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○短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則等の一部改正等について

(平成九年四月一日)

(基発第二七〇号、婦発第一一一号、職発第二八二号、能発第一〇三号)

(各都道府県知事、各都道府県労働基準局長、各都道府県婦人少年室長、雇用促進事業団理事長あて労働省労働基準局長、労働省婦人局長、労働省職業安定局長、労働省職業能力開発局長通達)

短時間労働援助センターが支給する給付金については、平成六年六月二四日付け基発第三九四号、婦発第一七四号、職発第四五五号、能発第一五一号「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則等の一部改正等について」により、貴職あて通達したところであるが、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令」(平成九年労働省令第二一号)及び「労働者災害補償保険法施行規則及び短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(平成九年労働省令第二四号)が本目公布、施行され、同日、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則第五条の三第二項及び第三項の規定に基づき、同条第二項の措置に関して労働大臣が定める事項及び同条第三項の労働大臣が定める額を定める告示」(平成九年労働省告示第四六号)が公布されたところである。

その概要は、下記のとおりであるので、円滑な実施が図られるように配慮されたい。

なお、平成六年六月二四日付け第三九四号、婦発第一七四号、職発第四五五号、能発第一五一号「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則等の一部改正等について」は廃止する。

一 給付金制度改正の趣旨

「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(平成五年法律第七六号)は、短時間労働者の雇用管理の改善等について事業主、事業主団体及び国等の責務をそれぞれ定めており、このうち、事業主に対しては、その雇用する短時間労働者について、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して、適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善を図るために必要な措置を講ずることにより、当該短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとしている。

しかしながら、中小企業については、経営基盤が脆弱であること等により、短時間労働者の雇用管理の改善等が進みにくいという状況にあるため、自主的取組を促すための中小企業事業主に対する助成金と中小企業事業主団体に対する助成金を支給してきたところである。

今後、さらに短時聞労働者を雇用する事業主の自主的取組の促進を図るにあたり、短時間労働者の雇用管理に関しては地域や業種における企業の横並び意識が強いことに鑑み、他の模範となる取組を行う事業主を指定し、当該事業主に対し必要な援助を行い、その取組の結果を他の事業主の短時間労働者の雇用管理改善の取組に活用していくことが効果的であると考えられる。

そのため、助成金制度を整理統合し、事業主に対する助成金制度については他の事業主のモデルとなる事業主を対象とすることとし、その取組の結果を短時間労働援助センターに蓄積し、好事例集を作成すること等により、他の事業主及び団体助成金の対象である団体に対する指導に活用する等の改正を行うこととした。

二 給付金の概要

(一) 短時間労働援助センターの支給する給付金は、労働者災害補償保険法施行規則(昭和三〇年労働省令第二二号。以下「労災則」という。)第二七条及び雇用保険法施行規則(昭和五〇年労働省令第三号。以下「雇保則」という。)第一四〇条第一四号に規定する短時間労働者雇用管理改善等助成金とすること。

短時間労働者雇用管理改善等助成金は、中小企業短時間労働者雇用管理改善等助成金及び事業主団体短時間労働者雇用管理改善等助成金で構成するものとすること。

イ 中小企業短時間労働者雇用管理改善等助成金

(イ) 支給対象事業主

中小企業事業主(その資本の額又は出資の総額が一億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については一、〇〇〇万円、卸売業を主たる事業とする事業主については三、〇〇〇万円)を超えない事業主及びその常時雇用する労働者の数が三〇〇人(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については五〇人、卸売業を主たる事業とする事業主については一〇〇人)を超えない事業主をいう。以下同じ。)であって、次のいずれにも該当するものに対して、支給するものであること。

a 都道府県女性少年室長(以下「室長」という。)の指定を受け、かつ、短時間労働者の雇用管理の改善等を図るための計画(以下「改善計画」という。)を作成し、当該改善計画について、室長の認定を受けていること。

