営適正化法」という。)に規定する風俗営業、風俗関連営業等職業紹介事業との関係において不適当な兼業の名義人又は実質的にその営業を行うものでないこと。 (四) 紹介責任者は、労働関係法令に関する知識及び取扱職業に関する経験を有するものであること。 イ 紹介責任者は、職業安定機関又は職業安定局長の指定する者が行う「民営職業紹介事業従事者講習会」を受講(許可又は許可の有効期間の更新の申請の受理の日の前二年以内の受講に限る。)した者であること。 ロ 紹介責任者は、取扱職業に関し次のいずれかの経験を有すること。 (イ) 取扱職業の職業紹介事業に三年以上の経験を有すること。 (ロ) 次のa又はbのいずれかに該当すること。なお、この場合には、当該紹介責任者は、第二の一の(三)のイの取扱職業の区分によるそれぞれの職業について紹介責任者となり得るものである。 a 第二の一の(三)のイの取扱職業の区分によるそれぞれの職業に三年以上の経験を有すること。 b aの経験が三年に満たない場合は、(イ)又は(ハ)の経験と合わせて三年以上あること。 (ハ) 職業安定行政に三年以上の経験を有すること。 (五) 紹介責任者は職業紹介業務に専念できる者であること。 (六) 国外にわたる職業紹介を行う場合にあっては、相手先国の労働市場の状況及び法制度について把握し、また、求人者及び求職者と的確な意思の疎通を図るに足る能力を有すること。 三 事業運営に関する要件 <趣旨> 安定した経済的基盤にたち、かつ、紹介事業に適した事業所を確保して適切な職業紹介事業の運営を行わせるための要件を定めたものである。 (一) 代表者(法人の場合は法人)は職業紹介事業を行うに必要な財産的基礎を保有していること。 イ 資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した額(以下「基準資産額」という。)が五〇〇万円以上であること。 ロ 事業資金として自己名義の預貯金の額が一五〇万円以上であること。 (二) 職業紹介事業を行う事業所はその位置、面積、構造、設備からみて職業紹介事業を行うに適切であること。 イ 位置が適切であること。風営適正化法で規制する営業が密集するなど職業紹介事業の運営に好ましくない場所にないこと。 ロ 事業所として適切であること。 (イ) 職業紹介事業に専用に使用し得る面積がおおむね二〇m2以上あること。 (ロ) 求人者、求職者の個人的秘密を保持し得る構造であり、かつ、事業所として独立した構造であること。 (三) 事業所名は、利用者にとって、労働者派遣事業等の他の事業を行う事業所や公共職業安定機関と誤認を生ずるものでないこと。 (四) 職業安定法に基づき適切な運営をするものであること。 イ 法定手数料以外に職業紹介に関しいかなる名目であっても金品を徴収しないこと。 ロ 徴収する料金を明らかにした料金表を有するものであること。 ハ 職業安定法の次の各条文の内容を含む業務の運営に関する規定を有し、これに従って運営されること。第二条(職業選択の自由)、第三条(均等待遇)、第一六条(求人の申込)、第一七条(求職の申込)、第一八条(労働条件の明示)、第一九条第一項(紹介の原則)、第二〇条(労働争議に対する不介入)、第三二条第四項(保証金)、第三二条第六項(手数料)、第五一条(秘密の厳守) (五) 国外にわたる職業紹介を行う場合には、出入国管理法及び難民認定法等関係法令及び相手先国の法令を遵守して行うものであること。 (六) 国外にわたる職業紹介を行う場合には、求職者に対して、渡航費用その他の費用を貸し付けて、又は求人者がそれらの費用を貸し付けた求職者に対して、職業紹介を行うものではないこと。 四 複数職業に関する特例 紹介責任者の選任を含め、許可要件に関し、第二の一の(三)のイの取扱職業の区分にかかわらず、一の職業とみなすことができる特例については、次のとおりとする。 (一) 紹介責任者の選任に関し、イ及びロにより、一の職業とみなすことができる。 イ 専門的・技術的職業、管理的職業、事務的職業及び販売の職業の間では、いずれの職業の間でもこの特例を適用する。 ロ それ以外の職業については、次の組み合わせについて適用する(兼任できるのは、左側の職業から右側の職業への兼任のみ。)。 看護婦―家政婦 理容師―美容師 美容師―理容師 美容師―着物着付師 モデル―着物着付師 マネキン―着物着付師 (二) 同一の職業について、国外にわたる職業紹介と国内における職業紹介を両方取り扱う場合には、紹介責任者の選任を含め、許可要件に関して、一の職業として取り扱って差し支えないこと。 五 有料職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合の要件 労働者派遣事業を行う者であっても、有料職業紹介事業の許可要件も併せて満たす場合は、有料職業紹介事業を兼ねて行うことができるものであるが、同一の事業所において両事業を行おうとする場合は、さらに次の要件を満たさなければならない。 (一) 設備等の区分 両事業所がそれぞれ独立した構造である等明確に区分され、かつ、それぞれが、それぞれの事業に係る許可要件を満たしていること。 (二) 組織の区分 両事業に直接携わる職員が両事業の業務を兼任するものではないこと等組織が明確に区分されていること。次のいずれにも該当することが必要であること。 イ 派遣元責任者と紹介責任者が同一の者でないこと。 ロ 両事業に係る指揮命令系統が明確に区分され、両事業に係る直接担当職員が両事業の業務を兼任するものではないこと。 (三) 事業運営の区分 派遣労働者に係る登録票等と求職者に係る求職票等が別個に作成され別個に管理されること等事業運営につき明確な区分がなされていること。 次のいずれにも該当することが必要であること。 イ 労働者の希望に基づき個別の申込みがある場合を除き、同一の者について労働者派遣に係る登録と求職の申込みの受付を重複して行わず、かつ、相互に入れ換えないこと。 