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○労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について

(昭和四九年六月二五日)

(基発第三三二号)

(各都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)

労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(昭和四九年労働省令第一九号。以下「改正省令」という。)は、昭和四九年五月二一日公布され、同年五月二五日から施行された(一部の規定は、同年八月二五日又は一一月二五日から施行される。)。

今回の改正は、最近における化学工業の爆発災害の発生状況にかんがみ、労働安全衛生規則(昭和四七年労働省令第三二号)等の整備充実を図るとともに、免許試験の合理化を行い、その他所要の整備を行うものである。

ついては、今回の改正の趣旨を十分理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、特に左記の事項に留意して、その運用に遺憾のないようにされたい。

なお、改正省令の施行に伴い、昭和三四年二月一九日付け基発第一〇二号通達の記の二五の(1)、昭和四二年二月六日付け基発第一二二号通達の記の一五、一六及び一八、昭和四七年九月一八日付け基発第六〇二号通達の記のⅠの一六の(2)、昭和四七年一二月八日付け基発第七八〇号通達の記の第四の九及び第五の六、昭和四八年三月一九日付け基発第一四五号通達の記の一五中の第一番目の問及び答の部分並びに昭和四七年一〇月四日付け安全課長労働衛生課長連名内翰の記の労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生規則関係の二を削除し、昭和四二年二月六日付け基発第一二二号通達の記の一四の(3)及び二〇の(4)中の「パツキン」を「ガスケツト」に、同通達の記の一九の(3)中「第三号」を「第四号」に改め、昭和四八年三月一九日付け基発第一四五号通達の記の三中「第一種圧力容器取扱作業主任者」の下に「(化学設備(労働安全衛生法施行令第一五条第四号に掲げる化学設備をいう。)に係る第一種圧力容器の取扱いの作業について選任された第一種圧力容器取扱作業主任者を除く。)」を加えるものとする。

Ⅰ 今回の改正の要点

1 安全管理者の選任範囲の拡大

化学設備のうち、発熱反応が行われる反応器等異常化学反応又はこれに類する異常な事態により爆発、火災等を生ずるおそれのあるもの(「特殊化学設備」という。)を設置する事業場であつて、都道府県労働基準局長が指定するもの(「指定事業場」という。)においては、当該都道府県労働基準局長が指定する生産施設の単位について、操業中、常時、当該単位における安全管理を行うのに必要な数の安全管理者を選任しなければならないこととしたこと。(労働安全衛生規則第四条関係)

2 化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習制度の創設

従来の第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習を、化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習と普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習の二区分に分け、化学設備に係る第一種圧力容器の取扱いの作業については、化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習を修了した者のうちから第一種圧力容器取扱作業主任者を選任すべきこととしたこと。(同規則第一六条及び別表第一並びにボイラー及び圧力容器安全規則(昭和四七年労働省令第三三号)第六二条関係)

3 特別の教育の充実

特殊化学設備の取扱い、整備及び修理の業務に従事する労働者に対して特別の教育を行わなければならないこととしたこと。(労働安全衛生規則第三六条関係)

4 安全衛生教育計画制度の創設

指定事業場又は都道府県労働基準局長が労働災害の発生率等を考慮して指定する事業場においては、労働安全衛生法(昭和四七年法律第五七号。以下「法」という。)第五九条及び第六〇条の規定による安全又は衛生のための教育に関する計画を作成しなければならないこととしたこと。また、この場合、事業者は、毎年四月三〇日までに、前年度においてその計画に基づいて行つた安全又は衛生のための教育の実施結果を、所轄労働基準監督署長に報告しなければならないこととしたこと。(同規則第四〇条の二関係)

5 化学設備に係る危害防止基準の整備

化学設備の構造、取扱い等に係る危害防止基準について、所要の整備を行つたこと。(同規則第二七一条、第二七二条及び第二七三条の二から第二七六条まで関係)

6 高度さらし粉についての規制

高度さらし粉に係る港湾荷役作業について、所要の規制を行つたこと。(同規則第四五五条関係)

