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○職業安定法施行規則の一部を改正する省令の施行等について

(平成九年三月三一日)

(職発第二二一号)

(各都道府県知事あて労働省職業安定局長通達)

有料職業紹介事業制度に関しては、平成八年三月二九日に改定が閣議決定された規制緩和推進計画に基づき、中央職業安定審議会において有料職業紹介事業制度の見直しについて検討が行われ、平成八年一二月二四日に労働大臣あて建議(別添一)がなされたところである。

労働省では、この建議を踏まえ、平成九年二月二八日に職業安定法施行規則の一部を改正する省令(平成九年労働省令第九号。別添二)を公布し、平成九年四月一日から施行することとした。

また、これに伴い、昭和六一年六月七日付け職発第三五一号「職業安定機関以外のものが行う職業紹介事業について」の別添「民営職業紹介事業の業務運営要領」についても、別添三のとおりに改正することとした。

ついては貴職におかれても、左記に御留意の上、制度の周知及び改正制度に基づく円滑な事務処理に特段の御配意をお願いする。

一 今回の改正の趣旨及び概要

(一) 許可制の在り方について

許可制の要件、手続き等その在り方に関しては、労働者保護の観点や有料職業紹介所に過大な負担を課すものとならないようにする観点を踏まえ、明確かつ簡潔で、裁量の余地の少ない制度とする。

(二) 手数料の在り方について

紹介手数料の徴収額、徴収方法等その在り方に関しては、労働者保護や経済原理の観点を踏まえ、有料職業紹介所が届け出、労働大臣が承認した額の紹介手数料を徴収することができる等の措置を導入する。

(三) 取扱職業の範囲の在り方について

取扱職業の範囲の在り方に関しては、有料職業紹介事業による労働力需給調整機能の強化の観点や労働者保護の観点を踏まえ、不当・違法な職業紹介、差別的な職業紹介や不適当な職業紹介が生ずるおそれがあることにより有料職業紹介所が取り扱うことが不適切な職業以外は、取扱職業とする。

(四) 公正な職業紹介を確保するための措置の在り方について

労働者保護等の観点を踏まえた公正な職業紹介を確保するための措置の在り方に関しては、①不当・違法な職業紹介の防止に関する事項、②差別的な職業紹介の防止に関する事項、③不適当な職業紹介の防止に関する事項、④適切な苦情処理に関する事項を盛り込んだ「有料職業紹介事業の運営に当たり留意すべき事項についての指針」を策定し、これに基づき指導・周知のための措置を講ずる。

(五) その他

前記(一)~(四)の措置が講じられることにより、公共職業安定所による労働力需給調整機能と有料職業紹介所による労働力需給調整機能とがあいまって、効果的な労働力需給調整が行われることとなるものであり、公共職業安定所にあっては、無料で職業紹介を行う公共インフラとして、より充実したサービスの提供が期待されるものである。

二 職業安定法施行規則の一部を改正する省令関係

(一) 改正の概要

別添「職業安定法施行規則の改正の概要」のとおりである。

(二) 施行期日

平成九年四月一日

三 民営職業紹介事業の業務運営要領の改正関係

(一) 主要な改正点

イ 有料職業紹介事業の「概要」及び「定義」について改正したこと。

(改正要領の第一の(一)のイ及びロ)

ロ 有料職業紹介事業の「取扱職業の範囲」について改正したこと。

(改正要領の第二の一及び二関係)

ハ 有料職業紹介事業の「許可要件の趣旨及び運用」及び「有料職業紹介事業の許可要件」について改正したこと。

(改正要領の第三の一及び二関係)

ニ 民営職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合の要件について改正したこと。

(改正要領の第三の二の(一)の五関係)

ホ 申請、届け出等の手続きの原則について「有料統括事業所制度」を新たに設定したこと。

(改正要領の第四の一の(三)関係)

ヘ 申請書の添付書類について、簡素化を行うこと。

(改正要領の第四の三関係)

ト 職業紹介事業の許可に関する申請について所要の改正をしたこと。

(改正要領の第五関係)

チ 第二種紹介手数料に関する承認申請手続等を新たに設定したこと。

(改正要領の第六関係)

リ 許可の有効期間の更新に関する申請手続等について改正したこと。

(改正要領の第七の一関係)

ヌ 第二種紹介手数料に関する変更承認申請手続等を新たに設定したこと。

(改正要領の第九の二関係)

ル その他の手続等について「法人の合併等の手続」を新たに設定したこと。

(改正要領の第九の二関係)

ヲ 民営職業紹介事業の運営等について「有料職業紹介事業の運営に当たり留意すべき事項についての指針」を新たに盛り込んだこと。

(改正要領の第一三の一関係)

ワ 民営職業紹介事業の運営等について「第二種紹介手数料」を新たに設定するとともに所要の改正をしたこと。

(改正要領の第一三の四関係)

カ 事業者の行う職業紹介事業状況報告を、四半期一回報告から年一回報告に改定したこと。

(改正要領の第一三の六関係)

(二) 改正要領の適用日及び経過措置

イ 適用期日

別添要領は、平成九年四月一日から適用する。

なお、許可要件及びこれに係る手続並びに更新申請手続等については、平成九年四月一日以降に公共職業安定所長が受け付けるものから適用する。

ロ 経過措置

諸様式類については、平成九年度中は、旧様式を用いても差し支えない。

別添1

職審発第八六号

平成八年一二月二四日

労働大臣 岡野裕 殿

中央職業安定審議会

会長 西川俊作

有料職業紹介事業制度の改正について(建議)

