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○戦争公務による公的年金と福祉年金との併給について

(昭和三七年六月一五日)

(年福発第五六号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省年金局福祉年金課長通知)

標記の件に関しては、本年五月二三日年発第三○四号「国民年金法施行令の一部を改正する政令の施行について」をもつて当省年金局長から各都道府県知事あて通達されたところであるが、これが事務処理については左記をご了知のうえ、遺憾のないよう管下市町村を指導されたい。

なお、この通知において次のように略称を用いる。

戦傷病者戦没者遺族等援護法…………………………遺族援護法

旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法…………………………旧令特別措置法

旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律………………………………………………特例法

旧恩給法の特例に関する件(昭和二一年勅令第六八号)……………………………………勅令六八号

国民年金法施行令……………………………………………政令

福祉年金支給規則……………………………………………規則

国民年金法施行令の一部を改正する政令について(昭和三七年五月二三日)年発第三○四号年金局長通達………………………局長通達

1 戦争公務による公的年金の範囲について

(1) 今回政令で定められた戦争公務による公的年金の中には、公務上の事由に基づく障害給付の受給者が、当該傷病以外の事由で死亡した場合(以下「平病死」という。)に支給される遺族給付については含められていないが、これは当該死亡の原因が公務によるものでないことによるものであること。

(2) 船員保険法による年金給付で戦争公務によるものについては、政令では何等の定めがないが、これは船員保険法による年金給付と遺族援護法による年金給付との間には併給の調整が図られており、遺族援護法による年金給付が受けられる限度においてこれが優先して適用されることによるものであること(遺族援護法附則第七項参照)。

(3) 傷病年金に関して政令第五条の二第一項第一号中「法律第一五五号附則第三条」の規定により支給されるものとは、具体的には勅令第六八号によつて支給の停止を受けなかつた一般文官等に係るものであり、同号中「法律第一五五号附則第二二条第一項」の規定により支給されるものとは、勅令第六八号によつて支給の停止を受けた旧軍人、旧準軍人(以下「軍人」という。)及び旧軍属に係るものを指称しているものであること。

2 戦争公務による公的年金であることの立証資料及び確認方法について

(1) 一般的事項

規則において受給権者が、公的年金給付を受ける場合は、支給停止関係届に公的年金証書の写しその他の書類・・・・・・を添えることとされているが、これは戦争公務による公的年金のうち、その証書の写しによつて戦争公務によるものであることが明らかにされない場合に「その他の書類」を添えることを主として予定しているものであること。しかして、公的年金証書の写しによつて当該事実が明らかにされる場合と明らかにされない場合との区別及び明らかにされない場合に添附すべき立証資料として一般的に予想されるもの並びにこれの確認方法については、別添参考資料を参照されたいこと。

(2) 軍人恩給関係について

軍人に係る公務に基づく恩給は、すべて戦争公務によるものとみなされており、陸軍については「り」、海軍については「か」の記号が恩給証書上明らかとなつているので、恩給証書の写しのみによつて裁定事務が可能であること。

(3) 文官等の恩給関係について

文官等に係る恩給のうち旧恩給法施行令第二三条第一号に該当するものについては、現在では準戦斗公務と普通公務との区別がないので、恩給証書の写しのみによつては準戦斗公務によるものであるか否かは判別できない。しかし、遺族援護法による戦斗参加者に該当するものとして同法による弔慰金が支給されている場合には、当該裁定に関する資料により、また、弔慰金が支給されない場合(例えば、勅令六八号による恩給の停止を受けなかつた旧陸海軍部内の文官に係る公務扶助料受給者の場合)にあつては、当該死亡者の死亡事項を記載した戸籍又は除かれた戸籍により、おおむね、判別が可能であること。

なお、戦争公務によるものであるか否かを判別し難い場合には、当局において恩給局に照会するから協議されたいこと。

(4) 遺族援護法関係の年金について

特例法第二条第三項に規定する遺族年金については、年金証書の記号及び年金額が障害年金受給者の平病死による遺族年金と同じであるが、これについては弔慰金の裁定に関する資料により判別されたいこと。

(5) 旧令特別措置法関係の年金について

旧令特別措置法に基づき国家公務員共済組合連合会が支給する旧陸海軍共済組合関係の障害年金及び殉職年金については、局長通達においてその事由が昭和一四年七月一五日(国民徴用令が施行された日)以降に生じたものであるときは、戦争公務によるものと推定して差し支えないことになつているが、これは当該負傷又は疾病及びこれによる死亡が、被徴用者又は総動員業務の協力者であつた期間内において生じたものであることの立証が現状においては困難であること及び当時の軍管理工場の工員等は、その大部分がいわゆる自家徴用(旧海軍関係にあつては、現員徴用)を受けていたこと等の事情を勘案し、かように定められたものであること。

なお、殉職年金の受給者については、死亡者の死亡事項を記載した戸籍又は除かれた戸籍により支給事由の発生した日を把握することができるのであるが、障害年金の受給者であつて、これらの立証ができないものにあつては、当局において国家公務員共済組合連合会旧令共済部に照会するから協議されたいこと。

(6) 配属雇傭人関係の年金について

局長通達前記二の(5)の年金受給者の名簿は、別添のとおりであること。

なお、配属雇傭人の死亡が遺族援護法第二条第三項第二号に規定する戦斗参加によるものである場合においては、遺族援護法による弔慰金の支給事由になつているので、参考とされたいこと。

3 戦争公務によるものであるか否かを厚生省に協議する場合の要領について

文官等の恩給及び旧令特別措置法による年金のうち、都道府県において戦争公務によるものであるか否かの判別ができない場合に厚生省に協議するときは、次の書類を添えられたいこと。

(1) 当該年金給付が戦争公務によるものであることの年金受給者の申立書

(2) 公的年金証書の写し

(3) 遺族給付にあつては、当該死亡者の氏名、生年月日、年金受給者との続柄を記載した書類

なお、これらの添附資料は、当局においてその事実を確認したうえ、都道府県に返戻するものであること。

4 その他

恩給のベースアップについては、別添参考資料を参照されたいこと。

別添 略