7 免許試験制度の合理化

(1) 従来、揚貨装置運転士免許、クレーン運転士免許、移動式クレーン運転士免許又はデリック運転士免許に係る免許試験の学科試験の全科目及び実技試験の全部の免除を受けることができるものについては受験申請の際に受験の免除申請を出させ、その時点で免許を与えていたが、今回の改正では、前記免許に係る免許試験の学科試験に合格した者で、当該学科試験が行われた日から起算して一年以内に当該免許に係る実技教習を修了したものについて、その修了の時点で、免許を与えることができることとしたこと。(同規則第六二条及び別表第四並びにクレーン等安全規則(昭和四七年労働省令第三四号)第二二三条、第二二九条及び第二三五条関係)

また、普通ボイラー溶接士免許試験の学科試験の全科目及び実技試験の全部の免除を受けることができる者に対し、その要件に該当した時点で、普通ボイラー溶接士免許を与えることができることとしたこと。(ボイラー及び圧力容器安全規則第一〇四条関係)

(2) 従来、揚貨装置運転士免許試験、特別ボイラー溶接士免許試験、普通ボイラー溶接士免許試験、クレーン運転士免許試験、移動式クレーン運転士免許試験又はデリック運転士免許試験の学科試験に合格した者については、イ 当該免許試験が行われた日後一年以内に行われる免許試験の学科試験又は、ロ 当該免許試験を行つた都道府県労働基準局長が行う次回の免許試験の学科試験について、その全科目の免除をすることができるとされていたが、今回の改正により、ロの場合についてのみ、その全科目の免除をすることとしたこと。(労働安全衛生規則第七〇条及び別表第四、ボイラー及び圧力容器安全規則第一一一条並びにクレーン等安全規則第二二七条、第二三三条及び第二三八条関係)

なお、昭和四九年五月二五日前に行われた前記免許試験の学科試験に合格した者については、改正省令附則第四条の規定により、従来どおりの取扱いとなるので、念のため申し添える。

Ⅱ 細部事項

第一 労働安全衛生規則関係

1 第四条関係

(1) 本条第三号の「これに類する異常な事態」とは、化学反応、蒸留等の化学的又は物理的処理が行われる化学設備内部の異常高圧、異常高温等をいうこと。

(2) 本条第三号の「特殊化学設備」とは、化学反応、蒸留等の化学的又は物理的処理が行われる化学設備であつて、次の各号のいずれかに該当するものをいうこと。なお、ハに掲げるものについての該当の有無については、当分の間、本省にりん伺するものとすること。

イ 発熱反応が行われる反応器

ロ 蒸留器であつて、蒸留される危険物の爆発範囲内で操作するもの又は加熱する熱媒等の温度が蒸留する危険物の分解温度若しくは発火点より高いもの

ハ イ又はロに掲げる化学設備以外のもので、爆発生物質を生成するおそれがあるもの等爆発火災等の危険性が高いと考えられるもの

(3) 本条第三号の事業場の指定は、特殊化学設備を含む生産施設の設置場所及び爆発、火災等の危険性の程度、同種施設の災害発生状況、危険物の取扱い量、操業の方式等を勘案し、高度な安全管理を行うことが必要と認められる場合に、別紙様式第一号により行うものとすること。

(4) 本条第三号の「生産施設」とは、配合、反応、蒸留、精製等化学的又は物理的処理により物を製造するために必要な設備、配管及びこれらの附属設備であつて、特殊化学設備を含むものをいうこと。

(5) 本条第三号の「生産施設の単位」としては、例えば、原料から製品となるまでの製造設備一式、同一場所で生産管理が行われ、かつ、同種反応等同種操作が行われる設備群等があること。

なお、本号の指定は、生産施設の規模、生産管理方法の実情、同種施設の災害発生状況、安全委員会、労働組合等の意見等を勘案して行うものとすること。

(6) 本条第三号の「操業中」とは、指定された生産施設が本来の目的のために運転されている間をいうこと。

(7) 本条第三号の「常時」とは、夜間、休日をも含む趣旨であること。

(8) 本条第三号の「必要な数」とは、指定された単位ごとに、各直について、常時、配置することのできる数をいうこと。

2 第三六条関係

本条第三号の「溶断等」の「等」には、ガウジングが含まれること。

3 第四〇条の二関係

(1) 本条第一項の「労働災害の発生率等を考慮して指定する事業場」とは、安全衛生教育を強力に推進することが労働災害を防止する上で特に必要であると認められる事業場をいい、指定は、別紙様式第二号により行うこと。