当審議会は、民間労働力需給制度小委員会において、平成七年一〇月から、有料職業紹介事業制度の見直しについて鋭意検討を行ってきたが、今般、別添のとおり小委員会報告が取りまとめられた。

今後、小委員会の報告の趣旨に沿って、経済社会情勢の変化等に対応した有料職業紹介事業制度の改正を図ることが必要であるので、この旨建議する。

別添

中央職業安定審議会民間労働力需給制度小委員会報告

はじめに

一 有料職業紹介事業制度は、昭和二二年の職業安定法の施行以来、数次にわたる見直しを経て現行の制度に至っているところであるが、有料職業紹介事業の許可事業所数が三、二二七所(平成七年度末現在)に達する等、労働力需給調整システムとして社会的にも定着しているところである。

二 一方で、近年の経済社会情勢の変化に伴い、有料職業紹介事業制度に対する新たなニーズが生じている中で、産業構造の転換の必要性、国際的な競争への対応、雇用機会の創出と均等、労働者の意識やニーズの多様化への対応等の観点から、有料職業紹介事業を原則自由化することについて議論すべきという意見、有料職業紹介事業に伴う問題点への対応等の観点から、労働者保護、雇用機会の均等その他の観点を重視して議論すべきという意見等がみられるところである。

三 本年三月二九日に改定が閣議決定された規制緩和推進計画においては、これらの意見を踏まえ、「有料職業紹介事業制度について、平成七年一二月一四日の行政改革委員会における取扱職業の大幅拡大、労働者保護に配慮しつつ、不適切な職業以外は扱えることとする等の意見を尊重し、取扱職業の範囲及び紹介手数料等、その在り方を検討する。」等とされている。

四 このような状況を受け、当小委員会は、平成七年一一月二九日に開催された第三四八回中央職業安定審議会において報告されたとおり、同年一〇月から検討を開始し、今日まで一年余にわたり、

(一) 許可制の在り方

(二) 手数料の在り方

(三) 取扱職業の範囲の在り方

(四) 公正な職業紹介を確保するための措置の在り方

の問題を中心に、制度運用の実情、各界の要望・意見等を踏まえつつ、検討を重ねてきた。

小委員会における検討の過程においては、有料職業紹介所、その団体等からのヒアリングや実態調査等を実施し、検討に際しての参考とした。

五 以上の検討の結果、今後、次のような措置を講ずることが適当であるとされた。

なお、これらの措置が講じられることにより、公共職業安定所による労働力需給調整機能と有料職業紹介事業による労働力需給調整機能とがあいまって、効果的な労働力需給調整が行われることとなるものであり、公共職業安定所にあっては、無料で職業紹介を行う公共インフラとして、より充実したサービスの提供が期待されるものである。

また、これらの職業紹介関係の措置と併せ、失業なき労働移動や労働者の職業能力の開発向上等を図るための多様な措置が講じられることにより、経済社会が大きな変革期を迎える中で、雇用の安定や労働者が主体的に可能性を追求するための環境整備が図られることを期待してやまない。

第一 許可制に関する措置関係

一 許可制の在り方について

許可制の要件、手続等その在り方に関しては、労働者保護の観点や有料職業紹介所に過大な負担を課すものとならないようにする観点を踏まえ、関係団体の要望や有料職業紹介事業の実態を参考としながら、明確かつ簡潔で、裁量の余地の少ない制度とすることが適当である。

具体的には、許可制の要件、手続等について、以下の措置を講ずることが適当である。

二 基本要件について

現行の基本要件については、

① 「有料職業紹介事業として成り立ちうるだけの取扱い量を有する見込みがあること。」の要件を廃止すること、

② 「当該事業所の設置が労働力需給の効率化、円滑化に必要であること。」の要件を「当該事業所の設置が労働力需給の効率化、円滑化に必要であることを説明する職業紹介事業計画が策定されていること。」に改めること

が適当である。

三 代表者及び紹介責任者の資格・経験要件等について

(一) 現行の代表者の資格・経験要件については、廃止することが適当である。

(二) 現行の紹介責任者の資格・経験要件については、当該取扱職業の経験により紹介責任者となる場合に必要な経験年数要件(現行では一〇年以上)を三年以上に改めること、職業紹介事業に従事した経験により紹介責任者となる場合には、当該従事経験三年以上ですべての取扱職業について紹介責任者となり得ることとすること等の措置を講ずることが適当である。