ロ 派遣の依頼者又は求人者の希望に基づき個別の申込みがある場合を除き、派遣の依頼と求人の申込みを重複して行わず、かつ、相互に入れ換えないこと。 ハ 派遣労働者に係る書類(登録票等)と求職者に係る書類(求職票等)が別個に作成され別個に管理されること。 ニ 派遣先に係る書類と求人者に係る書類が別個に作成され別個に管理されること。 ホ 労働者派遣の登録のみをしている派遣労働者に対して職業紹介を行わないこと、かつ、求職申込みのみをしている求職者について労働者派遣を行わないこと。 ヘ 派遣の依頼のみを行っている者に対して職業紹介を行わないこと、かつ、求人申込みのみをしている求人者に対して労働者派遣を行わないこと。 ト 求職者を職業紹介する手段として労働者派遣をするものではないこと。 六 有料職業紹介事業と無料職業紹介事業との兼業の禁止 同一の者が有料職業紹介事業と無料職業紹介事業を兼業することは、原則として認められない。 |
(二) 有料職業紹介事業の許可要件に関する留意事項等
イ 基本要件関係
(イ) 一の(一)(事業主体)について
a 公共的団体又は公益的法人であるか否かは、その存立目的、形態、規約等を検討し、個々に判断しなければならないが、本項にいう公共的団体とは、公共団体及びこれに準ずる公共性をもつ団体をいい、公益的法人とは、公益法人及びこれに準ずる法人であって、公益を目的とし、営利を目的としない団体をいうものである。
なお、公益的法人には、農業協同組合、中小企業等協同組合法に基づく企業組合等のいわゆる中間法人も含まれるが、労働組合等については、労働者供給事業の事業主体となり得ることから含まれないものとし、また、医療法人については看護婦、家政婦を取扱職業とする場合は事業主体には含まれないものとする。
b いわゆる法人格なき社団についても、事業主体と認められない。
(ロ) 一の(三)(職業紹介事業計画の策定)について
職業紹介事業計画における職業紹介計画の各項目に記載された内容が相互に矛盾する場合等著しく整合性を欠く場合を除き、この要件を満たすものとする。
(ハ) 一の(四)(名義貸し等)について
紹介事業の適正な運営を確保するために、経験、徳性等からみて職業紹介事業を行うにふさわしい者に許可をしているものであり、名義の貸与や借用は認められないものであり、代表者及び紹介責任者が実際に事業を行うものであるかどうか確認するとともに、許可後においてもその点に留意する必要がある。
(ニ) 一の(五)(大臣許可名義の目的外使用)について
a 会員の獲得、組織の拡大、宣伝等とは、その手段の諸形態を例示したものにすぎないので、その目的が布教の手段、名声の獲得、選挙運動等のために利用するものであってはならない。
b 労働大臣の許可を兼業部門(例えば、請負、経営コンサルタント業の広告、芸能家、モデル等の養成所の生徒の募集等)その他の紹介事業以外の目的に利用するものであってはならない。したがって、「労働大臣許可」を養成所等許可を受けた職業紹介事業以外の事業の宣伝に用いてはならない。
ロ 代表者、紹介責任者等に関する要件関係
(イ) 二の(一)(紹介責任者の設置)について
a 代表者が紹介責任者としての経験を有し、紹介事業へ専念し得る場合は、別に紹介責任者を選任する必要はなく、自らを紹介責任者とすれば足りる。
b 「二 有料職業紹介事業の許可要件」の二の(四)のロの(イ)の経験の要件による紹介責任者を置こうとする場合は、当該経験の要件による紹介責任者を一名置けば足りるものである。
c 第二の一の(三)のイの取扱職業の区分によるそれぞれの職業について複数のものを取り扱う場合に、「二 有料職業紹介事業の許可要件」の二の(四)のロの(ロ)の経験の要件による紹介責任者を置こうとするときは、その各職業の区分についてそれぞれ紹介責任者を置く必要があるが、許可要件の四の場合においては、紹介責任者を兼ねることとして差し支えない。
(ロ) 二の(二)(役員の定義)について
a 法人の「役員」とは、おおむね次に掲げる者をいう。
(a) 合名会社については、総社員(定款をもって業務を執行する社員を定めた場合は、当該社員)
(b) 合資会社については、総無限責任社員(定款をもって業務を執行する無限責任社員を定めた場合は、当該無限責任社員)
(c) 株式会社及び有限会社については、取締役及び監査役
(d) 財団法人及び社団法人については、理事及び監事
(e) 特殊法人については、総裁、理事長、副総裁、副理事長、専務理事、理事、監事等法令により役員として定められている者
b 商法等の規定により、法人の監査役は、取締役又は従業員を兼ねることはできないので、注意する必要がある(商法第二七六条、有限会社法第三四条)。
(ハ) 二の(二)のイ(住所)について
履歴書及び住民票の写しによって確認する。形式的に住所だけを移していると考えられる場合には、その理由を聞き、事業運営に支障がないか確認する。
(ニ) 二の(二)のロ(禁治産、準禁治産、破産)
職業紹介事業許可・許可有効期間更新申請書、職業紹介事業変更許可申請書及び職業紹介事業変更届によって確認する。
(ホ) 二の(二)のハ(外国人)について
a 市町村(区)長の発行する外国人登録原票記載証明書によって確認する。
b 「在留期間が三年以上の在留資格」とは、出入国管理及び難民認定法第四条第五号の貿易、事業又は投資の活動を行う者(在留期間三年)、同条第一四号の永住しようとする者等がこれに当たる。
(ヘ) 二の(二)のニ及びホ(犯歴)について
履歴書の賞罰の記載、前記(ハ)により確認する。
(ト) 二の(二)のヘ(労働関係法令違反)について
過去の摘発、送検あるいは安定所、監督署等による違反の確認等の事実を把握した場合は、違反事実の内容、経過期間等を総合的に判断する。
(チ) 二の(三)(禁止兼業)について
a 兼業の有無については、本人の履歴書、定款、実地調査等によって確認する。