(2) 本条第一項の「具体的な計画」とは、教育実施年月日、教育対象労働者数、教育の種類、教育科目又は事項、教育方法、教育内容、教育時間、使用教材、教育実施担当者等について、具体的に定めた計画をいうこと。

4 第八七条関係

本条第一号ロの改正は、法第三七条第一項の特定機械等については、設置期間、原動機の定格出力のいかんにかかわらず、法第八八条第一項の規定による届出を要することを明らかにしたものであること。

5 第九五条の二関係

現在在任中の労働衛生指導医の任期は、任命時から起算して二年であること。

6 第二六九条関係

本条は、化学設備又はその配管のバルブ又はコックについては、第二七二条で一括して規定することとしたため、改正したものであること。

7 第二七〇条関係

(1) 本条は、JISB〇一一六「パッキンおよびガスケット用語」に従い、使用目的を勘案して語句の訂正を行つたものであること。

参考

(イ) 「ガスケット」とは、固定用シールのことをいい、配管用フランジ等のような静止部分の密封に用いられるものであること。

(ロ) 「パッキン」とは、運動用シールのことをいい、回転、往復運動等の運動を行う部分の密封に用いられるものであること。

(ハ) 「シール」とは、液体の漏れ又は外部からの異物の侵入を防止するために用いられるものをいう。

8 第二七一条関係

(1) 本条の措置は、化学設備若しくはその配管のバルブ若しくはコック又はこれらを操作するためのスイッチ、押しボタン等のうち、その誤操作により爆発又は火災を惹起するおそれのあるものについて、講じなければならないこと。

なお、本条各号の措置をより効果あらしめるため、バルブ等を誤操作の起こらないように配置すること及び配置箇所の照明を十分にすることが望ましいこと。

(2) 本条の「押しボタン等」の「等」には遠隔操作用のコック、レバーが含まれること。

(3) 本条第一号の「開閉の方向を表示する」とは、矢印、文字等で「開」及び「閉」の方向を表示することをいうこと。

(4) 本条第二号の「形状の区分等」の「等」には、操作部の大きさによる区分、操作様式(動作の方向、変位の量等)の区分が含まれること。

9 第二七二条関係

(1) 本条第一号の「濃度等」の「等」には圧力、流量が含まれること。

(2) 本条第一号の「耐久性のある」とは、振動、衝撃、摩耗、腐食、疲労劣化等に耐える意であること。

なお、化学設備又はその配管のバルブ又はコックについては、本条第一号の措置に加え、耐用期間を定めて、その期間ごとにこれらを取り換えることが望ましいこと。

(3) 本条第二号により設けられるバルブ等については、少なくとも一個は、グローブバルブ、アングルバルブ等の確実に閉止できる構造のバルブ等とすることが望ましいこと。

(4) 本条第二号の「使用中にしばしば開放し、又は取り外す」とは、化学設備を本来の目的に使用している場合に、ある期間をおき、又は随時、開放し、又は取り外すことをいうこと。

(5) 本条第二号の「ストレーナ等」の「等」には補助クーラーが含まれること。

(6) 本条第二号の「これらに最も近接した化学設備」とは、危険物等の流れに従つて、ストレーナ等の上流及び下流にある直近の化学設備をいうものであること。

(7) 本条第二号の「二重に設ける」とは、ストレーナ等の開放部分に対して化学設備等の内部の危険物等が常にダブルロックされている状態に配置することをいい、例えば、配管の方法に応じ、それぞれ、図のような方法があること。

なお、二重に設けるバルブ等は、その間隔をできるだけ近づけ、ストレーナ等を目視できる位置に設けることが望ましいこと。

10 第二七三条の二関係

(1) 本条は、特殊化学設備について、爆発、火災等を防止するため、その内部で行われる化学反応等の異常な事態を早期には握することのできる計測装置を設置することを定めたものであること。

なお、計測装置の監視は、中央制御室等化学設備から離れた安全な場所で行うことができるようにすることが望ましいこと。

(2) 本条の「内部における異常な事態を早期には握する」とは、化学設備内部で化学反応等を行わせる場合に設定する温度、流量、圧力等の条件のうち、設定条件を外れたときに化学反応等が異常となり、爆発、火災等が発生するおそれのあるものについて、設定条件を外れたことを早期には握する意であること。