(三) 現行の「代表者又は法人は、職業紹介事業を行うに適切な者を役員及び従業員とするものであること。」の要件については、廃止することが適当である。

四 事業運営に関する要件について

(一) 現行の財政的基礎に関する要件については、

① 資産額及び自己名義の預貯金の額に関する複数職業を取り扱う場合における加算を廃止すること、

② 「倒産の恐れがないものであること。」の要件を廃止することが適当である。

(二) 現行の事業所の位置が適切であることに関する要件については、「求人者及び求職者の利用に便利であること。」の要件を、廃止することが適当である。

(三) 現行の事業所として適切であることに関する要件については、

① 「事務所内に取扱職業と同数以上の専用電話が設置されていること。」の要件を廃止すること、

② 現行の事業所の面積に関する要件について、複数の取扱職業を取り扱う場合における面積の加算を廃止すること

等の措置を講ずることが適当である。

五 許可の有効期間の更新手続について

(一) 三年ごとの更新以外の更新においては、更新手続に係るすべての添付書類を省略する取扱いとすることが適当である。

(二) 更新手続に係る添付書類のうち、職業紹介事業計画及び収支決算に関する書類を削除することが適当である。

六 複数の事業所を有する事業主に係る手続について

(一) 現行の取扱いでは、一の事業主が複数の事業所を有する場合においては、事業所ごとの許可の有効期間の更新に際し事業所ごとに審査を受けることを要することとされているが、職業紹介実績に関する書類並びに資産及び資金に関する書類については、当該事業主があらかじめ定めた統括事業所の三年に一回の更新時の審査の際にのみ、すべての事業所分をまとめて管轄公共職業安定所において審査を受ければ足りることとする措置を講ずることが適当である。

(二) 代表者の氏名等事業主全体に共通する事項について変更があった場合には、統括事業所からのみ管轄公共職業安定所に対して変更許可の手続を行えば足りることとする措置を講ずることが適当である。

七 職業紹介事業報告等について

(一) 職業紹介事業報告については、現行の三か月に一回の報告を一年に一回の報告に改める等の措置を講ずることが適当である。

(二) 現行の職業紹介従事者証は廃止し、職業紹介責任者証を設けることが適当である。

八 有料職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合の取扱いについて

現行の取扱いとして、一の事業主が同一の事業所内において有料職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合には、事業所内の設備等の区分に関する要件、組織の区分に関する要件及び事業運営の区分に関する要件をそれぞれ満たすことが必要とされているが、事業所内の設備等の区分に関する要件のうち「それぞれの事業について専用入口を必要とすること」の要件を廃止することが適当である。

第二 手数料に関する措置関係

一 手数料の在り方について

紹介手数料の徴収額、徴収方法、徴収できる時期、徴収できる対象者等その在り方に関しては、労働者保護や経済原理の観点を踏まえ、関係団体の要望や有料職業紹介事業の実態を参考としながら、有料職業紹介所が、紹介手数料の徴収額を届け出、承認を受けること等により、紹介手数料を自由に設定できることとするための措置を講ずることが適当である。

具体的には、求人の申込み又は求職の申込みの受理が行われた時点以降に行われる職業紹介に係る事務について、基本的サービスとしての性格を有するマッチング事務の部分と、付加的なサービスとしての性格を有する個別依頼に基づくコンサルティング、カウンセリング、求職者又は求人の開拓等に係る部分とに区分した上で、それぞれ徴収できる額等を定めること等の措置を講ずることが適当である。

二 基本的サービスに係る紹介手数料について

(一) 職業紹介に係る事務のうちマッチング等基本的サービス事務に関する紹介手数料の徴収額に関しては、その定め方については、現行の上限規制の方式によることとし、その上限の額については、求職者に支払われた賃金(六か月分を限度とする。)又は雇用契約により求職者に支払われることとなる賃金(六か月分を限度とする。)の額の一〇〇分の一〇・一に相当する額とすることが適当である。

(二) 紹介手数料の徴収方式については、徴収方式が原則として当事者間の契約に委ねられることが適当であることを踏まえ、現行の賃金支払以後に徴収する方式に加え、前払い方式、一括払い方式や分割払い方式といった方式が認められるようにすることが適当である。

(三) すなわち、紹介手数料の徴収できる時期については、原則として有料職業紹介所の紹介により雇用契約が締結された時点以降とするとともに、雇用契約締結後において必要な清算が行われるための措置が講じられている場合には、求人申込みが受理された時点以降に徴収することができることとすることが適当である。

(四) 紹介手数料の徴収できる対象者については、求人者のほか、アウトプレースメントに係る人材送り出しを希望する企業からも徴収できることとすることが適当である。

三 コンサルティング等に係る紹介手数料について

(一) 求人の申込み又は求職の申込みの受理が行われた時点以降に行われる個別依頼に基づくコンサルティング、カウンセリング、求職者又は求人の開拓等(ただし、次の①~⑤の事務は含まない。以下「コンサルティング等」という。)については、有料職業紹介所が労働大臣に届出をし、その承認を受けた額を、上記二の基本的サービスに係る紹介手数料に加えて徴収することができることとすることが適当である。

また、労働大臣の承認の基準としては、有料職業紹介所からの届出において、提供されるサービスの種類及び内容並びにこれらと手数料の額との関係が明示されていることとすることが適当である。

① 登録されている求人の申込み又は求職の申込みとの突合

② 求人者に対する登録されている求職の申込みの提示又は求職者に対する登録されている求人の申込みの提示

③ 求職者に対する紹介状の交付及び求人者に対する採否の確認

④ 求人者、求職者等の個別依頼により行うものでない求職者又は求人の開拓

⑤ 求人、求職、紹介等に関する記録の整理、保管等

(二) 紹介手数料の徴収方式については、徴収方式が原則として当事者間の契約に委ねられることが適当であることを踏まえ、現行の賃金支払以後に徴収する方式に加え、成功報酬方式や前払い方式、一括払い方式や分割払い方式といった方式が認められるようにすることが適当である。

