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○難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律の公布について(国民年金関係)

(昭和五六年六月二五日)

(庁保発第一七号)

(各都道府県知事あて社会保険庁年金保険部長通知)

難民の地位に関する条約等への加入に伴う出入国管理令その他関係法律の整備に関する法律(以下「難民条約関係整備法」という。)が、昭和五六年六月一二日法律第八六号をもつて公布された。

難民条約関係整備法は、難民問題に対するわが国の国際協力を一層促進するという見地から難民の地位に関する条約及び難民の地位に関する議定書(以下「難民条約」という。)に留保を附すことなく加入することとしたことに伴い、出入国管理令(昭和二六年政令第三一九号)の一部を改正して難民の認定手続等を定めたほか、社会保障に関し難民条約に定める内国民待遇を実現する必要があるが、難民に限つて措置することは公平の観点から適当でないので、他のすべての外国人(日本国内に住所を有する者であつて、日本国の国籍を有しないものをいう。以下同じ。)に対し措置することとし、国民年金法(昭和三四年法律第一四一号)等における国籍要件を撤廃して内国民待遇を与える措置を講じたものである。

難民条約関係整備法における国民年金の改正要旨は、次のとおりであるので、市町村等に対し改正内容の周知徹底を図ることとし、特に、外国人に対し国民年金制度の趣旨及び改正内容について周知徹底を図り、制度に対する十分な理解が得られるようきめ細かな配慮を行うことについて遺憾のないよう配意されたい。

なお、難民条約関係整備法の施行に伴う事務処理等の細目及び当庁で行う広報については、別途通知する予定であるので、念のため申し添える。

第一 拠出年金に関する事項

被保険者の資格に関する要件のうち国籍要件を撤廃するとともに、これに伴い資格取得及び資格喪失の時期について所要の改正を行うものであること(国民年金法第七条、第八条、第九条及び附則第六条)。

これにより、難民条約関係整備法の施行後においては、日本に住所を有する外国人のうち被用者年金制度の加入対象とならない二○歳以上六○歳未満の者は日本人と同様に強制加入の対象となるものであること。また、被用者年金制度に加入している者の外国人である配偶者等は任意加入の対象となるものであること。

なお、今回の改正は、難民条約に定める内国民待遇を実現するために必要な限度の措置を講じる観点から国籍要件を撤廃したものであり、新たに適用対象となる外国人に対して老齢年金等の受給資格の短縮等の特例措置は一切講じられていないものであること。

第二 福祉年金に関する事項

福祉年金の支給及び失権の要件のうち、国籍要件を撤廃するものであること(国民年金法第五六条、第五七条、第五九条、第六一条、第六四条、第六四条の三、第六四条の四、第七九条の二、第七九条の三、第七九条の四及び第七九条の五)。

これにより、被保険者の資格取得後に発生した障害、夫等の死亡にかかる保険事故に対しては、それぞれ障害福祉年金、母子(準母子)福祉年金の支給対象となり、また、二○歳前に障害となつた者に支給される障害福祉年金については、難民条約関係整備法の施行日以降に二○歳に達する者が支給対象となるものであること。

なお、老齢福祉年金については、経過的な制度であり、本年四月以降は補完的老齢福祉年金を除き日本人であつても新たに受給権を取得する者が生じないものであり国籍要件を撤廃しても外国人に支給されることとはならないものであること。

第三 施行期日等に関する事項

難民条約関係整備法の施行期日は、「難民条約が日本国について効力を生ずる日から施行する」と同法附則第一条に定められているところであるが、外国人に対し改正内容の周知徹底を図り、制度に対する理解を十分に得る等のための準備期間が必要であるので、昭和五七年一月一日が予定されているものであること。

なお、難民条約関係整備法の施行に伴う被保険者資格取得届等にかかる受付等の事務は、同法施行日以降に行うものであること。