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○廃疾を事由とする障害福祉年金の支給停止等の取扱いについて

(昭和四五年六月四日)

(庁保険発第一七号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて社会保険庁年金保険部福祉年金課長通知)

国民年金法の一部を改正する法律(昭和四四年法律第八六号。以下「改正法」という。)の施行に伴い、新たに廃疾を事由とする障害福祉年金の支給停止等の措置が行なわれることとなり、福祉年金支給規則(以下「支給規則」という。)等についても改正がなされたところであるが、これが廃疾を事由とする支給停止等の措置に関する具体的取扱いは次により行なわれることとなつたので、この事務の円滑的確な処理について遺憾のないよういたされたい。

なお、国民年金法(以下「法」という。)第三五条第二号の規定に基づき厚生大臣の定める廃疾の程度(以下「厚生大臣の定める基準」という。)については近く告示される予定である。

1 疾病を事由とする支給停止にかかる取扱い(法第三五条、第五九条及び第五九条の二関係)

(1) 新規裁定の場合の取扱い

法第五九条の二の規定は、すでに障害福祉年金の裁定がなされている者に関する規定であるので、新規裁定の取扱いは、従前と同様であり、これが適用はないものであること。

(2) 定時診断を行なつた場合の取扱い

ア 廃疾の程度が法別表一級に該当しているとき

廃疾の程度が法別表一級に該当していることが明らかとなつた者については、従前の取扱いと同様に取扱うものであること。

イ 廃疾の程度が法別表一級には該当していないが、厚生大臣の定める基準には該当しているとき

廃疾の程度が法別表一級には該当しないが厚生大臣の定める基準には該当していることが明らかとなつた者については、法第五九条の二の規定により支給停止処分を行なうものであること。

ウ 廃疾の程度が厚生大臣の定める基準にも該当しないとき

廃疾の程度が厚生大臣の定める基準にも該当しないことが明らかとなつた者については、従前の取扱いと同様、失権処分を行なうものであること。

(3) (2)以外の場合(届出による場合)で廃疾の程度が法別表一級に該当しなくなつた者にかかる取扱い

ア 廃疾の程度が厚生大臣の定める基準にも該当しなくなつたとき

受給権者は、廃疾の程度が厚生大臣の定める基準にも該当しなくなつたときは、支給規則第一九条の規定により、福祉年金失権届を提出することとされたので、これが届出に基づき失権処分を行なうものであること。

イ 廃疾の程度が厚生大臣の定める基準に該当しているとき

受給権者は、廃疾の程度が法別表一級には該当しなくなつたが、厚生大臣の定める基準には該当しているときは、支給規則第一七条第一項の規定により福祉年金支給停止関係(発生)届を提出することとされたので、これが届出に基づき法第五九条の二の規定により支給停止処分を行なうものであること。

(4) (2)のイ又は(3)のイにより支給停止処分が行なわれた者にかかる取扱い

ア 廃疾の程度が軽快し、厚生大臣の定める基準にも該当しなくなつたとき

前記(3)のアと同様であること。

イ 廃疾の程度が増悪し、法別表一級に該当するようになつたとき

受給権者は、廃疾の程度が法別表一級に該当するようになつたときは、支給規則第一七条第三項の規定により福祉年金支給停止関係(消滅)届を提出することとされたので、これが届出によつて廃疾の程度が法別表一級に該当したことが明らかとなつたときは、支給停止処分を解除すること。

ウ ア又はイによる届出がなく三年を経過したとき

受給権者からア又はイの届出がなく支給停止事由が生じた日から三年を経過したときは、職権をもつて失権処分を行なうものであること。

2 経過措置による受給権の再取得に関する取扱い(改正法附則第五条第二項関係)

(1) 昭和四二年七月二日以前に廃疾を事由として失権した者(昭和四五年七月一日においてすでに失権日から三年を経過している者及び三年を経過する者)についての取扱い

本年七月一日における廃疾(さきに消滅した受給権の支給事由となつていた傷病及びその傷病に起因する疾病によるものに限る。以下この項において同じ。)の程度が法別表一級に該当している者については、障害福祉年金の受給権を再取得させるものであること。したがつて、昭和四五年七月二日以後にはじめてその廃疾の程度が法別表一級に該当するようになつたものについては、障害福祉年金の受給権の再取得はないものである

こと。

(2) 昭和四二年七月三日以後に廃疾を事由として失権した者(昭和四五年七月一日において失権日から三年を経過していない者)についての取扱い

本年七月一日における廃疾の程度が法別表一級に該当している者、又は同日にはその廃疾の程度が法別表一級に該当していなかつたが、本年七月二日以後、失権日から三年を経過するまでの間において、法別表一級に該当するようになつた者(昭和四五年七月一日以後、廃疾の程度が引続いて厚生大臣の定める基準に該当していないものを除く。)については障害福祉年金の受給権を再取得させるものであること。したがつて、この場合における受給権の再取得は、昭和四八年六月二九日をもつて終わるものであること。

3 その他実施上の留意事項

(1) 廃疾を事由とする支給停止にかかる留意事項

ア 廃疾を事由とする支給停止とその他の事由による支給停止とのいずれにも該当する者があるときは、廃疾を事由とする支給停止に該当するものとして事務上の整理を行なうものであること。

これが取扱いを行なつたときは、受給権者台帳にその旨の表示をしておくものであること。

イ 1の(2)のイ又は(3)のイにより支給停止処分をした者については、その支給停止が行なわれている間、昭和四四年三月一九日庁保発第四号社会保険庁年金保険部長通達による定時診断は実施しなくても差支えないこと。

ウ 1の(2)のイ又は(3)のイにより支給停止処分を行なつたときは、次のことについて、支給停止通知書に附記する等、必ず受給権者に通知しておくこと。

(ア) 廃疾の程度が軽快し、厚生大臣の定める基準にも該当しなくなつたときは、支給規則第一九条の規定により福祉年金失権届を提出しなければならないこと。

(イ) 廃疾の程度が増悪し、法別表一級に該当するようになつたときは、支給規則第一七条第三項の規定により福祉年金支給停止関係(消滅)届(福祉年金診断書及び福祉年金所得状況届添付)を提出しなければならないこと。

(ウ) (イ)の届出がなく支給停止事由が生じた日から三年を経過したときは、受給権は消滅するものであること。

エ 1の(2)のイ又は(3)のイにより支給停止処分を行なつた者については、その支給停止が行なわれている間、支給規則第一八条の規定による福祉年金所得状況届の提出をさせなくても差支えないこと。

オ 廃疾の程度以外の事由によつてすでに支給停止処分が行なわれている場合であつても、受給権者は、廃疾の程度が厚生大臣の定める基準に該当しなくなつたときは、支給規則第一九条の規定により福祉年金失権届を、廃疾の程度が厚生大臣の定める基準には該当するが、法別表一級には該当しなくなつたときは、支給規則第一七条第一項の規定による福祉年金支給停止関係(発生)届をそれぞれ提出することが必要とされているものであること。

(2) 経過措置による受給権の再取得に関する留意事項

ア 2の(1)及び(2)による受給権の裁定は、法第一六条の規定により受給権者の裁定請求に基づき行なうものであること。

なお、これが受給権者からの裁定請求にあたつては、福祉年金診断書及び福祉年金所得状況届を添付させるほか、福祉年金支給規則の一部を改正する省令(昭和四五年厚生省令第二七号)附則第三項の規定による申立書を添付させるものであること。

イ アによる裁定を行なつたときは、受給権者台帳の記号番号を新たに払い出すものであること。