(三) 紹介手数料の徴収できる時期については、求人申込みが受理された時点以降とすることが適当である。

(四) 紹介手数料の徴収できる対象者については、求人者のほか、アウトプレースメントに係る人材送り出しを希望する企業からも徴収できることとすることが適当である。

四 受付手数料について

受付手数料の徴収額、徴収方法、徴収できる時期及び徴収できる対象者については、現行の徴収額等によることとすることが適当である。

第三 取扱い職業の範囲に関する措置関係

一 取扱職業の範囲の在り方について

取扱職業の範囲の在り方に関しては、有料職業紹介事業による労働力需給調整機能の強化の観点や労働者保護の観点を踏まえ、不当・違法な職業紹介、差別的な職業紹介や不適当な職業紹介が生ずるおそれがあることにより有料職業紹介所が取り扱うことが不適切な職業以外は、取扱職業とすることが適当である。

二 取扱職業の範囲について

取扱職業の範囲は、次に掲げる職業以外の職業とすることが適当である。

① 事務的職業(学校教育法第一条に規定する学校(大学のうち大学院に係る部分を除く。)又は専修学校を新規に卒業して一年を経過しない者が行うこととなる職業に限る。)

② 販売の職業(学校教育法第一条に規定する学校(大学のうち大学院に係る部分を除く。)又は専修学校を新規に卒業して一年を経過しない者が行うこととなる職業に限る。)

③ サービスの職業(家政婦、理容師、美容師、着物着付師、クリーニング技術者、調理士、バーテンダー、配ぜん人、モデル及びマネキンの職業を除く。)

④ 保安の職業

⑤ 農林漁業の職業

⑥ 運輸・通信の職業(観光バスガイドの職業を除く。)

⑦ 技能工、採掘・製造・建設の職業及び労務の職業(生菓子製造技術者の職業を除く。)

第四 公正な職業紹介を確保するための措置関係

一 公正な職業紹介を確保するための措置の在り方について

(一) 公正な職業紹介を確保するための措置の在り方に関しては、取扱職業の範囲の問題、事前防止的措置や事後的措置の在り方との両面に関わってくるものであり、これら措置がいかなる内容であれば労働者保護等の観点を踏まえて公正な職業紹介を確保することができるかという観点が基本となる。

その際には、事前防止的措置が緩やかであることにより事業を自由に行うことができる英米諸国においては、違法行為があった場合には罰則等の事後的措置が厳正に講じられるようになっていること、また、事業主団体により自主的に職業倫理規定が定められ、これに則り事業が運営されている実態がみられること等を参考とすることが適当である。

(二) また、来年六月のILO第九六号条約の改定においては、労働者保護のための一般原則に関する国際的基準が盛り込まれる見込みであることから、事前防止的措置のうち禁止規定等の部分及び事後的措置のうち制裁措置、救済措置等の部分については、同条約の改定の動向を踏まえながら検討することが適当であるが、今回の見直し検討の結果、許可制、手数料及び取扱職業の範囲の在り方に関して大幅に緩和措置が講じられるようになることから、これに対応して事後的措置の充実を図ることが適当である。

(三) したがって、公正な職業紹介を確保するための措置として、①違法・不法な行為に対する行政処分等の厳正な運用等による指導監督の一層の充実のための措置、②専門的な相談援助を必要とする苦情処理等が的確に行われるようにするための措置、③労働者保護等を踏まえた公正な職業紹介の確保の観点からみて必要な内容を盛り込んだ有料職業紹介事業の運営に関するガイドラインの策定等の措置を講ずることが適当である。

二 指導監督の一層の充実のための措置について

(一) 違法・不法な行為に対する事業の停止、許可の取消等の行政処分等についての職業安定法等の関係法令による厳正な運用、有料職業紹介所の団体に対する集団指導等の効果的な活用等を図るとともに、職業安定機関と関係行政機関との連携を図ることにより、指導監督の一層の充実を図ることが適当である。

(二) 今後においては、ILO第九六号条約の改定の動向を踏まえながら、労働者保護等のための措置として、事前防止的措置のうち禁止規定等の部分及び事後的措置のうち制裁措置等の部分について、必要な検討を行うことが適当である。

三 苦情処理が的確に行われるようにするための措置について

(一) 有料職業紹介所は、有料職業紹介事業の運営に関するガイドラインを遵守すること等を通じて、次のような点に留意して、求職者等からの苦情に対して的確な対応を図ることが適当である。

① 求職者等からの苦情について、あらかじめ苦情相談の窓口、苦情の対応方法等を明確にするとともに、苦情の内容、対応の経過等を適切に記録すること等により適切かつ迅速に対応を図ること

② 求職者等からの苦情について、求人者等関係者との連携の下に、適切かつ迅速に対応を図ること

③ 専門的な相談援助を必要とする苦情について、関係行政機関等との連携の下に、適切かつ迅速に対応を図ること

(二) 専門的な相談援助を必要とする苦情処理が的確に行われるようにする観点から、専門的な相談援助を行うことができる知識及び経験を有する団体が行う苦情処理に係る取組を促進するとともに、行政機関による苦情相談機能の充実を図るための措置を講ずることが適当である。

(三) 今後においては、ILO第九六号条約の改定の動向を踏まえながら、労働者保護等のための措置として、事後的措置のうち救済措置等の部分について、必要な検討を行うことが適当である。

