アクセシビリティ閲覧支援ツール

○国民年金法施行令の一部を改正する政令等の施行に伴なう実施事務の取扱について

(昭和四八年一二月二六日)

(庁保険発第二九号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて社会保険庁年金保険部国民年金課長通知)

厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四八年法律第九二号。以下「改正法」という。)の施行に伴い、国民年金法施行令、国民年金法施行規則、国民年金印紙の売りさばきに関する省令、国民年金印紙の形式を定める等の件、国民年金社会保険事務所事務取扱準則及び国民年金市町村事務取扱準則がそれぞれ改正され、この実施について社会保険庁年金保険部長から都道府県知事あて通知(昭和四八年一二月二六日庁保発第三○号)されたところであるが、なお、細部の事務取扱いは次により行なうこととしたので遺憾のないよう取り計らわれたい。

第一 既裁定年金の年金額の改定事務

1 年金額の改定

昭和四九年一月一日前に障害年金、母子年金、準母子年金、遺児年金又は寡婦年金の受給権を取得し、同日まで引続きその受給権を有する者に係る年金額の改定は、職権により次のとおり行なうものであること。

(1) 国民年金受給権者台帳の整理

国民年金受給権者台帳(以下「受給権者台帳」という。)により年金額の改定を要する者について調査確認を行ない、次により受給権者台帳の整理を行なうこと。

ア 年金額の「改定」欄の「改定事由該当年月日」欄に/「(法改正)/四九・一・一/」と、「基本額」及び「年金額」欄に改定後の金額をそれぞれ記入する。

イ 年金額の「各期支払額」欄に、各支払期月における支払額を記入する。

ウ 年金支払記録の昭和四九年三月支払期の「支給金額」欄にあらかじめ同支払期に支払うべき金額を計算のうえ、昭和四九年三月期の支給決定の際誤りのないよう鉛筆書きで記入する。

エ 当該受給権者台帳が給付に係る国庫負担を要する者のものであるときは、あわせて次の処理を行なう。

(ア) 年金額の「各期国庫負担額」欄に改定後の各期支払額に国庫負担率を乗じて得た額を記入する。

(イ) 年金支払記録の昭和四九年三月支払期の「国庫負担額」欄にあらかじめ同支払期に支払うべき金額に係る国庫負担額を鉛筆書きで記入する。

(2) 年金額改定票及び年金額改定通知書の作成

受給権者台帳の整理後、年金額改定票(控)、年金額改定票及び年金額改定通知書を作成したうえ受給権者台帳により記載事項を確認するとともに、年金額改定票(控)により年金額の改定に関する決裁手続きを行なうこと。

なお、年金額改定票(控)、年金額改定票及び年金額改定通知書は、当庁において印刷のうえ管理換する予定であること。

2 年金額改定票及び年金額改定通知書の交付

年金額改定票及び年金額改定通知書(以下「改定票等」という。)は、受給権者に対し、次の方法により交付すること。

(1) 昭和四九年三月支払期の支払が当地払でなされるときは、国民年金支給通知書にあわせて送付するか又はその支払を行なつたとき手渡すこと。

(2) 昭和四九年三月支払期の支払が隔地払でなされるときは、国庫金送金通知書又は国庫金振込通知書にあわせて送付すること。

(3) 年金の支給が停止されているときは、改定票に支給停止事由が解除後、改定後の額により支給される旨を付記し、ただちに当該受給権者に送付すること。

なお、寡婦年金について六○歳未満であることによる支給停止者の場合は直ちに改定票を送付しても実態に変動がないので、支給停止が解除の時点で送付するものとすること。

3 昭和四八年一一月三○日以前に受給権が発生している障害年金、母子年金、準母子年金、遺児年金について昭和四九年一月一日以後において裁定された場合における年金額の改定の取扱いは、国民年金証書の「改定年金額」欄に改定後の年金額、改定年月及び改定理由「昭和四八年法律第九二号改定」と記載することにより行なうものであること。

なお、寡婦年金については、支給開始年月欄の下部に、「昭和四九年一月から改定年金額○○○円(法律改正)」と表示すること。

第二 保険料の特例納付の事務

1 一般的事項

(1) 改正法附則第一八条による保険料納付の特例(以下「特例納付」という。)にあたつては、前回における特例納付実施結果を再検討して効果的な実施方法を策定すること。

