添付一覧
○国民年金基金の決算事務の取扱いについて(地域型基金用)
(平成四年八月二七日)
(年発第四二四九号)
(各都道府県知事あて厚生省年金局長通知)
標記の取扱いに関する基準を別紙のとおり定めたから、貴管下国民年金基金に対し、周知徹底を図られたい。
別紙
国民年金基金決算事務取扱基準
第一 国民年金基金令(平成二年政令第三〇四号。以下「基金令」という。)第二八条及び国民年金基金及び国民年金基金連合会の財務及び会計に関する省令(平成三年厚生省令第九号。以下「財会省令」という。)第一四条の規定により厚生大臣に提出する決算に関する書類は、次により作成するものであること。
1 貸借対照表(様式第1号)
経理単位(会計区分を含む。以下同じ。)ごとの勘定科目(第七勘定科目説明の分類によること。以下同じ。)の大分類及び中分類の当該年度における決算額により作成すること。
2 損益計算書(様式第2号)
経理単位ごとに勘定科目の大分類及び中分類の当該年度における決算額により作成すること。
3 業務報告書(様式第3号)
当該年度における国民年金基金(以下「基金」という。)の事業実績に基づいて作成すること。
4 年金数理に関する確認書(様式第4号)
国民年金法(昭和三四年法律第一四一号。以下「法」という。)第一三九条の二の規定に基づき、5の責任準備金明細書、6の危険準備金明細書及び9の剰余金処分計算書・不足金処理計算書が適正な年金数理に基づいて作成されていることを年金数理人が確認したことを示すこと。
5 責任準備金明細書(様式第5号)
第四により算出した責任準備金により作成すること。
6 危険準備金明細書(様式第6号)
第五により算出した危険準備金により作成すること。
7 支払備金明細書(様式第7号)
現に年金給付及び一時金たる給付に充てるべき積立金として保有しているもののうち、次の区分により算出した支払備金により作成すること。
(1) 年金給付
ア 新規裁定者
裁定が行われ、かつ、支払期月の経過している未払分
イ 既裁定者
受給権者の生存が確認され、かつ、支払期月の経過している未払分
(2) 一時金給付
受給権の裁定が既に行われている未払分
(3) 連合会移換金
平成三年五月三〇日年発第三、五四二号により定められる現価相当額交付日を経過している未払分
(4) その他
年金給付又は一時金たる給付に関し、不服の申し立て又は訴訟の提起が行われている係争中の金額(年金給付については、支払期月が到来していないものを除く。)
8 未収掛金明細書(様式第8号)
未収掛金については、当年度の二月分及び三月分として納付されるべき掛金のうち、実際に納付された額により作成すること。
9 剰余金処分計算書・不足金処理計算書(様式第9号)
年金経理に係る損益計算書によって算出した剰余金又は不足金について財会省令第一七条第一項及び第二項の規定による処分の内容により作成すること。
10 監事の意見書
基金令第二八条第一項の規定により監事の意見を明らかにすること。
11 代議員会の会議録謄本
国民年金基金規則(平成二年厚生省令第五八号。以下「基金規則」という。)第四七条第一項の規定により添付すること。
第二 基金が損益計算書及び貸借対照表を作成するに当たっては、次の帳票によること。
1 決算仕訳帳(様式第10号)
経理単位ごとに、決算に関し必要な仕訳を行うものであること。
2 決算精算表(様式第11号)
経理単位ごとに次の区分により処理を行うものであること。
(1) 残高試算表
(2) 整理記入
(3) 損益計算書
(4) 貸借対照表
第三 資産の評価方法は、次によること。
1 用語の定義
次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによること。
ア 簿価
取得時の価格によって資産を評価した額をいう。
イ 時価
資産取引に関し十分な知識と情報を有する売り手と買い手が、自発的に相対取引するときの価格によって資産を評価した額をいう。
ウ 平滑化期間
数理的評価額の算定において、時価の短期的な変動を平滑化する期間の年数をいう。
なお、「当該事業年度を基準とする平滑化期間」とは、平滑化期間に等しい当該事業年度を含む過去の一定期間をいう。この場合において、使用している資産評価の方法を採用することとした事業年度初から当該事業年度末までの期間の年数が平滑化期間に満たないときには、「当該事業年度を基準とする平滑化期間」は当該期間を意味するものとする。
エ 二口目以降に係る期中収支差