(3) 本条の「圧力計等」の「等」には液面計、容量計、PH計、液組成分析計、ガス組成分析計が含まれること。

(4) 本条の「計測装置」には、温度、流量、圧力等を自動的に記録する装置が含まれること。

(5) 本条の「計測装置を設け」とは、特殊化学設備の爆発、火災等を防止するために必要な温度、流量、圧力等の条件について、それらをは握するのに適した一以上の箇所を選び、各箇所に一以上の計測装置を設けることをいうものであること。

11 第二七三条の三関係

(1) 本条第一項の「自動警報装置」とは、化学反応等を行う場合に、爆発、火災等を防止するために設定する温度、流量、圧力等の条件が、設定条件範囲を外れたとき、ブザー、点滅燈等により、自動的に警報を発する装置をいうこと。

(2) 本条第一項の「自動警報装置を設け」とは、特殊化学設備の爆発、火災等を防止するために必要な温度、流量、圧力等の条件について、それらをは握するのに適した一以上の箇所を選び、各箇所に、一以上の自動警報装置を設けることをいうものであること。

(3) 本条第二項の「前項に規定する措置を講ずることが困難なとき」とは、化学設備内で行われる化学反応等の温度、流量、圧力等の条件の時間的変化が著しい等の技術的理由により、自動警報装置の設置が困難である場合をいうものであること。

(4) 本条第二項の「特殊化学設備の運転中は当該設備を監視させる」とは、警報を必要とする化学反応等の設定条件について、当該特殊化学設備の運転中は、常時、当該設備を監視させることをいうものであること。

12 第二七三条の四関係

(1) 本条第一項は、特殊化学設備の内部において異常な事態が発生した場合であつても、当該特殊化学設備が爆発又は火災に至らないようにするための緊急しや断装置の設置等について定めたものであり、通常の生産に用いられる冷却装置等はこれに該当しないものであること。

なお、これらの装置は、一般的には温度計、圧力計等の計測装置とインターロックすることが望ましいこと。

(2) 本条第一項の「製品等」の「等」には、中間製品、原材料及び異常化学反応等により生成したガスが含まれること。

(3) 本条第一項の「製品等を放出するための装置」には、脱圧装置が含まれること。

(4) 本条第一項の「冷却用水等」の「等」には、反応抑制剤が含まれること。

(5) 本条第一項の「送給するための装置」には、不活性ガスの貯蔵、冷却水の確保のための設備が含まれること。

(6) 本条第一項の「当該事態に対処するための装置」には、特殊化学設備と他の設備とを隔離するためのしや断バルブが含まれること。

(7) 本条第二項第一号の「確実に作動する」とは、開又は閉が確実に行われるの意であること。

(8) 本条第二項第二号の「常に円滑に作動できるような状態に保持する」とは、緊急の際に容易に作動できるようバルブ又はコックについて、常時、破損、変形、さびつき等がないようにしておくことをいうこと。

(9) 本条第二項第三号の「安全かつ正確に操作することのできる」とは、操作する位置と化学設備との間に隔壁を設けること、制御室で遠隔操作をする等により安全に操作することができるようにするとともに、操作位置において開閉の度合が分かるような表示をすること等により正確に操作することができるようにする意であること。

13 第二七三条の五関係

(1) 本条は、動力源が突然中断した場合に、特殊化学設備等の内部が異常な事態となり、爆発、火災等が発生することを防止するために設けられたものであること。したがつて、そのような事態を防ぐため、動力源にはそれが故障したような場合に、直ちに故障箇所等がは握できる設備(例えば、圧縮空気を動力源とする場合における圧力計、圧力警報装置等)を設けることが望ましいこと。

(2) 本条の「附属設備」とは、昭和四七年九月一八日付け基発第六〇二号通達の記のⅡの八の(3)と同一のものをいうこと。

(3) 本条の「動力源」には、電気、圧縮空気、油圧、蒸気等があること。

(4) 本条第一号の「直ちに使用することができる」とは、使用中の動力源が中断した場合、直ちに切り換えて使用することができる状態に保持されている意であること。

(5) 本条第一号の「予備動力源」には、予備電源、電動式以外の動力発生装置であるスチームタービン、内燃機関等、予備のエヤーレシーバー等があること。

なお、予備動力源は、動力源の中断によつて生ずる特殊化学設備の爆発、火災等の危険性を排除する作業を行うに十分な時間使用することができる能力を有すれば足りるものであること。