b 禁止兼業その他職業紹介事業との関係において不適当な兼業の内容は、次を参考とする。
① 料理店業、飲食店業
設備を設けて客に飲食物を提供して飲食せしめる営業をいい、例えば料理屋、バー、喫茶店等である。
② 旅館業
ホテル、旅館又は下宿業を経営することをいう。
③ 古物商
古物の売買、交換又は委託を受けて売買、交換することを営業とする者をいう。
④ 質屋業
質屋営業法第一条に規定する質屋営業を行うものをいう。公益質屋法により市町村又は社会福祉法人が経営する公益質屋は営業として行うものではないからここにいう質屋業には含まれない。
⑤ 貸金業
貸金業の規制等に関する法律第二条第一項に規定する貸金業及び同項第二号に規定するものをいう。
(注) 貸金業の規制等に関する法律(昭和五八年法律第三二条)
第二条 この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付又は当該方法によってする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)を業として行うものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
一 国又は地方公共団体が行うもの
二 貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの
三 物品の売買、運送、保管又は売買の媒介を業とする者がその取引に付随して行うもの
四 事業者がその従業者に対して行うもの
五 前各号に掲げるもののほか、資金需要等の利益を損なうおそれがないと認められる貸付けを行う者で政令で定めるものが行うもの
⑥ 風俗営業、風俗関連営業
風営適正化法第二条に規定する営業をいう。
具体的には、おおむね次の営業が該当する。
(a) 風俗営業関係
一 料飲関係営業(キャバレー営業等、料理店営業等、ナイトクラブ営業等、低照度飲食店営業、区画席飲食店営業)
二 マージャン屋営業・パチンコ屋営業
三 ゲーム機設置営業
四 ダンスホール、ダンス教授所
(b) 風俗関連営業関係
一 個室付浴場業
二 ヌードスタジオ、のぞき劇場、ストリップ劇場など
三 ラブホテル、モーテル、モーテル類似、レンタルルーム等
四 アダルトショップ、大人のおもちゃ店
五 個室マッサージ類
⑦ 検番、芸妓置屋等
検番、芸妓置屋等との兼業は認めない。
⑧ その他
探偵業、信用調査等であって、職業安定法第三条、第五一条の規定からみて不適当なものの兼業も認められない。
c 名義人とは、本人が直接業務に従事経営することを要せず、単に禁止兼業の名義上の経営者又は代表者をいう。
実質的に営業を行う者とは、例えばこの種の営業について多額の金銭的援助を与え、又はその営業を行う者と血縁関係その他、社会生活上密接な関係のある場合で、その営業を支配し得る地位にあり、実質的に行う者と認められるものをいう。
d 申請者が下宿を行っている場合であっても、いわゆる素人下宿等と認められる程度の規模でその徴収する下宿料が申請者の生計の一部の足しになる程度のものは兼業禁止の対象となる旅館業から除外して差し支えない。
(リ) 二の(四)(紹介責任者の経験)について
a 職業紹介事業に関する経験
職業安定法に基づく職業紹介事業に関する経験については、則第二四条第一項に規定する取扱職業に係る職業紹介事業に関する経験を有していれば、足りるものである。
b 取扱職業に従事した経験
取扱職業に従事した経験については、自らが直接当該職業の経験を有することが必要であるが、具体的には、第二の一の(三)のイに定める取扱職業の区分による職業の経験を有していれば足りるものである。
(ヌ) 国外にわたる職業紹介を行う場合における紹介責任者の有すべき相手先国の労働市場の状況及び法制度の把握並びに意思の疎通を行うに足る能力については、申請に係る紹介責任者の経歴書により判断するものとし、相手先国における滞在の経験、語学教育の履歴等により判断するものとすること。
(ル) 二の(四)のイ(職業紹介事業従事者講習会の受講)について
既に許可を受けて職業紹介事業を行っている事業所の紹介責任者の変更許可申請又は既に許可を受けて職業紹介事業を行っていた事業所で代表者兼紹介責任者であった者が死亡し、それを継承して事業を行う場合等の新規の許可申請に際して、新たに紹介責任者となる者が、やむなく許可申請前に講習会の受講ができない場合は、その後可及的速やかに受講することを条件として(受講する講習会を決めて)申請を受理することとして差し支えない。
(ヲ) 二の(五)(紹介責任者の専念義務)について
a 申請者が紹介事業のほかに他の事業も行っている場合(例えば、芸能家の職業紹介事業と興行請負事業)は、他の事業を責任をもって担当する者の有無を確認し、紹介責任者が実際に職業紹介事業に専念することができるものであるか否か判断する必要がある。
b 申請時に紹介責任者が他の職業に就いている場合等においては、当該紹介責任者が退職している旨を確認後、許可証を交付する。
c 紹介責任者が職業紹介に専念できなくなった場合は事業を廃止するか紹介責任者の変更許可申請が必要であるが、病気のために休職するが二~三箇月で復帰できるというような場合は、安定所に診断書を提出させ、その間は紹介責任者に代わる者をたて、安定所の指導監督の下に運営することを認める(紹介責任者が死亡し、変更許可申請を提出している間の取扱いに準ずる。)。
ハ 事業運営に関する要件関係
(イ) 三の(一)のイ(資産)について
a 資産は、自己名義(法人の場合は法人名義)のものであることが必要である。
資産は、動産であるか、不動産であるかを問わず、申請者の資産の全体をいうものである。
b 資産の実在、基準資産額等は、預貯金の残高証明書、固定資産税の評価額証明書、貸借対照表、計画書の「資産等の状況」欄の記載(法人を除く)等によって判断するものであるが、なお次に留意する。
