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○社会保険労務士法の一部を改正する法律等の施行について

(昭和五七年一月二九日)

(発社第一二号・労働省発労徴第一一号)

(各都道府県知事・各都道府県労働基準局長あて厚生・労働事務次官通知)

社会保険労務士法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)は、第九四回通常国会において昭和五六年五月二二日に成立し、同年六月二日法律第六四号をもつて公布され、社会保険労務士法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(昭和五七年政令第一二号)により昭和五七年四月一日から施行されることとなつた。これに伴い、社会保険労務士法施行令及び沖縄の復帰に伴う労働省関係法令の適用の特別措置等に関する政令の一部を改正する政令(昭和五七年政令第一三号。以下「改正政令」という。)が同じく四月一日から施行されることとなつた。

今回の改正の趣旨及び内容は左記のとおりであるので、これが周知徹底を図り、その施行に万全を期せられたく、命により通達する。

第一 改正の趣旨

最近における社会経済事情の変化に伴い、労働及び社会保険の専門家である社会保険労務士の果たす役割はますます重要性を加えてきている。このような情勢に対応するため、社会保険労務士の業務の内容を充実させるとともに、免許制を団体登録制に改める等、社会保険労務士制度の整備充実が図られたものであること。

第二 改正の概要

一 社会保険労務士の職責

社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で誠実にその業務を行わなければならない旨を規定し、社会保険労務士の職責を明らかにしたこと(改正法による改正後の社会保険労務士法(以下「法」という。)第一条の二)。

二 社会保険労務士の行う事務の範囲の拡大

社会保険労務士が、法別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書その他の書類(以下「申請書等」という。)の提出に関する手続を代わつてする者の範囲を、事業主、使用者その他の事業者から、労働者、年金受給権者等の個人を含むすべての者に拡大したこと(法第二条第一項第一号の二)。

三 社会保険労務士となる資格の要件の整備

(一) 社会保険労務士となる資格の要件に、社会保険労務士試験に合格した者であること又は当該試験のすべての試験科目について試験が免除された者であることに加えて、当該者が労働社会保険諸法令に関する主務省令で定める事務に従事した期間が通算して二年以上あるもの又は主務大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるものであることを追加したこと(法第三条第一項)。

(二) 社会保険労務士となる資格を有しない者として、破産者で復権を得ないもの、懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者、社会保険労務士の登録の取消しの処分を受けた者、公務員で懲戒免職の処分を受けた者及び懲戒処分により、弁護士会から除名され、公認会計士若しくは会計士補の登録の抹消の処分を受け、税理士の業務を禁止され又は行政書士の業務を禁止された者を加えるとともに、懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者等に係る欠格期間を二年から三年に延長したこと(法第五条第三号から第九号まで、改正政令による改正後の沖縄の復帰に伴う労働省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第三条第一項及び第二項)。

四 団体登録制への移行

社会保険労務士となる資格を有する者が社会保険労務士となるには、主務大臣の免許を受けなければならないこととされていたが、これを全国社会保険労務士会連合会(以下「連合会」という。)に備える社会保険労務士名簿に登録を受けなければならないことに改めるとともに、登録に関し所要の規定を設けたこと(法第一四条の二から第一四条の一三まで)。

五 社会保険労務士の権利及び義務

(一) 信用失墜行為の禁止の対象者を、開業社会保険労務士からすべての社会保険労務士に拡大したこと(法第一六条)。

(二) 社会保険労務士会の会員である社会保険労務士(以下「会員社会保険労務士」という。)は、主務省令で定める申請書等を作成した場合又は主務省令で定める申請書等であつて他人の作成したものにつき相談を受けて審査をした場合は、主務省令で定めるところにより、それぞれその作成の基礎となつた事項又は審査した事項等を書面に記載して当該申請書等に添付し、又は付記できることとするとともに、その場合の会員社会保険労務士である旨の表示について規定したこと(法第一七条)。

六 懲戒

社会保険労務士の非違行為の態様に応じ社会保険労務士に対する懲戒処分の制度を整備するとともに、懲戒手続を整備したこと(法第二五条から第二五条の五まで)。

七 社会保険労務士会及び連合会の事務の範囲の拡大等

(一) 社会保険労務士会を任意設立制から強制設立制に改めるとともに、その会則の記載事項に会員の研修及び開業社会保険労務士の受ける報酬に関する規定を加えたほか、社会保険労務士の入会及び退会並びに所属社会保険労務士会会則の遵守義務に関する規定を設けたこと(法第二五条の六から第二五条の九まで)。

(二) 連合会を任意設立制から強制設立制に改めるとともに、その会則の記載事項に社会保険労務士の登録、資格審査会、社会保険労務士の研修、開業社会保険労務士の受ける報酬の基準に関する規定を加えたほか、会員社会保険労務士及び社会保険労務士会の連合会会則の遵守義務に関する規定を設けたこと(法第二五条の一三から第二五条の一五まで)。

(三) 連合会に登録の拒否及び登録の取消しについて審査を行う機関として資格審査会を置くこととするとともに、資格審査会に関し所要の規定を設けたこと(法第二五条の一六)。

(四) 社会保険労務士会及び連合会に対する監督を強化するため、主務大臣の権限として、総会の決議の取消しの命令及び役員の解任の命令の権限並びに業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件の検査の権限を規定するとともに、これらの主務大臣の権限のうち、社会保険労務士会に係るものを都道府県知事及び都道府県労働基準局長に委任したこと(法第二五条の二○及び第二五条の二一、改正政令による改正後の社会保険労務士法施行令第三条第五号及び第六号)。

八 業務の制限

社会保険労務士でない者は他人の求めに応じ報酬を得て法第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行うことができないこととされていたのを、会員社会保険労務士でない者はこれを業として行うことができないことに改めたこと(法第二七条)。

九 社会保険労務士試験の試験科目免除資格者の範囲の拡大

次に掲げる者に該当する者に対して、それぞれその申請により社会保険労務士試験の試験科目を一部免除することとしたこと(法別表第二)。

ア 国又は地方公共団体の公務員として労働社会保険諸法令の施行事務に従事した期間が通算して一五年以上になる者

イ 労働若しくは社会保険に関する法令に関する主務省令で定める事務(以下「労働社会保険法令事務」という。)を行う主務大臣が指定する団体の役員若しくは従業員として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して一五年以上になる者又は社会保険労務士の補助者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して一五年以上になる者で、主務省令で定める基準に適合するものとして主務大臣が指定した連合会が行う講習を修了したもの

一○ その他

(一) 社会保険労務士会及び連合会の名称及び類似名称の使用制限並びに開業社会保険労務士の使用人等の秘密遵守義務に関する規定を設けるとともに、罰則を整備したこと(法第二六条第二項、第二七条の二及び第六章関係)。

(二) この法律の施行の際現に社会保険労務士となる資格を有する者及び社会保険労務士の免許を受けている者等に関する経過措置その他所要の経過措置を規定したこと(改正法附則第二条から第二三条まで、改正政令附則第二項)。

(三) 登録制の移行に伴い、厚生省設置法、労働省設置法、税理士法及び登録免許税法について所要の改正を行つたこと(改正法附則第二四条から第二八条まで)。