b その雇用する短時間労働者について、改善計画に基づき、雇用管理の改善等を図るための措置(法令により事業主に義務付けられるものを除く。)として既に通常の労働者に講じられている措置を適用拡大するか、通常の労働者とともに適用される措置を新たに講ずる場合であって、当該措置を労働協約又は就業規則に規定し、当該措置の実施に係る経費を負担した事業主であること。

c a及びbの措置の実施の状況を明らかにする書類を整備している事業主であること。

(ロ) 支給対象措置の内容

a 改善計画に基づく短時間労働者の雇用管理改善のための措置

(a) 改善計画の作成及び実態調査

(b) 短時間労働者に係る就業規則の作成

b 改善計画に基づく雇用管理改善の実施

短時間労働者((a)又は(b)の措置については、一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される同種の業務に従事する通常の労働者の一週間の所定労働時間の四分の三未満の短時間労働者に限る。)に対する(a)から(k)のいずれかの措置について、労働協約又は就業規則に規定し、かつ実施すること。

当該措置を通常の労働者に対しても実施していること、措置ごとに短時間労働者の数の二分の一以上が雇用保険の被保険者であることが必要。

(a) 雇入時に、労働安全衛生規則第四三条の規定の例により行う健康診断の実施(雇入時健康診断)

(b) 一年以内ごとに一回、定期に、労働安全衛生規則第四四条の規定の例により行う健康診断の実施(定期健康診断)

(c) 次の①に掲げる項目及び②から⑥までのいずれかに掲げる項目について、医師により行う健康診断の実施(人間ドック)

① 基本健康診査(問診、身体測定、理学的検査、血圧の測定、尿検査(尿中の糖、蛋白、潜血の有無の検査)、循環器検査(心電図検査、眼底検査、血液化学検査(血清総コレステロール、HDL―コレステロール及び中性脂肪の検査))、貧血検査(血色素量、赤血球数及びヘマトクリット値の検査)、肝機能検査(血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)、ガンマーグルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査)、腎機能検査(血清クレアチニンの検査)及び血糖検査を行うものをいう。)

② 胃がん検診(問診及び胃部エックス線検査を行うものをいう。)

③ 子宮がん検診(問診、視診、子宮頚部の細胞診及び内診を行うものをいう。)

④ 肺がん検診(問診及び胸部エックス線検査を行うものをいう。)

⑤ 乳がん検診(問診、視診及び触診を行うものをいう。)

⑥ 大腸がん検診(問診及び便潜血検査を行うものをいう。)

(d) (c)に掲げる項目((c)の健康診断として行うものを除く。)のいずれかについて、医師により行う健康診断の実施(生活習慣病予防検診)

(e) 婚姻に係る手当の支給(結婚手当金)

(f) 出産(配偶者に係るものを含む。)に係る手当の支給(出産手当金)

(g) 死亡(配偶者、父母又は子の死亡に係るものに限る。)に係る手当の支給(弔慰金)

(h) 専ら職場環境に適応させるために必要な基礎的知識を習得させるための講習(講習時間が一〇時間未満であり、かつ、OJT(仕事を通じての訓練)は除く。)の実施又は当該講習に係る受講料等の負担(講習)

(i) 短時間労働者を被保険者とする保険契約(死亡又は身体の事故を保険金の支払事由とするものに限る。)の保険料又は短時間労働者を被共済者とする共済契約(死亡又は身体の事故を共済金の支払事由とするものに限る。)の掛金の負担(保険・共済)

(j) 通勤のための自動車の運行その他の通勤に関する便宜の供与(通勤便宜供与)

(k) 経験、能力又は職務の内容に応じた短時間労働者の処遇制度の整備(キャリアアップ制度)

(ハ) 助成金の支給

a 支給期間

一の事業主に対する助成金の支給は、継続する三事業年度以内とする。

b 改善計画作成経費

中規模事業主(三〇人以上) 一五万円

小規模事業主(一~二九人) 二〇万円

c 改善計画に基づく雇用管理改善実施経費

(ロ)のbに掲げる措置のうち、(a)から(j)の措置については、当該措置を実施した短時間労働者(以下「対象者」という。)一人につき、それぞれに定める額(当該措置について事業主が負担した額がそれぞれに定める額に満たない場合は、当該負担した額)とする。また(k)の措置については、当該措置を実施した事業主ごとにそれぞれに定める額とする。