(a) 法人における基準資産額等の確認
① 法人税の納税申告書等が添付されている場合
次のⅰ~ⅲの書類が添付され、納税証明書の「所得金額」と納税申告書の別表第一の一欄「所得金額又は欠損金額」及び当該納税申告書の別表第四の三七欄「所得金額又は欠損金額」、同表一欄「当期利益又は当期欠損の額」と貸借対照表の「当期利益」、当該「当期利益」と損益計算書の「当期利益」とをそれぞれ照合し、いずれも一致する場合にあっては、当該貸借対照表を用いて基準資産額(「負債総額」及び「現金・預金の額」を含む。)を算定する。この場合は、資産の実在を証明する残高証明書等の提出は、要しない。
ⅰ 最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書(税務署に提出したものの写しに限る。)
ⅱ 最近の事業年度における法人税の納税申告書の写し(税務署の受付印のあるものに限る。法人税施行規則別表第一及び四のみでよい。)
ⅲ 納税証明書(国税通則法施行令第四一条第一項第三号ロに係る同施行規則別紙第八号様式(その二)による法人の最近の事業年度における所得金額に関するもの)
② 前記①以外の場合
ⅰ 設立後最初の決算を終了していない場合又は税務署に提出していない貸借対照表及び損益計算書が添付されている場合(最近の事業年度における決算は終了しているが株主総会の承認が得られていないため未だ税務署に提出していない場合等)であっても、前記①と同様、添付された貸借対照表に基づき基準資産額を算定し、許可要件を満たしているかどうか判断するものであるが、この場合は、更に、当該貸借対照表に記載されている資産のうち、左記Ⅱにより資産と認められ、かつ、その額を証明する書類が添付されているものの総額が所要の資産額以上あることを要するものとする。
ⅱ 資産と認められるものは、預貯金(種類を問わない。)、国公債、社債、不動産その他これに準ずるものであって資産たるに値する程度の確実性のあるものとする。
なお、株式、元本保証のない信託等価額の変動するもの、貴金属、動植物等価額の確定できないもの、売掛金等は、資産に含まれないものであること。
(b) 個人における基準資産額等の確認
計画書の「資産等の状況」の「資産」欄に計上されたもののうち、前記(a)の②のⅡにより資産と認められ、かつ、その額を証明する書類が添付されているものの総額から同「資産等の状況」の「負債」欄に記載された額を差し引いた額が所要の資産額以上あることを要するものとする。
なお、資産は、「常時」基準資産額以上あることを必要とするものではなく、新規の許可申請時又は許可の有効期間更新申請時においてこれを満たせば足りるものである。
c 「繰延資産」とは、商法第二八六条~第二八七条に規定する創立費等をいい、「営業権」とは、無形固定資産の一つである商法第二八五条の七の暖簾をいう。
d 前記により算定される基準資産額が増加する旨の申立てがあったときは、①市場性のある資産の再販売価格の評価額が、基礎価額を上回る旨の証明があった場合(例えば、固定資産税の評価額証明書、不動産鑑定士による不動産評価額を証明する書類等による。)、②公認会計士又は監査法人による監査証明を受けた中間決算による場合、③増資、贈与、債務免除等があったことが証明された場合に限り、当該増加後の額を基準資産額とする。
なお、増資については、原則として、増資に係る変更後の登記簿謄本により確認するが、新株発行に係る取締役会議事録、株式の申込みを証する書面(株式申込証)及び払込金保管証明書の三者に代えて差し支えない。
(ロ) 三の(一)のロ(事業資金)について
a 事業資金は、事業開始後三カ月程度の間の運営を賄うためのものであり、許可要件の三の(一)のイの資産の一部となるものであり、預貯金として所持するものに限られる。
b 預貯金の残高証明書、貸借対照表、職業紹介事業計画の「資産等の状況」欄の記載等により判断する。
c 預貯金の残高証明書は、安定所の受付の概ね三カ月以内のものとし、預貯金の種類を問わない。
d 自己名義の現金・預金の額が増加する旨の申立があった場合において、提出された預金残高証明書により普通預金、定期預金等の残高を確認できた(複数の預金残高証明書を用いる場合は、同一日付けのものに限る。)ときは、当該増加後の額を自己名義の現金・預金の額とする。
(ハ) 三の(二)のイ(事業所の位置)について
a 借用の場合は、事業所の賃貸借契約書等により、事業所の所有者に正当に貸与を受けているものかどうか、また、転貸の場合は、その同意があるかどうかについて同意書等により確認する。
b 事業所の設置場所として当初適切であったものが、その後の環境の変化により職業紹介事業に適さなくなった場合は、事務所の移転が最も望ましいが、移転ができない間は、わかりやすい看板の掲示や入口の明示等を工夫し、求人者、求職者が安心して利用できるような対処を指導する。
(ニ) 三の(二)のロ(事業所の面積等)について
a 事業所の面積はおおむね二〇m2以上となっているが、このおおむねは、日本間を改造した場合などで六坪の場合はやむを得ないという趣旨である。
b 厨房部分、便所、階段、廊下等は、事業所の面積に算入しない。
c 兼業がある場合は、パーテーション等によって明確に分けられているような場合も、独立した構造の要件を満たすものとして差し支えない。ただし、兼業部門は独立して機能することができるものでなければならない。
(ホ) 三の(三)の(名称)について
a 同一労働市場圏にある既設事業所の名称と同一又は類似の名称は、求人者、求職者の混乱を招くおそれがあるため、利用者に誤認を生じない名称とするよう指導する。
b 職業紹介事業以外の職業を行う場合には、兼業に係る事業については、労働大臣許可名義を使用しないこと。
(ヘ) 三の(四)のハ(業務の運営に関する規定)について
a 求職の申込みに関して履歴書の提出や免許の提示を求めることは差し支えないが、戸籍抄本等身元調査に通じる書類の提出を求めることのないよう指導する。
