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○社会保険労務士法の一部を改正する法律等の施行について

(昭和五三年八月八日)

(発社保第一四四号・発労徴第五五号)

(各都道府県知事・各都道府県労働基準局長あて厚生事務次官・労働事務次官通達)

社会保険労務士法の一部を改正する法律は、第八四回通常国会において昭和五三年五月一二日に成立し、同月二○日法律第五二号をもつて公布され、九月一日から施行されることとなつた。これに伴い、社会保険労務士法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令が、八月八日政令第三○八号をもつて公布され、同じく九月一日から施行されることとなつた。

今回の改正の趣旨及び内容は左記のとおりであるので、これが周知徹底を図り、その施行に万全を期せられたく、命により通達する。

第一 改正の趣旨

社会保険労務士法が制定されてから一○年を経過するが、その間の産業、社会事情の変化と労働社会保険諸法令の整備充実に伴い、社会保険労務士の役割は質的にも量的にも拡大してきている。このような情勢に対応するため社会保険労務士制度の改善が図られたものであること。

第二 改正の概要

一 社会保険労務士の行う事務の範囲の拡大

(一) 社会保険労務士の事務に、労働社会保険諸法令に基づいて、事業主、使用者その他の事業者(以下「事業主等」という。)が行政機関等に提出することになつている申請書、届出書、報告書その他の書類についてその提出に関する手続を代わつてすること(以下この事務を「提出代行事務」という。)を加えたこと(社会保険労務士法(以下「法」という。)第二条第一項第一号の二)。

(二) 提出代行事務については、社会保険労務士業を行う社会保険労務士でない者は、他人の求めに応じ、報酬を得て、これを業として行つてはならないこととしたこと(法第二七条)。

二 社会保険労務士試験の試験科目の追加

社会保険労務士試験の試験科目において「健康保険法」と「日雇労働者健康保険法」を合せて一科目とし、新たに「国民年金法及び通算年金通則法」の科目を加えるとともに、これを試験の免除の対象に加えたこと(法第九条及び法別表第二)。

三 社会保険労務士会の設立等

(一) 社会保険労務士は、社会保険労務士の品位保持、資質の向上及びその業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする社会保険労務士会を、都道府県の区域ごとに一個、会則を定め、主務大臣の認可を受けて、設立することができることとし、この会の運営に必要な規定を設けたこと(法第二五条の二から第二五条の五まで)。

(二) 社会保険労務士会は、会員である社会保険労務士が、その業務に関して社会保険労務士法及び同法に基づく政省令並びに労働社会保険諸法令に違反したと認めるときは、その旨を主務大臣に報告しなければならないこととしたこと(法第二五条の六)。

(三) 主務大臣は、社会保険労務士会の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、社会保険労務士会に対して必要な報告を求め、又は社会保険労務士会の業務の改善について勧告することができることとしたこと(法第二五条の一二)。

(四) 主務大臣の権限のうち、社会保険労務士会の設立の認可、社会保険労務士会の会則の変更の認可、業務に関して関係法令に違反した社会保険労務士の所属する社会保険労務士会からの報告の受理及び社会保険労務士会の監督に係る報告徴収又は勧告についての権限は、都道府県知事及び都道府県労働基準局長に委任されたこと(法第三○条、社会保険労務士法施行令第三条第四号から第六号まで)。

四 全国社会保険労務士会連合会の設立等

(一) 全国の社会保険労務士会は、社会保険労務士の品位の保持、資質の向上及びその業務の改善進歩を図るため、社会保険労務士会並びにその会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする全国社会保険労務士会連合会(以下「連合会」という。)を、会則を定め、主務大臣の認可を受けて設立することができることとし、この会の運営について必要な規定を設けたこと(法第二五条の七及び法第二五条の一○)。

(二) 主務大臣は、連合会の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、連合会に対して必要な報告を求め、又は連合会の業務の改善について勧告することができることとしたこと(法第二五条の一二)。

(三) 連合会の意見の申出

連合会は、主務大臣に対し、社会保険労務士の制度の改善に関する意見又は社会保険労務士の業務経験等を通じて得られた労働社会保険諸法令の運営の改善に関する意見を申し出ることができることとしたこと(法第二五条の九)。

五 社会保険労務士会及び連合会の行政機関への協力

主務大臣、都道府県知事、都道府県労働基準局長その他労働社会保険諸法令の施行に当たる行政機関は、これらの法令の円滑な実施を図るため、広報、調査その他必要な事項について、社会保険労務士会又は連合会に協力を求めることができることとしたこと(法第二五条の一一)。

六 その他

社会保険労務士会及び連合会の非収益事業所得に対する事業税及び法人税並びに利子、配当、利益分配金等に対する所得税を非課税とすることとし、地方税法、法人税法及び所得税法に所要の改正を行つたこと(社会保険労務士法の一部を改正する法律附則第四項から第六項まで)。