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○林業労働力の確保の促進に関する法律の施行について

(平成八年五月二四日)

(8林野組第一二〇号・発職第一四一号)

(各都道府県知事あて農林水産事務次官・労働事務次官通達)

林業労働力の確保の重要性が著しく増大していることにかんがみ、森林組合、素材生産業者等の事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化を促進するための措置並びに新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置を講ずることにより、林業労働力の確保を促進することを目的とする林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四五号。以下「法」という。)が、第一三六回国会において成立し、同法並びに同法に基づく林業労働力の確保の促進に関する法律施行令(平成八年政令第一五三号。以下「令」という。)、林業労働力の確保の促進に関する法律施行規則(平成八年農林水産省・労働省令第一号。以下「規則」という。)、林業労働力の確保の促進に関する法律に基づく資金の貸付け等に関する省令(平成八年農林水産省令第二五号。以下「農林水産省令」という。)及び林業労働力の確保の促進に関する法律に基づく委託募集等に関する省令(平成八年労働省令第二六号。以下「労働省令」という。)が平成八年五月二四日付けでそれぞれ公布・施行されたので、左記事項に御留意の上、これらの法令に基づく制度の適切かつ円滑な運用に特段の配慮をお願いする。

以上、命により通達する。

第一 本法制定の趣旨

我が国の森林は、国土の約七割を占め、木材を供給するのみならず、水資源のかん養、国土の保全、大気の浄化等の公益的機能を発揮しており、国民生活に欠かすことのできない資源である。

森林の有する多面的な機能を発揮させていくためには、植栽から、下刈、つる切り、枝打、除伐、間伐、主伐に至る森林の施業を適正に実施していく担い手を確保する必要がある。

しかしながら、我が国林業を取り巻く環境が、林業の採算性の悪化、山村地域の過疎化・高齢化の進行等極めて厳しい状況にある中で、森林の施業の約九割を担っている林業労働者についても、他産業と比較して雇用管理面が立ち遅れており、雇用関係が不明確であること、雇用が不安定であること、他産業に比べて労働条件が低位にあること等から、特に若年者を中心としてその確保が困難な状況となっている。

このため、林業労働者の減少・高齢化が進行しており、労働者の減少をこのまま放置すれば、森林組合、素材生産業者等の事業主による森林の施業が困難となり、地球環境に優しい木質資材の供給が困難となるばかりか、森林の公益的機能の発揮に支障を生じることとなり、国民生活に重大な影響を与えることとなる。

本法は、以上のような状況を克服し、林業労働力の確保を促進することを目的として、事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化の促進等を図るため、都道府県知事が指定する林業労働力確保支援センター(以下「センター」という。)を通じて、林業労働者の募集、林業就業促進資金の貸付け等総合的な支援措置を講ずるとともに、事業主の雇用管理体制を整備するため、事業主は、雇用管理者の選任及び雇用に関する文書の交付に努めることにより、林業の健全な発展と林業労働者の雇用の安定に寄与するものである。

第二 定義

一 林業労働者

法の対象とする「林業労働者」とは、造林、保育、伐採その他の森林における施業(以下「森林施業」という。)に従事する労働者とされた。(法第二条第一項)

二 事業主

法の対象とする「事業主」とは、林業労働者を雇用して森林施業を行う者であって、次の(一)から(四)までのいずれかに該当するものとされた。(法第二条第二項)

(一) 森林組合、森林組合連合会又はその他の森林所有者(森林法(昭和二六年法律第二四九号)第二条第二項に規定する森林所有者をいう。)の組織する団体

(二) 造林業、育林業又は素材生産業を営む者

(三) (二)に掲げる者の組織する団体

(四) (一)から(三)までに掲げる者に準ずる者として、造林又は育林の事業を行うことを目的とする民法(明治二九年法律第八九号)第三四条の規定により設立された法人(令第一条)

第三 基本方針及び基本計画

一 基本方針

林業労働力の確保は、森林の木材供給機能や公益的機能を発揮させるために森林施業を適切に実施する上で不可欠な課題であり、林業を取り巻く厳しい環境の下で、それを積極的に進めていくためには、国として、政策の基本的な方向を明らかにしておく必要性がある。

このため、農林水産大臣及び労働大臣は、事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化を促進するための措置並びに新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置を講じるための基本的な方向として、林業労働力の確保の促進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならないものとされた。(法第三条第一項)

(一) 記載事項

基本方針は、都道府県知事が法第四条の林業労働力の確保の促進に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めるに当たり、そのよるべき指針となるものであり、次の事項を定めるものとされた。(法第三条第二項)

ア 林業における経営及び雇用の動向に関する事項

イ 林業労働力の確保の促進に関する基本的な方向

ウ 事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化を促進するための措置並びに新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置に関する事項