現金主義に基づく当該事業年度における掛金収入、受換金、財政調整交付金及び雑収入の合計額(当該事業年度末における未収分を除き、その前事業年度末における未収分のうち当該事業年度において収入のあったものを含む。)から、現金主義に基づく当該事業年度の給付費、移換金、還付金、財政調整拠出金、年金財政安定拠出金、年金財政コンサルティング料、繰入金及び雑支出の合計額(当該事業年度末における未払分を除き、その前事業年度末における未払分のうち当該事業年度において支払のあったものを含む。)を控除した額として、二口目以降の年金単位に係る分について算定したものをいう。
オ 二口目以降に係る期中収支元本平残
前記エに掲げる各収入(二口目以降の年金単位に係る分に限る。)に、その収入のあった日から当該事業年度末までの日数を当該事業年度の期初から期末までの日数(以下「期中日数」という。)で除した率を乗じた額の合計額から、前記エに掲げる各支出(二口目以降の年金単位に係る分に限る。)に、その支出のあった日から当該事業年度末までの日数を期中日数で除した率を乗じた額の合計額を控除した額をいう。
カ 基準収益
資産の数理的評価額の算定において、基金においてあらかじめ定めた数理的評価の方式に応じて、当該事業年度の基準収益として次の4に定めるところにより算定される額をいう。
キ 時価ベース収益
当該事業年度の損益計算書における運用収益から信託報酬・保険事務費・共済事務費・投資顧問料、運用コンサルティング料及び運用損失の合計額を控除した額に当年度共同運用準備金のうち当年度の収益部分の額を加えた額をいう。
ク 簿価ベース収益
当該事業年度末の固定資産(給付確保資産を除く。)の時価から簿価を控除した額(以下「固定資産の評価損益」という。)から、その前事業年度末の固定資産の評価損益を控除した額を、当該事業年度の時価ベース収益から控除した額をいう。
ケ キャピタルゲイン
当該事業年度の簿価ベース収益のうち、資産取引に起因する損益の合計額をいう。
コ 時価ベース利回り
当該事業年度の時価ベース収益を前事業年度末の固定資産(給付確保資産を除く。)の額及び当該事業年度の二口目以降に係る期中収支元本平残の合計額で除した率に、三六五を当該事業年度の期中日数で除した率を乗じた率をいう。
サ 時価との許容乖離幅
固定資産(給付確保資産を除く。)の財政運営上の評価額と時価の乖離幅に関し、その許容範囲を時価の一定割合として基金においてあらかじめ定めた率(以下「許容乖離率」という。)を、当該事業年度末における固定資産(給付確保資産を除く。)の時価に乗じた額をいう。
2 財政運営上の資産の評価
(1) 固定資産(給付確保資産を除く。)の財政運営上の評価額(以下「評価額」という。)は、次の各号および次の3~5に定めるところにより、基金においてあらかじめ定めた資産評価の方法により評価した額とすること。
ア 評価の方式
固定資産(給付確保資産を除く。)の財政運営上の評価の方式は、時価による方式、時価を基準としつつその短期的な変動を平滑化する数理的評価による方式、または数理的評価額と時価のいずれか低い方の額による方式のいずれかとすること。
イ 平滑化期間
数理的評価額の算定における平滑化期間は、五年以内の期間とすること。
ウ 時価との乖離
固定資産(給付確保資産を除く。)について、前記アとイに定めるところにより基金においてあらかじめ定めた方式による数理的評価額が時価との許容乖離幅を超えて時価から乖離した場合には、その評価額は、当該許容乖離幅に相当する額を時価に加えた額または時価から控除した額のうち、当該方式による評価額に近い方の額(財政運営上の評価の方式を数理的評価額と時価のいずれか低い方の額による方式としている場合において、数理的評価額が時価を上回っているときには時価)とすること。
(2) 固定資産(給付確保資産に限る。)の額は、一口目の年金単位に係る責任準備金と同額とすること。
3 数理的評価の方式
数理的評価の方式は、当分の間、次の4の各号に掲げる方式のいずれかとし、次の各号に掲げる額の合計額を数理的評価額とすること。この場合において、次のウに掲げる額は、基金においてあらかじめ定めた数理的評価の方式に応じて、次の4に定めるところにより算定した額とすること。
また、基金設立後最初に行う決算における数理的評価額は、数理的評価の方式の如何にかかわらず、当該決算の基準日における時価とすること。
ア 前事業年度末の数理的評価額
イ 当事業年度の二口目以降に係る期中収支差
ウ 当事業年度の基準収益
エ 当事業年度を基準とする平滑化期間の各事業年度における時価ベース収益から基準収益を控除した額の合計額を平滑化期間で除した額
4 基準収益
ア 時価移動平均方式
各事業年度の基準収益は、その事業年度の簿価ベース収益からキャピタルゲインを控除した額とすること。ただし、基金においてあらかじめ定めている場合には、各事業年度の基準収益を零とすることができること。
イ 収益差平滑化方式