 

中規模事業主

小規模事業主

(a)、(b)の措置

二、四〇〇円

三、六〇〇円

(c)の措置

三、五〇〇円

五、二〇〇円

(d)の措置

一、三〇〇円

二、〇〇〇円

(e)の措置

八、〇〇〇円

一二、五〇〇円

(f)の措置

三、〇〇〇円

四、五〇〇円

(g)の措置

七、〇〇〇円

一一、五〇〇円

(h)の措置

一、四〇〇円

二、一〇〇円

(i)の措置

四、〇〇〇円に一年間に当該措置が講ぜられた期間の月数を一二で除して得た数を乗じて得た額

六、五〇〇円 同左

(j)の措置

八、六〇〇円に一年間に当該措置が講ぜられた期間の月数を一二で除して得た数を乗じて得た額

一二、四〇〇円 同左

(k)の措置

一二〇、〇〇〇円

一五〇、〇〇〇円

ロ 事業主団体短時間労働者雇用管理改善等助成金

(イ) 支給対象事業主団体

次のa及びbのいずれにも該当する中小企業事業主の団体に対して、その実施するaの措置の内容に応じて、支給するものとする。

a 室長の指定を受けた団体であって、短時間労働者の雇用管理の改善等を図るための計画を作成し、当該計画について室長の認定を受け、当該計画に基づく措置として、当該短時間労働者の雇用管理の改善等に関する調査研究及び当該構成事業主に対する相談、指導その他の援助を行うものであること。

b aの措置の実施の状況を明らかにする書類を整備しているものであること。

(ロ) 支給対象事業の内容

助成金の支給対象となる事業は、以下のaからcまでの事業で構成するもの又はaからdまでの事業で構成するものとする。

a 事業計画策定及び調査の事業

団体としての事業計画の策定、次のb及びcの事業又はbからdまでの事業の推進並びに結果の把握に資するための調査分析の事業

b 労働条件の適正化に関する情報提供、講習の実施等の事業

団体の構成事業主の雇用する短時間労働者の労働条件の適正化(①労働契約の明確化、適正化、②就業規則の整備、③労働時間管理の適正化、④賃金制度の改善、⑤退職金制度の整備等)を図るための情報の提供又は講習の実施等

c 雇用管理の改善に関する情報提供、講習の実施等の事業

団体の構成事業主の雇用する短時間労働者の雇用管理の改善(①福利厚生の充実、②職業能力の開発及び向上、③募集、採用の改善等)を図るための情報の提供又は講習の実施等

d 団体による共同事業

(a) 短時間労働者(①又は②の措置については、一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される同種の業務に従事する通常の労働者の一週間の所定労働時間の四分の三未満の短時間労働者に限る。)に対する次の①から④までの健康診断の実施

① 雇入時に、労働安全衛生規則第四三条の規定の例により行う健康診断(雇入時健康診断)

② 一年以内ごとに一回、定期に、労働安全衛生規則第四四条の規定の例により行う健康診断(定期健康診断)

③ 次の(i)に掲げる項目及び(ⅱ)から(ⅴ)までのいずれかに掲げる項目について行う健康診断(人間ドック)

(ⅰ) 基本健康診査(問診、身体測定、理学的検査、血圧の測定、尿検査(尿中の糖、蛋白、潜血の有無の検査)、循環器検査(心電図検査、眼底検査、血液化学検査(血清総コレステロール、HDL―コレステロール及び中性脂肪の検査))、貧血検査(血色素量、赤血球数及びヘマトクリット値の検査)、肝機能検査(血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)、ガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査)、腎機能検査(血清クレアチニンの検査)及び血糖検査を行うものをいう。)

(ⅱ) 胃がん検診(問診及び胃部エックス線検査を行うものをいう。)

(ⅲ) 子宮がん検診(問診、視診、子宮頚部の細胞診及び内診を行うものをいう。)