(2) 今回の特例納付は、時効消滅した保険料を納付しないと老齢年金の受給資格要件を満たしえない者(以下「特例納付勧奨者」という。)を重点に実施すること。また、大都市等を中心に存在すると考えられる未適用者の解消対策も、この特例納付を利用して促進されたいこと。

(3) 特例納付の実施にあたつては、事前に実施方法等について市町村と十分協議して行なうこと。

(4) 本年度における未納保険料の個別督励計画等は、特例納付の実施計画を勘案して策定すること。

2 特例納付対象者の把握

(1) 特例納付をすることができる者を、被保険者台帳等により把握して実施すること。

(2) 前記のうち、特別納付勧奨者については、勧奨者カード等を作成すること。

なお、勧奨者カード等は、対象被保険者についての勧奨状況欄を設けて経過を記載しておくこと。

3 市町村及び民間地区組織等の協力依頼

(1) 市町村に勧奨者カードの写を送付してその協力を求めること。

(2) 民間地区組織の関係者に対する改正法の内容等の説明会において、再度特例納付を実施するに至つた経緯、内容等について説明し理解を得るよう努めること。

4 特別納付勧奨者に対する納付書等の送付

(1) 特別納付勧奨者全員について、原則として各年度一回以上、納付書等を送付すること。

(2) 納付書等の送付の際には、特例納付の趣旨、年金受給権との関連、納付の方法及び事後の保険料の自主納付等について、わかり易い説明書等を同封すること。

5 保険料特例納付の申出

被保険者又は被保険者であつた者から特例納付の保険料(以下「附則(18)保険料」という。)について納付の申出があつたときは、大蔵省令に定める納付書によつて納付させること。

なお、納付書を発行するときには、領収済通知書に[附18条]と表示すること。

6 被保険者台帳の記録

附則(18)保険料の納付があつた場合の被保険者台帳の記録は、次によること。

(1) 更新前の被保険者台帳の場合

ア 附則(18)保険料が昭和三六年度分又は昭和三七年度分であるときは、「備考」欄にの印を押し、各該当月欄に[附18条]と表示するとともに、「旧台帳保険料納付状況」欄の納付月数を訂正すること。

なお、当該年度分が一括して納付されたときは、の印にかえ、と表示して差し支えないこと。

イ 附則(18)保険料が昭和三八年度以降の年度分であるときは、当該年度欄の各該当月欄に[附18条]と表示するとともに、「旧台帳保険料納付状況」欄又は「進達」の納付月数を訂正すること。

(2) 更新後の被保険者台帳の場合

ア 附則(18)保険料が昭和四六年度以前の年度分であるときは、「備考」欄に[  年  月から  年  月まで (附18条)]と表示するとともに「保険料納付状況」欄の納付月数を訂正すること。

イ 附則(18)保険料が昭和四七年度分であるときは、当該年度欄の各該当月欄に[附18条]の表示をするとともに、「進達」欄の納付月数を訂正すること。

7 歳入徴収事務等

附則(18)保険料に係る歳入徴収事務及び諸報告等については、次によること。

なお、歳入徴収事務については、社会保険庁長官官房経理課長と協議済であること。

(1) 附則(18)保険料の歳入の所属年度は、当該保険料を領収した日の属する年度であること。

(2) 附則(18)保険料の調査決定は、収入事務取扱要領(以下「収入取扱要領」という)様式第12号の国民年金保険料調査決定決議書により行なうこと。この場合、同議決書の「内訳」欄に「附則(18)保険料」の欄を設け、その内容を明らかにすること。

(3) 領収済報告書集計表(収入取扱要領様式第36号)及び収納済額日計表(収入取扱要領様式第37号の(2))の「科目」欄には、「附則(18)保険料」の欄を設け、その内容を明らかにすること。

(4) 国民年金保険料現金領収証書の記載にあたつて附則(18)保険料があるときは「備考」欄にその旨記入すること。

(5) 附則(18)保険料の収納報告については、国民年金保険料収納状況・印紙売りさばき状況報告書の第1表~2(未納保険料徴収状況)の「未納保険料」欄及び「収納済」欄にそれぞれ含めることとし、また、元所属年度別未納保険料収納内訳書には、現年度分として、「未納保険料」欄及び「収納済」欄に記入すること。

