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○国民年金法等の一部を改正する法律の施行に係る国民年金関係の事前準備事務等の取扱いについて

(昭和六〇年一〇月一二日)

(庁保険発第三三号)

(各都道府県民生主管部(局)国民年金主管課(部)長あて社会保険庁年金保険部国民年金課長・社会保険庁年金保険部業務第一課長通知)

国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六〇年法律第三四号。以下「改正法」という。)の施行に係る国民年金関係の事前準備事務の実施については、昭和六〇年一〇月一二日庁保発第三〇号「国民年金法等の一部を改正する法律の施行に係る国民年金関係の事前準備事務の実施について」都道府県知事あて社会保険庁年金保険部長通知(以下「部長通知」という。)により通知されたところであるが、当該事務の取扱いについては、次によることとしたので、遺憾なきよう取り計らわれたい。

なお、この通知において、改正法による改正後の国民年金法を「新国民年金法」と、改正法による改正後の厚生年金保険法を「新厚生年金保険法」とそれぞれ略称する。

第一 任意加入被保険者の種別確認に関する事務

任意加入被保険者(現行国民年金の任意加入被保険者をいう。以下同じ。)の種別確認に関する社会保険事務所及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)の事務については、「国民年金任意加入被保険者種別確認業務社会保険事務所取扱要領」(別添一)及び「国民年金任意加入被保険者種別確認業務市町村取扱要領」(別添二)に定めるところによるほか、次の事項に留意の上、管下社会保険事務所及び市町村を指導されたいこと。

一 任意加入被保険者種別確認の対象者

(一) 任意加入被保険者の配偶者が共済組合の組合員(短期給付のみが適用される組合員を除く。)であるときは、その取扱いを規定した国家公務員等共済組合法等の改正案(以下「共済法改正案」という。)が現在国会で継続審査となつていることから、今回の届出の対象から除外したところであるが、これと同様の事情から任意加入被保険者の配偶者が厚生年金保険の第四種被保険者又は船員保険の年金任意継続被保険者であるときについても同様の取扱いとしたので、被保険者の指導に当たつては、この点に留意すること。

(二) 任意加入被保険者の配偶者が厚生年金保険の被保険者であつて、大正一〇年四月一日以前に生まれたものであるときは、その者は新厚生年金保険法の規定により昭和六一年四月一日(以下「施行日」という。)をもつて資格喪失することとされていることから、当該任意加入被保険者からの今回の届出は不要であること。

(三) 任意加入被保険者が農業者年金基金法の規定に基づく農業者年金の被保険者であるときは、農業者年金基金法の一部を改正する法律(昭和六〇年法律第八一号)による改正後の農業者年金基金法においてその被保険者となるのは新国民年金法の第一号被保険者に限られていることから、当該任意加入被保険者からの今回の届出は不要であること。

なお、農業委員会において農業者年金の被保険者に対する指導を行うため、市町村に対して第三号被保険者種別確認届書作成者一覧表の閲覧の求めがあつたときは、これに積極的に応ずるとともに、農業委員会との連携を図ることにより、農業者年金の被保険者から第三号被保険者該当として届出がなされた場合等に適切な被保険者指導が行われるよう市町村を指導すること。

二 実施方法

(一) 任意加入被保険者の配偶者が厚生年金保険の被保険者ではあるが、全国土木建築国民健康保険組合の組合員である等健康保険の適用を受けていない場合の生計維持関係についての事業主確認は、所得税法上の控除対象配偶者である場合に行うこと。

(二) 任意加入被保険者(国民年金原簿において強制加入被保険者として記録されている者を含む。)が現況届書の用紙の送付を受けなかつたとき又は当該用紙を紛失したときは、別紙一の市町村備付けの用紙により届出を行わせること。この届出に当たつては、当該任意加入被保険者の国民年金手帳の添付を要するものであること。

また、この市町村備付けの用紙は、当庁において作成の上送付すること。

なお、被保険者が国民年金原簿の記録上強制加入被保険者として取り扱われているときは、「強制加入」から「任意加入」への現行の届出を行わせること。

(三) 現行国民年金に任意加入していない者については、施行日以降第三号被保険者に係る届出を行わせること。この場合において、当該届出についてかかる者から直接市町村窓口に出向いての照会等があつたときは、別紙二の市町村備付けの届出用紙を交付し、これにより施行日以降届出を行う旨申し添える等適切な指導が行われるよう市町村を指導すること。

また、この市町村備付けの用紙は、当庁において作成の上送付すること。

なお、共済組合の組合員(短期給付のみが適用される組合員を除く。)の配偶者であつて、現行国民年金に任意加入していないものについては、上によらず、その取扱いについてはおつて通知すること。