(6) 本条第二号の「バルブ、コック、スイッチ等」とは、特殊化学設備に動力を供給するためのメインスイッチ、元バルブ等をいうものであること。

(7) 本条第二号の「スイッチ等」の「等」には押しボタンが含まれること。

14 第二七四条関係

(1) 本条の「作業規程」は、関係労働者の意見を取り入れる等により、できるだけ実効のあるものを作成すること。

(2) 本条第一号の「バルブ、コック等」の「等」には、ダンパーが含まれること。

(3) 本条第一号の「製品等」の「等」には、原材料、中間製品が含まれること。

(4) 本条第一号については、運転開始時、運転停止時、及び運転中の特に必要な場合におけるバルブ、コック等の操作に関し、開閉の時期、順次及び度合並びに送給時間等について定めること。

(5) 本条第二号の「冷却装置」には、凝縮器(コンデンサー)が含まれること。

(6) 本条第二号については、運転開始時、運転停止時、その他運転中の特に必要な場合におけるそれぞれの装置の操作に関し、操作の時期、順次及び運転状態(撹拌装置の撹拌軸、撹拌翼等の作動状態等、冷却装置の冷媒の温度、量等の状態、圧縮装置の吸入圧力、吐出温度の状態等)の適正保持等に必要な事項を定めること。

(7) 本条第三号については、監視の時期、監視結果の記録、調整の方法、時期等について必要な事項を定めること。

(8) 本条第四号の「その他の安全装置」とは、破裂板、緊急放出装置、不活性ガス、冷却用水等の送給装置、リリーフバルブ等であつて、化学設備又はその附属設備の内部を安全な状態に保つための装置をいうこと。

(9) 本条第四号については、運転開始時及び運転中等に必要な場合における安全装置の調整に関し、調整の時期、作動テスト等について定めること。

(10) 本条第五号については、点検を行う箇所、時期、点検の方法、点検結果の記録等について定めること。

(11) 本条第六号の「試料の採取」とは、分析、試験等のために内容物を取り出すいわゆるサンプリングをいうこと。

(12) 本条第六号については、試料の採取の時期、方法等を定めること。

(13) 本条第七号については、特殊化学設備の運転を停電等により一時的に不断すると作業再開時に異常反応が発生するおそれがあること、特殊化学設備内に原材料等を保有したまま運転を中断すると当該設備内で化学反応が進行し、局部的に蓄熱されて異常化学反応が発生するおそれがあること等から、爆発、火災等を防止するために必要な作業の方法を定めることとしたものであること。

(14) 本条第七号の「部分的に中断」とは、例えば、原材料の送給が続けられているにもかかわらず、撹拌装置が故障のために停止している場合があること。

(15) 本条第八号の「異常な事態」とは、危険物の漏えい又は噴出、電気、冷却水、原材料、燃料、圧縮ガス等の供給設備の故障、温度、圧力等の異常な変動等により、爆発又は火災を生ずるおそれがある状態をいうこと。

(16) 本条第八号については、緊急調整又は緊急停止を必要とする場合における原材料、不活性ガス等の併給装置、電源装置、動力装置等の運転操作の時期及び順序、関連部署への緊急連絡並びに安全を保持するための要員の配置等について定めること。

(17) 本条第九号には、運転開始時及び運転停止時における関連設備相互間の連絡調整等に関する事項が含まれること。

15 第二七四条の二関係

(1) 本条第一項の「化学設備から危険物が大量に流出した場合等」の「等」には、化学設備内で異常化学反応が起こり、爆発、火災等の防止のための処置を講じてもなお爆発の危険が避けられない場合が含まれること。

