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○労働基準法施行規則及び労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令の施行について

(昭和五六年一月三一日)

(基発第五〇号)

(都道府県労働基準局長あて労働者労働基準局長通達)

労働基準法施行規則及び労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令(昭和五六年労働省令第三号。以下「改正省令」という。)が、昭和五六年一月二六日に公布され、同年二月一日から施行されることとなつたので、左記の事項に留意のうえ、事務処理に遺漏なきを期されたい。

一 障害等級表の改正

(一) 改正の経緯及び内容

障害等級表については、昭和五〇年九月に抜本的な改正が行われたところであるが、障害等級第二級と廃疾等級第二級との間の均衡上、今回、労働基準法施行規則(昭和二二年厚生省令第二三号)別表第二「身体障害等級表」及び労働者災害補償保険法施行規則(昭和三〇年労働省令第二二号)別表第一「障害等級表」の身体障害の欄の一部がそれぞれ次のとおり改正された(改正省令第一条及び第二条)。

イ 神経系統の機能又は精神の障害

第一級と第三級の間に新たに第二級として次の障害が加えられた。

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの(第二号の二)

ロ 胸腹部臓器障害

第一級と第三級の間に新たに第二級として次の障害が加えられた。

胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの(第二号の三)

(二) 経過措置

改正省令は昭和五六年二月一日から施行される(改正省令附則第一条第一項)が、これに伴う経過措置については、次のとおりとされた。

イ 労働基準法(昭和二二年法律第四九号)の規定により使用者が行うべき障害補償については、改正省令の施行前に負傷又は疾病が治ゆした場合には、改正省令の施行後に行うこととなる場合においても、改正前の身体障害等級表による身体障害の等級に応ずる障害補償を行うこととなる(改正省令附則第二条)。

ロ 改正省令の施行前に支給すべき事由の生じた障害補償年金又は障害年金については、昭和五六年二月分から改正後の障害等級表による身体障害の障害等級に応ずる障害補償年金又は障害年金に改定されることとなる。したがつて、改正前の障害等級表によれば障害等級第三級に該当するが、改正後の障害等級表によれば、障害等級第二級に該当することとなる障害を有する者に対しては、昭和五六年二月分から障害等級第二級に応ずる障害補償年金又は障害年金が支給されることとなる(改正省令附則第三条第一項)。

ハ 改正省令の施行前に負傷又は疾病が治り、身体に障害を存する場合の労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和四九年労働省令第三〇号)の規定による障害特別支給金及び障害特別年金(改正省令の施行前の期間に係るものに限る。)の額については、改正省令の施行後に支給されることとなる場合においても、改正前の障害等級表による身体障害の障害等級に応ずる額となる(改正省令附則第三条第二項)。

(三) 障害等級の認定基準

今回の改正省令の施行に伴う障害等級の認定基準の改正については、別途通達する。

二 労働福祉事業等に要する費用に充てるべき額の限度

労災保険事業においては、労働福祉事業及び事務執行について、保険給付を要する費用を確保するためにも、その重点的効率的な運用に努めるべきことはいうまでもない。その目的のため、従来行政内部の慣行として設定されていたこれら労働福祉事業及び事務執行に要する費用に充てるべき額の枠を法令上明確に規定することとし、労働福祉事業(特別支給金の支給に関する事業を除く。)に要する費用及び労働者災害補償保険事業の事務の執行に要する費用に充てるべき額は、次の①及び②の合計額に一一五分の一五を乗じて得た額に③の額を加えた額を超えないものとされた(改正省令第二条の規定による改正後の労働者災害補償保険法施行規則第四三条)。

① 労災保険に係る労働保険料の額及び労災勘定の積立金から生ずる収入の額の合計額

② 労災勘定の附属雑収入の額及び徴収勘定から労災勘定へ繰り入れられる附属雑収入の額の合計額のうち労働大臣が定める基準により算定した額

③ 労災勘定の附属雑収入の額及び徴収勘定から労災勘定へ繰り入れられる附属雑収入の額の合計額から②の額を控除した額

この改正は、昭和五六年二月一日から施行され、昭和五六年度の予算から適用されるものである(改正省令附則第一条)。