8 特例納付実施状況等の報告

(1) 特別納付勧奨者数等

ア 昭和四九年八月末日現在数

様式1により、昭和四九年一○月末日までに報告すること。

イ 昭和五○年一二月末日現在数

様式2により、昭和五一年二月末日までに報告すること。

(2) 附則(18)保険料の収納状況

様式3により、毎月分を翌月二○日までに報告すること。

様式1

様式2

様式3

画像4 (50KB)別ウィンドウが開きます

画像5 (64KB)別ウィンドウが開きます

画像6 (68KB)別ウィンドウが開きます

画像7 (16KB)別ウィンドウが開きます

第三 前納保険料の充当事務

五年年金被保険者を除き、昭和四九年一月以後の月分について前納している旨の表示のある者(以下「充当対象者」という。)について、その被保険者台帳を抽出し次により処理すること。

なお、前納期間の終期が昭和四九年三月以前である者については、不足分を納付させることにより充当の処理を省略してもさしつかえないこと。

1 充当月分の算出方法

(1) 昭和四九年一月の時点において、次の例により充当月分を算出すること。

(例1) 定額保険料550円を昭和50年3月分まで前納している場合

(49.1月~50年 )

(3月までの月数)

550円×  15月   =8,250円

(49.1月改訂後)

(保険料    )(充当月数)

8,250円÷  900円  =9か月分

…………150円残

(例2) 60歳までの全期間を前納している場合

(49.1月~      )

100円又は150円×(          )÷900円=充当月数

(60歳到達月までの月数)

(2) 所得比例保険料をあわせ前納している場合の充当方法は、定額保険料と所得比例保険料とを合算して行なうこと。

(例1) 定額保険料550円と所得比例保険料350円を、昭和50年3月分まで前納している場合

(49.1月~50.3月)

(までの月数   )

900×   15月   =13,500円

(49.1月改定後 )

(保険料    )(充当月分)

13,500円÷  1,300円  =10か月分

…………500円残

(例2) 60歳までの全期間前納者が、昭和50年3月まで所得比例保険料を前納している場合

○ 昭和50年3月までと、昭和50年4月以降分とは別計算とすること。

ア 昭和50年3月まで……前記(2)の例1と同様に、充当月数及び端数金額を算出すること。

イ 昭和50年4月以降

〔100円又は150円×(50.4月~60歳到達月までの月数)+アの計算による端数金額〕÷900円=充当月数

2 被保険者台帳の記録

(1) 更新前の被保険者台帳の場合

ア 被保険者台帳の「摘要」欄に[48法 月充当残  円]の印及び上部余白に[  年  月分から  年  月分までみなし免除期間]の印を押印し、充当月及び残額、みなし免除期間を記入すること。この場合において、[  年  月分から  年  月分まで差額保険料]の表示あるものについては、これを補正することにより、みなし免除期間の表示にかえることができること。

イ 被保険者台帳の保険料に関する記録欄(以下「納付記録欄」という。)は、充当された月については[充](所得比例保険料と合わせて充当された月については[附充])の印を押引すること。

ウ 被保険者台帳の従前の前納記録は抹消するとともに、昭和四八年一二月以前の月分(納付記録の進達が行なわれていない年度に限る)について、[納]の表示をすること。ただし、差額未納の月分については[差額未納]、差額免除の月分については[差額免除]の表示をすること。

エ 被保険者台帳の左上部欄外に押印してある[  年  月から  年  月まで差額保険料]を朱線で抹消すること。なお、補正してみなし免除期間の表示にかかる場合はこの限りでないこと。

(2) 更新後の被保険者台帳の場合

前記(1)に準じて行なうこと。この場合[  年  月分から  年  月分までみなし免除期間]の印は「備考」欄に押印すること。

(3) 前記(1)又は(2)の処理を行なつた被保険者台帳は、通常の配列に戻し整理保管すること。

3 前納整理簿等の整理

前記2により被保険者台帳の処理を終えたときは、前納整理簿及び検認実施月数整理簿を整理すること。

4 充当対象者連名簿の作成及び市町村への通知

充当対象者について、国民年金手帳の記号番号、氏名、充当月分、保険料を納付することとなる期間(以下「充当されなかつた期間」という。)等を記載した連名簿を市町村別に作成して、当該市町村に送付すること。