四 有料職業紹介事業の運営に関するガイドラインについて

(一) 有料職業紹介事業の運営に関するガイドラインについては、有料職業紹介所が労働者保護等を踏まえた公正な職業紹介の確保の観点からみて、有料職業紹介所が具体的に留意すべき事項を定めたものとして策定することが適当である。

また、ガイドラインについては、有料職業紹介所のみならず有料職業紹介所の利用者である求職者、求人者等に対しても公開し、有料職業紹介所を始めとする関係者に指導・周知のための措置を講ずることが適当である。

なお、ガイドラインについては、これらの措置を通じて、英米諸国の事業者団体の職業倫理規定と同様に有料職業紹介所の事業運営に関して行動規範となること及び行政による指導等を行う際の判断に資することが期待されるものである。

(二) 有料職業紹介事業の運営に関するガイドラインに盛り込まれるべき事項は、適切な苦情処理に関する事項を含め、次のような事項とすることが適当である。

① 不当・違法な職業紹介の防止に関する事項

イ 求職者からの料金の徴収が制限されていない有料職業紹介所のサービスを利用することを条件として、求職者に対し職業紹介を行うことに関する事項

ロ 求人者及び求職者に関する秘密の漏えいに関する事項

ハ 求人者及び求職者に関する職業紹介の目的以外で行う調査に関する事項

② 差別的な職業紹介の防止に関する事項

③ 不適当な職業紹介の防止に関する事項

イ 求職者に対する労働条件等を明示しない職業紹介に関する事項

ロ 求人者及び求職者に対する有料職業紹介所が提供するサービスの内容、手数料等に関する事項を明示しない職業紹介に関する事項

ハ 求人者及び求職者に対する適格でない職業紹介に関する事項

ニ 求人者及び求職者に対し、他の職業紹介機関を利用することを制約することに関する事項

ホ 求人者及び求職者に対し、有料職業紹介所が提供するサービスを利用することについて金品により勧誘することに関する事項

ヘ 有料職業紹介所であることを明示しない広告に関する事項

④ 適切な苦情処理に関する事項

おわりに

以上のような措置を講ずることにより速やかに制度の改正を図ることが適当であるが、この報告に沿った制度の改正が行われた後においても、経済社会情勢の変化等の状況を踏まえ、制度の運用の実情、民間労働力需給調整機能の強化の必要性等をも勘案し、制度の在り方等について、多角的に必要な検討を行っていくことが適当である。

(参考)

中央職業安定審議会名簿

〔公益代表〕

○小野旭 一橋大学経済学部教授

篠塚英子 お茶の水女子大学生活科学部教授

白井晋太郎 (財)産業雇用安定センター理事長

◎諏訪康雄 法政大学社会学部教授

(会長)西川俊作 慶応義塾大学商学部教授

○松本斉 読売新聞社論説委員

○若菜允子 弁護士

〔雇用主代表〕

○秋山裕和 日本電気(株)常務取締役

○阿部忠寿 全国中小企業団体中央会専務理事

占部吉真 日産自動車(株)取締役人事部長

尾崎睦 (株)上組代表取締役社長

○指田禎一 日清紡績(株)取締役人事本部長

○鈴木和夫 凸版印刷(株)相談役

前田靖治 前田建設工業(株)代表取締役社長

〔労働者代表〕

逢見直人 ゼンセン同盟常任中央執行委員

○笹田己由 全国建設労働組合総連合組織部長

○相馬末一 ゼンキン連合書記長

高橋忠男 日本私鉄労働組合総連合会中央副執行委員長

津田淳二郎 全国電気通信労働組合中央本部書記長

○成川秀明 日本労働組合総連合会政策調整局長

○野田那智子 全日本自治団体労働組合政治政策局次長

○=民間労働力需給制度小委員会委員(◎ 座長)