エ その他林業労働力の確保の促進に関する重要事項

(二) 策定及び変更手続

農林水産大臣及び労働大臣は、木材の需要供給の大幅な変動等社会経済情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとされた。(法第三条第三項)

また、農林水産大臣及び労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣にあっては林政審議会の意見を、労働大臣にあっては中央職業安定審議会の意見をそれぞれ聴くとともに、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、遅滞なく、公表しなければならないものとされた。(法第三条第四項及び第五項)

二 基本計画

都道府県の自然的、経済的、社会的条件等の実情に応じた事業主の雇用管理の改善及び事業の合理化の在り方、施策の方向等を明らかにする必要性があることから、都道府県知事は、基本方針に即して、基本計画を定めることができるものとされた。(法第四条第一項)

(一) 記載事項

基本計画は、事業主が労働環境の改善、募集方法の改善その他の雇用管理の改善及び森林施業の機械化その他の事業の合理化を一体的に図るために必要な措置に関する計画を作成するに当たり、そのよるべき指針となるとともに、その計画の認定に際しての基準となるものであり、次の事項を定めるものとされた。(法第四条第二項)

ア 林業における経営及び雇用の動向に関する事項

イ 林業労働力の確保の促進に関する方針

ウ 事業主が一体的に行う労働環境の改善その他の雇用管理の改善及び森林施業の機械化その他の事業の合理化を促進するための措置に関する事項

エ 新たに林業に就業しようとする者の林業技術の習得その他の就業の円滑化のための措置に関する事項

オ その他林業労働力の確保の促進に関する事項

(二) 策定及び変更手続

都道府県知事は、基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、農林水産大臣及び労働大臣に協議するとともに、基本計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならないこととされた。(法第四条第三項及び第四項)

第四 事業主の改善措置

一 改善計画の認定

(一) 改善計画の作成

ア 事業主は、単独で又は他の事業主若しくはセンターと共同して、労働環境の改善、募集方法の改善その他の雇用管理の改善及び森林施業の機械化その他の事業の合理化を一体的に図るために必要な措置(以下「改善措置」という。)についての計画(以下「改善計画」という。)を作成し、これを当該改善計画に係る事業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、当該改善計画が適当である旨の認定を受けることができることとされた。(法第五条第一項)

イ 改善計画には、次に掲げる事項を記載しなければならないものとされた。(法第五条第二項)

(ア) 改善措置の目標

(イ) 改善措置の内容

(ウ) 改善措置の実施時期

(エ) 改善措置を実施するために必要な資金の額及びその調達方法

(オ) センターが第六の二の(一)の定めによる林業労働者の募集に従事しようとする場合にあっては、当該募集に係る労働条件その他の募集の内容

(二) 改善計画の認定

都道府県知事は、改善計画の認定に際しては、当該改善計画が次の事項のいずれにも適合する場合には認定をすることとされたことに留意するとともに、認定の迅速化に努めるものとする。

ア 改善計画に記載された(一)のイの(ア)から(ウ)までに掲げる事項が、基本計画に照らして適切なものであること。(法第五条第三項第一号)

イ 改善計画に記載された(一)のイの(ア)から(エ)までに掲げる事項が、改善措置の目標を確実に達成するために適切なものであること。(法第五条第三項第二号)

ウ センターが第六の二の(一)の定めによる林業労働者の募集に従事しようとする場合にあっては、当該募集に係る労働条件その他の募集の内容が適切であり、かつ、林業労働者の利益に反しないものであること。(法第五条第三項第三号)

エ 当該改善措置の実施が第八の二の(一)のアからウまでに掲げる事項の適切な管理及び第八の三の文書に係る事項の明確化に寄与するものであること。(令第二条)

(三) 改善計画の変更又は取消し

ア (一)のアの認定を受けた者は、当該認定に係る計画を変更しようとするときは、当該計画に係る事業所の所在地を管轄する都道府県知事の認定を受けるものとされたが、都道府県知事は、(二)に掲げる事項に留意して、それを認定するものとする。(法第六条第一項及び第三項)

イ 都道府県知事は、(一)のアの認定を受けた者が当該認定に係る計画(アによる変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に従って改善措置を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができるものとされた。(法第六条第二項)

二 林業改善資金の貸付けの特例

改善計画の認定を受けた事業主(以下「認定事業主」という。)が改善計画に従って改善措置を行うために必要な林業改善資金助成法(昭和五一年法律第四二号)第二条第三項の林業労働福祉施設資金のうち林業改善資金助成法施行令(昭和五一年政令第一三一号)第二条の表第五号に掲げる資金(福利厚生施設資金)にあっては、償還期間(据置期間を含む。)を、同法第五条第一項の規定にかかわらず、一五年以内にすることとされた。(法第七条第一項及び令第三条)