b 求人者に身元確認を勧めるような文言を含むことのないよう指導する。
c 前記a又はbのような事項が記載されている場合は、その削除と考え方を十分指導する。
三 無料職業紹介事業の許可要件
(一) 無料職業紹介事業の許可要件
無料職業紹介事業の許可要件 一 基本要件 <趣旨> 無料職業紹介事業については、職業安定法に基づき、許可を受け、職業紹介に関しいかなる名義でもその手数料又は報酬を受けないで職業紹介事業を行うものであり、そのための基本的要件を定めたものである。 (一) 無料職業紹介事業を行うものは、次のいずれかに該当するもの(以下「公益法人等」という。)であること。 イ 公共的団体(国及び地方公共団体を除く。) ロ 公益的法人 ハ 労働組合法に基づく労働組合又は労働組合に準ずるものであって、次のいずれかに該当するもの(則第二五条第五項参照) (イ) 国家公務員法第一〇八条の二第一項(裁判所職員臨時措置法において準用する場合を含む。)に規定する職員団体、地方公務員法第五二条第一項に規定する職員団体又は国会職員法第一八条の二第一項に規定する国会職員の組合 (ロ) (イ)に掲げる団体又は労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に該当する労働組合が主体となって構成され、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的とする団体(団体に準ずる組織を含む。)であって、次のいずれかに該当するもの a 一の都道府県の区域内において組織されているもの b 職業安定局長が定める基準に該当するもの ニ 学校教育法に基づく各種学校であって、修業年限一年以上の生徒の定員数が四〇人以上その専任教員の定員数が三人以上であり、かつ、設立認可後一年以上経過したもの ホ 営利法人(長期、継続的に大量の離職者が発生する見込みがあり、無料職業紹介事業を行うことが必要と認められるものに限る。) (二) 無料職業紹介事業を行う公益法人等の存立目的、形態、規約等から必要かつ適当であると認められる職業に従事する者又は一定の範囲の者の職業紹介を行うものであること。ただし次の者にあっては、それぞれに掲げる範囲の職業紹介を行うものであること。 イ 労働組合等…組合員のうち主として離職予定者の再再就職あっ旋 ロ 各種学校……当該学校の修業年限六箇月以上の課程に係る卒業予定者及び卒業生(卒業後六箇月以内に限る。)及び修業年限一年以上の課程に係る在学生のアルバイトの職業紹介。 ハ 営利法人……当該法人及び当該法人と資本関係のある法人の原則として離職予定者の職業紹介。 (三) 国外にわたる無料職業紹介事業を行う公益法人等の存立目的、形態、規約等から必要かつ適切であると認められる職業に従事する者又は一定の範囲の者であって、入管法上の在留資格を充たすものに対して職業紹介を行うものであること。 (四) 当該事業所の設置が労働力需給の効率化、円滑化に必要であること。 (五) 職業紹介事業を会員の獲得、組織の拡大、宣伝等他の目的の手段として利用するものでないこと。 (六) 国外における取次機関を利用する場合には、当該取次機関の利用について許可を受けたもの以外を利用するものではないこと。 (七) 国外にわたる職業紹介を実施する相手先国名について届け出るものとすること。 二 紹介責任者等に関する要件 <趣旨> 職業紹介事業の公共性及び労働者保護の見地から、適正な職業紹介事業の運営を期待し得ない者を排除するために紹介責任者等に関する要件を定めたものである。 (一) 紹介責任者を置くものであること。 (二) 紹介責任者は、法律行為能力を有しない者、法令に違反した者等適正な事業運営を期待し得ないものでないこと。 イ 住所及び居所が一定しないなど生活根拠が不安定なものでないこと。 ロ 禁治産者、準禁治産者及び破産者でないこと。 ハ 健康であって、職業紹介事業を行う上で支障のないこと。 ニ 日本国籍でない場合は、在留期間が三年以上の在留資格を有していること。 ホ 禁錮以上の刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなってから五年以上経過した者であること。 ヘ 罰金であっても、それが労働関係法令その他職業紹介事業に重大な影響を及ぼすと認められる法令違反である場合には、その刑の執行が終わり、又は刑の執行を受けることがなくなってから五年以上経過したものであること。 ト 処罰はされないが、労働関係法令その他職業紹介事業に重大な影響を及ぼすと認められる法令に違反した事実のある者は、改しゅんの情が顕著であり、適正な運営を約するものであること。 チ 許可の取消し又は同等の理由で廃止を行ってから五年以上経過したものであること。 リ 不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。 ヌ 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。 ル 虚偽の事実を告げ、若しくは不正な方法で許可申請を行った者又は許可の審査に必要な調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者でないこと。 (三) 相手先国の労働市場の状況及び法制度について把握し、また、求人者及び求職者と的確な意思の疎通を図るに足る能力を有すること。 (四) 法人又は団体、代表者(個人事業の場合のみ)及び紹介責任者は職業安定法第三三条の四の禁止兼業その他職業紹介事業との関係において不適当な兼業を行うものでないこと。 イ 料理店業、飲食店業、旅館業、古物商、質屋業、貸金業、両替業の名義人又は実質的にその営業を行うものでないこと。 ロ 置屋業、割賦金融会社等イに類する事業その他風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営適正化法」という。)