各事業年度の基準収益は、その前事業年度末の数理的評価額とその事業年度の期中収支元本平残の合計額に、その事業年度を基準とする平滑化期間に属する各事業年度の時価ベース利回りの単純平均を乗じた額とすること。
ウ 評価損益平滑化方式
各事業年度の基準収益は、その事業年度の簿価ベース収益に相当する額とすること。
5 許容乖離率
許容乖離率は、一五%を上限として、基金においてあらかじめ定めること。
6 評価方法の決定と変更
前記2~5に定めるところにより、評価の方式並びに数理的評価の方式を用いる場合にはその方式(時価移動平均方式における基準収益の算定方法を含む。)、平滑化期間及び許容乖離率(以下「資産評価の方法」という。)を基金においてあらかじめ定めるとともに、次の各号に掲げる事由に該当する場合を除き、一旦定めた資産評価の方法を継続的に用いること。また、資産評価の方法の決定および変更は、年金数理人の助言を踏まえて行うこと。
ア 運用の基本方針を大幅に変更するとき
イ その他、資産評価の方法を変更する合理的な理由があるとき
第四 責任準備金の評価方法は、次によること。
1 責任準備金として評価すべき範囲
責任準備金は、給付現価から、収入現価を控除することにより算出する方法(将来法)によるものとし、給付現価、収入現価の計算対象の範囲は、次のとおりとすること。
(1) 加入員(加入員として扱う年金単位)
決算時において現に加入員である者の年金単位
(2) 資格喪失者(資格喪失者として扱う年金単位)
加入員の資格を喪失した者のうち、決算時において基金に支給義務のある者の年金給付の始まっていない年金単位
(3) 年金受給者(年金受給者として扱う年金単位)
決算時において、年金給付中の年金単位(決算時まで生存が確認されていない者の年金単位も含む。)
2 責任準備金の評価方法(責任準備金明細書の記入要領を含む。)
(1) 財政方式は、直近の財政再計算時(再計算をしていない基金にあっては、基金設立時。以下同じ。)に採用した方式によること。
(2) 年金単位の区分ごとに計算すること。
(3) 基金年金、加算年金ごとに計算すること。
(4) 予定利率及び予定死亡率は、年金数理人の助言を踏まえ、直近の財政再計算に用いた数値を基準として合理的に定めること。
(5) (4)以外の計算基礎数は、決算時における実績値によること。
(6) 給付額は、既に受給権の裁定が行われた年金単位については裁定額とし、その他の年金単位については規約に基づき計算される額とする。
(7) 掛金収入の現価は、決算時における加入員に係る掛金収入の現価とすること。
(8) 国庫負担金の現価は、国民年金法の一部を改正する法律(昭和六〇年法律第三四号)附則第三四条第四項に定める額を国庫負担金とした場合の現価とすること。
(9) 「責任準備金」は、基本型と付加型を区分して、「給付現価」の合計額から「収入現価」の額を控除した額とすること。
(10) 給付現価、収入現価及び責任準備金は、千円未満を四捨五入して千円単位とすること。
第五 危険準備金の評価方法は、次によること。
別に定める額に達するまでの間、毎事業年度の剰余金のうち繰越不足金充当後の残余の一〇分の一以上を危険準備金として積み立てること。
第六 前記第五の定めるところにより危険準備金を積み立てた後、なお、残余があるときは、これを別途積立金若しくは給付改善準備金として積み立て、又は翌事業年度以降において給付に充てるため責任準備金に繰り入れること。
なお、給付改善準備金へ積み立て、又は翌事業年度以降において給付に充てるため責任準備金に繰り入れる際には、運用環境の長期的見通しや現在の基金の財政状況を踏まえ、将来にわたる財政の安定に特段の配慮を行うこと。
第七 決算上の不足金が生じたときは、別途積立金を取り崩してこれに充て、なお不足があるときは、翌事業年度にこれを繰り越すこと。
第八 別途積立金は、前事業年度から繰り越された不足金の補てんに充てるほか、次の費用に充てるため取り崩すことができること。なお、別途積立金の取り崩しの可否及び取り崩し額は、運用環境の長期的見通しや現在の基金の財政状況を踏まえ、将来にわたる財政の安定に特段の配慮を行うこと。
この場合、別途積立金の処分を示した書類(様式第12号)を作成し、前記第一に定める決算に関する書類と併せて厚生大臣に提出すること。
(1) ボーナス給付に充てるため責任準備金に繰り入れる費用
(2) 給付改善準備金の積み立てに要する費用
(3) 危険準備金の積み立てに要する費用
第九 勘定科目は、別記勘定科目説明によること。
別記 勘定科目説明
(様式第1号)
(様式第2号)
(様式第3号)
(様式第4号)
(様式第5号)
(様式第6号)
(様式第7号)
(様式第8号)
(様式第9号)
(様式第10号)
(様式第11号)
(様式第12号)