この場合にあって、一認定事業主ごとの借入れの限度額は、林業改善資金助成法第四条の規定にかかわらず、一、四二〇万円とされた。(法第七条第二項及び農林水産省令第一条)

三 課税の特例

他の事業主及びセンターと共同して改善計画を作成し、当該改善計画の認定を受けた素材生産業を営む者(森林組合を含む。)又はその組織する団体(森林組合連合会を含む。)は、租税特別措置法(昭和三二年法律第二六号)で定めるところにより、その有する固定資産について特別償却をすることができることとされた。(法第八条)

四 国有林野事業における配慮

国は、国有林野事業(国有林野事業特別会計法(昭和二二年法律第三八号)第一条第二項の国有林野事業をいう。)に係る森林施業を他に委託して行う場合には、認定事業主に委託するよう配慮するものとされた。(法第九条)

五 指導及び助言

国及び都道府県は、一の(一)のアの認定を受けた者に対し、認定計画に係る改善措置の的確な実施に必要な指導及び助言を行うものとされた。(法第一〇条)

第五 センターの指定及び運営

一 センターの指定

(一) 趣旨

センターが行うこととなる事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化の促進並びに新たに林業に就業しようとする者の就業を支援するための業務については、それらを一体的に実施することにより相乗効果が期待し得るものであり、このため、その支援業務については、林業労働者の募集段階から、就業段階を経て、就業後林業労働者等として活動する段階までの一連の業務を一体的かつ総合的に実施する必要がある。

また、それら業務を効率的に実施するためには、都道府県ごとに一つの機関を指定することにより、広く関係機関の能力を結集できるようにする必要がある。

このため、都道府県知事は、事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化並びに新たに林業に就業しようとする者の就業を支援することにより林業労働力の確保を図ることを目的として設立された民法第三四条の法人であって、二に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、都道府県ごとに一個に限り、センターとして指定することができるものとされた。(法第一一条第一項)

(二) センターの指定を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならないものとされた。(規則第一条)

ア 名称及び住所

イ 代表者の氏名

ウ 事務所の所在地

また、申請書には、次に掲げる書面を添付するものとされた。

ア 定款又は寄附行為及び登記簿の謄本

イ 資産の総額及びその種類を証する書類

ウ 業務に関する基本的な計画

エ 役員の氏名及び略歴を記載した書面

(三) 都道府県知事は、(二)の申請に基づきセンターの指定をしたときは、当該センターの名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならないものとされた。(法第一一条第二項)

(四) センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならないものとされ、また、都道府県知事は、当該変更についての届出に係る事項を公示しなければならないものとされた。(法第一一条第三項及び第四項)

(五) センターは、(四)の変更の届出をしようとするときは、次の事項を記載した書面を都道府県知事に提出しなければならないものとされた。(規則第二条)

ア 変更後の名称、住所又は事務所の所在地

イ 変更しようとする日

ウ 変更の理由

二 業務内容

センターは、当該都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行うものとされた。(法第一二条)

(一) 委託募集

第六の二の(一)の認定事業主の委託を受けて、林業労働者の募集を行うものとされた。(法第一二条第一号)

(二) 林業就業促進資金の貸付け

第七の林業就業促進資金の貸付けを行うものとされた。(法第一二条第二号及び第三号)

(三) 林業機械の貸付け

認定事業主に対し、森林施業の効率化又は森林施業における身体の負担の軽減に資する程度が著しく高く、かつ、事業主の事業の合理化に寄与する林業機械で次に掲げる林業機械の貸付けを行うことができることとされたが、それら林業機械の導入に当たっては、地域の林業の実情を踏まえ、都道府県知事の裁量により、適宜、機種を選択することができるものとされた。(法第一二条第四号及び林業労働力の確保の促進に関する法律第一二条第四号の農林水産大臣が定める林業機械を定める件(平成八年農林水産省告示第八三〇号))

ア フェラーバンチャ

イ スキッダ

ウ プロセッサ

エ ハーベスタ

オ フォワーダ

カ タワー付き集材機

(四) 研修の実施

次のア及びイに掲げる研修を行うものとされた。(法第一二条第五号)

ア 基幹的な林業労働者となるべき者を対象として行う(三)の林業機械の利用に関する技術の研修

イ 事業主が、林業労働者を雇用する森林施業を行う事業所ごとに、第八の二の(一)に定める雇用管理を行わせるために選任する雇用管理者を対象として行う第八の二の(二)の趣旨に資する研修

また、センターが実施するアの研修を修了した者については、農林水産省が備える研修修了者名簿への登録を申請することができるものとされた(農林水産省令第二条)が、登録を申請することのできる研修の実施方法その他については林野庁長官の定めによるものとする。

(五) 情報の提供、相談その他の援助

林業労働力の確保の促進に関する情報の提供、相談その他の援助を行うものとされた。(法第一二条第六号)