〔平成八年一二月二四日現在〕

別添三

民営職業紹介事業の業務運営要領

平成九年三月

労働省職業安定局

目次

第一 概要

一 民営職業紹介事業の種類

(一) 有料職業紹介事業

イ 概要

ロ 有料職業紹介事業の定義

(二) 無料職業紹介事業

イ 概要

ロ 無料職業紹介事業の定義

ハ 無料職業紹介事業の種類

(三) 国外にわたる職業紹介

イ 概要

ロ 国外にわたる職業紹介の定義

二 許可の優先順位

第二 取扱範囲

一 有料職業紹介事業の取扱職業の範囲

(一) 取扱職業の範囲の考え方

(二) 取扱職業の範囲

(三) 取扱職業の区分

二 国外にわたる有料職業紹介事業の取扱職業

(一) 国外にわたる有料職業紹介事業の取扱職業の考え方

(二) 指定職業及び留意事項

三 無料職業紹介事業の取扱範囲

第三 許可要件

一 許可要件の趣旨及び運用

(一) 許可要件

(二) 国外にわたる職業紹介に係る特有の要件

(三) 複数事業所に対する許可要件の適用

二 有料職業紹介事業の許可要件

(一) 有料職業紹介事業の許可要件

(二) 有料職業紹介事業の許可要件に関する留意事項等

三 無料職業紹介事業の許可要件

(一) 無料職業紹介事業の許可要件

(二) 無料職業紹介事業の許可要件に関する留意事項等

四 許可の有効期間の更新要件

(一) 有料職業紹介事業の許可の有効期間の更新要件

(二) 無料職業紹介事業の許可の有効期間の更新要件

第四 申請、届出等の手続きの原則

一 手続きの原則

(一) 真正な申請内容の確保

(二) 手続の単位等

(三) 有料統括事業所

(四) 書類の受理の原則等

二 民営職業紹介事業に関する手続きの種類

三 申請、届出等の添付書類

(一) 有料職業紹介事業に係る主な申請、届出等の添付書類

イ 職業紹介事業許可申請書の添付書類

ロ 第二種紹介手数料承認申請の添付書類

ハ 職業紹介事業許可有効期間更新申請書の添付書類

ニ 職業紹介事業変更許可申請書の添付書類

ホ 職業紹介事業変更届の添付書類

ヘ 第二種紹介手数料変更承認申請の添付書類

(二) 無料職業紹介事業に係る主な申請、届出等の添付書類

イ 職業紹介事業許可申請書の添付書類

ロ 職業紹介事業許可有効期間更新申請書の添付書類

ハ 職業紹介事業変更許可申請書の添付書類

ニ 職業紹介事業変更届の添付書類

(三) 国外にわたる職業紹介事業に係る主な申請、届出等の添付書類

イ 国外にわたる職業紹介事業許可申請書の添付書類

ロ 国外にわたる職業紹介事業許可有効期間更新申請書の添付書類

ハ 国外にわたる職業紹介事業変更許可申請書の添付書類

ニ 国外にわたる職業紹介事業変更届の添付書類

四 申請、届出等の添付書類に関する留意事項

(一) 正本の提出

(二) 事業計画、活動実績に関する書類

(三) 人に関する書類

(四) 法人に関する書類

(五) 労働組合等に関する書類

(六) 各種学校に関する書類

(七) 資産及び資金に関する書類

(八) 事業所に関する書類

(九) 事業運営に関する書類

四の二 国外にわたる職業紹介に係る申請、届出等の添付書類に関する留意事項

(一) 相手先国に関する書類

(二) 取次機関に関する書類

五 有料職業紹介事業の許可手数料及び更新手数料

(一) 概要

(二) 許可手数料及び更新手数料の額

(三) 許可手数料及び更新手数料の納付方法

(四) 許可手数料及び更新手数料の返還

六 許可証の交付等

(一) 許可証の交付

(二) 許可証の返納

(三) 許可証の書替え

七 事業所番号

(一) 趣旨

(二) 事業所番号の設定方法

(三) 事業所番号の付与

八 事業所台帳

(一) 目的

(二) 事業所台帳の様式

(三) 事業所台帳の作成

(四) 事業所台帳の保管

第五 職業紹介事業の許可に関する申請

一 職業紹介事業の許可に関する申請手続等

(一) 申請者の手続等

(二) 安定所における取扱い

(三) 都道府県における取扱い

二 本省における取扱い

(一) 中央職業安定審議会への諮問

(二) 許可又は不許可の処分

三 処分後の手続

(一) 都道府県における取扱い

(二) 安定所における取扱い

(三) 申請者の手続

四 法令違反の場合の効果

第六 第二種紹介手数料に関する承認申請

一 第二種紹介手数料に関する承認

(一) 申請者の手続

(二) 安定所における取扱い

(三) 都道府県における取扱い

(四) 本省における取扱い

二 処分後の手続等

(一) 都道府県における取扱い

(二) 安定所における取扱い

三 法令違反の場合の効果

第七 許可の有効期間の更新に関する申請

一 許可の有効期間の更新に関する手続等

(一) 申請者の手続等

(二) 安定所における取扱い

(三) 都道府県における取扱い

二 本省における取扱い

(一) 更新又は不更新処分

(二) 更新時の条件

(三) 許可証又は不更新通知書の発行

三 処分後の手続等

(一) 都道府県における取扱い

(二) 安定所における取扱い

四 法令違反の場合の効果

第八 変更に関する許可申請

一 変更許可を要する事項

二 変更に関する許可申請手続等

(一) 申請者の手続等

(二) 安定所における取扱い

(三) 都道府県における取扱い

三 本省における取扱い

四 処分後の手続

(一) 都道府県における取扱い

(二) 安定所における取扱い

(三) 申請者の手続き

五 返納された許可証の取扱い

第九 変更に関する承認申請

一 変更承認を要する場合

二 変更に関する承認申請手続等

(一) 申請者の手続

(二) 安定所における取扱い

(三) 都道府県における取扱い

(四) 本省における取扱い

三 処分後の手続等

第一〇 届出

一 変更の届出

(一) 変更の届出を要する事項

(二) 事前の届出

(三) 事後の届出

(四) 許可証の書替え及び許可証の返納

二 廃止の届出

(一) 廃止の届出

(二) 廃止の手続

(三) 安定所における取扱い

(四) 都道府県における取扱い

三 廃止届の提出状況及び許可状況の報告

第一一 その他の手続等

一 職業の追加に関する手続等

(一) 許可申請の手続等

(二) 国内における職業紹介を行っている事業所が国外にわたる職業紹介について許可を申請する場合及び国外にわたる職業紹介を行っている事業者が国内における職業紹介について許可を申請する場合の手続