(2) 本条第二項の「作業場等」の「等」とは、作業場以外の区域であつて、危険物等が流出した場合等に爆発、火災等の被害をうけるおそれのある区域をいうこと。

(3) 本条第二項の「関係者」とは、爆発、火災等の防止、危険物等の除去等緊急措置のため、やむをえず、当該危険場所内に立ち入る者をいうこと。

16 第二七五条関係

(1) 本条は、化学設備等に原材料の送給を停止すること、化学設備等から製品等を取り出すこと等の準備作業及び化学設備等の改造、修理、清掃等を終了した後に化学設備等に原材料を送給するための運転再開作業についても適用されること。

(2) 本条第三号の「盲版等」の「等」には、盲栓があること。

(3) 本条第五号の「危険物又は高温の水蒸気等の有無を確認する等の措置」の「等の措置」には、水蒸気等が存在する場所における当該水蒸気等の流出防止の措置、関係労働者への危害防止の措置が含まれる趣旨であること。

17 第二七五条の二関係

(1) 本条の「随時……測定する」とは、作業開始時及び作業再開時のほか、作業中にも必要に応じて測定することをいうこと。

(2) 本条の「その周辺」とは、風向き、構造物の位置等に応じ、引火性の物の蒸気、可燃性ガス等が停滞し易い場所をさす趣旨であること。

(3) 本条の「濃度の測定」とは、ガス等の空気中における容量%の測定のほか、ガス等の爆発危険性の有無を判定することも含むものであること。

18 第二七六条関係

(1) 本条の自主検査は、二年以内ごとに一回、定期に実施すべきことが定められているが、特殊化学設備等爆発及び火災の危険性の高い化学設備については、一年以内ごとに一回実施することが望ましいこと。

19 第三三一条関係

本条の「溶接棒等」の「等」には、溶断に使用する炭素電極棒、被覆電極棒、金属管電極棒が含まれること。

20 第四五五条関係

「高度さらし粉等」の「等」には、ハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)が含まれること。

21 様式第二一号の二関係

第一面の「上記の者は、」の次の空欄に記載すべき文言及び立入権者の欄に記載すべき文言は、次の表の左欄に掲げる立入検査の対象に応じて、それぞれ同表の中欄に掲げる根拠規定及び同表の右欄に掲げる立入権者とする。

立入検査の対象

根拠規定

立入権者

コンサルタントの事務所

労働安全衛生法第九六条第一項

労働大臣

検査代行機関及び検定代行機関の事務所

労働安全衛生法第九六条第二項

労働大臣

指定教習機関の事務所

労働安全衛生法第九六条第二項

都道府県労働基準局長

労働災害防止団体の事務所

労働災害防止団体法第五二条第一項

労働大臣

第二 ボイラー及び圧力容器安全規則関係

1 第六二条関係

本条第二項の改正に伴い、労働安全衛生規則様式第一二号(1)による特定第一種圧力容器取扱作業主任者免許証を交付する際は、同様式第二面の備考欄にボイラー及び圧力容器安全規則第一一九条第一項各号の別を記入すること。

なお、改正省令による改正前のボイラー及び圧力容器安全規則第一一九条第一項の規定により交付した免許証については、前記の区分が明らかでないので、当該免許証を有する者については、本条第二項の規定にかかわらず、改正省令附則第五条第二項の規定により、化学設備に係る第一種圧力容器の取扱いの作業についての第一種圧力容器取扱作業主任者として選任することができることとしたこと。

2 第六三条関係

(1) 本条各号に掲げる第一種圧力容器取扱作業主任者の職務については、化学設備に係る第一種圧力容器の取扱いの作業とそれ以外の第一種圧力容器の取扱いの作業とに区別していないが、各号の内容については、取り扱う第一種圧力容器の種類により、相違があるものであること。

(2) 本条第六号の「必要な事項」には、運転の進行状況、運転状態の異常の有無、計測装置の点検記録、第一種圧力容器の補修、清掃等の状況等があること。

3 第一二二条の二関係

本条において、化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習の受講資格を化学設備の取扱いの作業の従事経験者のみに限定した趣旨は、作業主任者としての職務遂行に必要な現場作業の経験を重視したことによるものであること。

第三 じん肺法施行規則(昭和三五年労働省令第六号)関係

第二四条の二関係

今回の改正により、現在在任中の粉じん対策指導委員及び非常勤のじん肺診査医の任期は、昭和四九年五月二五日から起算して二年となるものであること。

様式第1号

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