添付一覧
○福祉年金診断書の取扱について
(昭和三四年八月一九日)
(年福発第二七号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省年金局福祉年金課長通知)
標記については、本日、別紙のとおり、年金局長より年発第一三四号をもつて各都道府県知事あて通達されたところであるが、これについてはなお左記の点につき御了知ありたく、通知する。
記
1 通達の趣旨について
障害福祉年金の受給権者が裁定請求書に添附すべき福祉年金診断書は、通常の場合、当該受給権者の障害の程度及び状態の診断について相当の技術及び設備を有する専門医が作成交付したものであれば差し支えなく、身体障害者福祉法の身体障害者手帳交付申請の際に申請書に添附すべき診断書についてとられているような医師の指定制は考慮していないのであるが、この診断書の作成交付を受けるに必要な診断書料の額は、その統一的な基準が定められていないため、交付を受ける医師によつて相違があるのみならず複雑な検査を要する場合等においては相当多額の費用を必要とする場合があり、かたがた日本医師会においては、これについて初診料は二○○円、文書料は五○○円、検査料は健康保険の診療報酬に準ずるものと決定通知している。しかしながら障害福祉年金の受給権者のうちには資力の乏しい者が相当数あるものと思われ、これらの者に診断書の交付を受けるために多額の費用を負担させることは、制度の趣旨にてらして甚だ好ましくないので、今回通達されたような取扱が認められたものであるから、この趣旨を十分御了知のうえ、すみやかに受給権者に対してこれが周知徹底を図ることが必要であること。
2 診断書の添附の省略について
身体障害者福祉法による身体障害者手帳の交付を受けた者は、手帳交付の申請の際に、福祉年金診断書にかわるべき身体障害者診断書を都道府県知事に提出しているので、この診断書に基いて障害認定を行うこととされたのであるが、手帳の交付を受けた者であつてもその交付が約三年以前のものの診断書については、その様式及び記載事項等につき十分整備されていないものがあると思われるので、障害の状態が一目瞭然である両上肢のすべての指を欠く者又は両下肢を欠く者に限り、省略させることとされたこと。
3 診断書の追加提出の省略について
身体障害者手帳の交付を受けていることにより福祉年金診断書の添附を省略した者について、通達左記1の(3)により原則として診断書を追加提出させるべき場合であつても、当該受給権者の障害の認定が極めて困難であつて、これについて相当の検査を必要とし、診断書の交付を受けるのに多額の費用を要する等の事情のため、診断書を追加提出させることが不適当と認められるときは、通達左記1の(4)により、診断書を追加提出させることなく、直ちに、都道府県知事の指定する医師又は都道府県の職員たる医師に診断させて差し支えないものであること。
4 診断書の記載の省略について
(1) 福祉年金診断書は、障害福祉年金の裁定の請求をしようとする者の障害の認定に必要な事項についてのみ記載すれば足りるものであつて、たとえば両上肢又は両下肢を欠く者については、診断書(肢体不自由用)の(13)切離断欄に所定事項を記載すれば足りるものであつて、(14)麻痺欄等には記載することを要しないものであること。
(2) 昭和三四年一一月一日において障害の状態にある者及び二○歳に達する前に障害の状態に至つた者については、診断書(視覚聴覚障害用及び肢体不自由用)の(10)傷病の初診日、(11)傷病発生年月日及び(12)傷病がなおつた日又はその症状が固定して治療の効果が期待できない状態になつた日の欄は、必ずしも記載する必要がないものであること。