センターは、林業労働力の確保を促進するため、雇用に関する情報の提供、雇用管理の改善に関する相談指導その他の援助を行うとともに、事業の実施に関する情報その他事業の合理化に資する情報の提供その他の援助を行うものとする。

(六) 調査研究及び啓発活動

林業労働力の確保の促進に関する調査研究及び啓発活動を行うものとされた。(法第一二条第七号)

センターは、林業労働力の確保を促進するため、事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化を促進するための措置並びに新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置を実施するに当たり必要とする調査研究及び啓発活動を行うものとする。

(七) 附帯業務

センターは、(一)から(六)までに掲げるもののほか、林業労働力の確保の促進を図るために必要な業務を行うものとされた。(法第一二条第八号)

三 事務の委託

(一) 林業就業促進資金の貸付け、一時償還の決定は、センターが自ら行うものとするが、この業務が融資に関する各種の事務手続を含むものであることから、借受者の利便、事務処理の便宜、債権の保全・管理の適正な運営の確保等の要請を考慮し、林業就業促進資金の貸付業務(以下「資金貸付業務」という。)に係る事務の一部を森林組合法(昭和五三年法律第三六号)第一〇一条第一項第三号の資金の貸付けの事業を行う森林組合連合会(以下「森連」という。)に、また、必要に応じ、中小企業等協同組合法(昭和二四年法律第一八一条)第九条の二第一項第二号の資金の貸付けの事業を行う事業協同組合又は同法第九条の九第一項第二号の資金の貸付けの事業を行う協同組合連合会で、造林業、育林業又は素材生産業を営む者の組織するものに委託することができるものとされた。(法第一八条第一項及び令第六条)

この委託事務の内容は、林業就業促進資金の貸付けに係る債権についての保全及び取立てに関する事務であるが(令第五条)、具体的には、債権者の整理把握、償還金の支払いの督促、保証人の追加又は交代、期限前償還の連絡等の事務であり、センターとの間の委託契約においてその内容を定めるものとする。

(二) センターから事務委託を受けた(一)の森連等は、自己の責任において、それぞれ、その構成員となっている森林組合法第九条第二項第一号の資金の貸付けの事業を行う森林組合又は中小企業等協同組合法第九条の二第一項第二号の資金の貸付けの事業を行う事業協同組合に再委託することができる。

四 業務規程の認可

(一) 林業就業促進資金は、国の補助金及び都道府県の拠出する資金を原資とするものであり、この貸付けを林業労働力の確保という政策目的に即して適正に行うためには、資金貸付業務に関する事後の監督のみならず、業務の方法、具体的な貸付条件等について、事前のチェックを行う必要があるため、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程を作成し、都道府県知事の認可を受けるものとされた。(法第一九条第一項)

(二) また、業務規程に記載すべき事項は、次に掲げる事項とされた。(法第一九条第二項及び農林水産省令第六条)

ア 林業就業促進資金の使途、償還期間、据置期間、林業就業促進資金の限度額、償還の方法、担保又は保証人に関する事項等林業就業促進資金の貸付けに関する業務の方法

イ 業務委託の基準

五 事業計画等の認可

(一) センターは、林業労働力の確保を促進するための総合的な支援措置に関する施策を講じるための実施機関であり、その業務の適正かつ確実な実施を確保するため、毎事業年度、当該事業年度の開始前に事業計画書及び収支予算書を作成し、その申請書に次に掲げる書類を添付し、都道府県知事の認可を受けなければならないこととされた。(法第二〇条第一項前段及び規則第三条第一項)

ア 事業計画書

イ 収支予算書

ウ 前事業年度の予定貸借対照表

エ 当該事業年度の予定貸借対照表

オ ウ及びエに掲げるもののほか、収支予算書の参考となる書類

(二) センターは、(一)の事業計画書又は収支予算書を変更しようとするときも、同様に都道府県知事の認可を受けなければならないこととされた。(法第二〇条第一項後段)

この場合において、センターは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書(収支予算書の変更が(一)のエ又はオに掲げる書類の変更を伴うときは、当該変更後の書類を添付するものとする。)を都道府県知事に提出しなければならないものとされた。(規則第四条)

(三) センターは、毎事業年度終了後三月以内に事業報告書、賃借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、都道府県知事に提出しなければならないこととされた。(法第二〇条第二項及び規則第五条)

六 区分経理

センターが資金貸付業務を行う場合には、その他の業務の歳入歳出と区分するため、資金貸付業務に係る経理とその他の業務に係る経理とを明確に区分し、資金貸付業務の収支を常に明らかにするようにして整理しなければならないこととされた。(法第二一条)

七 都道府県への報告及び都道府県知事の監督命令

都道府県知事は、二に掲げるセンターの業務(以下「センターの業務」という。)の適正かつ確実な実施を確保するため、必要があると認めるときは、センターに対し、その業務に関し必要な報告をさせることができるものとされた。(法第二二条)