に規定する風俗営業、風俗関連営業等職業紹介事業との関係において不適当な兼業の名義人又は実質的にその営業を行うものでないこと。 (五) 紹介責任者は、職業安定期間又は職業安定局長の指定する者が行う「民営職業紹介事業従事者講習会」を受講(許可又は許可有効期間の更新の申請の受理の日の前二年以内の受講に限る。)した者であること。 (六) 紹介責任者は職業紹介業務に専念できるものであること。 (七) 公益法人等は職業紹介事業を行うに適切な者を代表者、役員及び従業者とするものであること。 三 事業運営に関する要件 <趣旨> 職業紹介に関し、一切の手数料、報酬等を受けずに適正に維持運営できる体制を確保するための要件を定めたものである。 (一) 公益法人等は、無料職業紹介事業を維持運営していくに足りる資産又は財政的裏付けを有し、確実な予算措置を講ずるものであること。 (二) 職業紹介事業者は、その位置、面積、構造、設備からみて職業紹介事業を行うに適切であること。 イ 位置が適切であること。 (イ) 求人者及び求職者の利用に便利であること。 (ロ) 風営適正化法で規制する営業が密集するなど職業紹介事業の運営に好ましくない場所にないこと。 ロ 事業所として適切であること。 (イ) 職業紹介業務に使用し得る面積がおおむね二〇m2以上あること。 (ロ) 事務及び面接に必要な机、椅子、書棚等の備品があること。 (ハ) 事業所内に専用電話が設置されていること。 (ニ) 求人者、求職者の個人的秘密を保持し得る構造であり、かつ、事業所として独立した構造であること。 (三) 事業所名は取扱職業又は取扱範囲がわかりやすいもので「無料職業紹介所」の文字をいれたもの(国外にわたる職業紹介の場合にあっては、「国際無料職業紹介所」の文字を入れたもの)とし、かつ、公共職業安定所に類するものではないこと。 (四) 職業安定法に基づき適切な運営をするものであること。 イ 職業紹介に関し、いかなる名目であっても金品を徴収しないこと。 ロ 職業安定法の次の各条文の内容を含む業務の運営に関する規定を有し、これに従って運営されること。 第二条(職業選択の自由)、第三条(均等待遇)、第一六条(求人の申込)、第一七条(求職の申込)、第一八条(労働条件の明示)、第一九条第一項(紹介の原則)、第二〇条(労働争議に対する不介入)、第五一条(秘密の厳守) (五) 国外にわたる職業紹介を行う場合には、出入国管理法及び難民認定法等関連法令及び相手先国の法令を遵守して行うものであること。 (六) 求職者に対して、渡航費用その他の費用を貸し付けて、又は求人者がそれらの費用を貸し付けた求職者に対して、職業紹介を行うものではないこと。 四 無料職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合の要件 有料職業紹介事業の許可要件に準じて確認等を行うものとする。 |
(二) 無料職業紹介事業の許可要件に関する留意事項等
イ (一)の二の(四)の営業を行うものであっても、職業紹介事業とこれらの営業を兼業することにより、特段の弊害が認められないものとして、次のものについては、禁止兼業の対象とはならないものとする。
(イ) 農業協同組合法の規定に設立された農業協同組合及び農業協同組合連合会
(ロ) 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第四六条の規定により都道府県知事の指定を受けたシルバー人材センター及び同法第四八条の二の規定により都道府県知事の指定を受けたシルバー人材センター連合会
ロ その他の要件については、有料職業紹介事業の許可要件に関する留意事項等に準じて確認等を行うものとする。
四 許可の有効期間の更新要件
(一) 有料職業紹介事業の許可の有効期間の更新要件
有料職業紹介事業の許可要件と同様である。ただし、同許可要件の三の(一)のイの五〇〇万円とあるのは、三五〇万円と読み替えて適用し、また、ロは適用しないものとする。
(二) 無料職業紹介事業の許可の有効期間の更新要件
無料職業紹介事業の許可要件と同様である。
第四 申請、届出等の手続の原則
一 手続の原則
(一) 真正な申請内容の確保
イ 申請者に対する説明
民営職業紹介事業を行おうとする者に対しては、相談、審査等に当たって、真正な内容により申請すべきものであること、偽りその他不正の行為により許可又は許可の有効期間(以下「有効期間」という。)の更新を受けた場合は、罰則の適用があること等について十分に説明を行う。
ロ 偽りその他不正の行為があった場合の効果
(イ) 許可又は有効期間の更新を受けた場合
偽りその他不正の行為により許可又は有効期間の更新を受けた者は、一年以下の懲役又は二〇万円以下の罰金に処せられる場合がある。また、法違反として、許可の取消し、事業停止の対象となり得る。
(ロ) 事前に発見された場合
許可又は有効期間の更新の処分を行う前に偽りその他不正の行為があることを発見した場合は、申請者に対し、不許可又は不更新となり得ることについて十分に説明を行う。
(二) 手続の単位等
イ 民営職業紹介事業に関する手続は、(三)の有料統括事業所が決定されている場合を除き、すべて事業所単位で行う。ただし、国外にわたる職業紹介と国内の職業紹介を併せて行おうとする場合にあっては、申請又は届出は、これを区分して行うものとする。
ロ 同一の者が複数の事業所において職業紹介事業を行おうとする場合(例えば、既に許可と受けている事業所に支社を設ける場合等)においても、(三)の有料統括事業所が決定されている場合を除き、各事業所が独立した事業所として各事業所ごとに所要の手続を行う必要がある。
ハ 職業紹介事業の事業所の組織としては、当該事業所の実際の職名、身分等にかかわらず、次のようになる。
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代表者 |
