添付一覧
○国民年金の老齢年金および通算老齢年金の裁定請求書の処理等について
(昭和四六年一〇月一八日)
(庁業発第一三三八号)
(各都道府県民生主管部(局)国民年金課(部)・社会保険事務所長あて社会保険庁年金保険部業務課長通知)
国民年金の老齢年金および通算老齢年金に関する事務については、本年八月二四日庁保発第一四号をもつて年金保険部長から都道府県知事あて通知されたところである(以下この通知を「部長通知」という。)が、これに関連する年金の支給の繰上げについては、制度の趣旨が十分周知されていないため、年金の裁定が行なわれた後事務上の手違い等を理由にその取消しを求める事例があり、また、現在までに行なつた裁定処理においては、裁定請求書の記載内容が不備等のため事故となる事例が多く、その結果として、迅速かつ正確な裁定を行なううえに支障をきたしている場合もあるので、裁定請求書の受理及びその記載内容の点検補正にあたつては、次の事項を留意のうえ遺憾のないよう取り扱われたい。
なお、管下市町村の指導および受給権者等への周知についてもよろしく取り計らわれたい。
1 支給の繰り上げに関する取扱いについて
支給の繰上げを請求する者については、次の事項を周知させるとともに、社会保険事務所および市町村においては、支給繰上げについての請求者の意志を十分に確認し、裁定請求書の支給の繰上げに関する欄の記載については適確な審査を行なうこと。
なお、六五歳未満であつて支給の繰上げについての表示のない裁定請求書が多数見受けられるので、これらの裁定請求書の受付にあたつては、請求者の年齢を確認したうえ、支給の繰上げについての表示のない六五歳未満の裁定請求書に関しては、六五歳に到達した後に改めて提出するよう指導し、当該請求者に返付すること。
(1) 支給の繰上げを請求できる者は、老齢年金または通算老齢年金の受給資格要件たる期間を満たしている者であつて、六○歳以上六五歳未満の者であり、六○歳未満の者の請求または六五歳に達している者の遡及請求はできないものであること。
(2) 支給の繰上げの請求にかかる老齢年金または通算老齢年金の受給権は、裁定請求書を市町村に提出した日(以下「請求日」という。)から六五歳に達するまでの期間内で支給を希望する日(以下「希望日」という。)に発生するものであること。
また、年金の支給は、希望日の属する月から開始されるのではなく、希望日の属する月の翌月が支給開始月となるものであること。
(3) 支給の繰上げによる老齢年金または通算老齢年金の額は、本来の六五歳から受けるべき額から、希望日におけるその者の年齢に応じて一定額を減じた額であり、しかも、その額は、その者が六五歳に達した場合においても変更されないものであること。
(4) 支給の繰上げを請求し、希望日が到来したことにより受給権が発生した者が死亡した場合は、寡婦年金または死亡一時金の受給権は発生しないものであること。
2 裁定請求書の点検補正について
裁定請求書の点検補正については、社会保険事務所においては、部長通知別添1「国民年金老齢給付社会保険事務所事務取扱準則」により、市町村においては、部長通知別添2「国民年金老齢給付市町村事務取扱準則」により、取り扱われるところであるが、裁定処理の適正を期すために、さらに、次の事項に留意し取り扱うこと。
(1) 裁定請求書と被保険者台帳の氏名または生年月日が相違している場合において、市町村における審査欄にその記載がないにもかかわらず、社会保険事務所においてこれを適宜訂正しているため、裁定処理を行ない国民年金証書を交付した後受給権者から氏名または生年月日が誤つている旨の申し出を受ける事例があるので、氏名または生年月日を訂正する場合には、市町村または裁定請求者に照会し、正しい氏名または生年月日を確認したうえで処理すること。
また、市町村において点検補正を行なう場合には、被保険者名簿との照合だけでなく、戸籍簿等の公簿とも照合し、氏名および生年月日を確認するよう指導すること。
(2) 被保険者台帳により保険料の納入状況を確認し、被保険者台帳上保険料が未納の状態になつている場合には、真に未納であるか否かについて国民年金手帳等により十分に確認し、納付の事実があつた場合は、被保険者台帳の納付記録欄の整備を図るとともに、裁定請求書の納付記録欄にその旨を記載すること。
なお、追納された保険料、差額保険料、所得比例保険料および資格喪失年月日が本年五月一日以後になる者の昭和四六年度保険料にかかるこれらの納付記録については、当課への進達洩れまたは裁定請求書への記載洩れがないかについて十分注意すること。
(3) 本年八月九日庁業発第八五七号通知により被保険者台帳を別保管することとなつている者から裁定の請求があつた場合は、裁定請求者の資格記録および納付記録欄にその記録を記載するとともに、補正すべき被保険者台帳である場合には所要の補正をすること。
なお、別保管している被保険者台帳のうち、すでに事故を補正し、当課へ進達した後に裁定の請求があつた場合においても同様とすること。
(4) 年金の払渡しについての希望する金融機関または郵便局については、年金の支払いを金融機関でうけることを希望した者のうち、預金通帳の記号番号が記載されていないものまたはそれが請求者本人名義の預金通帳の記号番号でなく家族等のものと思われるものについては請求者に照会し、正しい預金通帳の記号を確認すること。
3 裁定請求書の早期進達について
点検補正の終つた裁定請求書は、滞留させることなく逐次(少なくとも週一回)進達すること。