また、都道府県知事は、センターの業務の適正かつ確実な実施を確保するため、第五の内容を施行するために必要な限度において、センターに対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができるものとされた。(法第二三条)

八 指定の取消し

(一) 都道府県知事は、センターの業務の適正かつ確実な実施を確保するため、センターが以下のいずれかに該当するときは、一の指定を取り消すことができるものとされた。(法第二四条第一項)

ア 業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

イ 指定に関し不正の行為があったとき。

ウ 第五の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

(二) 都道府県知事は、(一)により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならないとされた。(法第二四条第二項)

また、指定を取り消した場合における資金貸付業務に関する所要の経過措置は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定めることができることとされた。(法第二四条第三項)

九 その他

都道府県は、センターの業務運営が円滑に行えるよう、センターと市町村、森林組合等の林業関係者が密接に連携・協力するよう指導するものとする。

第六 委託募集の特例等

一 趣旨

事業主の知名度の不足を補い、募集人数等を多くすることによる求職者へのアピール度を高めるため、センターと共同して雇用管理の改善及び事業の合理化を一体的に行う事業主の委託を受けて、当該センターが林業労働者の募集を行う場合、その迅速かつ円滑な募集活動が行えるよう職業安定法の特例を設けることとし、これに係る公共職業安定所の指導等を定めたものである。

二 委託募集の特例

(一) 認定事業主(他の事業主及びセンターとの共同の申請に基づき第四の一の(一)のアの認定を受けた者に限る。)がその認定に係るセンターをして林業労働者の募集を行わせようとする場合には、当該センターは、次に掲げる事項を労働大臣に届け出て、当該認定に係る認定計画に従って当該募集に従事することができることとし、この場合には、職業安定法(昭和二二年法律第一四一号)第三七条第一項の規定は、当該認定事業主については、適用しないものとされた。(法第一三条第一項及び労働省令第一条)

ア 募集に係る事業所の名称及び所在地

イ 募集時期

ウ 募集職種及び人員

エ 募集地域

オ 賃金、労働時間その他の募集に係る労働条件

(二) (一)の場合において、当該センターが(一)の届出をせずに林業労働者の募集に従事したときは、職業安定法第六四条(第三号に係る部分に限る。)の規定は、当該認定事業主については、適用しないものとされた。(法第一三条第二項)

(三) (一)の募集については、労働大臣が当該募集に従事しようとするセンターに対し、募集時期その他募集方法に関し必要な指示をすることができることとするため、職業安定法の労働者の募集に関する関係規定を準用するものとされた。(法第一三条第三項)

三 公共職業安定所の指導

公共職業安定所は、一の(一)の募集に従事するセンターに対して、雇用情報を提供すること等により、当該募集の効果的かつ適切な実施の促進に努めなければならないものとされた。(法第一四条)

第七 林業就業促進資金制度

一 趣旨

林業労働力の確保を図るためには、林家又は事業主の後継者のみならず、林業外からの新規参入者等幅広く人材を求め、林業への就業が促進されるよう、林業労働者の受け皿となる事業主の受入体制を整備する一方において、林業に新規参入しようとする者の就業の円滑化を図るための林業技術の習得その他の条件整備を図る必要がある。

このため、新たに林業に就業しようとする者について円滑な就業が図られるよう、センターが、その就業に必要な林業の技術又は経営方法を実地に習得するための研修その他の就業の準備に必要な資金を無利子で貸し付けることにより、林業への就業の促進を図ることとするものである。

二 林業就業促進資金の貸付け

(一) 林業就業促進資金の種類

林業就業促進資金の種類、償還期間及び据置期間については、それぞれ次に掲げる表のとおりとされた。(令第四条)

林業就業促進資金の種類

償還期間

据置期間

ア 新たに林業に就業しようとする者がその就業に必要な林業の技術又は経営方法を実地に習得するための研修で農林水産大臣が定める基準に適合するものを受けるのに必要な資金

二〇年以内

四年以内

イ 新たに林業に就業しようとする者がその就業に必要な移転その他の事前の活動で農林水産大臣が定める基準に適合するものを行うのに必要な資金

二〇年以内

四年以内

ウ 認定事業主が当該認定に係る計画に従って新たに雇い入れる林業労働者に対しアの資金を支給するのに必要な資金

一三年以内

四年以内

エ 認定事業主が当該認定に係る計画に従って新たに雇い入れる林業労働者に対しイの資金を支給するのに必要な資金

一三年以内

四年以内

ア及びイについては、新たに、林家若しくは事業主の後継者等として、又は事業主に雇用される林業労働者として、林業に就業しようとする者に対して貸し付ける資金で、その就業に必要な林業の技術又は経営方法を実地に習得するための研修の受講に必要な資金、現地調査、住居の移転等就業の準備に必要な資金とする。