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紹介責任者 |
職業紹介事業従事者 |
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従業者 |
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(三) 有料統括事業所
イ 有料統括事業所の意義
(イ) 有料統括事業所は、一の事業主が二以上の事業所を設けて有料職業紹介事業を行う場合において、各事業所それぞれの属性に係る事項以外の事項、すなわち、当該事業主自身の属性に関する事項(事業主である法人若しくは個人又は法人の役員に関する事項を言うが、そのうち、財産的基礎に係る部分を除く。以下単に「事業主属性」という。)に係る書類を原則として一元的に提出することとする事業所である。
(ロ) そのため、許可及び更新の申請並びに届出手続に際し、有料統括事業所が、当該有料統括事業所について事業主属性に係る書類を添付した場合においては、他の有料職業紹介事業を行う事業所については、当該書類を添付することを要しない。
ロ 有料統括事業所の決定
(イ) 事業主が二以上の事業所を設けてはじめて有料職業紹介事業を行うために同時に許可の申請をしようとするときは、そのうち一の事業所を有料統括事業所として定めて許可の申請を行うこととする。
(ロ) 既に、二以上の事業所を設けて有料職業紹介事業を行っている場合には、本社等を有料統括事業所とみなすこと。
(ハ) 事業主が、既に一の事業所において有料職業紹介事業を開始している場合において、他の事業所を設けて有料職業紹介事業を行うために許可の申請をしようとするときは、既に有料職業紹介事業を開始している事業所が自動的に有料統括事業所となる。
(ニ) 国内と国外にわたる職業紹介事業を行うために同時に許可の申請をしようとするときは、国内における事業所を有料統括事業所として定めて許可の申請を行うこととする。
ハ 有料統括事業所の変更
(イ) 有料統括事業所は、(ロ)の場合を除き原則として変更しない。
(ロ) 事業の廃止、許可の取消し又は許可の有効期間の満了により有料統括事業所に係る有料職業紹介事業を行わなくなった者は、速やかにその旨を次の様式例により記載した書面(正本一通及びその写し二通)を公共職業安定所及び都道府県を経由して労働大臣に提出しなければならない。
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(ハ) (ロ)の書面の提出があった場合において、当該事業主が他に有料職業紹介事業を行う事業所を一しか有しないときは、当該事業所を有料統括事業所とすることはしない。
(ニ) しかしながら、他に二以上の有料職業紹介事業を行う事業所を有するときは、当該書面を提出した事業主の希望により、当該他の事業所のうち一の事業所を新たな有料統括事業所として定める。
ニ 有料統括事業所の管轄公共職業安定所等の行う事務
(イ) 有料統括事業所の管轄公共職業安定所は、当該事業主の許可及び更新の申請並びに届出手続の際添付される書類のうち、イの(イ)に係る次のものを一元的に管理する。
a 当該事業主が法人である場合
① 定款又は寄付行為
② 登記簿の謄本
b 当該事業主が個人である場合
① 住民票の写し及び履歴書
(ロ) そのため有料統括事業所以外の事業所の変更の許可、届出等の手続に際し、当該事業所を統括する公共職業安定所に対し、aの①又は②の書類が提出される場合があるが、この場合においては、当該提出を受けた公共職業安定所は、その提出の都度、当該書類に連絡文を添えて有料統括事業所を管轄する公共職業安定所に送付する(同一公共職業紹介所内においては、有料統括事業所の管理に移すのみで足りる。)。
(ハ) なお、ハの(ロ)の場合については、有料統括事業所の管轄公共職業安定所において管理していた(イ)のa及びbの書類に連絡文を添えてハの(ハ)の一事業所又はハの(ニ)の新たな有料統括事業所を管轄する公共職業安定所に引き継ぐ(同一公共職業安定所内においては、管理を移すのみで足りる。)。
(ニ) 有料統括事業所の管轄公共職業安定所は、事業主属性に係る許可関係の事務を一元的に行う。すなわち、有料統括事業所以外の事業所に係る許可、許可の有効期間の更新又は変更の許可の申請があった場合において、当該申請を受けた公共職業安定所は事業主属性に係る調査等を行うことを要せず、当該判断に関しては有料統括事業所の管轄公共職業安定所によりだされた調査等の結果を利用するものである。
(四) 書類の受理の原則等
イ 書類の提出の経由
(イ) 民営職業紹介事業に関し労働大臣に対して行う許可申請書の手続は、当該事業所の所在地を管轄する安定所の長(以下「管轄安定所長」という。)及び都道府県知事を経由して行う。
また、都道府県知事に対して行う手続も同様に、管轄安定所長を経由して行う。
(ロ) 各手続において書類の提出期限が定められている場合における期限内か否かの判断は、管轄安定所長に提出された時点を基準に行う。
ロ 受理の権限
(イ) 許可、有効期間の更新、届出の受理、書面の受理等は、所定の権限を有する者(例えば、許可、有効期間の更新等の申請は労働大臣、変更届、廃止届は都道府県知事)がその権限を有するものである。
(ロ) したがって、安定所を経由する段階では関係書類の「受付」が行われるのであって、関係書類が都道府県を経て本省に到達した段階で、①必要な書類が添付されていること、②書面に記載もれがないこと及び記載事項に誤りがないこと等を確認した上で「受理」が行われる。
二 民営職業紹介事業に関する手続の種類
民営職業紹介事業に関し、申請者、許可を受けて職業紹介事業を行う者(以下「事業者」という。)の行う手続は、次に掲げるとおりである。
事項 |
許可・届出等の別 |
