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○国民年金法等の一部を改正する法律の施行について

(昭和四六年四月二日

(年発第七八七号)

(各都道府県知事あて厚生省年金局長通知)

国民年金法等の一部を改正する法律は、昭和四六年三月三○日法律第一三号をもつて公布された。

国民年金制度は、逐年、その改善を図つてきたところであるが、近時における社会的、経済的諸事情は、老齢者、心身障害者、母子家庭等に対する福祉施策充実の必要性を一段とたかめている。今回の改正は、これらの者に対する福祉施策を積極的に推進するため、特に福祉年金について大幅な改善充実を図つたものである。その概要は次のとおりであるので、その周知徹底を図るとともに、この法律の実施にあたつては遺憾のないよう取り扱われたい。

第一 改正の趣旨

福祉年金受給者の福祉の向上を図るため、福祉年金の額を引き上げるとともに、福祉年金と戦争公務による扶助料等との併給制度を緩和し、障害者に対する老齢福祉年金の支給開始年齢を引き下げる等の改善を行なつたこと。

第二 改正の要点

1 福祉年金額の引上げ

近時における物価の上昇、消費水準等の伸び等を勘案して、老齢福祉年金の額を二万四、○○○円(月額二、○○○円)から二万七、六○○円(月額二、三○○円)に、障害福祉年金の額を三万七、二○○円(月額三、一○○円)から四万八○○円(三、四○○円)に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額を三万一、二○○円(月額二、六○○円)から三万四、八○○円(月額二、九○○円)に、それぞれ三、六○○円(月額三○○円)引き上げたこと。

2 戦争公務による扶助料等との併給制度の緩和

戦争公務による扶助料等は、その給付が戦争公務という特殊事情により支給されるものであることから、当該扶助料等を受給している政令で定める者については、福祉年金を全額併給することとしたこと。

なお、政令で定める者には、准士官以下の旧軍人及びこれに相当する旧軍属に係る扶助料等を受給している者を定める予定であること。

3 障害者に対する老齢福祉年金の支給開始年齢の引下げ

身体などに障害があるため日常生活に著しい制度を受けている老人に対して、福祉施策の充実強化を図るため、国民年金法別表に該当する障害者について、老齢福祉年金の支給開始年齢を拠出年金と同様の六五歳に引き下げることとしたこと。

なお、国民年金法別表一級に該当する七○歳未満の者は、すでに障害福祉年金の受給権者となつているので、この改善措置により、新たに老齢福祉年金の受給者となるのは、国民年金法別表二級に該当する者であること。

4 その他

(1) 失踪宣告による死亡の場合の母子年金等の支給要件である生計維持関係、保険料納付要件等については、行方不明となつた日の状態によることとし、支給要件の緩和を図つたこと。

(2) 明治四四年四月一日以前に生まれた高齢者(昭和三六年四月一日において五○歳をこえる者)については、通算老齢年金の受給資格の対象となる通算対象期間に、昭和三六年四月一日前の通算対象期間をも含めることとして、その支給要件の緩和を図つたこと。

第三 施行期日

改正法は、昭和四六年一一月一日から施行されること。ただし、第二の2は、昭和四六年一○月一日から施行されること。