ウ及びエについては、認定事業主に対して貸し付ける資金で、認定計画に従って新たに雇い入れる林業労働者に対するア又はイに掲げる就業の準備に必要な資金を支給するのに必要な資金とする。

(二) 農林水産大臣の定める基準

ア (一)の表のアの「農林水産大臣が定める基準」は、次の(ア)、(イ)又は(ウ)に該当する研修であることとする。

(ア) センターにおける研修(農林水産省令第三条第一項の表第一号の研修)

センターにおいて受講する実践的な研修であること。

(イ) 林家等における研修(農林水産省令第三条第一項の表第二号の研修)

先進的な林業技術を保有し、かつ、それぞれの地域において指導的地位を占める国内の林家等及び林野庁長官が別に定める基準に従って、海外諸国において当該国の受け入れ機関が推薦する優れた林家等に滞在して受ける研修であること。

(ウ) 県林業短期大学校、林業試験場等における研修(規則第三条第一項の表第三号の研修)

林野庁長官が別に定める基準に従い、県林業短期大学校、林業試験場等において受講する実践的な研修であること。

イ (一)の表のイの「農林水産大臣が定める基準」は、新たに林業に就業しようとする者の就業先調査、住居の移転、林業体験活動等の就業準備に必要なものに該当するものであることとする。

(三) 林業就業促進資金の借受主体

本資金の借受主体は、(一)の表のア及びイに掲げる資金にあっては、新たに林業に就業しようとする者とし、(一)の表のウ及びエに掲げる資金にあっては、認定事業主とする。

(四) 資金の貸付条件

ア 償還期間等

償還期間(据置期間を含む。以下「償還期間等」という。)は、二の(一)に掲げるとおりであるが、これらにより定められた償還期間等は最長の期間であるから、具体的な貸付けに当たっては、貸付対象の内容、借受人の償還能力等を勘案してその範囲内で適切な期間を設定するものとする。

イ 限度額

(一)の表のア及びウの資金(以下「就業研修資金」という。)及び同表のイ及びエの資金(以下「就業準備資金」という。)の一借主ごとの貸付金の限度額については、それぞれ(ア)から(エ)までに掲げるとおりとされた(農林水産省令第三条)が、センターは、貸付けの都度、この規則に定められた範囲内で、かつ、貸付内容に係る研修受講等を適正に実行するに当たり実際に要する費用の額を限度として、当該貸付けに係る貸付限度額を定めるものとする。

(ア) (一)の表のアの資金については、次の表のとおりとされた。

研修

限度額

a 第五の二の(四)の研修その他の二の(二)のアの(ア)の基準に適合するセンターが行う研修

月額一五万円

b 効率的かつ安定的な林業経営を営む者その他二の(二)のアの(イ)に定める者による研修

月額一五万円

c 二の(二)のアの(ウ)に定める研修教育施設による研修

月額五万円

(イ) (一)の表のイの資金については、一五〇万円とされた。

(ウ) (一)の表のウの資金については、次の表のとおりとされた。

研修

限度額

a 第五の二の(四)の研修その他の二の(二)のアの(ア)の基準に適合するセンターが行う研修

月額一二万円

b 効率的かつ安定的な林業経営を営む者その他二の(二)のアの(イ)に定める者による研修

月額一二万円

c 二の(二)のアの(ウ)に定める研修教育施設による研修

月額四万円

(エ) (一)の表のエの資金については、一二〇万円とされた。

(五) 担保又は保証人

センターは、林業就業促進資金の貸付けに当たっては、借受者に担保を提供させ、又は連帯保証人を立てさせるものとされた。(農林水産省令第四条)

なお、担保又は保証人については、センターの定める貸付規程においてその運用基準を明らかにするものとする。

(六) 貸付けの手続

ア 新たに林業に就業しようとする者の貸付けの申請は、貸付けを受けようとする者が貸付申請書に就業計画書及び事業計画書を添え、これをセンターに直接又は森林組合法第九条第二項第一号により資金の貸付けの事業を行う森林組合、研修教育施設等を経由して行うものとする。

イ 認定事業主の貸付けの申請は、貸付けを受けようとする事業主が貸付申請書に改善計画認定通知書(写し)及び当該資金を支給する者を採用したことを証明するもの(就業準備資金にあっては、当該資金を支給する者を採用することを証明するものでも差し支えない。)を添え、これをセンターに直接又は森林組合法第九条第二項第一号により資金の貸付けの事業を行う森林組合等を経由して行うものとする。

