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○国民年金基金及び国民年金基金連合会の財務及び会計に関する省令の施行について
(平成三年二月二七日)
(年発第一、二二七号)
(各都道府県知事あて厚生省年金局長通知)
国民年金法等の一部を改正する法律(平成元年法律第八六号)による改正後の国民年金基金制度の施行については、平成二年一二月一九日付けで当職より通知したところであるが、同通知第五の七において、おって別に厚生省令を定めることとしていた基金の財務及び会計に関する事項について、国民年金基金及び国民年金基金連合会の財務及び会計に関する省令(平成三年厚生省令第九号)が平成三年二月二七日公布されたところである。
ついては、この省令の施行に当たっては、次の事項を十分了知のうえ、国民年金基金制度の施行に遺憾のないよう配慮されたい。
第一 総則的事項
1 国民年金基金(以下「基金」という。)は、その事業の財務状態及び経営成績を明らかにするため、財産の増減及び異動並びに収益及び費用をその発生の事実に基づいて経理しなければならないこと。(第一条)
2 基金の経理については、次によること。(第二条から第四条まで)
(1) 年金経理と業務経理に区分し、年金経理は年金及び一時金に関する取引を経理し、業務経理は事務費など年金・一時金以外の取引を経理すること。なお、福祉施設を行う場合等必要に応じて、業務経理の会計を区分すること。
(2) 各経理単位においては、資産勘定、負債勘定、基本金勘定、費用勘定及び収益勘定を設けること。また、勘定科目については、おって定めるところによること。
(3) 業務経理から年金経理へ資金を繰り入れてはならないこと。
(4) 年金経理における運用収益の一部は、業務経理に繰り入れることができること。なお、繰入れの実施細目については、おって定めること。
3 基金の資産の保管は、その性質に応じ適切な方法によらなければならないこと。(第五条)
4 基金は、原則として、債権の放棄又は効力の変更をし、又は資産を適正な対価なくして譲渡等してはならないこと。(第六条及び第七条)
第二 予算
1 予算は、予算総則並びに各経理単位ごとの収入支出予算、予定損益計算書及び予定貸借対照表とし、予算の認可申請においては、事業計画書を添付すること。(第八条第一項及び第九条第一項)
2 予算関係書類については、次によること。
(1) 予算総則には、予算に関する総括的規定を設けるほか、人件費及び物件費の最高限度額等の規定を設けること。(第九条第二項)
(2) 収入支出予算は、収入にあってはその性質、支出にあってはその目的に従って区分すること。(第一〇条)
支出予算の予備費の設定、予算の流用及び予算の繰越については、一定の範囲内で行うことができること。(第一一条から第一三条まで)
(3) 予定損益計算書には、前々事業年度における実績を基礎とし、前事業年度及び当該事業年度における推計を表示しなければならないこと。(第九条第三項)
(4) 予定貸借対照表には、前々事業年度における貸借対照表を基礎とし、前事業年度の末日及び当該事業年度の末日における推計を表示しなければならないこと。(第九条第四項)
(5) 事業計画書には、加入員数、受給者数その他の事項を記載すること。(第八条第二項)
3 予算の認可申請は、事業年度開始の一月前までに行うこと。ただし、初年度については、設立認可申請と同時に行うこと。(第八条第一項及び第五項)
4 なお、各基金の予算編成方針及び具体的な予算関係書類の内容については、おって定めるものであること。
第三 決算
1 基金が貸借対照表等の決算関係書類を厚生大臣に提出するときは、責任準備金の額の明細を示した書類その他の財務諸表等を添付しなければならないこと。(第一四条)
2 決算上の剰余金の処理等については、次によること。(第一七条及び第一八条)
(1) 年金経理における決算上の剰余金は、繰越不足金があるときはその補てんにこれを充て、次に、厚生大臣の定めるところにより危険準備金を積み立て、なお残余があるときは、翌年度以降においてこれを給付に充てるものとすること。
(2) 年金経理における決算上の不足金は、翌事業年度にこれを繰り越すものとすること。
(3) 危険準備金の取崩しは、厚生大臣の定めるところにより行うことができること。
(4) (1)及び(3)の危険準備金の積立て及び取崩しについては、おって定めるものであること。
(5) 業務経理における決算上の剰余金又は不足金は、翌年度にこれを繰り越すものとすること。
3 なお、決算関係書類の内容、危険準備金の積立て及び取崩し並びに剰余金を給付改善に充てる際の基準その他の具体的な決算手続等については、おって定めるものであること。
第四 その他の事項
1 基金の業務上の余裕金の運用は、国民年金基金令(平成二年政令第三〇四号)第三〇条第二項に規定する銀行預金及び郵便貯金のほか、金融機関への預金、金銭信託等によること。(第一五条)
2 借入金の承認の申請は、必要とする理由、額、借入先等を記載した申請書を提出することにより行うこと。(第一六条)
3 基金は、その財務及び会計に関して規程を定め、これを厚生大臣に届け出なければならないこと。(第一九条)
4 国民年金基金連合会についても基金についての規定と同様とし、基金の規定を準用するとともに必要な読み替えを行うこと。(第二〇条)
5 国民年金基金規則(平成二年厚生省令第五八号)について、年金等の受取機関に郵便局を加えるとともに、年金数理人の確認書類に決算関係書類等を追加する等の所要の改正を行うこと。(附則第二条)