二 事業所の追加に関する手続等

(一) 許可申請の手続等

(二) 許可要件の適用

(三) 保証金の供託

三 事業組織の変更に関する手続等

(一) 許可を要する事業組織の変更

(二) 許可を要しない事業組織の変更

四 代表者又は紹介責任者が死亡した場合の手続等

(一) 個人事業の代表者が死亡した場合の手続等

(二) 法人事業の代表者が死亡した場合の手続等

(三) 代表者でない紹介責任者が死亡した場合の手続等

五 法人の合併等の手続

(一) 吸収合併の場合の取扱い

(二) 新設合併の場合の取扱い

(三) 譲渡、譲受の場合の取扱い

第一二 保証金

一 概要

(一) 目的

(二) 供託に関する根拠法令

(三) 供託義務の発生事由と供託期限

(四) 保証金の額

(五) 供託物

(六) 供託と事業開始との関係

二 供託手続等

(一) 供託

(二) 供託の届出

三 保証金の還付の手続

(一) 補償を受ける権利

(二) 還付請求の手続

(三) 還付後の処理

四 有料職業紹介事業の所在地の変更に伴う手続

(一) 金銭のみをもって供託している場合

(二) その他の場合

五 保証金の取戻しの手続

(一) 概要

(二) 公告

(三) 公告後の債権の申出に関する確認、証明

(四) 供託物の払渡しの請求

六 保証金の取戻請求権を差し押さえた国に交付する証明書等について

七 差替え、利札の払渡し等の手続

八 供託を怠った場合等の効果

第一三 民営職業紹介事業の運営等

一 有料職業紹介事業の運営に当たり留意すべき事項についての指針

(一) 趣旨

(二) 職業紹介行為に関する指針

(三) 苦情処理に関する指針

二 無料職業紹介事業の運営に当たり留意すべき事項

(一) 趣旨

(二) 事業運営の基本となるべき準用事項の主なもの

三 取扱機関の利用について

四 手数料

(一) 原則

(二) 受付手数料

(三) 第一種紹介手数料

(四) 第二種紹介手数料

(五) 法違反の場合の効果

五 帳簿書類の備付け

(一) 有料職業紹介事業所が備え付けるべき帳簿書類

(二) 無料職業紹介事業所が備え付けるべき帳簿書類

(三) 帳簿書類の様式

(四) 帳簿書類の保存期間

(五) 法違反の場合の効果

六 職業紹介事業状況報告

七 紹介責任者証

(一) 目的

(二) 責任者証の交付、再交付

(三) 責任者証の携帯及び提示

(四) 責任者証の有効期間及び更新

(五) 責任者証の無効及び返納

(六) 交付手続等

(七) 責任者証の返納手続

八 職業紹介事業従事者講習会

(一) 目的

(二) 講習会の実施機関

(三) 受講対象者

(四) 講習会の内容

(五) 講習会の実施方法及び受講証明

(六) 民営職業紹介事業者団体の行う講習会

第一四 民営職業紹介事業の指導監督等

一 指導監督

(一) 指導監督の方針

(二) 定期検査

(三) 新規の許可を受けた事業者に対する特別の指導

(四) 重点指導の実施

(五) 臨時検査の実施

(六) 検査結果の報告及び必要な措置

(七) 取次機関の指導監督

二 監査状況報告

三 措置を必要とする非違行為の発生に伴う処理

(一) 本省による処分等

(二) 措置を必要とする非違行為の発生に伴う報告

(三) 処分後の処理

四 告発

(一) 告発の要領

(二) 告発の手続

(三) 告発及び顛末の報告

五 職業安定機関以外の行政機関による告発等に関する報告

第一五 許可を受けない職業紹介事業の監督

一 概要

二 情報の収集

三 関係機関との連携

四 告発

第一六 罰則及び行政処分

一 違法行為による罰則

二 違法行為による行政処分

(一) 許可の取消し又は事業の停止

第一七 様式集(省略)

第一八 様式例(省略)

第一 概要

一 民営職業紹介事業の種類

(一) 有料職業紹介事業

イ 概要

職業紹介事業については、無料で公共にサービスする政府機関である公共職業安定所(以下「安定所」という。)による職業紹介事業と民間の職業紹介事業とがあいまって、効果的な労働力需給調整が行われることが望まれるものである。

このため、職業安定法(以下「法」という。)第三二条の規定により、不当・違法な職業紹介、差別的な職業紹介や不適当な職業紹介が生ずるおそれがあることにより民間の職業紹介所が取り扱うことが不適当な職業以外の職業について、労働者保護等を踏まえた公正な職業紹介が行われるために必要な紹介所の能力等についての審査を伴う許可制の下で、有料職業紹介事業を認めることとしているものである。

具体的には、有料職業紹介事業は、職業安定法施行規則第二四条第一項に定める職業について、労働大臣の許可を受けた場合に、有料職業紹介事業を行うことができるものである。

ロ 有料職業紹介事業の定義

有料職業紹介事業とは、無料職業紹介以外の職業紹介を行う事業、すなわち、営利を目的とすると否とにかかわらず、職業紹介に関し、対価を徴収して行う職業紹介事業をいう。

したがって、いわゆる人材スカウト業(求人の申込み(指名求人の場合を含む。)を受け、求人に合致する求職者(在職者を含む。)を探索・開拓し、雇用関係の成立をあっせんする有料サービス業)は、一般に有料職業紹介事業に該当するものであり、いわゆるアウトプレースメント業(その雇用する労働者を他の企業に再就職等を援助しようとする事業主の依頼により、当該労働者に対する相談・助言や教育訓練を行うことともに、場合によっては当該労働者の再就職先(受入企業)を開拓して紹介する有料サービス業)についても、有料職業紹介事業に該当する場合があるものである。