(七) 一時償還

資金の貸付内容に係る就業準備が貸付けの趣旨に即して適正に実行されること及び貸付金の償還が計画どおりに着実に実行されることを担保するため、当該貸付けを受けた者が、次のいずれかに該当する場合には、センターは、貸付金の全部又は一部につき、期限を指定して、一時償還を請求するものとされた。(法第一六条及び農林水産省令第五条)

ア 資金を目的外に使用したとき。

イ 償還金の支払を怠ったとき。

ウ 借主が林業に就業しなかった場合等正当な理由がなくて貸付けの条件に違反したとき。

(八) 支払の猶予

ア 借受者の償還能力に不測の変動が生じた場合には、センターは償還金の支払を猶予することができる。

センターが支払の猶予をなしうるやむを得ない理由としては、災害のほか、一般的に借主の償還能力に影響を及ぼす度合いの強いと見られる借主(その者が事業主である場合には、その団体を構成する個人)又はその者と住居及び生計を一にする親族の死亡、疾病又は負傷である。

また、事業主に雇用される者として新たに林業に就業しようとする者が借主である場合は、雇用される事業主の倒産等もやむを得ない理由に含まれる。

なお、この支払猶予の理由に該当する場合であっても、貸付金の償還が著しく困難であると認められないときは、支払猶予を行わないこととする。

イ 支払猶予の申請は、借受者が支払猶予申請書にセンターの指定する証明書を添え、直接センターに提出して行うものとする。

(九) 違約金

貸付金の確実な償還を担保するため、償還の履行遅滞に対する損害賠償の目的のほか、契約違反に対する制裁の意味をも含めて、延滞金額につき年一二・二五%の違約金の規定が設けられた。(法第一七条)

三 都道府県のセンターに対する貸付け

(一) 都道府県の貸付金の額

都道府県は、センターが資金貸付業務を行うときは、センターに対し、当該業務に必要な資金を貸し付けることができるものとされた。(法第二五条第一項)

この場合において、都道府県がセンターに対し貸し付ける資金(以下「都道府県の貸付金」という。)の額は、センターが行う資金貸付業務に必要な額から、前年度までの都道府県の貸付金の額を基礎として、次の算式により算定される額を控除して得た額以内の額とする。

((当該年度当初の未貸付金の額(a1))+(当該年度の借受人からの償還金の額(a2)))―(当該年度の都道府県への償還額(a3))

注:(a1)、(a2)及び(a3)については、当該年度におけるこれらの額の見込額である。

(二) 都道府県の貸付金の貸付条件

都道府県の貸付金の貸付条件及びその償還方法は、無利子とされ、償還期間は二一年以内(据置期間五年以内を含む。)とされた(法第二五条第二項及び令第七条)が、都道府県においてセンターに対する貸付事業を行うためには、法、令、規則及び本通達に定めるもののほか、なお、具体的に償還期間、貸付の手続き等を定める必要があるので、別に林野庁長官が定める参考例に準じて、当該都道府県貸付金貸付等要領を定めるものとする。

四 国の助成

(一) 都道府県が三の(一)の資金を貸し付ける事業(以下「貸付事業」という。)を行う場合には、政府は、毎年度予算の範囲内においてこれに要する資金の一部を都道府県に対して補助することとされた(法第二六条第一項)が、都道府県の事業は、資金を貸し付ける事業であるので、この事業を継続するのに必要かつ適当な資金が都道府県に造成された後は資金が自己回転することを原則とするものである。(同項ただし書)

(二) 政府が交付する補助金の額は、原則として都道府県が貸付事業の財源に充てるため一般会計から特別会計に繰り入れる金額の二倍に相当する額であり、したがって補助率は三分の二となるが、都道府県間で国庫補助金の額に著しい不均衡が生ずるような場合には、一定の限度までの補助にとどめることとされた。(法第二八条)

五 特別会計の措置

(一) 都道府県における当該資金にかかる経理については特別会計を設けて行う必要があるが、特別会計を設置する場合には、林業改善資金助成法第一二条第一項の規定により設置する特別会計において本経理を併せ行うことができることとされた。(法第二七条)

この場合には、林業改善資金その他の資金と明確に区分し、経費を流用することがないよう留意するものとする。

(二) 都道府県が行う貸付事業に関する事務費に係る収入及び支出の経理は、その他の経理と区分し、特別な勘定(以下「業務勘定」という。)を設けて整理しなければならない。

(三) 特別会計に属する資金の預託に係る利子収入は、同特別会計の業務勘定で経理するものとするが、この運用益の使途については、今後貸付資金の財源造成を行う必要があるので、これを極力貸付勘定に繰り入れ、貸付額の増大を図るものとする。

なお、この場合は次の事項に留意されたい。

ア 貸付勘定へ繰り入れられた後においては、再び業務勘定への繰戻しは行わないこと。

イ 貸付勘定への繰出しは、前年度までに発生した運用益をもって充て、その額は万円単位で行うこと。なお、一万円未満の端数は、当年度に発生した運用益とともに業務勘定で保留し次年度へ繰り越すものとする。