提出書類 |
条項 |
① 許可 |
許可 |
職業紹介事業許可申請書(様式第一号) |
法第三二条第一項 則第二四条第三項 |
② 国外にわたる職業紹介事業の許可 |
許可 |
国外にわたる職業紹介事業許可申請書(様式第二号) |
法第三二条第一項 則第二四条第三項 |
③ 第二種紹介手数料の承認 |
承認 |
第二種紹介手数料の承認申請書(様式第八号) |
則第二四条第一九項 |
④ 有効期間の更新 |
有効期間の更新 |
職業紹介事業許可有効期間更新申請書(様式第一号) |
法第三二条第八項 則第二四条第二三項 |
⑤ 国外にわたる職業紹介事業の許可の有効期間の更新 |
有効期間の更新 |
国外にわたる職業紹介事業許可有効期間更新申請書(様式第二号) |
法第三二条第八項 則第二四条第二三項 |
⑥ 紹介責任者(有料職業紹介事業に限る。)、事業所の所在地(同一安定所の管轄区域内の変更を除く。)又は法人の代表者(有料職業紹介事業に限る。)の変更 |
許可 |
職業紹介事業変更許可申請書(様式第九号) |
則第二四条第五項 |
⑦ 国外にわたる職業紹介事業に係る取次機関の変更 |
許可 |
職業紹介事業変更許可申請書(様式第九号) |
則第二四条第五項 |
⑧ 第二種紹介手数料に係る料金表の変更 |
承認 |
第二種紹介手数料変更承認申請書(様式第一〇号) |
則第二四条第一九項 |
⑨ 受付手数料及び第一種紹介手数料に係る料金表若しくは業務の運営に関する規定の変更、又は事業所の所在地の変更(同一安定所の管轄区域内の変更に限る。) |
事前届出 |
職業紹介事業変更届(様式第二二号) |
|
⑩ 国外にわたる職業紹介事業の相手先国又は取次機関の所在地、代表者等の変更 |
事前届出 |
職業紹介事業変更届(様式第二二号) |
|
⑪ ⑥~⑨以外の事項の変更 ※事業所名の変更代表者又は紹介責任者の氏名の変更 |
事後届出 |
職業紹介事業変更届(様式第二二号) |
|
⑫ 事業の廃止 |
事後届出 |
職業紹介事業廃止届(様式第二四号) |
令第三条第一項 |
⑬ 許可証の書替え |
申請 |
職業紹介事業許可証書替申請書(様式第二三号) |
|
⑭ 職業紹介事業状況報告 |
書面提出 |
職業紹介事業状況報告(様式第二五号) |
|
⑮ 個人事業の代表者又は紹介責任者の死亡 |
事後届出 |
職業紹介事業代表者等死亡届(様式第二八号) |
|
⑯ 職業紹介事業従事者講習会受講申込み |
事前申込み |
職業紹介事業従事者講習会受講申込書(様式第三八号) |
|
⑰ 保証金の供託済みの届出 |
事後届出 |
有料職業紹介事業保証金供託届(様式第二九号) |
則第二四条第一〇項第四号 |
⑱ 補償事実確認の請求(債権者の行う手続) |
請求 |
補償事実確認請求書(様式第三〇号) |
則第二四条第一一項 |
⑲ 保証金の取戻し公告 |
公告 |
有料職業紹介事業保証金取戻し公告(様式例第一〇号) |
保証金規則第四条第一項 |
⑳ 保証金取戻し公告を行ったことの届出 |
事後届出 |
有料職業紹介事業保証金取戻し公告届(様式第三二号) |
保証金規則第四条第二項 |
((21)) 債権者からの債権の申出書の提出に関する証明の請求 |
請求 |
職業安定法第三二条第五項の権利を有する者からの申出書の提出に関する証明請求書(様式第三三号) |
保証金規則第五条 |
((22)) 供証原因消滅の証明請求 |
請求 |
有料職業紹介事業供託原因消滅証明請求書(様式第三四号) |
則第二四条第二〇項 |
三 申請、届出等の添付書類
(一) 有料職業紹介事業に係る主な申請、届出等の添付書類
イ 職業紹介事業許可申請書の添付書類
(一) 事業計画に関する書類 |
職業紹介事業計画書(様式第四号)(一年分) |
(二) 代表者及び紹介責任者に関する書類 |
① 履歴書 ② 経験を証明する書類(紹介責任者のみ) ③ 住民票の写し |
(三) 法人に関する書類 |
① 法人の登記簿謄本 ② 定款、寄附行為又は規約 ③ 職業紹介事業を行うことについての総会その他意思決定機関の書類(②にこの旨記載ある場合は除く。) |
(四) 資産及び資金に関する書類 |
① 預貯金の残高証明書等所有している資産の額を証明する書類 〔不動産を資産とする場合の書類 イ 登記簿謄本 ロ 公的機関による不動産の評価額証明書(例えば固定資産税の評価額証明書)〕 法人の場合、法人の計算書類で基準資産が証明できる場合は、残高証明書等の書類は不要 ② 所有している資金の額を証明する預貯金の残高証明書法人の場合、法人の計算書類で事業資金が証明できる場合は、残高証明書の書類は不要 ③ 法人の計算書類 |
(五) 事業所に関する書類 |
① 所在地付近の略図 ② 土地、建物の平面図 ③ 建物の登記簿謄本(申請者の所有に係る場合のみ) ④ 建物の賃貸借又は使用貸借契約書(他人の所有に係る場合のみ) |
(六) 業務の運営に関する書類 |
① 料金表(受付手数料及び第一種紹介手数料に係るもの) ② 業務の運営に関する規定 |
ロ 第二種紹介手数料承認申請の添付書類
業務の運営に関する書類 |
料金表(第二種紹介手数料に係るもの) |
ハ 職業紹介事業許可有効期間更新申請書の添付書類(三年ごとに一回添付)
(一) 事業実績に関する書類 |
職業紹介事業活動実績書(様式第六号) |
(二) 資産に関する書類 |
許可申請書の添付書類のうち、(四)の①及び③の書類 |
(三) その他の書類 |
現に受けている許可に係る職業紹介事業許可証の写し |
(注) 更新申請書の添付書類は、三年ごとの更新時に限るものとする。
ニ 職業紹介事業変更許可申請書の添付書類
(一) 代表者及び紹介責任者の変更に関する書類 |
許可申請書の添付書類のうち、(二)の書類 |
(二) 事業所の所在地の変更(同一安定所の管轄区域内の変更を除く。)に関する書類 |
許可申請書の添付書類のうち、(五)の書類 |