(二) 無料職業紹介事業

イ 概要

職業紹介事業の目的、性格等は(一)のイに述べているとおりであるが、労働者保護等を踏まえた公正な職業紹介が行われるために必要な能力や公共性を判断して、公共的性格を有し、かつ無料で事業を営み得る者については、無料職業紹介事業を認めることとしているものである。

具体的には、一般の者が行う場合には、法第三三条の規定により、労働大臣の許可を受けて、また、学校教育法第一条の規定による学校の長、専修学校等の施設の長が行う場合には、法第三三条の二の規定により、労働大臣に届け出ることにより、無料職業紹介事業を行うことができるものである。

ロ 無料職業紹介事業の定義

無料職業紹介事業とは、職業紹介に関し、利潤を得ることを目的としないばかりでなく、いかなる名義でも、手数料又は報酬を受けないで行う職業紹介事業をいう。

ハ 無料職業紹介事業の種類

無料職業紹介事業は、次のとおり労働大臣の許可を受けて行うものと届け出ることによって行うものとに区分される。

なお、本要領においては、次の(イ)についてのみ記述する。また、左記二以下においては、無料職業紹介事業とは、次の(イ)に係る無料職業紹介事業のことをいうものとする。

(イ) 許可を受けなければならないもの(法第三三条)

(ロ)に掲げる学校等以外の者が無料職業紹介事業を行う場合。

(ロ) 届出をしなければならないもの(法第三三条の二)

学校教育法第一条に定める学校(小学校及び幼稚園を除く。)、専修学校、職業能力開発施設又は職業能力開発大学校の長が無料職業紹介事業を行う場合。

(三) 国外にわたる職業紹介

イ 概要

職業紹介の目的は、国民の労働力の需要供給の適正な調整を図ることにあり、主として日本国に在住する者を対象として実施されるものである。しかしながら、近年の経済社会の国際化の進展の中で、人的交流が活発化してきており、国外にわたる職業紹介制度について、整備を図る必要性が高まっている。このような中で、政府の外国人労働者政策等を勘案しつつ、専門的技術的分野等について職業紹介制度を整備するとともに、それ以外の分野における職業のあっせんが禁止される趣旨を明確化する見地から、有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業のいずれについても許可を受けて国外にわたる職業紹介を行い得ることとするものである。

ロ 国外にわたる職業紹介の定義

国外にわたる職業紹介とは、国外に所在する求人者と国内に所在する求職者との間又は国外に所在する求職者と国内に所在する求人者との間における雇用契約の成立のあっせんを行うことをいう。

二 許可の優先順位

有料及び無料の職業紹介事業を行おうとする者が同時に許可申請した場合等、両事業相互の許可順位については、無料職業紹介事業は有料職業紹介事業に優先するものとし、許可申請の内容について両者が競合する場合における許可の可否に当たっては、この趣旨を考慮して決定する。

第二 取扱範囲

一 有料職業紹介事業の取扱職業の範囲

(一) 取扱職業の範囲の考え方

取扱職業の範囲に関しては、有料職業紹介事業による労働力需給調整機能の強化の観点や労働者保護の観点を踏まえ、不当・違法な職業紹介、差別的な職業紹介や不適当な職業紹介が生ずるおそれがあることにより有料職業紹介所が取り扱うことが不適当な職業以外は、取扱職業とするものである。

(二) 取扱職業の範囲

イ 有料職業紹介事業の対象となる取扱職業の範囲は、職業安定法施行規則(以下「則」という。)第二四条第一項に定めるものであり、次に掲げる職業以外の職業とする。

① 事務的職業(学校教育法(昭和二二年法律第二六号)第一条に規定する学校(大学に置く大学院を除く。)若しくは同法第八二条の二に規定する専修学校(以下この号において「学校等」という。)の学生若しくは生徒又は学校等を新たに卒業した後一年を経過していない者(次号において「新規学卒者等」という。)が当該職業に就く場合に限る。)

② 販売の職業(新規学卒者等が当該職業に就く場合に限る。)

③ サービスの職業(家政婦、理容師、美容師、着物着付師、クリーニング技術者、調理士、バーテンダー、配ぜん人、モデル及びマネキンの職業を除く。)

④ 保安の職業

⑤ 農林水産業の職業

⑥ 運輸・通信の職業(観光バスガイドの職業を除く。)

⑦ 技能工、採掘・製造・建設の職業及び労務の職業(生菓子製造技術者の職業を除く。)

(三) 取扱職業の区分

イ 左記のとおり区分する。なお、左記の区分のうち、①から④までの職業の区分については、昭和六一年版労働省編職業分類(以下「労働省編職業分類」という。)の大分類によっているものであり、また、その内容等については、労働省編職業分類の職業分類表及びその中に記述された解説に準拠する。

また、⑤に含まれる家政婦からマネキンまでのそれぞれの職業、⑥の観光バスガイドの職業及び⑦の生菓子製造技術者の職業のそれぞれの職業の区分の内容等については、「家政婦等の職業内容及び留意事項」による。

① 専門的・技術的職業