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○障害福祉年金における偽病の取扱について
(昭和三五年五月二三日)
(年福発第一八一号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省年金局福祉年金課長通知)
障害福祉年金の裁定請求に当り、医師に偽病を申し立てて福祉年金診断書(以下「診断書」という。)に不実の記載をなさしめたものを提出しているような事例がみられるので、左記について御留意のうえ、偽病に基づいて障害の程度を認定することがないように致されたい。
記
1 次に掲げるような場合には、一応偽病の疑いがあるものとして取り扱うこと。
(1) 初度請求時において提出されたところの記載事項が完備された診断書によりその障害の程度が国民年金法別表一級(以下「一級」という。)に該当しないことが明らかであるため、障害福祉年金の裁定請求が却下された後、更めて異なる診断書の作成を受けて再提出して、後者の診断書の記載内容上からは一級該当となるが、その記載内容が初度裁定時における診断書の記載内容と著しく異なる場合(別紙参考例その1)
(2) 初度請求時の診断書により、一級該当と認定された場合であつても、数多くの投書、電話、近隣の風評又は診断書を作成した医師の意見等により、一級該当が疑われる情報がもたらされた場合又は都道府県担当職員の訪問面接によつて明らかに一級非該当と認められる事実が把握された場合(別紙参考例その2からその4まで)
2 前記1に該当する者について、予想どおり偽病であるため、障害福祉年金の裁定請求を却下し、又は裁定を取り消す場合には、後日無用の紛争を避けるうえから、次の措置をとつて、その障害の程度が一級非該当であることを確認し、これが資料を整備しておくこと。
(1) 法第一○七条第一項の規定によつて診断書を提出させ、又は都道府県職員に受給権調査をさせること。
(2) 法第一○七条第二項の規定によつて医師を指定し、又は厚生省医員をして診断を受けさせること。
(3) 一級に該当する者では、当該不可能である日常生活上の行動がなされていると認められる写真又は録音等の物的証拠を収集すること。
3 障害福祉年金の受給権者の偽病が確認されたときには、本年三月二一日年発第八○号各都道府県知事あて当省年金局長通達「違法又は不当な裁定、支給停止その他年金給付に関する処分の取消について」左記1、5本文及び6から8までの措置をとるとともに、本年四月二二日年福発第一三六号各都道府県民生主管部(局)長あて小職通知「国民年金法第二三条に規定する不正受給の具体例について」左記3等に該当するものとして、本年三月二五日年庶発第四九号各都道府県国民年金課長あて当局庶務課長通知「福祉年金の過誤払等による返納金債権の取扱について」による不正受給にかかる返納金として徴収するものであること。