(四) 任意加入被保険者からの届書の受理に際しては、届出後において届出事項の変更が生じたときはその旨を必ず市町村に届け出る必要がある旨当該任意加入被保険者に周知徹底を図るよう市町村を指導すること。

(五) 今回の事前準備事務においては、国民年金手帳への被保険者種別等の記載を行わないこととしたこと。なお、これに代わる措置を昭和六一年度以降において講ずるよう別途検討中であること。

(六) 今回の事前準備事務の届出対象者が期間内に届出を行わないことも考えられるが、これについては、第三号被保険者に係る届出の重要性及び保険料の過誤納防止等の観点を踏まえ、届出の励行等注意を喚起する文面を保険料納付案内書に印刷するとともに、市町村広報誌の活用を図る等必要な措置を講ずるよう市町村を指導すること。

第二 既裁定障害年金等の年金額改定に関する事務

既裁定障害年金等の年金額改定に関する事務については、「既裁定障害年金等の年金額改定に関する事務処理要領」(別添三)に定めるところによるほか、次の事項に留意の上、管下社会保険事務所及び市町村を指導されたいこと。

一 加算対象者現況届の用紙の交付

現行の障害年金の受給権者に対する「加算対象者現況届」の用紙及びパンフレットの交付は、昭和六〇年一二月支払期の年金の支払を行うときに、受給権者に直接手渡すか又は国庫金送金通知書等に併せて送付することにより行うこと。

なお、昭和六〇年一二月支払期の年金の支給が停止されている場合においては、昭和六〇年一二月中に当該受給権者あて送付すること。

二 年金額の決定等

昭和六一年四月以降の年金額については、昭和六〇年一二月までの物価上昇率によつて改定されるが、これについては決定次第通知すること。

また、障害年金の額の加算の対象となる子に係る生計維持要件の判断基準についても、おつて通知すること。

三 その他

(一) 受給権者台帳の整理及び年金額改定通知書等の作成については、従前の年金額改定に関する事務に準じて処理すること。

また、この年金額改定通知書等の用紙は、当庁において作成の上送付すること。

なお、加算の対象となる子についての受給権者台帳への記入は、当該受給権者台帳の摘要欄等を活用して処理すること。

(二) 一の手続きの終了後に裁定する年金に関する年金額の改定に係る事務の取扱いについては、受給権者に対する年金証書の交付に併せて加算対象者の現況届書の用紙を送付することによりこれを行うこと。

第三 障害福祉年金等の障害基礎年金等への移行に関する事務

障害福祉年金、母子福祉年金及び準母子福祉年金の障害基礎年金又は遺族基礎年金への移行に関する都道府県及び市町村の事務については「障害福祉年金等の障害基礎年金等への移行に関する事務処理要領」(別添四)に定めるほか、次の事項に留意の上、管下市町村を指導されたいこと。

一 加算対象者現況届及び払渡方法・払渡機関届の用紙の交付

現行の障害福祉年金の受給権者に対する「加算対象者現況届」及び「払渡方法・払渡機関届」の用紙並びにパンフレットの交付並びに現行の母子福祉年金及び準母子福祉年金の受給権者に対する「払渡方法・払渡機関届」の用紙及びパンフレットの交付は、本年度の福祉年金の定時決定後の年金証書の返付を行うときに併せて行うこと。

なお、年金の額の全部について支給停止となつているため年金証書の返付が行われない場合においては、昭和六〇年一〇月中に当該受給権者あて送付すること。

二 年金額の決定等

昭和六一年四月以降の年金額については、昭和六〇年一二月までの物価上昇率によつて決定されるが、これについては決定次第通知すること。

また、障害基礎年金の額の加算の対象となる子に係る生計維持要件の判断基準についても、おつて通知すること。

三 年金の支払

(一) 福祉年金から移行する基礎年金の支払方法については、従来の郵便局での支払に加え、現行の障害年金等の支払と同様、銀行、相互銀行、信用金庫、農業協同組合、信用組合、労働金庫等でも受けることができるようになり、また、郵便局での支払については、現金払のほか郵便貯金へ預入する方法により支払うこともできるようになる予定であるが、これらの取扱いも含め、今後の基礎年金の支払方法については、現在行つている関係行政機関との検討の結果がまとまり次第、通知すること。

