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○障害年金受給権者等に係る障害状態の再認定について〔国民年金法〕

(昭和45年11月28日)

(庁保険発第38号)

(都道府県民生主管部(局)長あて社会保険庁年金保険部国民年金課長・社会保険庁年金保険部福祉年金課長通知)

最終改正 令和2年10月26日年管管発1026第2号

障害基礎年金、障害厚生年金等の受給権者等(以下「受給権者等」という。)に係る障害の状態の再認定については、国民年金法施行規則(昭和35年厚生省令第12号)第36条の4、厚生年金保険法施行規則(昭和29年厚生省令第37号)第51条の4等に基づき行うこととされているところであるが、再認定の実施の要否及び再認定を実施する場合の実施時期については、下記により取り扱うこととしたので通知する。

1 障害の状態が永続的に国民年金法施行令(昭和34年政令第184号)別表又は厚生年金保険法施行令(昭和29年政令第110号)別表第1(以下「政令別表」という。)に該当する状態(以下「永久固定」という。)であると認められる場合にあっては、障害の状態についての再認定は原則として要しないものであること。

2 障害の状態が永久固定であると認められない場合は、受給権者等の症状に応じ、障害認定日、事後重症請求に係る請求日又は再認定に係る障害状態確認届(障害の現状に関する医師又は歯科医師の診断書をいう。以下同じ。)の提出期限から1年以上5年以内の期間(以下「更新期間」という。)を設定し、更新期間が満了する日の属する年における受給権者等の誕生日の属する月の末日までに受給権者等に障害状態確認届を提出させて、再認定を実施すること。

3 更新期間は、原則として、以下の点を参酌しつつ、障害認定医の医学的判断に基づき決定すること。

(1) 次の①又は②の場合は、5年を目安として更新期間を設定すること。

① 受給権者等の症状の変化が想定されにくい場合

② 政令別表に該当する障害の状態が5年程度は継続される蓋然性が高いと判断される場合

(2) 参考までに更新期間を5年と設定することが妥当と考えられる症例を示せばおおむね次のとおりであること。

① 視力障害関係

ア 前眼部障害

角膜乾燥症、パンヌス、角膜片雲、角膜白斑、虹彩後癒着症

イ 中間透光体障害

白内障(手術効果があまり期待できないもの)

ウ 眼底障害

高度近視、緑内障

② 聴力障害関係

ア 伝音難聴

耳硬化症、偽耳硬化症、外耳道閉鎖症、中耳炎後遺症、慢性中耳炎

イ 混合難聴

慢性中耳炎(非穿孔性を含む。)

③ 肢体不自由関係

ア 関節運動範囲の障害

関節リウマチ、結核性関節炎、化膿性関節炎、強直性脊椎炎による関節強直、瘢痕拘縮、骨髄炎、変形性関節症、骨折後遺症による関節運動制限

イ 変形又は骨支持性の障害

長管骨仮関節、変形治癒骨折

④ 内部障害関係

ア 常時排菌のある広汎空洞型肺結核あるいは代償不能性心不全等症状が極めて重篤で回復の見込みの非常に少ないもの

イ 人工透析療法施行中のもの

⑤ 精神障害関係

ア 精神障害

(ア) 重症の状態にあり、かつ、その状態が2~3年程度続いている統合失調症

(イ) 毎年病相期が発現している双極性感情障害(そううつ病)

(ウ) 前記統合失調症及び双極性感情障害(そううつ病)に準ずる程度の非定型精神病

(エ) 難治性の真性てんかん及び症候性てんかん

(オ) 症状性を含む器質性精神障害で、指導・訓練によって日常生活能力の回復が期待できるもの

イ 知的障害

指導・訓練によって日常生活能力の著しい向上が期待できるもの

(3) 新規認定に際しては、まずは、障害の状態が永久固定に該当すると認められるかどうかを判断し、該当すると認められない場合には、(1)及び(2)に即して、更新期間を5年と設定するかどうかを判断すること。

このいずれにも該当しない場合は、3年又は2年を目安となる基準年数とした上で、受給権者等の症状の変化や審査が必要となる頻度を勘案して、更新期間を設定すること。なお、受給権者等の症状や年齢等から、短期間のうちに状態が改善する可能性が高いと判断される場合は、更新期間を1年とすることも視野に入れて検討を行うこと。

(4) 再認定に際しては、複数回の再認定を通じて障害等級の変更がない場合や、前回判定時と障害等級の変更がなく、かつ、前回同様の更新期間が経過した時点では障害等級が変更されない蓋然性が高いものと判断される場合は、従前よりも長い更新期間の設定を検討すること。

また、再認定時の審査において、障害の状態が永久固定に該当すると認められるに至った場合は、永久固定と認定して、以後の障害の状態についての再認定は原則として要しないこと。

なお、再認定時に障害等級が変更された場合や、障害等級は維持されたものの、状態の改善傾向が把握された場合は、(3)に基づき、更新期間の判断を行うこと。

4 再認定時の審査に際して、障害認定医が、当該受給権者等についてこれまでに設定されてきた更新期間を考慮しつつ当該審査に係る更新期間を判断できるよう、日本年金機構においては、障害認定医による認定審査に当たって、当該受給権者等に係る新規認定以降の毎回の認定における障害等級及び更新期間を参照できるように必要な資料を準備すること。