(ⅳ) 肺がん検診(問診及び胸部エックス線検査を行うものをいう。)

(ⅴ) 乳がん検診(問診、視診及び触診を行うものをいう。)

(ⅵ) 大腸がん検診(問診及び便潜血検査を行うものをいう。)

④ ③に掲げる項目(③の健康診断として行うものを除く。)のいずれかについて、医師により行う健康診断(生活習慣病予防検診)

(b) 短時間労働者に対する講習会の開催等

(ハ) 助成対象事業の実施体制

団体は改善計画を円滑に実施するため、次に掲げる措置を講じなければならないものとする。

a 団体の構成員たる事業主等によって構成され、事業の企画及び立案を行うための委員会(以下「推進委員会」という。)を設置すること。

b 事業の実施に関して中心的役割を担う者(以下「推進員」という。)を配置すること。

(ニ) 助成金の支給

a 支給期間

一の団体に対する助成金の支給期間は、継続する三事業年度以内とする。

b 支給額

(a) 一事業年度当たりの助成金の額は、次の①及び②の額の合計額とする。

① 実施した助成対象事業に関して別表に定める事業の内容ごとの団体規模別標準額に応じて算定した額の合計額(以下「標準算定額」という。)に三分の二を乗じて得た額。

ただし、当該事業の実施に要した費用の合計額が標準算定額を下回る場合には、当該事業の実施に要した費用の合計額に三分の二を乗じて得た額とする。

② 推進員の配置に要した額(その額が、標準算定額又は当該事業の実施に要した費用の合計額のいずれか低い方の額を上回る場合は、標準算定額又は当該事業の実施に要した費用の合計額のいずれか低い方の額に相当する額)に三分の二を乗じて得た額(その額が、四〇〇万円を上回る場合は、四〇〇万円)。

(b) (a)により算定した一事業年度当たりの助成金の額が次の表の左欄に掲げる短時間労働者を雇用する構成事業主の数の区分に応じた図表の右欄に掲げる支給限度額を超える場合には、当該支給限度額とする。

区分(短時間労働者を雇用する構成事業主の数)

支給限度額

一〇〇未満

六〇〇万円

一〇〇以上五〇〇未満

八〇〇万円

五〇〇以上

一、〇〇〇万円

(別表) 団体規模別標準額表

事業の内容

団体規模別標準額

大規模(500以上)

中規模(499~100)

小規模(100未満)

1 事業計画の策定及び調査の事業

 

 

 

① 推進委員会の開催(1回当たり)

150千円

120千円

90千円

② 事業計画策定、事業計画説明会

300千円

270千円

210千円

③ 調査の実施(1調査当たり)

960千円

750千円

570千円

④ 事業の成果の分析検討

1,200千円

960千円

660千円

2 情報提供、講習の実施等の事業

 

 

 

① マニュアル、事例集等資料の作成、配布(1種類当たり)

690千円

660千円

600千円

② 団体広報誌の作成、配布

2,400千円

2,100千円

1,500千円

③ 事業主等に対する講習会の開催(1回当たり)

660千円

510千円

300千円

④ 事業主等に対する相談会の開催(1回当たり)

360千円

300千円

240千円

⑤ 優良事業所見学会の実施(1回当たり)

420千円

300千円

210千円

⑥ 研究会の実施(1テーマ当たり)

510千円

390千円

300千円

⑦ 自主点検の実施(1種類当たり)

960千円

740千円

540千円

⑧ ポスターの作成、配布

1,040千円

810千円

600千円

3 団体による共同事業

 

 

 

① 雇入時健康診断、定期健康診断の実施(1回当たり)

3,000千円

2,100千円

900千円

② 人間ドック、生活習慣病予防検診の実施(1回当たり)

2,100千円

1,500千円

600千円

③ 短時間労働者に対する講習会の開催(1回当たり)

900千円

660千円

510千円

④ 短時間労働者に対する相談会の開催(1回当たり)

600千円

450千円

390千円

4 その他センター地方事務所の長が必要と認めるもの

センター地方事務所の長が必要と認める額