(二) 今回の「払渡方法・払渡機関届」については、銀行等での支払を希望する受給権者のみに限定して届出を行わせることとしたが、これは(一)を踏まえた当面の措置であつて、福祉年金の支払を受けていた従来の郵便局での支払を希望する受給権者からは、基礎年金の支払機関に係る届出を要しないこととするための措置であること。

(三) 精神障害者に対する年金の支払については、従来は精神衛生法第二〇条に規定する保護義務者を指定受取人として取り扱つているところであるが、今後の障害基礎年金の支払に当たつての銀行等の口座設定に際しては、受給権者本人名義のものとすること。また、受給権者が、基礎年金を銀行等の窓口において受け取ることを希望した場合においても受給権者本人名で支払うものとすること。

四 その他

(一) 現行の障害福祉年金の受給権を有している者(現行の国民年金法別表該当者)については、施行日において、新国民年金法の障害等級に該当する程度の障害の状態にある者とみなすものであること。

(二) 障害を事由とする老齢福祉年金の受給権者については、次により取り扱うものとする。

ア 障害を事由とする老齢福祉年金の受給権者のうち、昭和四九年三月一日庁保険発第三号「障害福祉年金の支給範囲の拡大に伴う事務処理について」都道府県民生主管部(局)長あて社会保険庁年金保険部国民年金課長通知中「四 障害を事由とする老齢福祉年金受給権者の取扱いについて」により障害福祉年金の受給を選択せず、老齢福祉年金を受給している者について、当該老齢福祉年金の支給事由となつた障害の状態が施行日に現行国民年金法の障害等級に該当している場合には、当該受給権者は障害基礎年金の受給権を得ることができること。

イ アの老齢福祉年金の受給権者に対しては、障害福祉年金に係る裁定請求及び選択申出を行うよう個別に勧奨すること。

また、この勧奨を行うに当たつては、裁定請求書に添付すべき診断書に老齢福祉年金の支給事由となつた傷病名を記載の上、受給権者に交付するとともに、障害の状態につき「永久認定」とされている受給権者にあつては福祉年金診断書の添付を要しない旨周知を図ること。

(三) 障害福祉年金の受給権者で再認定を要する者(有期認定の者であつて指定期限が施行日の前日までに到来するもの)であつて昭和六〇年度においても配偶者・扶養義務者の所得により全額支給停止となるものについては、次により障害の程度を確認するための事務を行う必要があること。

ア 福祉年金診断書の傷病名欄に受給権者台帳に記載されている傷病を記入した上で、これを当該受給権者に送付すること。

イ この診断書は、一定期間経過後に提出させ、障害の程度を確認すること。この場合において受給権者から提出のあつた当該診断書の障害の程度が現行の国民年金法別表に該当していないときは、診断書作成日をもつて国民年金法別表非該当として処理を行うこと。

なお、本人所得制限、公的年金受給及び他年金選択等により、障害福祉年金の額の全部について支給停止となつている者については、これらの事情が継続する間は障害の程度を確認する必要はないものとして取り扱うこと。

(四) 一の手続きの終了後に裁定する年金に関する障害基礎年金等への移行に係る事務の取扱いについては、受給権者に対する年金証書の交付に併せて加算対象者現況届及び払渡方法・払渡機関届の用紙を交付することにより、これを行うこと。

(五) 移行に使用する帳票

移行事務に使用するための帳票は、次のとおりとし、これらの帳票については、当庁において作成の上本年一一月中旬までに送付する予定であること。

ア 国民年金障害基礎年金受給権者台帳  (別紙三)

イ 国民年金遺族基礎年金受給権者台帳  (別紙四)

ウ 国民年金証書記号番号払出簿     (別紙五)

エ 国民年金裁定処理結果登録処理票   (別紙六)

オ 国民年金裁定通知書         (別紙七)

カ 国民年金証書(障害基礎年金)    (別紙八)

キ 国民年金証書(遺族基礎年金)    (別紙九)

第四 市町村事務取扱交付金の措置

法改正に伴う市町村の法改正準備事務に要する経費については、年度末の精算交付時に次のとおり措置する予定であること。

一 任意加入被保険者の種別確認事務に要する経費については、昭和六〇年八月三一日現在の任意加入被保険者の数により、被保険者一人当たり五〇円を目途に措置すること。

二 法改正に伴う市町村の電子計算組織のシステム変更に要する経費については、標準的なシステム変更に要する経費を基準として措置すること。

三 障害福祉年金等の障害基礎年金等への移行に伴う事務に要する経費については、昭和六〇年一二月三一日現在の当該受給権者(老齢福祉年金受給権者を除く。)の数により、受給権者一人当たり二〇円を目途に措置すること。

別紙〔略〕