5 充当対象者への通知

充当対象者について、充当月分、充当されなかつた期間、納付方法等を記載した充当通知書を市町村を通じて送付すること。この場合、年金額の大幅引上げと保険料改定の必要性、充当の趣旨、爾後の保険料納付の必要性等を充当通知書に付記する等により周知すること。

6 充当されなかつた期間の保険料納付

(1) 充当されなかつた期間に係る保険料は、一般の保険料と同様の納付方法により納付することとなること。

(2) 充当対象者が、法による検認を行なつている市町村に係る被保険者であつて、国民年金手帳に国民年金印紙を貼付する余白がない場合は、当該手帳を更新交付すること。

7 債権管理

前記6による充当されなかつた期間については、時効完成の時点まで一般の保険料と同様な債権管理を行なうものであること。

なお、時効完成したときは、当該債権額を消滅額として整理すること。

8 充当処理に伴う報告の取扱い

充当処理の結果前納月数が短縮されることに伴い、国民年金事業状況表の検認実施状況欄、国民年金検認状況報告書の前納月数欄、国民年金差額保険料関係報告書の第一表前納月数欄について、昭和四九年一月分において修正すること。

第四 五年年金被保険者についての差額保険料の事務

1 差額保険料を納付すべき者の把握等

昭和四九年一月以後の月分について前納している旨の表示ある者について、その被保険者台帳を抽出し、次により処理すること。

(1) 被保険者台帳の左上部欄外に[昭和  年  月分から昭和  年  月分まで差額保険料]の印を押し、差額保険料(改正法附則第一六条第一項に規定する保険料をいう。以下同じ。)を納付すべき期間を表示すること。

(2) 差額保険料を納付すべき者については、国民年金手帳の記号番号、氏名、差額保険料を納付すべき期間及び差額保険料の額を記載した連名簿を市町村別に作成し、これを市町村に送付すること。

2 差額保険料の納付等についての被保険者への通知

差額保険料を納付すべき者に対しては、年金額の大幅引上げと保険料改定の必要性、差額保険料の納付の必要性、その納付すべき額及び期間、納付方法等を周知徹底せしめられたいこと。

3 差額保険料の納付

(1) 差額保険料は、次の(2)により前納する場合を除き、一般の保険料と同様の納付方法により納付するものであるが、現金前納をしている者に係る差額保険料については、納付の簡便化及び現金前納を補完する性格のものであること等を考慮して納付書により納付させても差し支えないこと。

(2) 差額保険料については、前納告示により昭和四九年一二月までの期間について前納することができるものであり、前納する期間に応じた前納額については、同告示に定められていること。

4 差額手帳の作成交付

(1) 法による検認を行なつている市町村にかかる差額保険料を納付すべき者については、差額保険料を納付するための国民年金手帳(以下「差額手帳」という。)を作成し交付すること。

(2) 差額手帳は、昭和四八年度から使用できる国民年金手帳を用い、次のように作成すること。

ア 表紙にはの印を押印し、差額保険料を納付すべき期間を記入すること。

イ 差額保険料を納付すべき年度の検認台紙には、当該検認台紙の記号番号の下部余白にの印を押印し、差額保険料を納付すべき期間及び金額を記入すること。

ウ 差額保険料を納付すべき月と一般の保険料を納付する月とを区分するため、差額保険料を納付すべき最後の月の属する年度の検認台紙及び検認記録欄の差額保険料を納付すべき最後の月に「差額終了」と朱書しておくこと。

エ 差額保険料を納付すべき月分の保険料の納付が完了し、差額手帳に国民年金印紙を貼付する余白があるときは、一般の保険料の納付について使用すること。

5 その他

前記1から4以外の事項の取扱いについては、昭和四五年六月一○日庁保険発第一九号通知第六(差額保険料の事務)の5から8に準じて行なうこと。

なお、国民年金差額保険料関係報告書(年二回)は提出を要しないこと。