ウ 運用益は、資金造成に当たっての国庫補助の対応都道府県費として使用しないこと。

六 林野就業促進資金貸付事業計画の作成

(一) 都道府県は、貸付事業を行うに当たっては、毎事業年度、認定事業主の認定状況、センターの資金貸付業務に係る業務計画等を勘案して、別に林野庁長官が定めるところにより、第七の二の(一)の表アからエまでに掲げる資金ごとにそれぞれについての事業計画を内容とする林業就業促進資金貸付事業計画を策定するものとする。

(二) 都道府県は、センターが行う資金貸付業務が円滑に実施できるよう予算措置、財源の確保及び適正な資金管理を図るものとする。

七 納付金の納付

(一) 都道府県は、貸付事業を廃止した場合には、納付金を政府に納付しなければならないとされた。(法第二九条)

(二) 貸付事業を廃止した場合における納付金のうち、廃止の際における貸付金の未貸付額に係るものは、その廃止の日から起算して三月以内に、廃止後において支払を受けた貸付金の償還金に係るものは、その支払を受けた償還金の歳入の所属年度の翌年度の八月三一日までに政府に納付しなければならないとされた。(令第八条)

(三) 納付金を(二)の期限までに完納しなかった場合は、当該期限の翌日から完納の日までの間、未納付額につき年一〇・七五パーセントの割合で計算した延滞金を政府に納付しなければならないとされた。(令第九条)

八 林業就業促進資金の創設に伴う林業改善資金の取扱い

林業就業促進資金と林業改善資金(青年林業者等養成確保資金)とは、新規就業に必要な技術習得の支援という面で同じ政策目的を持つため、これらの整序を図る観点から、新規就業者が受ける研修については、青年林業者等養成確保資金から除くこととされた。(法附則第四条)

九 その他

センターにおいて資金貸付業務を行うためには、法、令、規則及び本通達に定められたもののほか、資金種類、償還期間、借受資格、貸付けの手続、貸付決定の具体的基準等を定める必要があるので、林野庁長官の定める参考例に準じて定めるものとする。

第八 雇用管理の改善体制の整備

一 趣旨

林業労働者については、慣行的な就労形態が多く雇用関係が不明確となっていることなどから、労働条件が不明確となったり、雇用が臨時的、間断的であることなどから、社会・労働保険が適用にならない場合もある。また、退職金共済への加入等が妨げられているなど十分な雇用管理がなされていない状況にある。これらの雇用管理面の問題に対処していくために、林業労働者の雇入れに際し、雇用に関する文書を交付し、雇用関係の明確化を図るとともに、個々の事業主において雇用管理に責任を有する者を明確にすることにより雇用管理体制を整備することとするものである。

二 雇用管理者の選任

(一) 事業主は、常時五人以上の林業労働者を雇用する森林施業を行う事業所ごとに、次に掲げる事項を管理させるため、雇用管理者を選任するように努めなければならないものとされた。(法第三〇条第一項並びに労働省令第五条及び第七条)

ア 林業労働者の募集、雇入れ及び配置に関する事項

イ 林業労働者の教育訓練に関する事項

ウ 労働者名簿及び賃金台帳に関すること並びに労働者災害補償保険、雇用保険及び中小企業退職金共済制度その他林業労働者の福利厚生に関すること

(二) (一)のアからウまでに掲げる事項を管理するために必要な知識及び経験を有していると認められる者のうちから、当該事項を管理する者を雇用管理者として選任することとされた。(労働省令第六条)

(三) 事業主は、雇用管理者について、必要な研修を受けさせる等(一)のアからウまでに掲げる事項を管理するための知識の習得及び向上を図るように努めなければならないものとされた。(法第三〇条第二項)

三 雇用に関する文書の交付

事業主は、林業労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該林業労働者に対して、当該事業主の氏名又は名称、その雇入れに係る事業所の名称及び所在地、雇用期間、従事すべき業務の内容並びに雇用保険及び中小企業退職金共済制度に関する事項を明らかにした文書を交付するように努めなければならないものとされた。(法第三一条及び労働省令第八条)

第九 その他

一 罰則

第六の一の(一)の規定による届出をしないで、林業労働者の募集に従事した者、第六の一の(三)の指示に従わなかった者等に対して所要の罰則を科するものとされた。(法第三二条から第三五条まで)

二 関係法令の整備

本法の施行に伴い、職業安定法、社会保険労務士法(昭和四三年法律第八九号)、農林水産省設置法(昭和二四年法律第一五三号)及び労働省設置法(昭和二四年法律第一六二号)その他関係法令について、所要の整備を行うものとされた。

様式1~様式7〔略〕

様式8

様式9

様式10

様式11

様式12

様式13